旧制第一高等学校寮歌解説

一高卒業40年記念歌
ああわれら

昭和38年6月 

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1、ああわれら憧れつきぬ向陵に
  つどいて三年(みとせ)紅の(ほほ)かがやかし 語りあかしぬ
  あの師あの友 いまやいづこ
  あの師あの友 いまやいづこ

2、ああわれら 黎明(あかつき)告ぐる向陵に
  仰ぎし空は黄金色(こがねいろ)に 望み(はて)なく樂しかりし
  あの日あの月 いまは遠し
  あの日あの月 いまは遠し

3、ああわれら 黄昏(たそがれ)そめし向陵に
  肩組(かたく)み合いて高らかに 盃擧げて歌いつづけし
  あの聲あの(ふし) いまもきこゆる
  あの聲あの節 いまもきこゆる

4、ああわれら幾星霜(いくとせ)()て向陵に
  光あせたりさはれ友よ いざや(きた)りて酒酌(ささく)み交はさん
  師の君よわが友よ (すこ)やかに
  ()く年來る年 永劫(とこしえ)
譜に変更はない。伴奏の譜は省略したが、MIDIは伴奏付とした。左右とも同じ演奏である。

寮歌集に掲載されている一高の卒業記念歌は、この歌と、前の「日日(かか)なべて」の二曲のみである。

語句の説明・解釈          
語句 箇所 説明・解釈
向陵 全番歌詞 一高のこと。一高は明治22年、一ツ橋から本郷区向ヶ岡弥生町に移転した。向陵は向ヶ岡の漢風の名。昭和10年駒場に移転した後も、一高およびその所在地は向陵と呼ばれた。
さはれ 4番歌詞 (サハアレの約)そうではあるが。
            

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