旧制第一高等学校寮歌解説

嘯雲寮寄贈歌

大正14年 

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1、芙蓉の峯に雪映えて  我高原に冬來る
  地は蕭々と(そら)廣く    清暉の流れこゝに滿つ

2、黑影天のかなたより   荒神のごと舞ひ下る
  飈風巻きて雪花散り   スキーの快ぞしのばれる

4、黄塵煙る陋巷に     寒さをかこつ暇あらば
  來れ裾野の別天地    雲にうそぶく我寮に
譜に変更はない。


語句の説明・解釈

嘯雲寮は、山梨県山中湖半にあった一高の寮。この寄贈歌の作詞作曲者千葉四郎の献身的な努力で、中野村から1万5千坪の土地の寄付を受けた。大正14年10月19日、定例総会で「自治寮の延長として之を寮委員に於て完成し経営」することが可決され、大正15年1月10日に寮舎を完成した。嘯雲寮の命名者は杉 敏介校長である。
 一高消滅後、土地と寮は寄贈者の中野村に返還されたが、その後、日本銀行が行員の厚生施設として買い取り、昭和45年に改築、今は昔を偲ぶよすがもないようです。
           
語句 箇所 説明・解釈
芙蓉の峰 1番歌詞 富士山。
蕭々と 1番歌詞 ものさびしく。
清暉 1番歌詞 日や月の清らかな光
飈風 2番歌詞 つむじ風。暴れ風。
陋巷 4番歌詞 狭いまち。一高のある東京。
            

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