佐藤特許事務所  東京都世田谷区


トップ

事務所の概要

特許出願をお考えの方へ 実用新案登録をお考えの方へ 料金表

お問い合せ 話題コーナー

代表者プロフィール

知財関連リンク集



計算過程を復習しよう。
N期モデルでも全く同じであることが分かる。要するに、後ろから(バックワードに)
2元連立方程式の組を順次解いていけば良いわけだ。後ろから方程式の組を順次解いて
いくという方法は、金融モデルに限らずいろいろな分野に現れる。
2項モデルを扱ったが、「2項」は重要である。株と安全証券に対応して、未知数を二つ
導入した。(xとy)「2項」に対応して方程式が二つ導かれるので、うまく解けるので
ある。3項だと、同じように連立方程式を立てても、未知数より方程式の数が多くなって
解けなくなる。
また上例では三組の連立方程式を解いたが、それぞれで、u、dが異なっていても良いこ
分かる。株価の変動をもう少し複雑にできるわけだ。rも時期に応じて変えてもよいが
(r0、r1など)、このままでは株価のような確率変数にはできない。
さて、計算は後ろから行ったが、実際のポートフォリオは勿論前から組み立てていく。
上の計算に基づいて先ず、0期目のポートフォリオを構成する。つぎに、株の上昇・下落
に応じて、やはり上の計算に基づいて1期目のポートフォリオを組み直す。この「組み直
す」という操作が重要である。0期目のポートフォリオをそのまま持っていれば良いわけ
ではない。

6− リスク中立確率とマルチンゲール
株価、オプションを確率過程と考える。N=2として
株価の確率過程をS オプションの確率過程をC とする。両過程を
以下に具体的に示す。
= S
= uS    確率    P
  = dS    確率    1−P
= uuS    確率 P×P
  = udS    確率 P(1−P)
  = duS    確率 P(1−P)
  = ddS    確率(1−P)×(1−P)
= D0
= Du    確率 P
  = Dd    確率 1−P
= Duu    確率 P×P
  = Dud    確率 P(1−P)
  = Ddu    確率 P(1−P)
  = Ddd    確率(1−P)×(1−P)

[3− オプションのゲーム化]で説明したように、単に、C の期待値を計算し、それを現
在の価値に換算してC を求めると、即ち、C = E(C)/r とすると裁定機会が生
じるのであった。