1期目で株が上昇しているケース
1期目の株価 Su
1期目のポートフォリオ Sux+y
2期目ポートフォリオの価格分布
Suux+ry 確率 P*P 株価が上昇した時
Sudx+ry 確率 P*(1−P) 株価が下落した時
コールオプションの2期目の価格分布
|Suu−K|+ 確率 P*P 株価が上昇した時
|Sud−K|+ 確率 P*(1−P) 株価が下落した時
|Suu−K|+ を Duu
とする
|Sud−K|+ を Dud とする。
下のx、yに関する連立方程式を解けば、ポートフォリオとコールオプションの価格を
2期目で同じにできる。(株価が上昇しようと下落しようと)
Suux+ry = Duu
Sudx+ry= Dud
を解くと、
x=(Duu −Dud)/(u−d)/S/u
y=(uDud −dDuu)/(u−d)/r
ポートフォリオの1期目上昇時の価格は(Du とする)
Du =Sux+y=(Duu− Dud)/(u−d)+(uDud−dDuu)/(u−d)/r
1期目で株が下落しているケース
全く同様の議論で、ポートフォリオの1期目下落時の価格は(Dd とする)
Dd =(Ddu− Ddd)/(u−d)+(uDdd−dDdu)/(u−d)/r
但し、
Ddu = |Sdu−K|+
Ddd = |Sdd−K|+
0期目のコールオプションの価格
1期目で、ポートフォリオの価格の確率分布が決定された。これがそのままコールオプシ
ョンの価格分布になる。即ち、
Du 確率 P 株が1期目で上昇してる時
Dd 確率 1−P 株が1期目で下落してる時
1期モデルと同じ状況になったのだから、0期目のポートフォリオを構成し、1期モデル
と同じようして、0期目のコールオプションの価格D0 を決めることができるのである。
ついでに言うと、この1期目の価格は、コールオプションの1期目の売買で用いられる。
「ヨーロッパ型オプションであるから、1期目の売買はできない筈だ。」というのは誤解
である。1期目では行使できないだけであって、時価での売買は自由である。
(先物取り引きをイメージすれば良い。)
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