佐藤特許事務所  東京都渋谷区


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最終更新日 2012/08/12

                              〔よくある質問はこちらもどうぞ〕



<特許出願(特許申請)から登録までの手続フロー図(概略)>




<特許に関するQ&A>

Q1) 自分の発明を特許出願(特許申請)しようと思っています。
私は文章を書くことに自信がありますが、自分で申請の手続きができるでしょうか?

Q2) 出願公開とは何ですか?

Q3) 出願審査請求とは何ですか?

Q4) 拒絶理由通知とは何ですか?

Q5) 特許権は、いつ発生し、いつ消滅するのですか?

Q6) 拒絶査定に不服があっても、出願人(特許申請者)は何の対応もできないのでしょうか?

Q7) 一週間後に、ある博覧会に新製品を出品します。まだ特許出願をしていません。
どうしたらよいでしょうか?


Q8) 同業他社が、自社でも実施している技術と類似の発明について特許出願をしていることを耳にしました。
この出願がどうなっているか知ることができるでしょうか?



Q1) 自分の発明を特許出願(特許申請)しようと思っています。
私は文章を書くことに自信がありますが、自分で申請の手続きができるでしょうか?

A1) 特許出願をしようとする人(出願人)は自分で、出願書類の作成を含む一切の手続きをすることができます。
ただし、これは法律上の話で、実務はたいへん面倒です。
確かに発明の内容を一番理解しているのは発明者ですし、文章が上手なのも好都合ですが、とてもそれで済む話ではありません。せっかくの優れた発明であっても、出願書類の作成の仕方によっては、特許が認められなかったり、特許権を得たとしても、期待どおりのメリットが得られないこともあります。
そのため、費用はかかりますが、特許事務所へ出願依頼をするケースが通常です。
その際、費用には、特許事務所の手数料と特許庁へ支払う手数料(法定の特許印紙代)とがあります。特許事務所の手数料は、事務所によって異なりますので、最初からざっくばらんにご相談なさるべきです。
しかし、どうしても自分で手続きがしたい、ということなら、工業所有権情報・研修館(INPIT)により、2009年4月1日から 「産業財産権相談サイト」が開設されていますので、閲覧なさることをお奨めします。

なお、出願人(特許申請者)になれるのは、その発明について「特許を受ける権利」をもっている人だけです。この特許を受ける権利は、発明者が発明の完成と同時に取得するとともに、発明者から譲渡された人(法人も含む)も取得できます。つまり、必ずしも「発明者=申請者」ではありません。発明者であっても、他人にその権利を譲ったら、自分ではもう特許出願はできませんのでご注意ください。


Q2) 出願公開とは何ですか?
A2) 特許庁によって特許公開公報が発行されることにより、特許出願の内容が公開されることです。原則として出願から1年6ヶ月後に公開されますが、出願人本人が請求(特許印紙代不要)すれば、それ以前に公開されます。

 公開公報は、特許電子図書館にて、誰でも閲覧することができます。公開公報は、先行特許文献となりますので、他人による同一の発明の権利化を防ぐことができます。

出願人以外の他人にとって、出願公開は次のような意義があります。
  まず、重複した技術を開発したり、特許出願をしたり、といった無駄を省くことができます。また、自分の実施している技術が、他人によって特許出願されている場合は、適切な対応を検討できます。適切な対応とは、その出願が登録になる可能性が高い場合は、設計変更やライセンス供与、あるいはその出願を譲り受ける等が考えられ、登録になる可能性が低い場合は、情報提供(誰でも、匿名でできます)によって権利化を阻止する等が考えられます。



Q3) 出願審査請求とは何ですか?
A3) 特許庁に実体審査をしてくれるように請求することです。

出願審査請求は特許出願とは別個の手続きであって、出願から3年以内のいつでも手続きをすることができます。この審査請求が可能な期間内に手続きをしなければ、その出願は取り下げられたものとみなされます。つまり、その発明が登録になることはありません。ただし、当該出願は、出願から1年半経過時、既に出願公開されていますので、他人による同一類似の発明の権利化を阻止することが可能です。
   (例1)2006年5月8日に特許出願をした場合は、出願審査請求期限は2009年5月8日です。
   (例2)2006年5月9日に特許出願をした場合は、2009年5月9日は土曜日なので、次の営業日
       である2009年5月11日が出願審査請求期限となります。


 出願審査請求の手続きを、特許出願の手続きとは別個に設けた理由は、次のとおりです。出願人にとって、特許出願の意義はさまざまであって、他社の権利化を防止することが主目的である場合(防衛出願)、出願後の状況の変化から実施を断念し、権利化の意味がなくなった場合などもあります。出願人にとって、真に必要な出願のみを実体審査の対象とすることで、審査の迅速化を図ることができます。

 出願審査請求の時期ですが、早く権利化を望む出願人は、出願と同時に手続きをすることがあります。しかし、それほど権利化を急いでいないのであれば、出願公開まで、手続きを保留にしたほうが望ましいと思います。特許出願の内容は、原則として出願から1年半は秘匿されます。出願時点では、過去1年半以内の他人による出願を知ることが出来ないので、もはや特許要件を満たしていない発明について特許出願しているかもしれません。自分の出願が公開された時点で、登録の障害となるかもしれない他人の出願は既に公開されていますので、それらに基づき登録になる可能性を検討のうえ、審査請求の手続きをするのが賢明であると思います。

 実体審査は、原則として出願審査請求の順に行われますが、早期審査の制度がありますので、早期の権利化を希望する場合は、この制度の利用を検討するとよいと思います。

 いったん出願審査請求の手続きをすると、請求の取り下げはできません。ただし、特許出願を取り下げる手続きをすれば、実体審査は行われず、登録になることもありません。所定の期間内に特許出願を取り下げると、出願審査請求時に支払った手数料(特許印紙代)の半額が請求により返還されることがあります。

 なお、出願人に限らず、他人も出願審査請求の手続きができます。例えば、自分では公知技術であると思って実施している内容が特許出願されていることに気づいたような場合、この出願が登録を認められるか否か、早く決着がついてほしいものです。このような出願中の発明を実施等している他人が出願審査請求をすることがあります。

  特許印紙代は、出願人本人が請求する場合と他人が請求する場合とでは同額であって、118,000円+4,000円×請求項数です。例えば、請求項が3つのとき130,000円です。
なお、特許事務所に請求手続きを依頼するときは、通常手数料が発生しますが、事務所によって金額が異なります。




Q4) 拒絶理由通知とは何ですか?
A4) 特許庁審査官が所定の拒絶理由に該当するとの心証を得た場合、その旨の通知をすることです。審査官による拒絶査定は、出願人にとって不利益な行政処分ですので、反論の機会を与えることなく、ただちに拒絶査定はできません。出願人は、拒絶理由通知を受け、意見書を提出することにより、審査官の見解に対し自説を述べ、再審査をしてもらうことができます。ここで、意見書とともに補正書も提出することが多く行われます
  再審査の結果、特許査定あるいは拒絶査定のほか、再度拒絶理由通知が来ることもあります。

  なお、意見書・補正書の提出(中間処理と呼ばれます)の際、特許庁への手数料(特許印紙代)は不要ですが、特許事務所に依頼する場合、手数料が発生することが通常です。この手数料は、意見書とともに補正書も提出するか否か、引用文献の数などによって相違することが多く、一概にはいえません。(弊所の場合は、31,500円〜105、000円です。)




Q5) 特許権は、いつ発生し、いつ消滅するのですか?
A5) 審査官による実体審査の結果、特許査定の謄本が送られてきてから原則30日以内に、1〜3年分の特許料が納付されたときに、特許権の設定登録がなされ、特許権が発生します。

 発生した特許権は、原則として特許出願の日から20年(医薬品などは最長25年)で消滅します。ただし、特許料を納付しなかったり、放棄したり、他人から請求された特許無効審判によって無効審決が確定したり等の場合、この20年間の満了前に消滅することがあります。

 ところで、せっかく特許権を得ても、実施を中止したりして、もはやこの特許権が不要になった場合は、特に、特許庁への手続きをする必要はありません。特許料を納付さえしなければ、特許権は消滅するからです。なお、維持しておきたい特許権の特許料を期日までに納付するのを失念すると、大変です。特許権は消滅し、何人もこの発明を自由に実施できることになるからです。



Q6) 拒絶査定に不服があっても、出願人(特許申請者)は何の対応もできないのでしょうか?
A6) 拒絶査定謄本の送達があった日から3月以内に拒絶査定に対する審判を請求することができます。特許庁審判官3名あるいは5名の合議体によって審理してもらえます。
  この審判請求には、手数料の納付が必要となり、特許印紙代は、49,500円+5,500円×請求項数です。例えば、請求項が3つのとき66,000円です。
請求手続きを特許事務所に依頼するときは、通常手数料が発生しますが、事務所によって金額が異なります。

なお、審判請求と同時に明細書の補正をした場合は、審査官によって再審査をしてもらうことができます。これが、審査前置と呼ばれるものです。ここで、拒絶理由が解消したとみとめられ、特許査定となることがあります。

 審判の結果に不服があれば、知財高裁に出訴(審決取消訴訟)できます。さらに、知財高裁の判決に不服があれば、最高裁に上告することも可能です。
つまり、拒絶査定により、まったく途が閉ざされるわけではありません。



Q7) 一週間後に、ある博覧会に新製品を出品します。まだ特許出願をしていません。
どうしたらよいでしょうか?

A7) 原則として、博覧会に出品後は、特許要件の一つである新規性を喪失してしまいます。
しかし、特許法には、「新規性喪失の例外規定」というものがあります。
   この規定の適用を受けるには、次の三つの手続を行う必要があります。
     (1)発明の公開日から6月以内に特許出願すること。
     (2)特許出願時に、この規定の適用を受けようとする旨を記載した書面を提出すること。
     (3)特許出願の日から30日以内に「証明する書面」を提出すること。
つまり、出品後6ヶ月以内であれば、新規性を喪失しなかったものとして扱われます。
しかし、この場合6ヶ月あるからと悠然とかまえていては危険です。
その6ヶ月間に、他人が同じ発明について出願することがあるので、できるだけ早目に出願をするべきです。

特許事務所に、博覧会開催前の緊急出願をしてくれるように依頼するのもひとつの方法です。
ただし、手数料は割高になるかもしれません。


Q8) 同業他社が、自社でも実施している技術と類似の発明について特許出願をしていることを耳にしました。この出願がどうなっているか知ることができるでしょうか?
A8) その特許出願の出願番号あるいは公開番号がわかっているならば、次のような方法である程度の情報が得られます。

出願経過情報を、次の手順で参照できます。
     審査請求をしているか否か、登録になっている場合に各年分の特許料(年金)を支払っているか否かなどがわかります。
      @特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)にアクセス
      A画面上のメニューから「経過情報」を選択し、プルダウンメニューから「1.番号照会」を選択
      B番号欄に半角で出願番号などの文献番号を入力し、「照会」ボタンをクリック
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【注】、原則として出願から1年半以内は、経過を知ることはできません。出願公開されていませんので、そもそも出願をしているか否かすらわかりません。