5− ポートフォリオによるオプション価格の決定
先ず1期モデルについて考える。
株と安全証券を組み合わせて、1期目で、コールオプションと同じ価格分布になる証券
(ポートフォリオ)を作ることを考える。1期目では、コールオプションの価格分布は
決まっていることに注意(0期目のコールオプションの価格を決めるのが目的である)。
株をx株、安全証券をy円買う。1期目では、このポートフォリオの価格分布は次のようになる。
Sux+ry 確率 P 株価が上昇した時
Sdx+ry 確率 1−P 株価が下落した時
一方、コールオプションの価格分布は次のようになる。
|Su−K|+ 確率 P 株価が上昇した時
|Sd−K|+ 確率 1−P 株価が下落した時
但し、|A|+ は A A>=0の時
0 A<0の時
|Su−K|+ を Du とし、
|Sd−K|+ を Dd とする。
下のx、yに関する連立方程式を解けば、ポートフォリオとコールオプションの価格を
1期目で同じにできる(株価が上昇しようと下落しようと)。
Sux+ry= Du
Sdx+ry= Dd
を解くと、
x=(Du− Dd)/(u−d)/S
y=(uDd −dDu)/(u−d)/r
ポートフォリオの0期の価格
=xS+y=(Du− Dd)/(u−d)+(uDd −dDu)/(u−d)/r
コールオプションの0期の価格は、この価格に一致していなければならない。
何故なら、もし一致していなければ、0期で安い方を買って高い方を売り、
1期目で反対売買をすれば、儲かるからである。(つまり、裁定機会が生じる)
次に2期モデルについて考える。
1期目で株と安全証券を組み合わせて、2期目で、コールオプションと同じ価格分布
になるポートフォリオを作ることを考える。
1期目で、株をx株、安全証券をy円買う。
|