マナグアの市街地を抜けると、やたらと工事している道路を走る。
今、道を広げて舗装して、道路整備中といったところ。
そんな中、タクシーのおじさんが、ニカラグアで唯一(?)出来たばかりの動物園があるからと、
脇道に入り込んで行った。
動物好きとは言え、あんまり動物園へ好んで行こうとは思わないので気が進まないんだけど、
おじさんが自慢げに話すし、ニカラグアで唯一というなら行ってみるか・・・。
狭い道路の突き当たりに動物園入口らしい門がある。おじさんに見送られ、
C$5(40円もしない・・・)を払って門をくぐる。
入ってすぐの屋根つきの小屋へ行ってみる。なんか、ヘビとかトカゲとかの表示があるものの、シートが被さっていて見れない。
それからすぐその先へ向かうと・・・唖然・・・言葉も出ない。
直径2mぐらい、高さ3mぐらいの鳥小屋には、ひしめきあうぐらいたくさんの大型の緑色のインコがいた。
普通このサイズだったら、つがいの2羽がせいぜいだろうに・・・市場で食用に売っている鳥たちと大して変わらない環境じゃ?
だいたいインコやオウムは、ストレスが溜まると、自分で自分の毛をむしったりして自虐行為をするんだけど、
金網にしがみついているほとんどのインコの腹側の毛がむしれてしまってるのは、なんとも痛ましくて・・・。
人の餌食となってしまった鳥たちの目が哀れすぎて、まともに見れない。涙が出てくる。
今すぐここから出して自然の中へ帰してあげたい。
果たしてこの動物園に来た人たちは、この鳥たちを見て「わぁ、インコだ!カワイイ!キレイ!」だなんて思えるのだろうか?
飼育員たちはこれでいいと思ってるのだろうか?
ズンと沈んだ気分のまま、その先へ進む。
鳥かごみたいな直径5m程度の円形の檻にライオンだったか?猛獣が1頭横になっていた。
普通、屋外でも屋内でも檻の裏手に寝床の部屋があったりするんだけど、360度柵に囲まれているってことは、ずっとこの檻の
中だけで過ごしてるの?うつろな目に見えたのは私だけ?
他にどこをどう見ても、セメントで仕切られただけの簡素で狭いスペースに動物が入れられているだけで、
お世辞にも動物がくつろげるような環境ではない。
セメントで次から次へとスペースを作っている途中みたいだったけど・・・どんどん動物の犠牲者が増えていくのだろうか?
動物園って、管理運営にかなりお金がかかるはずなのに、まだまだ国自体が復興できてない状況で満足いく動物園が
できるなんて思えない。復興の兆しの第一歩として、動物園を作ったとなると解せない。まだ、遊園地とかの方が有難い。
世界中の動物愛護団体がこの状況を知ったら、速攻何らかの手を打ってくるだろう。
それはそれはスゴイ行動力で、彼らはハンパじゃない。動物愛護先進国である
イギリス人メンバーの友人がいるけど、血気盛んとゆーか・・・私は一歩引いてしまうほどなんだけど・・・
ちなみにその友人は動物愛護ゆえ、菜食主義と徹底してる。ハンパじゃない。
しかし、ニカラグアに遅れて内戦終結したグアテマラの動物園は、先進国並みの設備だったんだけど?
それぞれの動物に対応した檻だったし、自然の屋外檻は日除け付きだったし、広いし、
公園みたいにキレイに整備されていたし、動物園に来ている人たちも
民族衣装ウィピルで着飾ってキレイだったし(これは関係ない?)・・・どうしてこうも違ってしまったんだろう?
なんか動物たちの牢獄へ迷い込んだような気がして、打ちひしがれて、動物園を後にした。
外で待ってたタクシーのおじさんが、ニコニコしながら「どうだった?写真撮った?」などと聞いてきた。
写真なんて撮れるわけないだろうっ!と言いたかったけど、首を横に振るだけで、ぐぐっと我慢。
まだまだ動物愛護に対しても途上国だと思えば、これからいろいろと学んでいってくれるだろう。
車に乗り込んですぐ、車の脇にボタッと空から何かが落ちてきた。
タクシーのおじさんが、ちょっと待ってと車を降り、その落下物を拾ってきた。「え?マンゴー?」
落ちたはずみでちょっと土が付いてて汚かったけど、おじさんがタオルでパパッと拭いて私に渡した。
昨日買ったマンゴーがおいしくなかったと話してたのもあって、「これはおいしいよ」とニッコリ。
なんていいおじさんだぁ!
確かに熟して落ちてきたばかりのマンゴーゆえ、日本ではそう食べれる代物ではない。
マンゴーの木があちこちに生えているなんて羨ましい限り。

ちょっと気分を取り直して、次に向かった先は、1979年に2番目に国立公園となった広さ54kuある
マサヤ火山国立公園(Parque Nacional Volcan Masaya)。
全長20kmを超す道路や小道があり、5つのクレーターを持つ2つの火山と4つの丘とマサヤ湖を散策することができる。
もちろん、ガイドツアーでしか行けないところもあるんだけど。
ちなみにマサヤ火山は、原住民から"Popogatepe(ポポガテペ)"と呼ばれていたそう。「火を噴く山」の意味だそう。
メインゲートでCS$60(約450円)を支払う。ちなみにこれは国外観光客料金。
タクシーのおじさんは案内役でタダ。チケット半券は持っておかないと、公園内でチェックがあったりするそう。
9時から5時まで入園可。
公園内での注意事項や案内が書かれたパンフレットを渡される。
公園内は「最高速度40km/h」、「安全のためトレイルは一人で歩くな」、「滞在するな」、
「動植物など公園内のものは持ち出すな」、「タバコなど火を使うな」、「アルコール飲むな」、「キレイにしろ」。
この辺はまぁ当たり前と言っては当たり前なんだけど、「武器使うな」・・・って初めて目にしたなぁ。
メインゲートから1.4kmのところに、ビジターセンターがあり、火山の歴史、花や動物群について展示とかしているそう。
そこからまた4km上ったところに、火口展望所である
オビエド広場(Plaza de Oviedo)があり、ここまで車で来ることができる。(右上写真)
今アップして気づいてしまったんだけど・・・ここで、私がマサヤ火山(Volcan Masaya)
と思って見ていたのは、
もう一つのニンディリ火山(Volcan Nindiri)の方だったようで・・・。
え?あれ?もう一つ火山ってあったっけ??
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オビエド広場から見えるニンディリ火山のクレーターのひとつ。火口湖のように見えるけど?
最後に噴火したのは1670年だそうで、地震は多いけど、活発な活動は治まったまま? |
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同じくニンディリ火山の噴煙をあげているクレーターのひとつ。
1852年に新しくできたクレーター、サンティアゴ(Santiago)だと思うけど? |
オビエド広場から続くボバディージャの十字架(Cruz de Bobadilla)。
上まで登ろうとしたら、歩道が壊れて閉鎖されていて登れなかった。 |
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オビエド広場から上に続く道を登っている途中からの景色。
ボバディージャの十字架とオビエド広場。 |
マナグア方面の景色。遠くにマナグア湖が見える。手前の赤い家はビジターセンター。 |
左写真と違う場所からだけど、ズームをかけると、マナグア湖の向こうにモモトンボ火山が見える。 |
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小道の頂上あたりからの景色をデジカメで4枚続けて撮っていたので、
つなげてパノラマにしてみた。つなぎ目がわからないでしょ?さすがフォトショップ!
左から噴煙をあげるニンディリ火山、中央がボバディージャの十字架、そのすぐ横奥に見えるのが4つある丘のひとつ、
そのずーっと向こうにうっすら富士山のように見えるのがモモトンボ火山、そこから続く右奥がマナグア湖。
左から登ってきて、ここでまた引き返したんだけど、このまま右へと進むと、どこまで行くんだろう?
たぶん行き止まり? |
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上のパノラマを撮った同じ場所から、反対方向を撮った写真。これも2枚つなげたんだけど・・・。
場所から言って、どうやらマサヤ火山のクレーターらしい・・・活火山だと思ってたので、気づきもしなかった。
まぁ、1772年の最後の噴火から230年以上は経ってるんで、森と化していてもおかしくない?
たまたま撮ってたんでよかった。確か、この森から美しい鳥の鳴き声が響いてきてたので撮ったんだっけ? |
上から景色を眺めていたとき、オビエド広場に大型バスが来て、子供たちが降りているのが見えた。
オビエド広場へ引き返そうと小道を降りていると、小学生ぐらいの子供たちがぞろぞろと登ってきてた。(上写真右)
昨日、マナグアの共和国広場で会った子供たちのイメージが強く残っていたので
(《マナグア街中&食事編》にて)、
学校遠足で来ている子供たちが裕福そうに見えてしまった。まぁ、一般家庭の子供たちなんだろうけど・・・。
制服ではないけど、みんな白いシャツで統一していて清潔な感じ。すれ違いにみんな笑顔で挨拶してくれた。
オビエド広場では、タクシーのおじさんと子供たちを連れてきたバスの運転手が、仲良くベンチでくつろいでいた。
タクシーのおじさんが「どうだった?よかった?」とニコニコしながら聞いてきた。
「景色がよかったよ」と話しながら、車に乗り込み、マサヤ火山国立公園を後にした。
タクシーのおじさんおまかせの観光はまだまだつづく・・・。
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