ナチュラブ・日記パート３

ナチュラブ・日記　　　　Ｐart　３

　　　　　　　　Part １（その1～9）　　はコチラ　　ナチュラブの代表が観た逢坂さんの政治観を書いています
　　　　　　　　Part ２（その10～22）　はコチラ　ナチュラブの代表が観た衆議院選挙を書いています
　　　　　　　　Part ４（その37～　　）　はコチラ　

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ナチュラブ・日記　その３６（平成１７年11月14日号）
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　　　　　　　　　　　　　　　久しぶりの解放感

11月13日に、
私どもの　『連続シンポジウム　北海道の明日シリーズ　徹底討論！第7章「都会に暮らす・地方に生きる」』　が
無事終了しました。
講師の宮口とし廸　（みやぐち　としみち）早稲田大学教育・総合科学学術院教授からは、
「北海道社会への改めての期待―都市と農村それぞれの協働―」　と題したご講演をいただきました。
ご専門の地理学の観点からの示唆に富んだお話は、多くの参加くださった方々には目新しく、
目からうろこですという感想とともに、
北海道に期待をかけてくださった先生から元気をいただいたと感謝の声が、私どもに届いております。

宮口先生は今回、学会をキャンセルされて、私どもナチュラブ・北海道のシポジウムにご出席くださいました。
そして、私どもの運営方針
　（行政はもとより、他のどこからも資金援助を受けず、参加費収入とスタッフのカンパのみで運営）と、
参加費を払ってまでも参加する人がいるのは素晴らしいと、褒めてくださいました。
その上　「第１０章までには、一度自主参加させていただくよう考えたいと思います。」　とおっしゃってくださいまして、
私どもスタッフは感激いたしました。

宮口先生は　「夜は友人知人と美味しいワインを飲むためにある」　という洒脱な方でもありますから、
いつか参加者の皆さまとそういうお時間を共有できれば・・・と、思わず夢を描きました。

上田・札幌市長は、10月末から1週間にわたる中国・瀋陽市等の友好親善のたびを終えられて
一日の休みも無くお疲れを残されたまま、ご出席くださいました。

逢坂・衆議院議員は、国会休会後、
これまた休み無く北海道を中心にご挨拶周りや講演会、研究会の毎日の合間を縫ってのご出席でした。
ニセコ町長から衆議院議員へと肩書きが変わられた逢坂さんは、皆さまの目には、どう映られましたしら？
お変わりになりましたか？

そして、最後になりますが、参加くださった方々に感謝申し上げます。
ご意見やご質問が、宮口先生や上田＆逢坂さんには嬉しい反応であったに違いありません。
皆さま、ありがとうございました。
　（なお、当シンポジウムの様子は、11月14日付の北海道新聞に大きく載りました。）

ところで、私どものシンポと同じ13日に投票＆開票があった恵庭市長選挙で
中島興世さんが、現市長に4,000票の差をつけて、当選されました。
恵庭市民の良識を信じて選挙活動を展開し、その結果、最高の形で報われて、どんなにお喜びでしょう。

でも、中島さんにとって、これからが本番です。
たいそう僭越な言い方になりますが、市長という立場は、
中島さんが得意分野とされている子どもや花つくりなどだけの専門店型では勤まらないと思うのです。
すべてを網羅したデパート型のお店の店長としての舵取りが要求されるのが、
市長という地方自治体の首長職ではないでしょうか。
また、中島さんを支持した人だけの恵庭市長であってはならないでしょう。
中島さんの公約に反対された恵庭市民のためにも公平であらねばなりませんね。

私は、上田札幌市長が誕生されたとき、これまた僭越にも
「これから上田さんは、上田さん支持者だけでなく上田さんを支持しなかった人も含めた札幌市民全員のための札幌市長です。
それをお忘れにならないでください。」と申し上げましたが、
上田市長も、それまでのにこやかな笑顔から真剣な表情にさあっと変わられて
「全くそのとおりですね。ありがとうございます。」とお返事くださいました。
そして、そのお約束通り日々努められていらっしゃいます。

また、逢坂・前ニセコ町長も
「町民の皆さんのためには、どの選択が一番よいのか、考えあぐねて眠られない日が続き、
寿命を縮めるような気がするときがあります。」とおっしゃったことがあります。

中島さんも、上田さんや逢坂さんと同じ、私利私欲無く、首長としてどうしたいという明確な目的を持って市長に立候補された方ですから、目先の利益のみにとらわれることなく、長いスパンでまちつくりを計画され実行されていくでしょう。
他の自治体同様、今でも大きな借金があり今後ますます財政事情が悪化する中では、毎日が試練の連続でしょうが、
持ち前の行動力で乗り切られると思います。
上田さん、逢坂さんはじめ多くの先輩首長さんたちが、惜しみなく協力してくださるでしょう。
でも一番の味方は他でもない、恵庭市民の皆さんですね。
どうぞ、中島興世・恵庭市長を盛り立てて、他の自治体住民が羨むような恵庭市を作り上げてください。
　
ということで、私は久しぶりの解放感のなかにいます。
シンポジウムがひとまず終了し、
恵庭市長選挙では、わずかですが応援させていただいた中島興世さんが当選され、ほっとしております。
それで、すこしばかり、この日記をお休みさせていただきます。
では、再開する日まで、ごきげんよう。

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ナチュラブ・日記　その３５（平成１７年11月12日号）
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　　　　　　　　　　　　　　　恵庭市長選挙

私どもの連続シンポジウム第7章の開催日にあたる11月13日は、恵庭市長選挙投票日でもあります。
この選挙については、11月11日付「徒然日記」に
逢坂さんが詳細かつ思い入れ深く書いていらっしゃいますが、
私も思うところがありますので、逢坂さんが触れていない部分を少し書かせていただきます。
　
今回、恵庭市長選に立候補されている中島興世さん（私どものシンポジウムにも参加くださったことがあります！）は、
恵庭市役所職員時代から独自に恵庭市恵み野地区で、花つくりをコンセプトにまちづくりをされてきた人です。
私費で北海道はもとより国内外の花つくりで有名なまちを尋ね歩き、恵庭に合うスタイルを研究されました。
そして今や恵庭は、花のまちとして、多くの観光客を受け入れるほどになりました。

今回の市長選挙立候補にあたり、逢坂さんも言及されているように、
中島さんはマニフェストとして、いくつかの公約を掲げられました。
が、そもそも中島さんが、やむにやまれぬ気持ちで市長にならなければ、と決意した最大の理由は、
恵庭市の西島松地区に運動自然公園を建設するという現市長の政策に反対だからだそうです。

一言でいえば、その公園建設費自体大きなものですが、それよりも問題なのは、
その公園の近い将来の使用される頻度も定かではなく、
また公園運営にかかる諸費用つまりランニングコストがかなりかかるはずなのに、
全くその試算がなされていないという杜撰さに驚いて、中島さんは公園建設に待ったをかけたわけです。
このまま公園が建設されたら、将来に大きな借金を残すことになるからです。
今でさえ借金がある恵庭市の財政は、他の自治体同様ご他聞に漏れず、
ますます厳しい財政運営を強いられるというのに、
この上、大きな借金をしている場合ではないのではないか、ということです。
しかも、この情報公開の時代に、そういうことが市民に知らされておらず、
市民は何を基準に賛成・反対を決めればよいというのか。
政策と手法、両者に問題があるというわけです。

それで中島さんは、運動公園建設反対の対案として、
いかにも花のまち・恵庭に相応しい政策を提案しています。
それは、公園予定地などを一区画約300坪程度に整理造成して、
花つくりを目的にそこに住む人々を募集する、というものです。
まちも美しくなるし、また人口も増える、という計画です。

また、これまで、中島さんは特に子どもへ暖かい目を注がれ、読書を通じての様々な試みを実践されてきましたが、
幼子への読み聞かせの大切さを広く知らしめた功績は特筆されるべきでしょう。
そして今回のマニフェストには「学校給食の場で、温かい炊き立てのご飯を食べさせたい」という一項があります。
子どもが幸せなまちは、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんたちみんなが幸せなまちです、と、
中島さんは訴えます。

逢坂さんが、ご自分は政党の看板を背負って入るけれど、
政党を抜きにして、個人・逢坂誠二として是非とも中島さんを応援しなければならないとの気持ちで恵庭を訪れたように、
私も、ナチュラブ・北海道の代表としてではなく上野伸子個人として、
多少の応援として、各戸にチラシを配布したり、ちょっとマイクを握ったり、わずかなお手伝いをさせていただきましたが、
その度に、まちの静かできれいな佇まいに、ほっといたしました。
静かな町に不似合いなマイクでの　「市長候補　な・か・じ・ま」連呼は、ほんとうに申し訳ない思いでした。

恵庭のまちの雰囲気は、ニセコ町にも通じるものがあります。
それもそのはず、逢坂さんがニセコ町長時代に、まちつくりのお手本にしたのが、この恵み野だったそうで、
中島さんの大きな協力があったと伺っています。
　
ところで、中島さんと逢坂さんの長い時間をかけた交流を、私は逢坂さんの日記で知りました。
なるほど・・と納得しながら、あることを思い出しました。
それは中島さんが、逢坂さんについておっしゃった一節です。

「自治体学会でもいろいろな研究会でも、ボクの方がオオサカよりはるかに先輩だったのに、
　あっという間に、抜かれちゃったよ。彼は、凄いヤツだよ。」

残念ながら、私たちの社会では、先輩が後輩の能力や実力を素直に認めない例が氾濫しています。
それどころか、後輩の成功を妬んで、イジワルやジャマをするのが常です。
でも、中島興世さんは、違います。それだけご自分に自信をもっていらっしゃる証拠でしょう。
私は、その懐の深さに中島興世さんの大きさを見ました。
人を見る目がある彼のような人にこそ、首長になっていただきたいと、私は切に願っています。

中島さんに、GOOD　LUCK　！

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ナチュラブ・日記　その３４（平成１７年11月11日号）
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　　　　　　　　　　　　　シンポジウムへのお誘い

私どもの連続シンポジウムも、11月13日で、8回目を迎えます。（第1章～7章、及び特別編）
2004年2月13日に第1章が終了したとき、上田・札幌市長と逢坂・ニセコ町長（当時）は、
シンポ会場のお席から控え室に戻られる途中に、お二人で期せずして、
「やれやれ、やっと一回目終了ですね」
「あと、9回目もあるんですねぇ」
と、とんでもないものを引き受けてしまったご自分の不明をあざ笑うような自嘲めいた口ぶりで、
ため息をついていらっしゃいました。

それから、いろいろありまして・・・
講師の先生が急病で欠席になったり、
上田市長のご公務日の変更に伴い、シンポジウムの開催日を変更したり、
逢坂・ニセコ町長の突然の国政への転出があったり、
その度に、綱渡りをしながら、しつこく何とか調整して、ここまで辿り着きました。

シンポジウムは、どんなに内容・テーマが素晴らしくても、
どんなに講師やパネリストの方々が魅力的であっても、
講演を聴き、対談や鼎談を聴いて、時には質問をしたり討論に加わってくださる会場の皆さまがいないことには、成立しません。
その点、おかげさまで私たちナチュラブ・北海道の当連続シンポジウムは、
そのすべてに恵まれて、ここまで辿り着けたと感謝しております。

今回もまた、ゲストの宮口・早稲田大学教授、ホスト役の上田・札幌市長、及び逢坂・衆議院議員と申し分ありません。
また「都会に暮らす・地方に生きる」というテーマも、これまでの各章同様、大変タイムリーであると自負しております。

例年より暖かい秋の日が続いていた札幌も、いよいよ雪が来て、なんとなく侘しい佇まいになりました。
まさに根雪になる一歩手前の晩秋という言葉が相応しいときです。
その半日を、シンポジウムに参加され、
人が働くとはどういうことか、生きる歓びとは何か、などについて、ご一緒に考えてみませんか。

足元が悪く、また寒い日になりそうな天気予報ですが、どうぞ暖かくしてお出かけください。
講師、パネリストの皆さんはじめ、私どもスタッフ一同、心より皆さまをお待ちしております。

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ナチュラブ・日記　その３３（平成１７年11月10日号）
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　　　　　　　　　　　　　“先生”という呼称　（４）

前々回の「先生という“呼称”（3）」で、
私は小中学校の恩師を「先生」と今でも尊敬を込めてお呼びすると書きました。
でも、これまで一度も、政治家を“先生”と呼ぶ気になったことは、ありません。
それどころか、いつからか、私の素朴な疑問は　「政治家の、どこがエライの？！」

政治家（首長も議員も）は、この時代、生まれながらにして政治家なのではなく
　（世襲制のように代々政治家になるという風潮は、もってのほか。政治が腐る原因です）、
選挙という制度によって生まれます。
つまり、政治家は、選挙を通じて有権者に選ばれて初めて政治家になる。
普通の人が、選挙を通じて、普通の人の中から政治家を選ぶ。
その結果生まれた政治家も普通の人。
だから、選ぶ側（選挙権者）も選ばれる側（被選挙権者）も対等。

でも、選挙の際には、たいていの首長・議員予備軍である候補者（被選挙権者）たちは、ほとんど例外なく
「私に一票を！」「私を選んでください！」「私をご支援ください！」「私を○○にしてください！」と
有権者（選挙権者）である私たちに“お願”いします。
　（聞くところによれば、お願い嵩じて土下座までする候補者もいるんですって・・・。しかも家族ぐるみで。）

つまり、ほとんどの首長や議員は、
本気であるべき政治を担いたいという人も、政治家というポストが欲しいだけという人も、
“お願いして”選んでもらわなければ、なれないということですね。
ということは、現実は、選挙権と被選挙権は対等ではなく明らかに、不平等。
で、選挙に際しては確かに、選ぶ側が選ばれる側より絶対的な力を持っているのに、
選挙が終わったとたん、それが逆転するのはなぜ？！
自分たちが選んだ政治家を、“先生“と呼ぶことで、自分より上に置こうとするのは、なぜ？！

それは、魚心あれば水心の関係でしょうか。
選ばれた政治家側のなかには、得た議員のポストを、本来の政治家の崇高な使命感と関係なく、
むしろそれとは正反対の利権や汚職や個人の蓄財に使う人もいる・・・
そしてそういう政治家の“お願い”に、
その権力や利権や蓄財のおこぼれに預かろうというさもしい心で応じる有権者も、確かにいる。
正しくない関係の選挙権者と被選挙権者。
そういう政治家と有権者の関係を蔑んで、そういう政治家を“先生”と呼ぶようになったのでしょうか。

他方、政治家本来の使命感を持ち続け、精一杯力を尽くす政治家もいます。
そういうあるべき政治家は、蔑みを含んだ呼びかけとしての“先生”という呼称を潔しとしないでしょうね。
また、それ以前に、あるべき政治家は自分を偉いとは思っていないはずですから、
本来の尊称である「先生」という呼称をも、辞退するでしょうね。
また、そういう政治家の支持者は、決して、政治家を先生とは呼びません。

逢坂さんが同僚を、さん付けで呼ぶのは、きっとこのような理由だと思います。
上田さんも、そうでしょう。
悪しき政治家とは対極のお二人です。
私は、そういうお二人を決して“先生”とはお呼びしません。

でも、一度お訊きしましょうか？　
次回のシンポジウムの際にでも、
政治家を先生と呼ぶ、あるいは政治家同士先生と呼び合う政治風土をどう考えていらっしゃるか、と。

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ナチュラブ・日記　その３２（平成１７年11月7日号）
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　　　　　　　　　　　　　　「不忘日中友好」

皆さまに是非タイムリーにご紹介したいことがありますので、
今回掲載予定原稿「“先生”という呼称（4）」を変更して、標記「不忘日中友好」に振り替えさせていただきます。

上田文雄・札幌市長は、10月30日から、姉妹都市提携25周年を記念して、
札幌市議や経済人や公募の札幌市民・併せて約200名の大訪問団とともに、中国・瀋陽市を訪問していましたが、
11月6日無事帰国されました。
上田市長は、瀋陽訪問を前に
「私たちは中国の人々に対して、日本国総理大臣や数人の大臣とはまた違った歴史認識や感慨を持っています」
と語られましたが、新聞報道（北海道新聞）によれば、まさにそれを実行する友好の1週間であったようです。

予定の友好行事や経済関係拡大のための交流会などをこなした上田市長は、
自ら瀋陽市に申し出て、同市内にある抗日戦争関係の記念館「9・18事変博物館」を訪れました。
この記念館は、1931年の柳条湖事件（注・１）発生現場に1999年に建設されたものですが、
関係資料や遺留品などが展示され、抗日戦争や旧満州での中国人の苦難を伝えています。
またこの記念館は、同市の児童生徒が必ず社会見学する場でもあります。

予定の3倍の時間をかけて、展示を丹念に見て回られた上田市長は、
「不忘日中友好」と記帳されたそうです。

　　「日本人として歴史から逃げないために、ここを訪れました。
　　中国の方々が、日本が中国でしたことを水に流してくれると言っても、
　　私たち日本人が決して忘れてはならない歴史があります」と。

また、上田市長は、瀋陽市の隣の撫順市で、
旧日本軍による中国人大量虐殺跡地に建つ「平頂山惨案遺址記念館」をも訪問されたそうです。
そこは1932年に旧日本軍が中国人約3,000人を虐殺しその遺体を埋めたとされる現場で、
遺骨発掘現場を建物を覆って、掘り出されたままの遺骨を保存しています。
ですから、銃剣で突き刺した跡がそのまま残る頭蓋骨などがあるのです。
上田市長は硬い表情で説明を受け見学したあとで、また
「私たちが忘れてはいけないことをこの目で確かめる大切さを身に沁みて感じました」と市側に伝えたそうです。

この記事を読み、私は、20年前に既にナチス・ドイツの蛮行を批判し
「過去に目を閉ざすものは現在にも盲目になる」と説いたドイツ連邦議会演説で世界中の国々から高い評価を得られた、
当時西独大統領であったリヒャルト・フォン・ワイツゼッカーさんを連想しました。

当時私は、とてもとても西独が羨ましかった・・・・
この大統領を持ったゆえに、西独は、
「周囲を9カ国に囲まれ、数世紀の間、戦争が繰り返されてきたが、今、周囲に敵対する国は無くなった」のですから。

でも、20年遅れで、私たち日本人も、上田文雄・札幌市長を持てた！
そう思いました。
平和と友好を象徴する上田文雄・札幌市長は、札幌市民の誇り。日本人の誇り。
そうでしょう？
上田文雄・札幌市長は、今、日本人が一番欲しい人材の一人です。
だから、今日は予定を変更して、「不忘日中友好」をお伝えしたくなりました。

なお、上田市長は、5月29日に開催した連続シンポジウム第5章「憲法」の講師として講演されたとき、
“不忘歴史”ともいえることを述べておられます。（注・2）
その5章の記録が完成しておりますので、
次回11月13日の連続シンポジウム第7章開催時に、一冊200円で販売させていただきます。
また、この記録に関しての問い合わせ先は、ナチュラブ・北海道事務局です。　
　　　（　shinko3@mtb.biglobe.ne.jp　　　ＴＥＬ・０１１－５１２－３９２６　）

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　　（注・１）
　　　柳条湖事件は、中国東北地区に展開した関東軍の謀略とされ、その後の満州国建国の引き金となったといわれる。

　　（注・2）
　　　「つい最近、中国の大連市の市長さんが札幌市においでになりました。
　　　私は昨年9月に大連を訪問した際、観光のプロモーションで日本においでくださいとお誘いしてのですが、
　　　そのとき必ず行きたいとおっしゃって、その約束を守って、先日おいでになったんですね。
　　　そのときに、政治状況が非常に良くなかったわけです。
　　　いろいろお話をして、最後に札幌の経営者団体の指導者の方が、ご挨拶をされ、
　　　「今、日本と中国の経済は非常にうまくいっています。しかし政治はだめです。」と、おっしゃいました。
　　　そして彼は「日本はとりわけ中国の東北地方の方々に大変な戦争の災禍を与えました。
　　　そのことをしっかり我々は覚えておかなければなりません。」とおっしゃったんですね。
　　　で、そのとき最後にこう言われました。
　　　　　「たとえ中国の方々が昔のことは忘れてやる、水に流してやると私たちに言ってくれたとしても、
　　　　　私たちは決して忘れてはいけないのです。」と。
　　　非常に感動的なお話で、本当にすばらしい方だなと思いました。
　　　ドイツでもホロコーストの墓石を作ったときに、それに反対をする方が
　　　「いつまで我々は反省し、詫びなければならないのか」という問いを発したそうですが、
　　　大統領が「いつまでもです。」と。
　　　「永遠にお詫びし続けなければならないし、永遠に心に刻まなければならないのです。
　　　だからこれを作るのです。」と言われたということを耳にしました。
　　　私はやっぱりそうだと思います。人間は誰でも忘れたいんですよ、自分の過ちは。
　　　だけど忘れてはいけないことがあるんですね。
　　　たとえ、それは私自身がやったことじゃないことではあっても、
　　　しかし私たちの過去の歴史がそういうことをしたということをですね、
　　　しっかり歴史に直面をし、そして語り継ぎ、同じ過ちを絶対起こさないと自らを縛っていかない限り、
　　　やっぱり信用されないだろうと思います。
　　　ましてや、戦争の指導者を擁護するようなことをされますと、
　　　それが、たとえどんな個人的な感情の中で、それがもっともなことであっても、
　　　被害者の立場にある方にとっては、たまらないことであると思うのは、自然なことじゃないかなと思うんですね。
　　　そういう意味で、近頃のアジアでの日本の立場を大変僕は心配をしている一人であります。」
　　　　　　　　　　　　　　　　（連続シンポジウム第5章「憲法」記録23ページ～24ページに掲載の上田市長発言部分）

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ナチュラブ・日記　その３１（平成１７年11月5日号）
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　　　　　　　　　　　　　　“先生”という呼称　（３）

11月3日は文化の日でした。
1946年11月3日に日本国憲法が発布された、その日を記念して、文化の日となったのです。

でも、今の文化の日は、叙勲の日。
「でも」と思わず書いたのは、そう、私が叙勲制度に疑問を持っている、
もっとはっきり言えば、反対ですらあるからです。

そのわけの詳細（憲法の平等の原則に反するのじゃないかなぁ・・・と思っています）は、
いつか別の機会に譲ることにしますが、
今年もまたまた、政治家の“先生方”がぞろっと叙勲されましたね。
その勲章にも上から下まで階位があるとか。いやはや、人は、何事にも差別化しなければいられないようで・・・。
　（叙勲される人々を選ぶためのお役所があるそうな！信じられない・・・構造改革の対象にならないの？！）

で、政治家の“先生方”も、現役のときのポストや在籍年数に応じて、差別化されるらしいのですが、
でも他の業界人と比べて多くが、また、より上の階位の勲章を与えられるようですね。

私が素朴に不思議に思うのは、
政治家の“先生”方はもちろん、一般業界人も普通の市民も、誰も、それを辞退しないことです。
あ、大江健三郎（尊称略）は文化勲章を辞退しましたっけ・・・
こんなことを言うと、友人・知人の多くは
「伸子さんは、絶対叙勲の対象にはならないから、ヒガンでいるのでしょ」と反応します。
・・・・・・そういうレベルの低いハナシではないというのに！

でも、まあ、それは別にして、今回は、“先生”から連想される私的なことを、ご披露させていただきます。
「“先生”という呼称」の稿の、特別編ということで。

私は、子どものころから、それこそ素朴に「学校の先生は、えらいなぁ」と思っていました。
わが子を育ててみて改めて、その思いが増しました。
なぜなら、育児を通して、人に何かを教えるということは、
学校の勉強であれ、家庭の躾であれ、年齢が低い子どもほど手間隙がかかると、
親や学校の先生の有難みを実感したのです。
躾や知識は、幼いときからく繰り返し丁寧に辛抱強く教えられなければ、身につきません。
でも、そうやって培われた躾や知識は、その一生を支配するほど大きな影響力をもっています。

私が、今、少しは社会的な活動を続けられるのも、
元はといえば、親や特に小学校・中学校代の先生方のお陰です。
彼らが、私に人としての躾や学ぶ楽しさや知ることの歓びの基礎を与えてくれたお陰です。

小学校の担任の先生は、とても厳しい女性でしたが、努力の大切さをじっくり教えてくださいました。
中学校時代の担任の先生は、「一生懸命勉強しなさい。ほんとうに立派な人になるために」と
口癖のようにおっしゃる国語科の男性でした。
「漢字を覚えるのも大切だけれど、漢字を忘れたときにどうやって調べるか、
その調べ方を知っていることのほうが重要だ」と言って辞書の引きかたを教えてくださいました。
また起承転結など文章を書くテクニックも教えていただきましたが、
「三文小説でも何でも良いから、本を読め。まず読書の面白さや醍醐味を知りなさい」
とおっしゃったお声を今でも覚えています。
前回書いた、様・殿・君などの違いなども、その先生に教わったのですよ。

私は、小学校・中学校時代に教えてくださった先生方を、こころからの感謝を込めて、恩師と呼びます。
「先生」と、お呼びします。
私にとって先生というのは、文字通り、学校の先生です。
もちろん、子どものころから風邪を引いたり虫歯になったりしたときに、治療してくださったお医者さんたちも、「先生」ですね。

私的なことばかりで恐縮ですが、「先生」というとき、必ず思い出すシーンがありますので、紹介させてください。
私の息子は、小学校に入学したころ、親の私に似て体育が苦手でした。
縄跳びが出来なかった。
担任の先生が、そういう息子に、熱心に繰り返し繰り返し、跳び方を教えてくださっていましたが、
ある日、息子が「お母さん、ボク、縄跳びが出来るようになった！」と、
それこそ転びそうになりながら走って帰ってきて、私に歓びを伝えました。
そして言ったのです、
「○○せんせいって、すごいんだ！ボク、せんせいに教えてもらって、跳べるようになったんだ。うれしいな！」と。

また、中学生のころ、
自分の価値観の一方的押し付けを、生徒のために良かれと勝手に思い込んでいるお節介な担任のお陰で、
息子は登校拒否をしそうなときがありました。
思いつめたような表情で登校する息子に、「我慢できなかったら、無理せずに休みなさい」と言う朝が続きました。
息子は、進級して、担任が変わる可能性に賭けて我慢をしているようでしたが、緊張の日々でしたっけ。
で、彼の願いが叶って、新学期になって担任になった先生は、子どもを信じ、子どもの自主性を最大限尊重し
「失敗したら先生が責任を取って一緒に謝ってあげるから、好きなことを一生懸命やりなさい」
とおっしゃる懐の深い方でしたので、息子は水を得た魚のように、伸びやかに毎日を送ることができました。
勉強嫌いですが、大学は英文科を選んだのは、その先生が英語科だった影響でしょうか。

失礼ながら、私の恩師も息子の恩師も、
ありふれた公立校の教師として黙々と子どもと向き合い、叙勲などとは縁のない一生を送られるでしょうが、
でも、「先生」という「尊称」に相応しい方々です。
毎年、叙勲が新聞やテレビを賑わす晩秋の一日に、私は、必ず恩師たちを思い出すのです。

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ナチュラブ・日記　その３０（平成１７年11月4日号）
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　　　　　　　　　　　　　　“先生”という呼称　（２）

我らが逢坂誠二さんは、
ご自分を“先生”と呼ばせないという強い自負心を持っていらっしゃるはずと、
私は前回書きましたが、
その理由を明かす前に、考えてみたいことがいくつかあります。

まず、尊称について。
国会の会議では、議長は議員を「○○君」と、君付けで呼びますね。
一般的には“君”は、同輩か目下につける呼称です。
ちなみに、目上に対する尊称は“様”。
“殿”も敬称ですが、
元々は男性への敬称だったためか“様”よりも公的で硬い感じがするので、お役所用語でしたが、
今はお役所でも“様”が一般的ですね。
“さん”は、“さま”より敬意の程度が低い尊称です。

そこで、結論。
同僚や友人・知人などの間の一般的な敬称は、すべて“さん”でOKですね。
ただし、ちょっと丁寧に言うときには“様”か“さま”。
これで行けば、議員同士は、当然“さん”でしょう？

ということは、公開討論などの席で、相手の同僚議員をさん付けで呼ぶ逢坂さんは、まったく正しい！もちろん
逢坂さんは、たぶん議員同士でも、個人的には、さん付けでしょうね。
逆に、もし、“逢坂先生”と呼ばれたら、どのような反応をされているか、ちょっと意地悪な質問をしたいですね！

また、正規の先生、つまり小中高校の教師は、どうお思いでしょうか。
本来、“先生”とは尊称でしたし、今だって、正しく使われると尊称です。
尊敬こそされても揶揄されるような存在ではないのに、
「先生といわれるほどのばかでなし」　などと、
あたかも政治家を揶揄するような意味で用いられて、
ほんとうの学校の先生の中にはプライドが傷ついている方も多いのではないでしょうか。
正規の先生には失礼な風潮です。

そういえば、上田・札幌市長は弁護士時代には、（１）の理由で、“先生”と呼ばれていましたけれど、
政治家を先生と呼ぶことについては、どうのようにお考えでしょうか。
お訊きしたいですね。

ところで、逢坂さんが、たぶん同僚をさん付けで呼んでいる理由や、自分も“先生”とは呼ばれたくない理由は、
政治家を　“先生”と呼ぶ政治風土の中に、（２）の「蔑みを含んだ呼びかけ」を敏感に感じ取っているかではないかしら。

でもなぜ、政治家を“先生”と呼ぶのでしょうね。
政治家一般は、その慣行を疑いもせず、先生と呼ばれ、
先生と呼び合うことを当然と思っている人が多いような気がします。
でも、一般市民の普通の感覚をもっている政治家には、政治家を特別扱いするのはおかしいと思うはずです。
政治家といえども、数ある職業の一つに過ぎないのだから、と。

それに、私には以前からもっと素朴な疑問があります。
それは、また次回に。

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ナチュラブ・日記　その２９（平成１７年11月2日号）
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　　　　　　　　　　　　　　“先生”という呼称　（１）

このナチュラブ・日記を定期購読（？）してくださっているという方から、次のようなメールをいただきました。
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　　ナチュラブ・北海道のホームページは毎日見させていただいています。
　　今日（10月31日）の日記の最後の「議員バッジ」の件ですが、
　　昨日（10月30日）の（NHK日曜討論）番組の中で
　　なぜ逢坂さんだけがバッジをしていないのか、気になりました。
　　たぶん何かポリシーがあるのだろうと思ったのですが。
　　また、議員同士でお互いの名前を呼ぶときに「先生」と言っている方もいましたが、
　　逢坂さんははっきりと「・・さん」と言っていましたね。
　　以前から、国会などで「先生」と呼び合っていることに疑問(不快感）を持っていましたので、
　　逢坂さんの言葉はとても気持ちが良かったです。
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議員バッジの次は“先生”について書こうと思っていた矢先、先手を打つようなご指摘です。
私も、一般市民が議員を“先生”と呼び、
議員同士がお互いを“先生”と呼び合う風土に嫌悪感を持ってきましたので
「良くぞ、ご指摘くださいました、ご同輩！」でした。

国会議員が議員バッジを、
あたかも特権意識を誇示するかのように、どこへ行くにも身につけているのを拒否する逢坂さんは、
国会議員を“先生”と呼ぶことや議員同士でお互いに“先生”と呼び合うことを、
どのように感じていらっしゃるでしょうか。

でも、その前に、この稿の正確を期すため、まず「先生」を辞書で引けば・・・・・
　（１）　教師・医者など、学識のある、指導的立場にある人、また、そういう人、自分が師事する人に対する敬称。
　（２）　親しみや蔑みを含んだ呼びかけにも使う。　「先生といわれるほどのばかでなし」（川柳）
　
と、いうことは・・・
政治家・議員は（１）の範疇だから、“先生”なのでしょうか？

①まず“学識ある”というのは、どういう学識？
　　厳格にいえば、政治家としての学識ということ？
　　大学には政治学科というコースもあるけれど、
　　でも、政治家になるためのノウハウだけがプログラムとして組まれているわけではないから、
　　“政治家”を専門に学ぶわけではないし、また全議員が政治学科卒業という経歴ではないでしょう？

②“指導的立場”というのは・・・リーダーシップのことかしら。
　　政権与党の議員だって、ほとんどが官僚と呼ばれる上級国家公務員に牛耳られているというのが実態ですから、
　　そういう議員を、リーダーシップのある指導的立場にある人とは言えないんじゃありません？
　　あ、圧力団体として利益誘導する力を指導的立場というのなら、案外当たっている人が多いかも。
　　でも、これは、正規の、というか、この言葉が本来想定している意味ではないですね。

③自分が師事する人に対する敬称というのは・・・
　　例えば、政党内で自分が属する派閥の長に師事する場合、派閥の長を“先生”と呼ぶことは、あるでしょうね。

以上、簡単な分析（？）をしてみましたが、議員に関しては、せいぜい③が該当する程度ですね。
しかも、同僚議員同士で呼び合うのではなく、あくまでも先輩議員・派閥の長に対してしか使えないようですよ。
だとしたら、議員同士がお互いを“先生”と呼び合う根拠はない、ということになりますね。
また敢えて、一般市民が議員を“先生”と呼ぶ場合があると想定したとき、
“先生”と呼ばれるに相応しい学識をもち指導的立場にある議員は、さて、どのくらいいるのでしょうか。

ちなみに、我が逢坂誠二さんは、薬学部出身の薬剤師ですから、
その業界では当然先生と呼ばれる資格を持ってらっしゃいますが、
国会議員としてはと問われると、どうでしょう？

逢坂さんは、11年という首長時代の経験を通じて、
その方面の学識を積み上げ、しかも稀有な指導力を発揮し、十分に職責を果たした方ですから、
誰から見ても①に該当するでしょう。
でも、逢坂さんは、ご自分のその軌跡に対して正当な自信をもっていらっしゃるでしょうが、
同時に、自分を“先生”と呼ばせないという強い自負心をも、もっておられるはずです。

なぜって・・・それは、次回、ということに。

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ナチュラブ・日記　その２８（平成１７年11月1日号）
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　　　　　　　　　　　　　　　議員バッジ　（２）

10月30日（日）のNHK日曜討論に出席した5人の議員のうち、
議員バッジをつけていなかったのは、逢坂さんおひとりでした。
故意か偶然かは知りませんが、当選してからの逢坂さんの言動を見てきて、それから判断すると、
逢坂さんは意識して議員バッジをつけずに討論会に臨まれたのだと思います。

なぜなら、逢坂さんを追ったテレビ番組（10月7日放映、UHBのどさんこワイド）のなかで、
逢坂さんは “国会” が如何に、一般常識とかけ離れた “世界” であるかを、お話されましたが、
その中でも特に議員バッジについては、“最悪” とおっしゃったでしょう？
形やでデザインや素材について最悪といったのではなく、
明らかに議員バッジが象徴する “もの” についての感想でしたね。

「これ（議員バッジ）を身につけているときとつけていないときの差って凄いんですよ。
例えば国会内では、これをつけていると衛視が、敬礼するんです。
つけていないと無視。すごいでしょ？
また議員食堂に行くと・・・あそこは食事時にはとても込んでいるけれど、
議員バッジをつけていると、黙っていても、優先というようなカードがお盆に載せられて、
普通の人より先に、注文したものが出てくるんだから・・・」

もしかしたら多くの議員さんは、そういう特別扱いを当然と思っているかもしれません。
ほら、コイズミ・チルドレンの一人で口害（？）で名を馳せた、北海道出身という議員さんあたりは、その口でしょうか。
ほとんどの議員さんは特別扱いを当然と思わないまでも、慣れてきて何も感じない、
あるいは、会社ごとや業界ごとにバッジがあるように、国会にもバッジがあって当然と考えているかも知れませんね。

でも何のために、国会議員に、バッジが必要なのでしょう?　
国会で質疑をするときのため？　バッジが話すわけじゃないけれど。
名札代わりにもならないし、議員がみんな同じバッジをつけているのだから、区別もつかないし・・・

議員ではない普通の市民とは違うぞ、と言う意思表示みたいな存在でしょうか。
つまり、差別化。差別の象徴としての議員バッジと言う本質を見抜いて、
逢坂さんは、その差別化に抵抗しているのではないでしょうか。

何しろ、ニセコ町長時代から
　「私は普通の人間です。」
　「選挙で選ばれた政治家は、自分のためではなく、
　広く市民のため、国民ために仕事をするのは、当然です。
　特別、偉いわけじゃありません。」
とずうっと言い続けてきて、選挙で国会議員に当選したときにも「私は変わりませんよ」と宣言した逢坂さんには、
国会議員として周囲から特別扱いされることは、自分の思惑を離れて、とても居心地が悪いのでしょう。

特別扱いや差別化の象徴としての議員バッジを、
それ故、国会内以外では身につけないのではないでしょうか。
国会内では、案外、身分証明書的な役割を持っているのかもしれませんね、議員バッジって。

　「永田町はひどい世界です。
　魑魅魍魎の世界に入り込んだ印象を強くしていますが、まあ、淡々と進むだけです。
　永田町の常識に染まらないように、目をしっかりと開けて、前向きに明るく立ち向かいます。」
と、毎日のように徒然日記に記すことで、
自分は特権を持っているのではないと、ご自分に言い聞かせて、戒めていらっしゃるのだと思います。
永田町の常識に染まらないぞという意思表示として、
逢坂さんは、国会以外では議員バッジを故意に身につけないのだと思われます。

あまりにも多くの議員さんが、
例えば食堂で優遇される（？）と言ったレベルでの特別扱いを当然視したり、
特別扱いを要求したりするのを見るにつけ、
自分もその同じ仲間と見られるのが恥ずかしいのじゃないでしょうか。

そういう意味でも、議員バッジをつけるという行為自体を、逢坂さんは否定されているような気がします。
逢坂さん、そうでしょう？

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ナチュラブ・日記　その２７（平成１７年10月31日号）
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　　　　　　　　　　　　　　　議員バッジ　（１）

10月30日（日）9時からのNHK日曜討論をご覧になりましたか？
テレビですが、見るというより、聴くという方が相応しいですね。

先の衆議院選挙で初当選した5人（自民党２、民主党２、公明党１）に、
NHK解説委員（でしょうか）が、訊くという形でした。
小泉チルドレンと総称される自民党新人ですが、今日の二人は、それとは雰囲気も実力も違いました。
おひとりは、前・岡山市長から転出された萩原誠司さんで、
もうお一方は、財務省官僚から政権与党の一員に変身された片山さつきさん。
民主党からは、まず逢坂誠二・前ニセコ町長、そして官僚出身の若い小川淳也さん。
普通の市民から議員になったという公明党議員の伊藤渉さん。

討論は、かなり真剣な内容でついつい引き込まれました。
その要点は、たぶん逢坂さんが徒然日記に記載されると思いますので、私は、私の感想をざっと書いてみます。

萩原さんは、市長という地方の首長出身で逢坂さんと似た前身ですので、
小泉構造改革の痛みを知っているようでしたね。
ですから、片山さんが財務官僚丸出しで滔々と（？）持論を述べられたシーンで、
逢坂さんが思わず「それは違います」と抗議されたときに、割って入り、
同僚議員の彼女に諭すように間違いを指摘するシーンがあって、この方はなかなか・・・と思いました。

でも、小泉首相の靖国参拝は憲法でも認められた個人の自由だし、
また戦犯と言っても広田弘毅のように最後まで戦争に反対した人も含まれているからという理由で、
また議員宿舎が靖国神社に近いこともあるとかで、毎朝靖国神社参拝をしているそうです。
戦没者に哀悼の誠をささげると言うなら、
靖国神社とも近い千鳥が淵の戦没者慰霊碑にも、毎日お参りしなくちゃ、不公平じゃありません？

片山さんは「小泉チルドレンは、私以外はしっかり勉強しなければ使い物にならないでしょ。」と言った人ですねぇ・・
確かにそうですけれど、そういうご本人も、同僚の新人議員に間違いを指摘されるようじゃ、やはり再教育が必要かも。
いや、再教育と言っても国会のルールや政治知識の詰め込みではなく
「官僚が実際の生活者や地方を見ずに、高みからみているだけの構造改革はダメ」と逢坂さんがおっしゃるように、
脱・官僚意識がまず必要でしょうか。
そして、財務官僚の言葉ではなく、ご自分の言葉で政策を語れるようにならないと！

伊藤さんは、ほんとうに普通の人というのがぴったりで、片山さんと正反対の印象でした。
実直で、市民感覚を大切に、普通の市民のための政治を目指したいそうですので、頑張って！

小川淳也さんは、凄い。
初当選で、あれだけ明快に明確に、自己主張できる能力には期待できます。
ただ一見、正論ではあるのですが（たとえば議員歳費は半分で可と主張）細かい議論が必要な感じで、
これから歳を経て老獪になるのではなく、その素地を失わずに懐深い政治家になってほしいと思います。

さて、逢坂誠二さん。
彼は、国会の総務委員会でこれまで2回、麻生総務大臣に質問を行っていますが、
あのバランス感覚に唸ってしまいます。
いたずらに対決姿勢で臨むのではなく、礼儀正しく理路整然と自分の言葉で話します。
でも相手の答弁漏れはしっかりと指摘して、再答弁で欲しい言質を取る。
黙って聞いていると、どちらが大臣か分らないくらいですよ。　ま、こんなことは今更言わずもがなですね。

私が指摘したいことは全く別のことです。
30日のNHKのテレビ画面で、気がついた方がいるでしょうか、逢坂さんが、議員バッジをされていなかったことに。

　　（この稿、次回へ続く）

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ナチュラブ・日記　その２６（平成１７年10月28日号）
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　　　　　　　　　　　　　　　　法の解釈

10月25日に、同じ内容の二つの裁判に関して、全く違う判決がでました。
韓国、台湾のハンセン病療養施設の入所の方々が、日本に補償を求めた訴訟です。
台湾訴訟では、訴えが認められ、韓国人が原告の請求は棄却されました。
全く正反対の結論でした。
ハンセン病補償法の立法趣旨を裁判官がどう捉えるかで、判断が分かれました。

私は、これらの判決をめぐって、二つの問題点を指摘したいと思います。

まず、最大の争点であった
「ハンセン病補償法に明文規定がない海外の隔離施設をどう位置づけるか」　についてです。

韓国訴訟の裁判長は
｢規定が無い以上、国外の入所者は補償対象と想定していなかった｣　と判断して、原告の請求棄却。
台湾訴訟の裁判長は
「網羅的に救済する法の趣旨から、除外しなかった施設対象に含まれると考えるべきだ」　と判断して、原告の請求認定。

裁判についての背景
　（韓国の患者さんたちが小さな島に隔離されたのは
　　治療目的ではなく、強制労働目的であったという日本側の非人間的実態や、
　　それゆえ患者さんたちが如何に悲惨な状況を生きてこられたかなど）
や詳細な判決文はここでは割愛して、法の解釈について意見を述べます。

ひとことで言えば、
支配者・権力側（ここでは国側）に立って法を解釈するか、
被支配者側（ここでは、当時日本の植民地であった韓国の住民、台湾の住民）の立場に立って法を解釈するかによって、
全く正反対の結論になると言うことです。
明らかに韓国訴訟の裁判官は前者の立場であり、台湾訴訟の裁判官は、後者の立場です。

私は、ハンセン病補償法の立法趣旨に照らし、
権力の犠牲になった（当時、韓国は日本の植民地でした）方々を救うことを目的として、
法律の解釈をするべきであると考えます。
法とは、本来、権力の濫用防止が目的で、非権力者や権力による被害者優先であるべきだからです。
私人間の争いではなく、不作為をした国と、そのために犠牲になった住民の争いですから、
韓国訴訟の裁判長の法の解釈に疑義があります。
つまり、私は、請求棄却に反対です。

もう一つは、
韓国訴訟でも台湾訴訟でも、双方の裁判は、ハンセン病補償法の条文のあいまいさを指摘しているということです。

｢すべての隔離施設入所者らを救済する｣ことを目的とすると徹底して検討しなかった国会に反省を迫った、
つまり立法府の怠慢を指摘したことで、評価されるべきです。
また、厚生労働省の第三者機関｢ハンセン病問題に関する検証会議｣が
｢韓国、台湾の両施設は、日本国内の絶対隔離政策の一環である｣として、行政の怠慢も指摘されました。
早急な法整備をするべきです。

さいわい、今回は厚生労働省などで和解に至るような様相ではあり、政治的な解決手段で決着しそうです。
一日も早い救済がなされますように、願わずにいられません。祈らずにいられません。

この問題に関連しますが、
今国会に上程されている「障害者自立支援法」は、内容は私から見れば全く自立“非”援助法です。
あるいは“否”援助法でしょう。

国の財政が苦しいから聖域を作らず財政改革を断行しようというのが、小泉首相の小さな政府論の真髄ですが、
実際には力が無くて抵抗力が弱いところから切り捨てられます。
まず福祉、その中でも、高齢者や子どもに比べて比較的数が少ない障がい者から、切られます。

障がいゆえに、努力したくてもできない人に向かって、努力が足りないと言う、その心情は何に根ざすのでしょうか。

障害の無い人と同じく自助努力を要求するというのは、弱いものいじめにほかならないでしょう？
たまたま障がいをもたないで生きられることに感謝して、
障がいのある人に自分の権利を少し譲ることくらいできないものでしょうか・・・
あるいは、障がいを持つものが、
自分自身だったら、親兄弟だったら、恋人や配偶者だったら、わが子だったら、親しい友人だったら、
と置き換えて考えてみたら、いかがでしょうか。

それでも、同じ結論が出るでしょうか、自助努力を求められて当然であると。

なぜ、こんなことを書くかと言えば、人としての想像力の問題だと思うからです。
ひとの想像力には、残念ながら限界があると私は思っていますから、
“自分やその関係者”に置き換えて考えなければならないとも思うのです。
たとえば、呼吸器なくては自呼吸できない、つまりは生きていられないと言う人の
「障がいのないひとが、呼吸するのに費用を払っているだろうか」　と言う声を、どう聞きますか？

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ナチュラブ・日記　その２５（平成１７年10月26日号）
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　　　　　　　　　　　　　　　　勇気

今回の小泉首相の靖国参拝のあと
ある韓国人の知人が、こんな話をしていました。
話の核は、１９９５年の日本の「戦後５０周年の村山談話」。
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　　　「村山談話」で日本は“国として”、過去の侵略を認めて謝罪したでしょ。
　　　今後はその談話の姿勢を貫くと約束したでしょ。
　　　その後の日本の政権も、村山談話の姿勢を引き継いできたでしょ。
　　　周りの国々もそれが“日本の”意志だと考えてますよ。
　　　それに、小泉首相は、無宗教の国立戦没者追悼施設の建設を検討すると、
　　　金大中・韓国大統領（当時）と約束したでしょ。　（注：2001年10月）
　　　小泉首相が毎年、戦犯が合祀されている靖国神社を参拝し続けるのは、
　　　今までの公式な約束や立場と矛盾しているように見えるけれど・・・？
　　　村山談話で公約した“国の姿勢”　から、国の姿勢を変えたわけ？

　　　私たちは、
　　　靖国神社の存在を否定する、などと言ってない！
　　　ましてや一般国民が参拝することに反対する、などと言ってない！

　　　　『日本国として姿勢を変えたのなら、一国の責任者として説明責任を果たしてほしい！』

　　　言っていることはそれだけ。どうして内政干渉なの？
　　　どうして、相手国が言っている事を正しく聞けないんでしょうか？
　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

後ろめたい思いを持つ人には、それを無意識に忘れようとする習性があります。
特に加害者の心理としては、そうでしょう。
でも、被害を受けた人は、決してそのことを忘れません。それが致命的な傷であれば、なおのこと。

でも、小泉首相になってからの一連の靖国参拝は、それとはちょっと違うような・・・
加害者としての後ろめたさを隠す習性ではなく、
明らかな意図があると被害者側は感じているのでしょう。

韓国側が国家間の約束とする「村山談話」を、皆さまは覚えていらっしゃる？
「そういうの、あったなぁ、でも詳しい内容は忘れた」方が多いのでは?
談話自体を忘れたわけではないというなら、許される範囲ですが。

村山談話とは、正式には1995年(平成7年)　8月15日に出された、
「戦後50周年の終戦記念日に当たって」　と題された村山内閣総理大臣談話のことです。
その原文は、　外務省のページ　に載っています。

大変誠実な内容です。すべて網羅されています。
書くと長いのですが、お読みください。

（以下、外務省ホームページより引用）
　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
　　　　　　「戦後50周年の終戦記念日にあたって」　　（いわゆる村山談話）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成7年8月15日

　　　先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。
　　　今、あらためて、あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、
　　　万感胸に迫るものがあります。

　　　敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、
　　　今日の平和と繁栄を築いてまいりました。
　　　このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、
　　　私は心から敬意の念を表わすものであります。
　　　ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、
　　　あらためて深甚な謝意を表明いたします。
　　　また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に
　　　今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。

　　　平和で豊かな日本となった今日、
　　　私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。
　　　私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、
　　　戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。
　　　とくに近隣諸国の人々と手を携えて、
　　　アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、
　　　なによりも、これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。
　　　政府は、この考えにもとづき、
　　　特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、
　　　各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。
　　　また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、
　　　わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。

　　　いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、
　　　来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、
　　　人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。

　　　わが国は、遠くない過去の一時期、
　　　国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、
　　　植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。
　　　私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、
　　　疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、
　　　ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。
　　　また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。

　　　敗戦の日から50周年を迎えた今日、
　　　わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、
　　　責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、
　　　それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。
　　　同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、
　　　核兵器の究極の廃絶を目指し、
　　　核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。
　　　これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、
　　　私は信じております。

　　　「杖るは信に如くは莫し」と申します。
　　　この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします。
　::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
（以上、引用終了）

このように、加害者側の責任者は誓った。
被害者側として、それを信じて受け入れた。
それなのに・・・と、韓国の人々は思っているでしょう。

まさに、私たちが今回の選挙で無力感に陥ったのと同じような感じでしょうか。
そして、「もう日本なんかを、まともに相手にするのはやめようよ、信じるだけ、期待するだけ時間の無駄。」
という諦めが、徐々に日本離れにつながっていくとしたら・・・・

人として、忘れたくても忘れてはいけないことがある。
それは、人と人という個人的な関係にだけでなく、国と国という公的な関係にとっても、同じです。

また、人は間違うことがある、同様に国家だって間違うことがあるのです。
間違いが起きるのは、仕方ない。問題は、間違いにどう対処するか、です。
間違いを隠蔽して、あくまでもシラを切り、原因を追究せずに過ちを繰り返すのか。
間違いを率直に認めて謝罪し、同じ過ちを起こさないような努力をするか。

上田文雄・札幌市長は、2003年に札幌市長になるまでの25年間を、弁護士として活躍されてきました。
その上田さんには、医療過誤問題を扱った著書｢医療はかく裁かれた｣があります。
その中で、上田さんは
　｢不幸にして医療事故が起こったとき、包み隠さず原因を究明し、『過失に学ぶ』姿勢を持てば、
　悲惨な医療ミスは必ず減少すると私は考える。｣
と主張されています。勇気とは、ミスを認める勁（つよ）さです。

医療ミスも国家の過ちも、ミスはミス。今回の靖国神社参拝問題も同じです。
日本国の度量の証として、勇気を取り戻さなければ、と思います。まだ、間に合ううちに！

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ナチュラブ・日記　その２４（平成１７年10月24日号）
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　　　　　　　　　　　　　　　「日本離れ」

10月23日付朝日新聞の「水平線・地平線」欄のソウルからの報告は、｢クールに進む日本離れ｣。

ついに、そういう状況になってきたようですね。
アジアの諸外国からそういう反応が出てくるのではないかと、数年前から私は密かに恐れていたのですが。
アジア近隣諸国からの抗議を無視し、靖国神社参拝を繰り返す首相を持つ日本を、
そのうちきっとアジアの諸国は、相手にしなくなるだろうと思っていました。

韓国の｢日本離れ」は、やんちゃ坊やがダダをこねて、それに大人が根負けした構図に似ています。
無理が通れば道理が引っ込む。
でも、最終的な結果は、根負けした大人ではなく、やんちゃ坊やの“ため”にならないように、
今回の結果が、韓国ではなく日本のためにならないところまでそっくり似ています。
やんちゃ坊やが、“ごね得”のツケを後から必ず払わされるように、
日本は、アジアのだけではなく、世界の孤児になっていくのでは・・・　あっと気づいたときには。
　（「ざらついて冷ややかな」と形容される韓国での日本離れについては、直接ここでは触れません。）

「総理大臣として、先の戦争で尊い犠牲になった人々に哀悼の誠をささげる行為の何が悪いのか。
　戦争を繰り返さないことを誓うために参拝するのに、なぜアジアの国から文句を言われるのか理解できない」
とコイズミは言います。

彼のいう「犠牲になった人々」には、例えば若くして死んだ特攻隊などの日本兵士は入っていても、
その日本国兵士に殺されたアジアの人々は入っていないでしょう！
靖国神社には、韓国はじめアジア諸国の非戦闘員は合祀されていませんし、
日本の非戦闘員さえ祀られていないのですよ。

また、なぜ、日本国首相の靖国神社参拝をアジア諸国が拒否するのか。
それは、第二次世界大戦でアジア諸国を侵略したと極東裁判で裁断された戦犯が合祀されている靖国神社に
総理大臣がお参りするというのは
戦犯にも参拝することになる＝先の戦争を肯定している＝アジア侵略を肯定している、ことになる。
だから、侵略された側の国が、それを許さないのです。

「公人としてではなく、私人として参拝するのに何が悪いか。
　心の問題であるのに、それに抗議をする相手国の気持ちが理解できない」
と我がコイズミは、「総理大臣・小泉純一郎」と署名をしても、私人であることを平気で主張します。

政治家に、私人であるか公人であるかの区別が難しいところがあるのは百も承知ですが、
ただ、普通の政治家ではない一国の総理大臣に、私人も公人の区別はないというのが常識でしょう。
一国を代表する総理大臣の行為は、特にそれが外交上、
相手から否という意思表示がある場合は無視できないし、
また「公人ではなく私人として」という言い訳は通らないでしょう。
特に、日本が過去に被害を与えたアジアの国からの拒否に対しては。

外交と防衛は、たとえどんなに分権が進んでも、中央政府の専任事項と言うのが常識なのに、
その中央政府の最高責任者が、ここまで外交を全く理解できないおばかさんでいいのかしら。
コイズミ亡国論という言葉が浮かびます・・・・

また、コイズミは法治国家の最高責任者でありながら、
　「政教分離という憲法の条文に反するから、総理大臣の靖国参拝は憲法違反である」
という裁判所の違憲判決に対し
　｢二度と戦争を起こさないと言う思いで靖国神社に参拝することが、なぜ違憲なのか理解できない。｣
と参拝を強行しました。

三権分立も何もあったものじゃなく、
憲法を遵守することを義務付けられている総理大臣の無法ぶり。

そういう彼も、イラクへ強引に自衛隊を派遣する際には、
日本国憲法の前文の国際協調部分を平気でつまみ食いをして
　「憲法だって、国際協調と言っているじゃないですか！」
とやったわけですねぇ。薄笑いをしながら。
日本国憲法は、武力ではない行為での国際協調を謳っているのに、そこをわざとはずした確信犯。

皆さまは、ご存知でしょう
　・・・　あのヒトラーのナチスは、合法だったと言うことを。
今の日本の政治状況は、「笑顔のファシズム」と言われているでしょう
　・・・　薄笑いのコイズミが、その象徴的な存在です。

また、話が前後しましたが、
日本国内には｢みんなで靖国を参拝す国会議員の会」とかいう超党派の団体がありますが、
その議員たちの言い分に
　「靖国神社に政治家が参拝することに外国が反対するのは、内政干渉だ」
というのがありますね。

「一人でお参りするのが怖いからみんなで行こうね」というのには、笑っちゃいますが
　（だって、そうでしょ。まさに信念であるなら、“敵が百万人と言えども我一人で行かん”じゃないですか！）、
これはもうお話になりませんね。

国民年金などの社会福祉問題や郵政民営化問題に、
中国初めアジア諸国が、反対だの賛成だのと口を挟むのは内政干渉ですが、
こと外交問題において、戦争加害者と被害者の間では、
被害国が加害国のやり方に抗議する権利を有するのは当然です。
ですから、総理大臣初め一般国民に至るまで日本が、
この問題に限っては｢日本の内政に対する干渉だ｣とは、いえないでしょう。

　「アジアの国の反発と言っても韓国と中国だけで、他の国は反対していない。
　首相の靖国参拝も、分ってもらえるようになった」　（麻生・総務大臣）、
　「これだけ諸外国から反対され国内にも反対が多い中、
　自分の主張を通すと言うぶれなさは、立派だ」　(中川・産業通産大臣)。

そういうレベルではないのです。彼らは本気で考えているんでしょうか？！

岩波書店の雑誌「世界・11月号」で「総理専制政治とどう対決するか」が特集されています。
この稿が長くなったついでに、ちょっとその目次だけでも紹介しますが・・

　　■幻想の｢改革｣の対抗軸を　　　　　　　金子勝＆杉田敦
　　■コイズミの新しい衣装（ネオリベラリズムのヘゲモニー戦略）　　石田英敬
　　■「郵政選挙」の結果を読み解く　　　　　蒲島郁夫＆早野透
　　■これはほんとうに「民意」なのか　　　　上脇博之
　　■女という変数（「紅一点」と「政治」)　　　北原みのり

他にも、「メディアの危機」として、下のような対談もあります。
　　■ジャーナリズムは再生できるか　　　　斎藤貴男＆大塚将司

ところで、これを書いている23日夜半には、
宮城県知事選も神奈川県参議院補選でも、
いずれもコイズミ率いる自民党公認候補者が当選だそうで、気力が萎えます。
ニセコに続き　(ニセコの皆さま、ごめんなさい、私の本心を書いてしまいました！)、
ほんとうに私たちの民主主義は、いったい再生できるのか・・
いえ、もとより民主主義といえるものだったかしら。

アジアの諸外国は、まだ、いい。
「日本離れ」し、日本を相手にしないで済む。
でも、私たち日本人は、日本を離れらないし捨てられない。
どこに希望を託して諦めないで生きていかれるというのかしら。

私は、相当思い切りの良い人間で、たいていのことは一晩寝て起きると回復できる方ですが、
今度ばかりは、ちょっと回復できそうもありません。
「明日は明日の風が吹く！」とは、とても言えそうにありません。

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ナチュラブ・日記　その２３（平成１７年10月21日号）
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　　　　　　　　　　季節が移りかわり、そして“すべての技には時がある”

10月も下旬になりました。
姜尚中さんをお招きした連続シンポジウム特別編を開催したのが8月19日でしたので、
それからちょうど２ヶ月経過しました。

その間に、なんと大きな変化があったことか・・・
逢坂さんの、ニセコ町長から衆議院議員への“変化”が、最も大きなものでした。
それで、その変化に合わせて私どもも協議の結果、
逢坂さんの政治観・行政手腕に共鳴して連続シンポジウムに毎回ご出席をいただくことを申し出て、
ご承諾いただいた経緯にかんがみ、今回の逢坂さんのご決断を尊重し、
逢坂さんとのシンポジウムを続けると決めました。

また、ナチュラブ・北海道は中立的な任意の市民団体であるにしても、
逢坂さんの国政選挙について、何も発言しないのは、ある意味無責任であると考え、
私が個人として、逢坂さんの政治観を通して逢坂さんの国政への転出を皆さまと一緒に考える場として
「ナチュラブ・日記」を書き始めたのでした。

その日記も、10月9日以来すっかりご無沙汰しているうちに季節が移ったような気がします。
札幌は、このところ比較的暖かで空が澄んで高く、いわゆる秋晴れが続きましたが、
数日前に雪虫が飛んでいるのを見かけました。
この雪虫が現れたら間もなく初雪が来るといわれていますけれど、さて今年はいかがでしょう。

日記を書きはしませんでしたが・・と言うより書けなかったのです。
あれこれ考えざるを得ないことばかりで、
それがまた展望の出ないような憂鬱なことが多く（国会の状況や小泉首相の靖国参拝とか・・・)、
そういうときに書くものは、感情的で挑発的で、つまり独りよがりな愚痴になってしまいがちですので、
少し冷静になるまで待っていたわけです。

と同時に、あっと気がつけば、
ナチュラブ・北海道の本来の目的である連続シンポジウムの次回開催が迫って来ていて、
その準備に時間を費やすことになりました。

それで久しぶりの日記では、まず次回のシンポジウムについてご紹介します。

来る11月13日（日）13時から16時30分まで、第7章｢都会に暮らす・田舎に生きる｣開催です。
詳細は、このＨＰの　「シンポジウム第7章のご案内」　をご参照ください。

実は、この7章のテーマを決めたのは、8月初めでした。ニセコ役場の町長室でしたっけ・・・
中央や都会と、地方や田舎の乖離が大きくなりすぎて、このままでは日本全体が立ち行かなくなる・・・と、
苦渋に満ちた表情で、逢坂“ニセコ町長”は、おっしゃったのでした・・・
このことについては、上田・札幌市長とも逢坂さんはよく話題にしていましたので、上田市長にも異論のないテーマでした。

さっそく、そのテーマに相応しい講師として、
逢坂さんが宮口●迪（みやぐち・としみち　●はニンベンに同）早稲田大学教育・総合科学学術院教授をご紹介くださいました。
また、直接、宮口先生から、了解のお返事までいただいてくださったのでした。
そのあと10月上旬に、私も主催者として、東京の早稲田大学の研究室に宮口先生をお訪ねし、
ご挨拶と打ち合わせをさせていただきました。

それにしても、何という偶然かと、思いました。
逢坂さんが、都会と地方の乖離の深さに苦悩して、それをシンポジウムのテーマにして、広く議論を起こしたいと考えられた・・・・
そして、逢坂さんは1ヶ月足らずで、その延長線上に、自ら都会と地方の乖離を埋めるためにと、
ニセコ町と言う地方・田舎から、国会という中央・都会に転出されたのですから！

これは、姜尚中さんがおっしゃるところの　「すべての技には時がある」　でしょうか。
逢坂さんは、今が、その時であると判断されたのですね。
そういう様々なものが詰まった次回シンポジウム第7章　｢都会に暮らす・地方に生きる｣　です。
逢坂さんは、今回もまたコーディネーター役を担われますが、きっと“国会”のことも、お話されると思いますよ。

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