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一コマ漫画
一コマ漫画

■2013年12月11日(水)  甲羅(作品No.196)
grp1211094135.jpg 640×480 34K    犬が池の前に来た。亀が日向で甲羅を乾かしている。


犬   「気持ちよさそうですね。でも、寝たりしたとき、大丈夫ですか?」

亀   「こうやって手と足としっぽを縮めるんです。すると、誰もわたしが見えません。安心、安全というわけです」

犬   「はあー、それはいい。まったく、いいこと、教えていただきました」


    犬は家に帰ると、ダイニングにある椅子の下に入ってみた。


犬   「だれも、私のことが見えません。まったく、ほんと、落ち着きますわ、亀さん」


飼い主「最近、犬が椅子の下にいるけど、何してんだろう?」
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■2013年12月07日(土)  シャボン玉(作品No.195)
grp1207182846.jpg 640×480 66K犬  「お父さん、このボール、消えてしまいますよ。変ですよ。ほら、これもつかむと消えてしまいます」

   犬はシャボン玉に飛びつくことを繰り返していたが、ついに、飛びはねることができないくらい疲れてしまった。

飼い主「何処まで飛んでいくのかしらね」

犬  「あ、ボールは捕まえてはいけなかったんですね」

   そう言って犬は空高く飛んでいくシャボン玉を目で追った。
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■2013年12月05日(木)  四股(作品No.194)
grp1205091755.jpg 796×540 82K四股を踏むとは。

己の体重を片足に乗せバランスを保つ。
そして、その足を地上に降ろす。

相撲における基本動作である。
壁に向かって一人でこの動作を繰り返す。

彼は朝からのこの動作を1時間あまり繰り返している。
全身から汗が噴き出し、汗は重なり合って下降し、
地上に落ちる。その汗は今水たまりとなっている。
たゆまぬ努力を続ける姿、不屈の精神を鍛える。
こういう稽古に感動を覚えるのは私だけであろうか。


そのとき、その稽古を見ていた近所の子どもが彼に人差し指を向けて言った。
「きったない、あのおじさん、おしっこちびってる」
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■2013年12月04日(水)  踊り子(作品No.193)
grp1204113251.jpg 1201×784 100K踊り子は踊った。
何故なら、踊り子であるから。

晴れ舞台に立って、彼女は踊りながら、思う。
長い道のりをやっと歩いて、ここまで辿り着いた。

そして、また、この先も踊り続けていかなければならない。

何故、こうも踊り続けるのであろう。
それは、その答えを見つけるためかも知れない。
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■2013年12月01日(日)  明暗(作品No.192)
grp1201185145.jpg 1026×767 227K人  「君はどうして夜起きてるんだい?」

鳥  「暗くなると、僕が見えなくなるからだよ」

人  「そうやって、自分を隠して生きてるんだ?」

鳥  「そうさ、そう言う生き方が僕らの生き方なんだもの。真っ暗、暗い中で、ひっそり息を凝らして生きていく。それが僕の生き方さ。何でも見えて、君こそ、生きてけるのかい?」

人  「ああ、僕はもう、自分をさらけ出して生きていくしかない。例え、醜くてもね。それで嫌われても、しょうがない。醜くても生きていくしかないんだよ」
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■2013年11月25日(月)  地球侵略(作品No.191)
grp1125184936.jpg 638×407 59K犬  「ご主人様、きょうは2つのフリスビーなんですね? どっちでもいいのでしょうか?」

UFO「何だ? こいつ、我々を捕獲するつもりか? とんでもないどう猛な種族だ。こんな星、侵略は不可能だ」

   地球侵略に来た未確認飛行物体は、飼い犬太郎によって、阻止されたのであった。
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■2013年11月25日(月)  しっぽ(作品No.190)
grp1125182204.jpg 840×635 92Kリス 「ねえ、きみはどうしてそんなに大きいの?」

   リスは自分のしっぽに話し掛けたが、何も答えてくれない。

リス 「君は大きくて暖かいね。いつまでもそばにいてね」

   リスは自分の大きなしっぽを抱いた。何も言わないけど、それだけで幸せな暖かさがリスを大きくくるんでくれた。リスがそんな思いを感じていたとき、お腹を空かした狼が獲物を探してきょろきょろ辺りを見回しながら歩いていた。

狼  「ああ、おいしそうな獲物がいないな? いるのはあんなところにしっぽだけだし、腹の足しにもならない」
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■2013年11月22日(金)  うさぎと猫(作品No.189)
grp1122105954.jpg 800×600 82K   
   うさぎと猫が独身男に飼われていた。日中、サラリーマンの彼は会社に出勤している。ほとんど家には寝るために帰るようなものであった。うさぎと猫は大好きな飼い主と一緒にいられる時間が短くて悲しかったが、とても幸せに暮らしていた。ある寒い冬の日のこと、2匹がリビングでくつろいでいた。

うさぎ「寒う、おますな」
猫  「冬ですからね。もっとこっちへおいでなさいよ」

   2匹は体を更に近づけてお互いの暖かさにほっとした。

うさぎ「暖かいですね」
猫  「ほんと」

   歳月が流れ、うさぎが天国に旅立っていった。

猫  「寒う、おますな」

   1匹になった猫は目をつむると、となりにうさぎがいた時を思い出す。うさぎがいなくて寂しいが、あるとき、女の人がこの家にやって来た。男は女の人といつも楽しく会話しているから猫も幸せだった。男が前と同じように家にいないとき、女は猫と一緒にいるようになった。

女  「お前の体は温かいね」
猫  「そうでしょ、うさぎも言ってましたよ、おねえさん」
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■2013年11月18日(月)  才能(作品No.188)
grp1118093910.jpg 640×480 63K画廊店員「また、画伯の絵が100万円で売れました」
画伯  「そうか、早速、次の作品を描くとするか」

   画伯と店員らしき男二人がひそひそ話している。

画伯  「しかし、わしの創作方法を知ったら世間はさぞ驚くだろうなあ」
画廊店員「まったくもって、恐るべき画伯の才能でございますね。奇才と言っても過言ではございません」
画伯  「そう言ってくれると、わしも鼻が高いよ。まあ、彼女はわしの絵筆そのものだな」

   直ぐそばで、2才くらいの女の子が落書きをして遊んでいる。二人はやっと歩き始めたばかりの女の子の前に行くと、その落書きを覗き込んだ。

画伯  「あらら、お嬢ちゃん、上手に描けまちたね。おりこうちゃんですねえ。また、おじちゃんにくださいねえ」
女の子 「うん、あげまちゅ」
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■2013年11月17日(日)  ネガティブとは(作品No.187)
grp1117182049.jpg 640×480 113K皆生きている。
生きているんだ、不幸せなんだ。
って、何なんだ。
お前、異端児だな。
これは、ネガティブな人生を積極的に謳歌するポジティブな負の大王の物語である。

「ふふふ、俺様は、異端児、負の大王だ! ものども、頭が高い」

ポジティブなエリート集団の1人、営業成績世界1のポジティブ思考男が尋ねた。

「何だ、その、ふのだいおう、って? 」

大王は顔をしかめていった。

「知らぬなら、教えて上げよう、ホトトギス。
負はネガティブ思考のすすめ、教本による。どうだ、恐れ入ったか?」
「どうだって、何なんだ? ネガティブでどうすんだよ。そんな思考で進まないではないか」
「まったくもって、そちは、愚かだのう」
「何だって、ポジティブで何が悪い?」

大王は一呼吸を置いて、言った。

「明るい奴は死刑にしたらどうだ。そして、暗い奴だけにする。しかし、真の闇なんてないのだよ。闇の中に、光明がある。明るいから闇が際立つ。だから、ネガティブでもいいんだよ。所詮、みな、比較するからに他ならない。比較せねば、同じ」

ポジティブ営業男は自分の愚かさに気付いた。自分は暗い奴がいるから明るいだけだと。暗い奴がいなければ、自分は暗い奴かも知れないと、悟るのであった。
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■2013年11月15日(金)  マドンナ(作品No.186)
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snormal1115222235.jpg 400×400 65K
ジョディーはとても明るい性格の女であった。
いつも大きな口を開けて笑う。

「ヒーヒーヒー」

また、あるときは、

「ハハハハハー」

そんな笑い声を聞くと誰もが明るくなった。
あるとき、笑いながら1人の通りすがりの男が彼女に聞いた。

「どうして君はそんなに明るくいられるんだ?」

彼女はその質問に笑って返した。

「そんなくだらない質問するからよ」
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■2013年11月13日(水)  巣立ち(作品No.185)
grp1113140944.jpg 1026×762 101K子ども「ぼく、もうすぐ飛べるんだね」
母  「そうね、楽しみね」
子ども「はやく飛びたいなあ」
母  「すぐよ」
子ども「でも、お母さんはどうしていつも飛んでないの?」
母  「いつだって飛べるからよ?」
子ども「じゃ、今、見せてくれる」
母  「ほら」

   母はそう言うと、その場で軽くはねてみせるが全く足は地上を離れてはいない。

子ども「何? それ? 」
母  「いい、ぼうや。飛ぶというのは、空とは限らないのよ」
子ども「へええ、そうなの? え? ぼくたち、空を飛ぶのではないの?」
母  「そうよ。私たちは海の中を飛ぶの」
子ども「そうなの、僕らは海の中を飛べるんだ。溺れたりしないの?」
母  「もう、十分力が付いたから溺れたりしないわ。可愛い坊や、これから自分の力で生きていくのよ」

   そう言うと、母は子どもの背中を押した。ペンギンの子は海に頭から入ると、溺れないように、母のことを忘れて夢中で泳いだ。瞬く間に母のいる場所から離れていった。ペンギンの巣立ちであった。
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■2013年11月08日(金)  にらめっこ(作品No.184)
grp1108094242.jpg 480×640 107K(飼い主)

にらめっこが続いている。
今日はいつもより長いぞ。
もう、そろそろ、顔をそらすぞ。

もうすぐ僕の勝ちだ。
一体何分もう睨みあってるのだろうか。

時計を観たい。
うう、もう限界だ。
「負けた」

(犬)

お父さん、何、あたしのこと、観てるの?
いつも、お手とか、言うのに、
今日に限って、何も言ってくれない。

ひょっとして、違う指示を言うのかしら。
お手、とか、お座り、とか、しか、知らないけど。

それにしても、今日のお父さん、何、動かない。
変。
どうしたのかしら。

え、負けた、って、何するの? 分かんない。
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■2013年11月05日(火)  鹿よ(作品No.183)
grp1105173846.jpg 3264×2448 1533K
鹿はどこにでもいるようになったもんだ。
今更ながら、実感している自分がいる。
昔は、有名なところで、奈良とか、京都、そんな所にいたけど、きょうび、人間だけではないのであるな。
鹿も生きていくため、場所を選んではいられない。

だから、でも、どうして、やっぱり、納得できない……
どうして、僕の部屋なんだ。
鹿も大きいから、僕にとって、僕の部屋には邪魔である。
いや、そういうことではない気もするが。
だって、僕の部屋は6畳のリビング、キッチン、風呂、洗面所、まあ、何処にでもある普通の狭小住宅である。一人住まいなら、結構、ゆとりかな、という程度である。
でも、賃貸。
財閥でも、金持ち、成金、御曹司、そんな言葉、まったく、生まれつき、縁がない僕なのに。
しかし、鹿を飼っていると思われているのが更に納得いかない。

「ねえ、このアパートはペット禁止ですから、早くどうにかしてくださいね。お隣も迷惑してますので」
さっき、大家さんが来てながながと、いつも説教を垂れている大家さん。
きょうだけは別だ。
何故なら、この鹿が大家さんの尻をかんだものだから大家さんは一目散に逃げていった。
ちょっと、あのやかましい大家さんも鹿にはかなわないのであるな、と思ったら可笑しかった。
ギャー
今、この鹿が僕のほっぺたをなめた。あごから耳に掛けて、べろりだ。
押しかけ女房というのは聞いたことあるけど、押しかけペットなんて聞いたことない。
ジャー
今、鹿がトイレに入って水を流した。
うーん、どうしたものか。
明日、ペット可というアパートを探しに行こうと思っている僕である。
ちょっと、幸せな気分、久しぶりかな。
それと、鹿に名前を付けて上げよう。
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■2013年11月03日(日)  マウス(作品No.182)
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grp1103190508.jpg 640×480 71K
小さな手のひらに乗るハツカネズミが僕の恋人である。
雄か雌かは分からない。
人間の友達のいない
僕にとってはあるときは親友で有り、あるときは恋人で有り、また、あるときはパートナーでもある。
その彼女も寄る年波にはかなわない。
ある朝、僕が目を覚ましたらいつも元気に動き回っていた彼女が僕の枕元に寄り添うように動かなくなっていた。
僕は彼女を大事にタオルにくるんでから抱きしめた。
「いつまでもそばにいてくれるよね」

何日かして僕はある店に行った。
動物を剥製にしてくれる店である。
今、彼女は僕の机の上に元気にいる。
パソコンの脇で彼女は昔のように僕を元気づけてくれる。
マウスとなって。
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