アニメイト
極性を与えてくれ、僕に
感性を与えてくれ、僕に
批判してくれ、僕を
洗練させてくれ、僕を
償いをくれ、僕に
活力を与えてくれ、僕に
複雑にしてくれ、僕を
高揚させてくれ、僕を
僕の庭の佇む女神
魂の中の姉妹
鎧の中に潜む天使
僕の役を演じる女優
魔性の恋人を母に持つ娘
隠された顔の女皇帝
異教の母なる女司祭
内なる宇宙にいる古代の女王
魂の中の精神
僕の役割りを演じるダブルキャスト
変わりゆく僕の心象
制御を求める苦闘
暗い無意識の中の女主人
月の海に住む人魚
偉大な魔女の娘
僕の中で少年に変わる姉妹
僕の対の片方──僕の愚かな心
その柔らかな部分を、コントロールすることを覚えなくては
暖かな傾向──優しい友
人は守るべき砦を建てなければならない
秘密の顔──優雅さの接触
少しの余裕を持つことを、学ばなければ
平和な状態──表に出ない傾向
優しく支配することを学ばなければならない
スティック・イット・アウト
本能を信じろ
安全に統制されているなら。
稲妻のような反応は
注意深く訓練されなければ
瞬間がもつ熱気
若者たちの呪詛
君の怒りを吐き出せ
言葉を飲みこむな
最後までやりぬけ
毒を飲み込むな
吐き出せ
プライドを飲みこむな
最後までがんばれ
怒りを飲み込むな
吐き出せ
嘘を鵜呑みにするな
自然の反射運動
振り子の振幅
少々めまいがしていて
正しいことができないのかもしれない
炎の中の試練
究極の証明
危機の瞬間に
真実を鵜呑みにするな
最後までがんばれ
いつも僕たちは自分の反応を
人工的な光の中で見ている
いつも間違ったことを正しく見せるたびに
視点を変容させている
君は欺くことに慣れすぎた
神経がおかしくなりそうだって
それは自分でそうしているんじゃないか
君は屈服することに慣れすぎた
首を覆って、(保身のために)逃げ出すことにも
最後までがんばれ
カット・トゥ・ザ・チェイス
その火を点火するのは、それ自身
でも、その炎は落ちつかなく揺れている
動く標的を目指す矢
弓引く人は、目標をしっかり定めなくては
それを動かすのは、自身のエンジン
でも、いつも上り坂を選んでしまう
いつも磁北を指す方位針
でも、少しずつ遠くなっていく
止められない──動くことを
止められない──動いていることを
止められない──
君が正しいかもしれない
まったく時間の無駄だと
でも、それはまさに僕が待ち構えていたチャンスなんだ
危険に直面する覚悟だってある
はっきり言うなら――
それは、自身で発火するロケット
そして星への道に旅立っていく
目に見えない車とレースしているように
混雑したフリーウェイを走るドライヴァー
それは西洋社会を動かす動力
あらゆる極端さへとはじけ飛び
恋人たちの欲望のように純粋で
殺人者の夢のように邪悪だ
物事が以前どんなふうだったかは
あまり気にならない、その点では若いと思う
僕は未来を気に止められるほどには若い
過去には頓着しない
君が僕のことをどう考えようと
あまり気にしない、その点で僕も年だと思う
でも僕は未来が気になる、そのくらいは若い
そして物事が、どうあるべきかも
一人の人間が何をしても
結局、どんな違いがある?
つまり、そういうことさ
ノーバディズ・ヒーロー
彼がセクシャルな面で、人と違っていることは知っていた
僕は彼のパーティーに何度か行った
その中では少数派の異性愛者として
僕の男らしさへの脅威になったとは
決して思えなかった
彼は僕に、より広い現実を教えてくれただけ
何年かが過ぎて、僕らは離れていった
彼が逝ってしまったことを聞いた時
僕の心は(悲しみに)曇った
でも彼は誰の英雄でもなく──
英雄(ヒーロー)―― おぼれている子供を救い
難病を癒す
英雄(ヒーロー)―― 故障した飛行機を着陸させ
偉大な神秘を解き明かす
英雄(ヒーロー)―― 英雄の役割を演じる
ハンサムな役者ではなく
英雄(ヒーロー)―― 魂を売るのが好きな
魅力的な女性でもなく
知られない英雄――誰も認めることのない
僕は、その少女のことは知らなかった
でも、彼女の家族は知っていた
悪夢のような残忍さの中に
彼らの人生は粉々に砕かれた
彼らは、それでも生きていこうとした
苦悩を背負っていこうと
それでも人が持っている善を信じようと
月日がたって、僕らは離れていった
彼女が逝ってしまったと聞いた時
僕の心は(悲しみに)曇った
でも彼女は名もない英雄──
英雄(ヒーロー)── たけり立つ暴徒たちに向かい
理性の声を上げる人
英雄(ヒーロー)── 報われることのない仕事を
目的と自負を持ってやれる人
英雄(ヒーロー)── パーフェクトゲームをこなす
チャンピオンプレーヤーではなく
英雄(ヒーロー)── 名前を売るのが好きな
魅力的な若者ではなく
そんな無名の英雄たちを、誰か知ってくれていたら――
月日が流れ、僕らは離れ離れになった
君が逝ってしまったと聞いた時
僕の心に暗い影がよぎっていった
名もないヒーローたち――
ビットウィーン・サン・アンド・ムーン
太陽と月との間に湖がある
それほど多くを知る必要はない
囁きと叫びの間の静寂
驚きと疑いの間の空間
ここは素敵な場所だ
輝く顔を見合わせて
あのかがり火は、空の鏡を明るく照らす
驚きと疑問の間の空間
ああ、イエスからイエスへ
ああ、そしてイエス
どうしてだ、太陽
なぜだ、太陽よ
愛と幻想の間にある微妙な線
深く感動するには、いい場所だ
役者と役との間のギャップ
願望と事実との間にあるレンズ
ここは素敵な場所だ
躊躇してしまうほど
あのかがり火は空の湖を明るく照らす
驚きと疑問の間の時間
太陽が一番高く上る頃、祈る人もいる
真冬の月に吠えたくなるものもいる
この恵みの瞬間に
新しく生まれ変わり、洗礼を受けよう
この向こう見ずな競争社会から
ただ少し休みたいだけ
ああ、イエスからイエスへ
ああ、そしてイエス
どうしてだ、太陽
なぜだ、太陽よ
エイリアン・ショアー
君と僕、一本の染色体の違いで、
見知らぬもの同士になった
身も心もホルモンの奴隷となって
幸せに、自由になるために
もがきながら原始の海を泳ぐ
君と僕、海面の下深く潜らなければ
赤いネオンと群青の世界
海底に輝く橋
異国の浜辺へと通じる
君と僕にとって──性別は競争じゃない
君と僕にとって──性は仕事の種類じゃない
君と僕にとって──僕らはわかっている
君と僕、お互い孤独に押しつぶされている
肌の色や文化、言語や人種の違い
それはただ、
みな同じ一つのテーマのヴァリエーション
より大きな流れの中に点在している島だというのに
君と僕にとって──人種は競争じゃない
君と僕にとって──人種は定義じゃない
君と僕にとって──お互いにわかっている
異国の浜辺にたどり着こう
君と僕、お互いに狭い態度をとるのはよそう
僕らは珊瑚礁のように、お互い積み重なる
海底に橋をかけて
未知の浜辺に届く橋を
君と僕にとって──
この真実はお互いに自明のこと
君と僕にとって──
僕たちはお互いに大統領
君と僕にとって──たぶんわかっている
だけどそれは、僕たちだけのこと
異国の海辺にたどり着こう
スピード・オヴ・ラヴ
愛は雷鳴とともに生まれる
電気と磁気の力で
肌を焦がし、花火のように開く
猛り立って迫り来る嵐
自然の力のように
愛は夜明けの星とともに消えることもある
時にはただその状態を維持するだけに
すべての力を振り絞らなければならないこともある
愛の速度で
光の輝きは旅をする
愛の速度で
僕の心は君のもとへ
愛は太陽フレアとともに生まれる
二つの磁極から
よりいっそうの高みを目指して動く
二つの半分が二つの完全となる場所へと
自然の力のように
愛はさまざまな形で輝く
光に満たされる夜もあれば
嵐に翻弄される日もある
愛の速度で
そう、愛の速度ほど早く変わるものはない
僕の心は君を想う
話す必要はない
触れ合う必要さえもない
お互いが共有しているこの沈黙の中に
君の存在を感じ取れる
動き続けなければ
愛の速度で
愛の速度ほど
早く変わってしまうものはない
輝き続けなければ
愛の速度で
愛の速度ほど
早く変わってしまうものはない
僕の心は君を想う
ダブル・エージェント
どこだったらよかったんだ?
ここでなければ、どこでも
いつだったらいいんだ?
今じゃなければ、いつでも
眠りの縁で
僕は夜の半ばを漂流していた
不安で落ちつかなくて
暗闇に押さえつけられて
きつくぐるぐる巻きに縛られて
あまりに多くの決断と訂正が
暗闇と光の狭間に渦巻いていた
鏡張りの荒野
磨かれた鋼鉄の世界
ギヤと鉄の鎖が
轢き輪を回している
僕は影の間を走った
影のいくつかはファントムで
いくつかは実体だ
どこだったらよかったんだ?
ここじゃなければ、どこでも
いつだったらいいんだ?
今じゃなければ、いつでも
知っている限りの疑いや怖れが
すべて消えてくれるなら
ここでないなら、どこでも
眠りの縁で
ドアの後ろから声が聞こえた
聞き覚えはあるが、名前は浮かばない
親しみやすいけれど、顔は見えない
僕の中の天使と悪魔が戦っている
どちらが負けるが──それを決めるのは僕
どちらの声を無視するかで決まるのだろう
鏡張りの荒野
冷たい欲望の渦巻く通り
僕の大事な誇らしさの感覚は
さびたワイアで出来た盾のようだ
僕は混沌と対峙している
そして聖なる十時砲火に
鏡張りの荒野
欺くのはあまりにたやすい
僕の貴重な正しさの感覚は
時々とても傷つきやすくなる
僕が想像したものは
僕が信じているもの
眠りの縁で
目覚めると、太陽がとてもまぶしかった
安らいでいて、恐怖も消えていた
君が近くにいて、元気付けられた
僕はどっちの道が正しかったか、知っている
心の中の陪審員たちによって、裁判は行われた
暗闇と光の間の選択
リーヴ・ザット・シング・アローン
(インストルメンタル)
コールド・ファイアー
真夜中もとうに過ぎて
僕たちが無条件の愛におちた時
彼女は言った
ええ、たしかにわたしの心に限りはないけれど、
あまりその限界を遠くしないでちょうだい
僕は言った
もし愛がすべてを超越するのだったら
どうして境界線なんて引こうとするんだ?
彼女は言った
わたしをがっかりさせないでくれればいいの、それだけよ
女がどれほど複雑なものか
あなただって、知っているでしょう
わたしは、あなたのそばにいるわ
あなたが、わたしをひどく気落ちさせなければ
ちょうど日の出前に
いつもの伝統的なことを始めた時
彼女は言った
ええ、もちろん、わたしはあなたのパートナーよ
でも、あまりたくさん要求をしすぎないでね
僕は言った
愛に条件をつけるなんて
じゃあ、君はどうして、その歌が好きなんだい?
彼女は言った
だって、これはラヴソングじゃないのよ
そしてここは、おとぎの国でもないの
わたしは、あなたのそばにいるわ
あなたがわたしを
あまりにひどく扱わなければ
遠くに行きすぎないで──
熱帯の海に揺れる夜光虫の光は、冷たい炎
その線を踏みこえないで──
寝室の床に映る月の光は、冷たい炎
わたしを気落ちさせないで──
質屋のダイヤモンドの中心に燃えるのは、冷たい炎
呪文を破らないで──
ドアを見つめる君の目は、冷たい炎
優しければ、愛は盲目になる
愛は長く痕を引く、凍傷にも変わる
エヴリディ・グローリー
誰も笑わない、眠ることもない家に
愛が瀕死の床に横たわり
影がしのびこむ家に
小さな少女が一人、震えながら隠れている
両手で耳をぎゅっと押さえ
痛みが消えるまで、懸命に涙をこらえながら
ママは汚い言葉を口走り
パパは壁を激しく叩く
二人はこの小さな少女のことを
あとでまた激しく争うのだろう
でも今は二人とも、
まったく気にもしていない
回りが何を言っても──
みなが何を言っても、気にするな
来る日も来る日も人々は
ありふれた恥辱にまみれ
なにげない約束は
反古にされ続ける
毎日、日は昇り続け
また新しい、日々の物語が始まる
灰の中から蘇れ
小さな輝き
誰も微笑むことのない
夢見ることもない街で
絶望が退屈さに拍車をかけ
極端な行動に走らせる街で
星のない夜空に、たった一つだけでも
気高いの光がきらめくなら
希望と尊厳の輝きが一つでもあれば
子供たちはその光に従って行ける
人がなんと言おうと――
みながなんと言おうと、気にするな
未来が暗黒に見えるなら
僕たちが、光を照らす人となろう
誰もコントロールが効かなくなっているのなら
僕らが、きちんとその境界を定めよう
みな試練の時を生きているのだとしても
僕らは、ともかくやってみなくては
時が翼に乗って飛んでいくのなら
僕ら自身こそ、思いきって飛ばなくては
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