.[衝撃のスペ−スシャトル事故調査報告書 | 返信 ▲ ▽ |
管理人S-1 10/11月18:14 #r89 組織文化とはいろいろないいかたがありますが「従業員が仕事をする際にとる様々な前提」といえます。 ところがその(確固としていたはずの)「前提」が様々なスレットのために、普通に考えると「そんな事はしな いはず」の判断でいとも簡単に突き崩されてしまうことがあります。 後から考えると「その判断」は誰が考えても間違っている事はわかります。(単なるエラーでなく)何故 そう判断したのか?何故その判断が覆らなかったのか?という根本が組織文化にあるとこの本は主張します。 この本はチャレンジャー号とコロンビア号の2機のスペースシャトルの事故報告書を解説したものですが、 中には「あのNASAが!」「NASAでも!」という(私達凡人と同じような)「判断」がでてきます。 ・(偶然の)成功がつづくと基準が緩やかになっていく ・22年間何ともなかったのだから(今回は少し違うが)大丈夫だ。帰ってきたら修理すればいい。 ・(製造業者の警告に)「安全でない事をしょうめいしてみろ!」 ・(傷ついた機体を調べるために旋回させることなど)無駄な時間だ ・情報の伝達を妨げる組織、組織内の意見のもみ消し、予算の削減 などなど 報告書はあの「アポロ13号の生還」すら偶然の成功にすぎない、ときりすて「事故はまたおきる」と警告しています。 あの巨大な組織と私達を比べても仕方がないのですが、人間の判断への組織文化の影響は同じような事かもしれません。 まっ、そんなに大げさに考えなくとも、おもしろかったです。 中災防新書 澤岡 昭 著 900円+税 |
.人間は安全を忘れる動物 | 返信 △ ▽ |
はしむら 10/14木12:46 #r92 「人間は安全を忘れる動物」とあるヒューマンファクターの講習会で聞きました。最近はどこの組織も「コスト」にのみ 興味があるらしく、彼らコスト"おたく"に何を説明しても 解ってもらえないのが現状かもしれません。事故が起こって ないから大丈夫だという考えですね。そして事故がおきたら 安全対策がどうのと騒ぎならも、当事者の不注意で片付ける・・ そしてまた同じことを繰り返す。そういう自分はどうか?? と考えると、結構車の運転中に「安全」の二文字が消えかかって いたりもする。悲しいかなこれは人間の持ってる性質かも しれませんね。 |
.経済性と安全性と | 返信 △ ▽ |
管理人(昼休み) 10/15金13:39 #r93 「経済性と安全(の冗長性)の綱引き」という問題は「組織事故」(Reason)にも取り上げられていますね 「大きな事故がない」期間が続くと、どの業界でも(すぐに)「経済性」への プレッシャーがかかってきます。そんなときに何か懸念を表しても「そんなこ とおこしたことないだろ!」というわけです。(また経済性とは関係がないの ですが、医療にかかわっている人間のなかにどうも「都合の悪い失敗はきれい に忘れてしまう」「偶然の成功だけが頭に残っている」「積極的な?」人種も いるようです。これも危険です) 現場の管理者もそれほど明確に上から「指示」されなくとも何か「改善(し なくては)」「合理化しなくては」という発想にならされてしまいます。いつ のまにか(事故の歴史のある)現場を見ずに「上を見て」仕事をしてしまいが ちです。(一見無駄に見える)いまのやり方には何か理由があるのかもしれな い、と謙虚に考えなければ、「改善行動」もひとつ間違えると「近道行動」や 「省略行動」となってしまいますね。 最後にいろんなひとの「一言」: 「衝突の直前までは“安全”だ」とは機長さんの言(TomYokota.com) 「そんなに信じられないなら、一度事故を起こしてみるがいい」とはHF研究者の言(ホーキンス 「ヒューマンファクター」成山堂) 「無理をさせ、無理はするなと、無理を言い」とは黒田勲先生(又聞きです) |
.そうですね | 返信 △ ▽ |
神無月 10/15金14:14 #r94 「改善」したつもりが大切な部分を削っている・・。この言葉を聴くとあの「臨界事故」を思い出します。最初のマニュアルを自分達の仕事の 効率化を図る為に『絶対省略してはいけない部分』をいくつも省略した 結果のあの大事故!管理人さんの言うとうり「その過程がなぜ必要か?」を 十分検討せずに省略することが命取りになる・・。人事ではないです。 『見極め』を誤らないようにしなくては・・と私も思っていますが。 その為にはやはり正しい知識でしょうか・・ね? |
.微妙なバランス | 返信 △ ▽ |
管理人S-1 10/16土23:01 #r95 「改善」は本当は新しくシステムをつくることよりもずっと難しいと思います。 「古くて効率の悪そうなシステム」(病棟を想定してみてもいいかもしれません)、 しかしとりあえず事故もおきていないシステム、があったとします。そんなところに 「改善」意欲満々の新しい管理者がやってきました。新しい管理者は、いままで外 から見ていたそのシステムの欠点を次々指摘し、「改善」が始まります。効率は(企業で いうと生産性ですか?)確かに見違えてあがりました。しかし、6ヶ月事故が・・・。 こんな事が起きないかといつも不安に思っています。 産業界では「工場長が変わって6ヶ月後に事故がおきる」という言い方があるそうです。 自分のカラ−を出したい、自分の実力を示したい、と張り切るのでしょうが・・・ 神無月さんの言われる「正しい知識」はもちろん、「仕事の全体像への理解」が十分あれば よいのだろうなと思っていました。でも「古くても安定したシステム」には人間の動き(人間 関係)なども含めた(うまく表現できませんが)(一見無駄とも思えるような)「微妙なバラ ンス」があるような気がします。「安定したシステム」をあえて「いじる」(改善)時には このバランスが崩れることがある、ということを常に頭に置かなければならないと思います。 でも「改善」に張り切っている本人にはそんなことを言っても耳に入らないでしょうから、 他の人ですね。その役目は。 ぼくは「抵抗勢力」ですかね(笑)。 「俺の眼は HFの眼だ!」といっても「いや小姑(こじゅうと)の眼だ」と返されてしまうし、 道は険しい?ですね。 |
.安全は不安定 | 返信 △ ▲ |
「安全とは許容可能と判断された危険」とありますから 実施、安全とはその場の環境、そこにいる人の知識・態度・行動 に左右されるのかもしれません。 生産性 低い 高い ←−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−→ 破産 事故 安全(不安定) 広く | 許容可能 | 受入れ 許容可能な | なリスク | 不可能な リスク | | リスク ============================================================= コストダウンといいながら人を減らし、1人の負担を大きくする。 そして残業時間が多くなり、事務所の蛍光灯やエアコンは夜遅くまで フル稼働。長時間労働により各個人の疲労は大きくなり、それにより 判断力・注意力・意思決定能力等等が低下する。そして事故を招く。 コストダウンといいながら、作業手順を簡素化し、知らないうちに 危険と隣り合わせ。 ある部門でコストダウンを行い、他の部門でその余波を受けてコスト アップ、これは現実に起きてる話です。 目先の数字だけにとらわれると、真のコストダウンとならず、人にも 環境にも悪影響な気がします。 |