十津川警部の標的
掲載内容 主な登場人物
十津川警部の標的

十津川警部「いたち」を追う

十津川警部、民謡を唄う

解説 新保博久
ISBN978-4-334-72464-1

1997年9月20日初版1刷
1999年10月20日 3刷

光文社文庫 に1-60
476円(税引)
278ページ

カバーデザイン 亀海昌次
カバー写真 photonica
カバー印刷 近代美術
クラブホステス・源氏名「ひろみ」こと、白石かおり、 竹田淳、古井雅人(?)
警視庁顧問・吉沢広克
(十津川警部の標的)

R電機業務3課課長補佐・林清太郎、橋本圭一、岸田明、青木課長補佐
(十津川警部「いたち」を追う)

十津川の妻・十津川直子、 島根玉湯温泉芸者・秀佳、源氏名「美雪」こと、白崎美代
井上敬一郎、佐々木保
鳥取三朝温泉芸者・夕子
作家・三宅正史、木崎博、小川徹 (十津川警部、民謡を唄う)

捜査陣
十津川警部・亀井刑事、西本刑事、日下刑事、北条早苗刑事(各事件共通)

十津川の部下・三田村刑事、三上刑事部長、本多一課長
福井県警前田本部長、村上刑事課警部(十津川警部の標的)

十津川の部下・北川刑事
島根県警安来警察署三浦警部 (十津川警部「いたち」を追う)

島根県警白井刑事(十津川警部、民謡を唄う)

殺人犯はどこへ逃げるのか?犯人の深層心理を読む十津川警部。
新宿のホステス殺しの容疑者・竹田淳の逃走経路を推理した十津川は、北陸・芦原温泉の潜伏先をみごとにつきとめる。
竹田を越前海岸の名勝・呼鳥門におびき寄せた十津川は、逆にライフル銃の標的となり狙撃された!
山陰・北陸の温泉郷を舞台に、難事件に挑む十津川警部の、隠された一面を描く力作。 (裏表紙参照)
『十津川警部の標的』の事件については、裏表題のように展開していくのですが、ライフルで狙われた十津川は、 冷静に狙われた事に対して、違和感を感じ、新たにある仮説を立てます。それは、この事件では、十津川自身が標的である事。 果たして真の犯人は?

二番目の事件『十津川警部「いたち」を追う』は、十津川の部下・北川刑事は松江の出身で、親友の結婚式に出席する為、休暇をとり式に出た。
北川は横山大観が好きで、趣味で日本画を習っており、式にて、足立美術館の事を聞き、行ってみる事にした。
大観の絵は、二階の奥に特別展示室にあり、そこは、観覧者がいなくなると、明りが消えるようになっていて、 北川が観覧をし、その部屋を出る頃は誰もいないようだった。ただ部屋の明かりはついたまま。気になって再び部屋に入ると、 「鼬(いたち)」という絵の前で、男が倒れていた。その男は、「ハシモト」という言葉を言い、息たえた。
という内容で始まります。事件とは関係ないのですが、この足立美術館の休憩所(?)から見える庭園は、すばらしいという ニュース番組を見ました。

三番目の事件『十津川警部、民謡を唄う』は、十津川は難事件を解決し、飲んでの帰り、駅から公園の傍に来た時、正調安来節を唄う 着物姿の女性に会った。タクシーを拾いたいと聞かれた後、「ありがとう、旦那さん」と言い残し、角を曲がった女の後ろ姿を、見送った 後も、安来節を唄う声が、耳に残った十津川だった。次の日、多摩川原橋の近くの河原で、殺人事件が起きたとの知らせを受け、 駆け付け、遺体をみると、昨夜会ったあの女性だった。という内容。

この本は、短編集で『十津川警部の標的』と表題に「の」が入っています。まだ読んでないのですが、「の」がついてない 『十津川警部「標的」』もあるようです。尚、こちらは、長編推理小説で、「標的」は「ザ・ターゲット」と読ませています。

解説の部分で書かれてあった事柄では、カッパノベルズさんでは、トレインミステリーに拘らず短編物において、「十津川警部シリーズ」 と銘打って5冊を刊行し、その5つ目が、この本だという事。ちなみに、列記すると、
1冊目、「大垣行345M列車の殺意」1986年11月
2冊目、「十津川警部の怒り」1990年5月
3冊目、「十津川警部の逆襲」1990年12月
4冊目、「伊豆・河津に消えた女ー十津川警部の叛撃」1993年10月
5冊目、「十津川警部の標的」1994年9月
と、4冊目の「伊豆・河津に消えた女」がまだ未読という事になります。
この分別は、カッパノベルズさんが新書として刊行された本なので、文庫化した本が多い今では、かなり難しい分類となるようで、 この後の本が、このシリーズに当たるか否かを調べるのは困難なようです。

評価   ☆☆☆☆ 星4つ(星5つで満点)     十津川警部、標的にされる。