*2011年2月のワタクシ。*
首から水がダダ漏れで酷い目にあったので、ドライスーツを修理に持って行った。
以前、ウェットスーツがあまりにもキツイので、腕にファスナーを付けてもらった渋谷のお店へ、ショルダーバッグに放り込んで担いで行く。
そんなでもないと思ったけど、けっこう重かった。(測ったら5kgだった)
カウンターに出した途端に穴を見付けられてビックリ!
穴と言うより裂け目で、貫通していないので見付けにくかったけど、中の布目が見えてしまってる、これは水を通すわ。
てっきりネック部分を全取り替えになると思い込んでいたら、店のおじさんはその場でチューブ入りの補修剤を持って来て塗り塗り。ドライヤーで乾かして「はい」。
え?終了?
お代は取られなかった。
でも、修理した裂け目の隣にもう一つ小さい傷があったけど、「ここは?」と指さしたら「まだ大丈夫」。どうせなら補強してくれたらいいのに〜。
そして、「ドライは難しいんだよね〜」と、なんだか面倒臭そうだ。これでダメだったら、また持ち込んでいいんだろうか???不安。
でも、これで直れば超ラッキーだ。
実は、お預かりになると思い込んで、帰り道は身軽になるからと、ダイビングショップに寄って電池切れダイコンと故障ライトの相談、その後新宿で竹田団吾衣裳作品展、それからレディスデイなんで映画見て帰ろう、なんて計画してたんだが。水の泡。
重くて大きいだけでなく、ドライスーツは壊れ物。専用のケースを持ってないので、柔らかい布製バッグに入れて来て、うっかりファスナーでも壊したら笑えない。
おとなしく、計画全て諦めて、まっすぐ家に帰った。
…でも、IOPで首元に隙間が空いてるって指摘されたしなぁ。
どうなりますやら。
大学時代の先輩・R太さんのお母様が亡くなって一年半ばかり。住んでる公団が建て替えで引っ越しを余儀なくされていて、お母様の遺した着物や反物があるからもらいに来て、と言われて、イソイソと出掛けた。
通い慣れてる(笑)東海道線、茅ヶ崎で下車してバスに乗る。
バス停まで迎えに来てくれたR太と、そのまま移転先のモデルルームを見学に行く。
広くて収納いっぱい、床暖設備も付いた素敵な部屋。…でも意外と、お家賃は安くもないのね。
見学を終えて、徒歩5分とかからない同じ住宅地内のお宅へ向かう。
話には聞いていたが…す、すごい。モノだらけ。
亡くなったお母様という人が、大変な趣味人だったそうで、鴨居にはお手製の洋服がズラリと下がり、着物反物で茶箱3つに箪笥に天袋一杯。さらにお茶やら墨絵やらの道具もあり、すでに何人かに分けた後だという話なのに足の踏み場も難しい。
お母様の使っていた介護ベッドが部屋の真ん中にデンとあるが、これはR太が使うんだそうだ(笑)。
まずは洋服生地がドサドサっと出される。あ、けっこう好み合うかも、お母様。
しかし量が多過ぎる。色々悩んで厳選したつもりが、すでに用意した"エコバッグ"の要領を超えている。今日は和物中心のつもりで来たんだけど。
そんなこんなしてるうちに、出前が届き、散らし寿司、ご馳走になってしまいました。
ところで朝から、キッチンの流しが詰まって水が流れないという。ここは2階なので階下で詰まってるのか?
何度か見てみたが全然シンクに溜まった水の量が減らないので、R太は頭を抱えている。
昼食後、腰を据えて(笑)和物を見せてもらう。
古い、素敵な着物が山のよう。
洗い張り済みの袷のセットが4組、どれも素敵な柄、裏の合わせ方もいいセンス。だけど私、袷は縫った事が無い、と言うか、縫い方知らないのよ…(泣)。
でも頑張ってみようかな?とか言ってて閃いた。和裁教室で使ってもらえるかも?
他にも新品の反物と裏地や小物をいただいて、リンゴ箱一杯になってしまった。これを郵送する事に。
着物も一部、箪笥の中のを見せてもらったが、本当に物凄い量で眩暈がしてしまった。
茶箱と天袋は手つかずのまま日が暮れて、取りあえず近所のコンビニに荷物を出しに行き(料金が高いんでビックリ!)おいとました。
あまりお役に立てなかったようで、申し訳なかったな〜。
せめて和裁の先生に相談してみよう。古着屋では買い叩かれるだろうし、反物は無理そうだというし。
でも、リンゴ箱一つとエコバッグ一杯、いただいたんだけど…焼け石に水、とは言わないかな?体勢に変化ナシ、って感じで。
帰りの車中、R太から携帯にメールが入った。
忘れ物でもしたかな?と見たら、「流れた−!」???…あ、シンクか!(笑)
良かったヨカッタ。
実家の近くのスポーツクラブ、1月で退会と決めていたのに、何となく未練たらしく手続きを引き延ばしてしまっていたが、やっと踏ん切りがついた。
夜のバレエのクラスに久々に顔出した後、受付でクラブ退会の手続きをする。
エアロビクスの初心者クラスのイントラもやってる、とっても感じの良いスタッフのお嬢さんが対応。
この人のクラス、一度だけ出た事があって、「今日(このクラス)初めてです」と言ったら、エアロビクスが初めてだと思ったらしく(まあ大差無いけど)すごく細かく熱心に指導してくれて、いっぱい褒めてくれた。なんだか申し訳ないような熱心さだった。
退会を申し出ると「どうしました?」と聞かれたので「プールが再開するなんて事は無いですよね…?」と言ってみた。残念そうに、そういう予定はありません、と。本当に残念。
そのまま実家に行って、母が勧める『フライ・ダディ』を鑑賞。
韓国映画はだいたい見ると不快な気分になるんだが、これは面白かった『フライ,ダディ,フライ』のリメイクという事で、興味があって見てみた。
いや〜オッサンが凄いわ。堤真一はどう見ても最初からカッコイイし強いイメージが固定してて残念だったけど、このオッサンは本物のオッサンだし、見事なメタボ体型からシッカリ筋肉質に変身して見せてくれた。やっぱり映画と言うからには、こうでなくっちゃ!
と、言うワケで、今回は韓国に軍配、かな?エンタメ性も勝る。もっと頑張れ、邦画。だいたい二枚目集めてなんかやろー、みたいな企画が多過ぎるんだよね。いや堤さんも岡田君も好きだし、頑張ってはいたけどさ。
でも韓国版は、全然泣けなかったなぁ。二度目だから不利ではあるが。
夏に退会した和裁教室を、久々に訪問。
先日のR太から預かって来た着物生地を、先生にさばいてもらえないかと打診するため、見本を持って出掛けた。
前夜まで着物を着て行くつもりだったのに、また寝坊して挫けてしまった。
帯も襦袢も揃えて吊してあったのに……。
お教室が始まる一時間程前を狙って行くと、先生は一人で確定申告の計算をやっていた。ああ、もうそんな季節。どうせまた赤字なんで気が重いわ(笑)。
洗い張り済みの生地3組と、薄手ウールの反物を広げて見てもらう。
先生もつい先日、お友達の家から大量に着物を引き取って来たばかりと、山と積まれていた。置き場が無いですね。
いい物があったら引き取りたいとは言ってくれるけど、私では目が利かないし選別できない。
結局うやむやのまま、生徒さん達が集まって来て、私も夜の予定の時間が迫って来て終了。
洗い張りのうちの一枚は、その場で生徒さんが気に入ってお買い上げしてくれたが、ここは袷はやらないので、裏地は持ち帰った。
これはいよいよ、袷にチャレンジしなくては。って、教室辞めてから、全然和裁もやってないんだけどね。
今日は終わった後、教室で皆で飲み会をやるそうだ。先約が無ければ参加させてもらいたかった、残念。
四谷三丁目から、飲み会会場の町田へ向かう。
着物だと一旦家に戻って着替えなくてはならず、かなりハードだったが、挫けたおかげでゆったりスケジュール。
着物ってやっぱり面倒。お出かけ帰りにスポーツジムにも寄れないし、あまりにラフな居酒屋飲み会に着て行く気にはなれない。さ○ら水産だもんねぇ(笑)。
町田駅前でN先輩と待ち合わせ。しかし4時から飲み会ってどうなのよ。
メンバーは、大学時代のマン研会員と、その周辺の人達。全部で14〜5名?知らない人も数人。
鍋を囲んで、良く知らない漫画家さん達と猫の話なんかする。
途中、なんか辛いな〜と思ったら煙草吸い放題状態。
近頃神奈川方面では、かなり規制が厳しくなってるので、どんどん耐性が無くなってる。
久しぶりに会う人も多いんで、二次会も参加。カラオケBOXはアニソン大会で面白かったんだけど、やっぱり煙草がきつかった。
こんなに煙草がダメになっちゃうと、飲み会ももう厳しいかな…?
日曜日に行ったばかりなんだけど、和裁教室にビール券もらいに行った。
正月に生徒さんの一人が腰の手術をして、お見舞いのお花代に一口乗せてもらったら、退院してお返しを持って来てくれたそうな。
残念ながらご本人とはニアミスで顔を見られなかったけど、ビール券はシッカリいただいて来ました、ちょっとエビでタイを釣った気分?かえって申し訳ないような。
水曜日は映画レディスデイなので、その足で新宿に出て、シネコンへ。
開始1時間前に窓口に行ったのに、もう売り切れ!また映画見損ねる。
シネコン、嫌い。
次の回は10時からというので、諦めて帰ろうと思ったら、東口に向かってたはずがナゼか南口に出てしまった。
そうだ、せっかく久々の新宿だから、東急ハンズに寄って行こう、なんて思って人混み掻き分けて行ってみたら、シャッターが下りてる。『本日定休日』の貼り紙。
なんだよ〜もおぉ〜〜〜!!!
このところ、左足の調子が悪くて、バレエやってて気が気じゃなくなって来た。
スクールの生徒さんにも勧められ、整形外科へ行ってみる事に。
先日脳のCTを撮った病院。また道に迷いながら、なんとか辿り着く。
受付で簡単に症状の説明をしたら、診察室に入る前にレントゲン室に呼ばれて腰のレントゲン撮影をされた。やな予感。
診察室に入ると、一昨年の春痛めた右手首の具合を聞かれてビックリ。
…そう言えば、しばらくテーピングしてたっけ。すっかり忘れてた。軟骨磨り減ってたんだっけ…。
簡単な問診と、診察台に寝て足を持ち上げたり足の親指を押されたり、昔椎間板ヘルニアをやった時と同じ検査。あ〜、やっぱり。
撮ったばかりのレントゲン写真を見せられる。背骨の一番下の関節の幅が半分くらいに狭まっている。
これで神経が圧迫されて、左足に痺れが出てるんだろうと。
うっすら予想はしてたけど、やっぱり腰、かなりマズイ事になってるらしい。
ウニを踏んで取り出し手術をしたと言ったら、そのせいで余計痺れてるかも、とも言われた。
先日ビール券をくれた和裁の生徒さんも、背骨の関節が潰れてボルトを入れて補強した、という話だった。私もあと10年位で、そういう事になってしまうかも………(泣)。
結局、治療するなら牽引だが、しばらく様子を見る、という事で終了。
心配だったバレエについては、「痛くて踊れなくなるまでは、続けた方がいい」そうで、むしろ運動を勧められた。良かった〜!
今のところ、痺れが気になる程度で傷みはさほど無いので、まあ、いい事にするか…。
でも足を地面に付くたびに「カクッ」って甲の関節が軋むのよね。靴履いて歩くとすぐ痙りそうになるし。何とかならないのかなぁ〜。
久しぶりに整体でも行ってみようかな…?お金無いけど。
いつものようにバレエスクールに行くと、ロビーのテーブル一杯に色とりどりのレオタードが広がってる。
先生が中古の練習着を500円で売ると言っていたっけ。
もう物は増やしたくないんだけど〜、と思いつつ、あら、可愛い♪
紫のスカート付きと、グリーンの水着みたいなのを買ってしまった(赤面)。
早速ちょーラヴリーな紫レオタードを着てレッスンに参加。
始まってすぐ、ふくらはぎが痙りそうになる。両足。
だましだましやってたら、今度は甲が痙る。どうしたんだ、今日は?
休憩時間に先生に訴えたら、「冷えたんだから、これ着なさい」と、売れ残ったどピンクの毛糸のロングパンツを渡された。こ、これを着るか……背に腹は代えられぬ。足を通す。
…何かに似てる……そうだ、ブルース・ウィリスの、ピンクのウサギ(笑)。その姿でバーレッスン。かなり笑える。
でも、効果テキメン、あんなに痙ってた両足が落ち着いて、とても楽になった。
冷える実感は全然無かったんだけど、冷えてたのね〜。
今日だけ借りるつもりだったのに、先生が縫い目のほつれを発見して、「もうこれあげるから縫って着なさい」あら、もらっちゃった。
冬の間はピンクのウサギで通すかな。
ダイビング関係の知り合いで、コーラスをやってて絵も描くというカブる部分の多いNさんが、次回の合唱の舞台衣装に黒いバレエシューズを指定された、と言うので、お貸しする事になった。
そりゃあんなモン、普通の大人は持ってたって何の役にも立たず、外を歩けるワケでなし。一度のステージのために買うなんてつまらない。
私は二カ所でバレエやってたせいで、シューズも2足持ってて、しかも一カ所はもう辞めるので一つあれば困らない。
中間地点の駅前で待ち合わせ。
私も彼女もマスク姿で、見付けるのにちょいと手間取った(笑)。そろそろ花粉も本番だ。
ネットで見付けた駅至近のインドカレー屋でランチ。
巨大なナンに笑ってしまったけど、二人ともペロリと完食。お腹いっぱい。
合唱の話、ダイビングの話、子供の頃の話なんかも、色々聞かせてもらい、面白かった。あ、絵の話題は出なかったな、今度振ってみよう。
自分で払おうと思っていたのに、やっぱりおごってもらってしまった。
バレエシューズ買えちゃいまっせ。
ご馳走様でした。
一昨日足が痙って酷い状態だったので、昨日は休んだプール、今日は恐る恐る入ってみる。
ランチでお腹が一杯になったので、カフェで読書しながら二時間、消化を待ってから行く。
ゆっくりジャグジーで暖めて、最初ちょっとふくらはぎが怪しい感じだったけど、大丈夫で一安心。
しかし、左足の痺れは相変わらず。何とかならんのか???
上野の国立博物館へ、平山郁夫展を見に行った。
近頃パステル画を習ってて、展覧会に興味を持ち出した母と一緒。
なんと母ちゃん、上野は数十年ぶりですって!
混雑が予想されたので、午前中から出掛ける。
でも、平日のせいか、ちょうど中だるみ時期だったのか、噂で聞いた入場制限も無く、チケット売り場で並ぶ事も無く、会場内もソコソコ混んではいたが、何とかゆっくり見学できる程度。ラッキー♪
…しかし、客の年齢層、高っ!!
まあ、内容的にもそうかなというのはあるし、それでなくても近頃は展覧会にお年寄りが多い。
(それなのに国立博物館さん、シニア割引はやってないんですね?まあ、いいけどさ…)
平山郁夫というと、美しいシルクロードの日本画、という程度の認識しか無かったけれど、戦禍で破壊されるアジアの文化財の保護に努める等、とっても偉い人だったのね。
原爆の被爆経験がある事と思い合わせても、何と言うか、感動的な人生です。
被爆の後遺症と闘いながら、取材に飛び回り、描き続けたその絵は、ひたすらに美しい風景、寺院、仏像。そして月、星。
享年を考えると驚嘆すべき、巨大な日本画の他に、多数のスケッチの展示もあり、興味深い。できれば小さい写真でもいいから、日本画の完成作の横にスケッチを置いて見せて欲しかったけどな(戻って行って見比べたりしてました、私)。
日本画のスケール感、色彩の美しさにも感動したけれど、旅の途上で描かれた水彩スケッチも、とても良かった。
きっと呼吸をするように、絵筆を取っていたのだろうな。そんな事をふと、思った。
展示は平山郁夫の作品の他、彼の保護したパキスタンやアフガニスタン等の文化財も多数。
こちらは予想外だったせいか、楽しいオマケといった感じ。
しかし仏像に爆弾しかける戦争って、本当に何なんでしょうか。
人が殺し合うというだけで、すでに許し難い愚行なんだけれど、破壊された文化遺産を見るとふつふつと怒りが込み上げて来る。
平山展を見終わったら昼時をとうに回っていた。道理でお腹が空いたはず(笑)。
博物館の敷地内のカフェで昼食。なんかプレハブみたいな落ち着かない建物だと思ったら、仮店舗だったのね、納得。
母はカレー、私はハヤシライス。デザートにパウンドケーキ。食器はスチロール、スプーンはプラスチックで味気ない事この上ないけど、値段は普通。でも美味しかったけど。
この冬は寒いと思ったら、今日は嘘のような陽気で、日差しが暖かく気持ちいい。敷地内のベンチで寛ぐ人も多い。昼寝がしたくなった。
疲れて帰ると言うかと思ったら、母は常設展も見たがった。
特別展のチケットで見られるので、見ないとソンみたいな気分にはなるけれど(笑)。
広大な博物館、とても全部は無理だけど、取りあえず本館へ。
入り口の見取り図を見て興味ある物を選ぼうかと思ったら、案内の人が話し掛けて来て、ぐるりと一周するしかルートが無いと教えてくれた。まあいいや。
ちょうど黒田清輝の特別展示をやっていて、なかなか面白かった。
…でも、『昔語り』というタイトルで延々と部分下絵(と言ってもちゃんと油彩もある)を展示して、最後に「消失しました」ってのは、悪いけど笑ってしまったいやガッカリした。
焼けたのが昭和20年と昔なので、完成作の写真も小さくてセピア色。
出来上がりを見られないのは残念だったが、人物ごとに何度も推敲を重ね、描き連ねる様子が伝わって来て面白かった。
そして正直、黒田清輝の油彩画はクドくてあまり好きじゃなかったんだけれど、素描の確かさには脱帽。サラリと描いた下絵には風が抜けるような空気感があり、まことに失礼ながら「ダテに有名じゃないなぁ」等と思ってしまった(本当に失礼だよ…)。
今気付いたけど、本館って『日本ギャラリー』だったのね。
私もいつも特別展に行ったついでにチョロチョロ見るだけだったので、そんな事も知らなかった。
そんなワケで展示は仏像・仏画や日本の陶磁器、着物、日本刀etc.etc.季節柄、雛人形の特別展示もやっていたけど、これは数が少なかった、残念。
平山展に比べたら、こちらはガラ空きだけど、年齢層はやはり高め。
一人で来ているらしき着物姿のご婦人を見かけた。70代?背筋をしゃんと伸ばし、白髪に渋い抹茶色の無地、金糸の帯を二重太鼓に締めて、じっと展示の茶器を見つめている。
かっこいい!と見とれていたら、母が「お茶の先生かしら?」。うんまあ、そんな感じ。
いいなぁ。和服姿で一人でフラリと(じゃないかもしれないが)美術展。
そういう女に、私はなりたい(笑)。
ps.夕食は品川のエキナカで、なんとインドカレー。昼がカレーとハヤシだったのに、私たち……。
金沢文庫で運慶展をやってるというので、行って来た。
実家の近所なので、散歩がてら歩いて行く。
朝一の開館時を狙おうと思ったけどちょっと遅れて出発したら、同じ方向へ向かって、ワラワラと人が歩いて行く。
これはもしや…と思ったら、やっぱり皆金沢文庫のある称名寺へ入って行く。
皆は展示会場である金沢文庫のある仁王門の左手へ向かうが、私は正面の太鼓橋を渡り、本堂でお賽銭をあげてお参りをした。今年の元旦に初詣に来たものの、行列に恐れをなして遠くから眺めて帰ってしまったので、一応ご挨拶。
池を半周して、短いトンネルを潜り、すっかり小綺麗になった(1990年に建て替えられたそうだ)歴史博物館・金沢文庫へと向かう。
いや〜、金沢文庫にこんなに人がいるのって、初めて見た!ビックリ。
前日に母がお友達と行った時は、建物の外まで行列ができていたという話だったが、そこまでではなく、すぐチケットは買えたものの、コインロッカーが満杯。受付で聞いたら大荷物を預かってくれた、良かった♪
1階は常設展示。これ、実は私けっこう好きなんだけど、重文だかの仏像と壁画のオリジナルと、極彩色の復刻版が並べて展示してあるの、なかなかの見物。
本来こういう色鮮やかなモノなのよね、古いから剥げたり褪せたりしてるだけで。金色の肌、青い髪、派手な柄の描かれた衣。…でもお顔がね、似せてはいても復刻版の方は全然ありがたくない、そこら辺が贋作の限界?なんて。
でもここは何度も見てるので軽く流して、いよいよ運慶の待つ二階へ。
展示物の呼び物は国宝・『大日如来坐像』。端麗で穏やかな、でも生き生きと瑞々しい仏様だ。
『大威徳明王坐像』(金沢文庫所蔵!)はポスターにもなっているインパクト大の重文だが、意外に小さいのにビックリ。やはり重文の愛知・滝山寺所蔵『帝釈天立像』は、姿の美しさもさる事ながら、彩色が殆ど残ってるのに驚いた。行ってみたいな滝山寺♪
端正な仏座像もいいが、私は帝釈天やら不動明王やらといった、ちょいとワイルドな神様の躍動的な立像が、「運慶ぃ〜!」って感じでいいな。
いつも展覧会で仏像を見ると、なんだか勿体ないような、罰当たりな気分になるんだけれど、それでもやっぱり、こんなに間近で、こんなに明るい照明の下、360度ぐるりと見せていただけるのは嬉しい限り。
仏像というのは、祈りの対象としての価値と、美術品としての価値があると言うか。前者は大事にしたいけど、後者も棄て難いんです。
狭い会場ながら、展示の仏像作品は7点。見応えは充分、と言うか、感動的だった。
運慶、スゴイ!!