■2013年10月28日(月)
愛の大盛り(作品No.181)
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| 「愛の大盛りがほしくなった」
駅前に開店した愛ショップに行ってみた。
店に入った僕は店員さんに声を掛ける。
「僕に一杯の愛をください」
愛想よく頷いた店員さんは紙袋に愛と思われるものを 大きなスプーンを使って入れ始めた。
やがて、その愛は紙袋一杯になり、こぼれ始めた。
愛とおぼしき一欠片が、床にこぼれ落ちた。 「こぼれました、もったいないですよ」 と僕は店員さんに言った。
店員さんは笑いながら、僕を裏庭に案内してくれた。
そこには、大きな山があった。店員さんは言う。 「大きくて富士山みたく見えますが、あれは富士山なんかではありません。 愛の山なんです。 愛の山は永遠に不滅です」
僕は安心して袋を店員さんから受け取る。 袋はとても軽くて暖かだった。
僕は袋に顔を近づけ思い切り吸ってみた。 | | |