■2013年11月22日(金)
うさぎと猫(作品No.189)
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| うさぎと猫が独身男に飼われていた。日中、サラリーマンの彼は会社に出勤している。ほとんど家には寝るために帰るようなものであった。うさぎと猫は大好きな飼い主と一緒にいられる時間が短くて悲しかったが、とても幸せに暮らしていた。ある寒い冬の日のこと、2匹がリビングでくつろいでいた。
うさぎ「寒う、おますな」 猫 「冬ですからね。もっとこっちへおいでなさいよ」
2匹は体を更に近づけてお互いの暖かさにほっとした。
うさぎ「暖かいですね」 猫 「ほんと」
歳月が流れ、うさぎが天国に旅立っていった。
猫 「寒う、おますな」
1匹になった猫は目をつむると、となりにうさぎがいた時を思い出す。うさぎがいなくて寂しいが、あるとき、女の人がこの家にやって来た。男は女の人といつも楽しく会話しているから猫も幸せだった。男が前と同じように家にいないとき、女は猫と一緒にいるようになった。
女 「お前の体は温かいね」 猫 「そうでしょ、うさぎも言ってましたよ、おねえさん」 | | |