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 2007
 9.30

◎明日10月1日は、衣替え(更え)です。気候に合わせて衣服を冬服に替える日。平安時代の宮中で始まった習慣という。TVの長期天気予報では、まだ半袖がいる時がありそうという。でも、やはり箪笥の入れ替えの時節だ。いつも便りです。

 『人魚の財布』
◎今年の里海(三番瀬)の観察会の予定は、先週のF市の小学校の総合学習で終了した。三番瀬干潟の観察は、毎回様相が異なるので本当に飽きることがない。特に今年の9月中旬に行った時は、台風のもたらした山ほどのゴミと海にいないはずの生き物達を見つけたりと驚くことの連続だった。里海の方はしばらく休みだが、また手伝いで行くこともあると思う。その際に、また違った三番瀬模様を知らせることにしよう。
・三番瀬の浜に流れ着いた大量のゴミは、現在行政によって撤去作業中であった。殆どゴミがなくなった砂浜を歩くとゴミ以外にも実に様々なものが落ちていた。今流行のビーチコーミングをほんの少しやってみた。
・拾ったものや見つけたものの一部を紹介しよう。多種多様な貝殻、水鳥の羽根、角が取れてきらきら輝いているガラスの欠片、くらげの死体、置き忘れたのか貝掘り用の熊手、そのほか様々である。中には直径1メートルはある発泡スチロールの円柱(船のブイ?)もころがっていた。
・コーミングの途中、見慣れないものを拾った。大きさは、真っ黒で縦3センチ横4センチの長方形の四隅に先の鋭い鍵爪が付いている。見方によっては、インベーダーゲームに出てくるインベーダーの形にも見えるし、ベルトのバックルにも見える。裏を返すとのっぺらぼうの悪魔の顔である。上下の縁には、ぎざぎざが並ぶ。材質は、プラスチックではなさそうなので自然物、おそらく動物の何かであろう。そんな思いがする不審物だった。
・早速調べることにした。それにしても何を元に検索したらよいか。迷いながらも、ふとTVの自然に関する映像で似たものを見たのを思い出した。確か海底で何かの魚が奇怪な形の卵を産んでいた。このヒントで後の検索は簡単だった。

 ・軟骨魚綱エイ目ガンギエイ、この不審物体は、エイの卵の殻だった。TVで見たのは、同じ軟骨魚綱のサメの産卵であった。このガンギエイというエイは、この不思議な形の卵を海底の岩などに産みつける。海流に流されぬため、四隅の爪でしっかりと固定されるのだ。産卵後約1年後にやっと殻を破って生まれるのだ。この不審物は、この卵の抜け殻であった。なお、この不思議な形からこの卵は、「人魚の財布」と呼ばれているという。



   
   卵殻  ・・・ガンギエイの卵殻:
      見方によっては、インベーダー

   
   成魚  ・・・ガンギエイの成魚:
      カスベと呼ばれ食用だ(webより)


ガンギエイ…雁木エイと書く。このエイは、「カスベ」の名でヒレが商品になっているエイだ。エイやサメなどの軟骨魚は、種類によってこのガンギエイのように卵を産む種類(卵生)と子どもを生む種類(卵胎生と胎生)がある。カスベは、カマボコになったり煮魚にして食べるが、ちょっと時間がたつとアンモニア臭がしてくる。
これは、浸透圧調整のために体内に多量に蓄積させた尿素が微生物により分解されアンモニアが作られる為という。新鮮なものを食するのがいいでしょう。

 2007
 10. 4

◎使っても減らないお金、まさにうちでの小槌。そんないい話は、やっぱり騙しだ。擬似通貨「円天」被害の方に同情いたします。いつもの便りです。

 『ばらっぱ饅頭作り体験』
◎毎年10月の第3日曜日に行われる印西よかっぺ祭りの一環として農業フェアが市役所前である。その際印西の名物「ばらっぱ饅頭」が売っている。いつも2,3パック買い込み皆で食べるのが楽しみだ。
・ふと、印西の広報(9/1号)に「ばらっぱ饅頭づくり」の料理教室の案内記事が目に付いて、思い切って申し込んだ。持ち物の三角巾もエプロンも持ってない。三角巾は、大きなハンカチで代用することとしたが、家内のエプロンでは柄も色も大きさも格好がつかない。やむなく近くのスーパーで探しまわり無地ブラックで大き目のものを購入し当日参加した。
・思ったとおり講師のMさんを含めても男性は私一人だった。AさんやYさんスタッフの方も、一緒のグループの皆さんもとてもよくしてくれ楽しいひと時だった。
・参加した理由は、饅頭の美味さにもあるが、それより蒸かすときに饅頭の下に敷く「ばらっぱ」に関心があったのだ。・地方によっては、「まんじゅっぱ」などと呼ばれるこの葉は、サルトリイバラの葉だ。里山散策会で必ず紹介をする植物だ。
サルトリイバラは、直径12、3センチにもなるしっかりとした大きな葉で今は実がついている”つる性”の植物だ。鋭いとげがあり、サルの行く手も阻むという意味から名がついたという。
・別名を「山帰来(さんきらい)」と呼ばれ、根が土茯苓(どぶくりょう)の名で昔から毒消しの薬として利用されている。また、この葉は、ルリタテハ(蝶)の食草であり、里山の散策には見逃せない存在感のある植物です。
               
サルトリイバラの葉と実
   


・前から関心のあったこの葉を使った饅頭作りに挑戦してきたわけである。製作過程の紹介は省くが、出来上がった饅頭をお喋りをしながら食べた味は格別であったことを述べて体験報告を終わる事にする。
 採ってきた葉っぱは、冷蔵庫にあるし、餡子も薄力粉も買ってきてある。後は、作るだけだが、一人ではいまいち、やる気が出ない。やはり、皆でわいわいやりながら作るのが必要条件なのか。せっかく買ったエプロンも使わなければと思っている。
   
       
     続々と出来上がる饅頭
   

             蒸かしたての饅頭

サルトリイバラ…ユリ科シオデ属の落葉つる性樹木 トゲが鋭くサルをもからめてしまうといわれ名がついた。西日本では、この葉で包んだ餅を「山帰来餅」といい、「かしわ餅」は、これを指す。根は、サポニンを含み有毒。この根を土茯苓といって毒消しに使っていた。梅毒の特効薬。つるについた実はしっかりしていて花材に利用。

 2007
 10. 8

◎千葉ニュータウンに広がる田んぼでは、もうほとんど稲刈りが終わった。信州に出かける用があり、帰りに車窓から眺めると、まだ、(群馬高崎辺り)半分くらい稲刈り前の田が見られた。
 ふと先日、TVの何かの番組で‥近頃、案山子を見なくなった‥と云っていた事を思い出し、大宮に着くまで眺めていたが、2個(2体)だけしか見なかった。それも、隣り合った田にあったので同一の所有者と思われた。
 鳥たちが案山子にはもう騙されないのだろうか。それとも作る人がいないのだろうか。いつもの便りです。

◎9/17の便りで、間違ってしまった植物がガガイモ科の多年草「イケマ」でした。
今回出かけたついでに、このイケマを探した所、沢山ありました。なお、毒草というが、なんとこの若い芽や茎は山菜として絶品という。でも食べたくはないですね。

『アイヌの霊草、生馬(いけま)』
・イケマは、和名で表すと「生馬」です。山地の林縁で他の植物に絡み付いて伸び、小さい白い花をつける。
名はアイヌ語で神の脚を意味するカムイケマから付いたという。「アイヌの霊草」といわれ、この植物の太い根からとれる成分を、矢毒や霊的儀式につかったという。現在でも、漢方で牛皮消根(ごひしょうこん)の名で利尿剤や強心剤として利用されています。


・なお、旅する蝶で有名なアサギマダラの食草(幼虫が葉を食べる)で、幼虫がこの葉を食べ、毒を体に溜め込み、鳥などの天敵からの捕食 を免れているのです。「生馬」の当て字は、腸にガスが溜まり死にそうな馬にイケマをすりおろして食べさせ生き返ったという言い伝えからと言われています。

   
  イケマ、実の形もオオカモメヅルそっくりですが、
       イケマは実がずっと大きい。


イケマ…ガガイモ科カモメヅル属の多年草。山地の林縁で他の植物などにからみついて伸びる。白い小花を半球状みつける。花が終わると細長い実をつける。有毒、特に根は牛馬をも死にいたらせるほど猛毒という。

 2007
 10.11




   
      キバナアキギリ

・今の時期は、キバナアキギリが見ごろです。ホトトギスもそろそろ咲きそろいます。なお、園内にはおとぎの国をテーマにした花コーナーや自治体、個人の花コーナーなど、兎に角花がいっぱいです。レストランもあり、子ども達の遊び場や、子ども美術館、池などがあり、一日ゆっくり過ごせます。地図、入園料等、詳細は、公園のHPをご覧下さい。
 公園HPへは、下記をクリックして下さい。
 アンデルセン公園
 http://www.park-funabashi.or.jp/and/

キバナアキギリ…シソ科アキギリ属の多年草。日本産のサルビアの仲間で、紫色の花をつけるアキギリに対し、黄色の花をつけるので、この名がある。
 山地の林、8〜10月に咲く。



◎「太陽の塔(岡本太郎作)」の内部には、有名な「生命の樹」があります。塔の内部の公開が始まったのが、4年前の今日10月11日といいます。
 ところで、この岡本太郎の太陽の塔のミニ版のような彫刻が船橋にあるのをご存知ですか。船橋の北部にある「ふなばしアンデルセン公園」の中に建っています。今日のたよりは、そのアンデルセン公園の話です。


 
岡本太郎作
「平和を呼ぶ像」

 『野草園覗いてみませんか』
◎船橋市とデンマークのシュラン島の中心部のオーデンセ市が姉妹都市であることから、オーデンセ市出身の童話作家「アンデルセン」の名をとって作られたのが「ふなばしアンデルセン公園」。
 この正門を入ったまん前にそびえるのが、岡本太郎作の像「平和を呼ぶ像」です。「太陽の塔」の雰囲気があるこの像は、前船橋市長が岡本太郎と友人であったことから88年平和都市宣言記念として設立したそうです。

・今、アンデルセン公園をメイン会場として「全国都市緑化ふなばしフェア(10/2〜11/4)」が行われています。
 もし、行かれる時があれば、公園内の斜面に野草を植えた「野草園」がありますので、寄って下さい。
場所は、風車から大地の広場に行く道の右側の斜面です。小さな看板「野草園」が出ています。・ここは、船橋自然に親しむ会(私もメンバーです)で作り、ずっとボランティア管理してきた所です。 期間中の土日は、会のメンバーが看板のところでパンフを配っている予定です。お出かけ下さい。ただ、ここに行くのにも園の入場券が必要です。

 2007
 10.15

◎夏に実施した「不都合な真実」の無料上映会は、谷津田便りを読んでいただいている方が実行委員長だったこともあり、お手伝いをしました。予想を上回る申し込みに驚き、市民の環境に対する関心の高さに頼もしさを感じました。
10月12日、ノールウェーのノーベル賞委員会は、平和賞にこの「不都合な真実」に自ら出演し温暖化防止を訴えた前米副大統領のアル・ゴア氏が決まったと発表しました。映画を薦めた上映会実行委員の一人として、とても嬉しいですね。ゴア氏の受賞を機会にさらなるCO2削減が進んで欲しいものです。いつもの便りです。

 『妖しいまでに美しい』
◎以前、ガイ氏人形劇団を見たことがありました。劇は、「附子(ぶす)」といって、主(和尚)が砂糖(水飴)を附子という大毒と騙して外出する。太郎冠者(小僧A)と次郎冠者(小僧B)は、主の留守に食い尽くし、主の大事な品物を壊したので附子を食べたが死なないと言い訳をする。その言い訳をする小僧を怒るわけにもいかずに悔しがる和尚の様子が面白く印象的でした。
・この人形劇の元になったのは狂言「附子」です。題名になっている「附子」は、実はあの保険金殺人で有名になった毒草トリカブトだといいます。

・トリカブトは、山野に案外普通にある植物で、秋に美しい紫碧色で舞楽の装束に用いる冠に似た形の花をつけます。林の明るい際などに咲くトリカブトの花は、毒と思うと尚更に美しく見えました。
 猛毒であるが、生薬として用いるという。
・美しいものには、刺があるといいますが、トリカブトもまさにそのものずばりです。もっとも、最近では花屋で切花として販売もしています。
トリカブトは、花も葉も茎も根も全草が毒だそうです。



   
  トリカブトの花‥ 妖しいまでに美しい


トリカブト(鳥兜)…キンポウゲ科トリカブト属の多年草。花の形が烏帽子に似ているのでついた名である。沢山種類があって分類は難しい。若い葉は、ニリンソウに似ており、山菜採りで事故が起こることもある。毒成分は、致死性のアコニチン。

 2007
 10.22

◎月上空100キロ。日本の月探査機「かぐや」が10月18日、月面から100キロの軌道に乗ったという。新聞によると中国もかぐやのライバル「嫦娥」を24日に打ち上げるという。アポロ以来の月探査ラッシュが始まるという。いつもの便りです。

  『香ばしくて結構いける』
◎印西の市民まつり「印西よかっぺ夢祭り」が、10月21日に行われました。祭りの一環であり、私の関わっている「いんざい環境フェスタ」も好評のうちに終了しました。・環境フェスタは、例年6000人を超える来場者があり、今回も年配の方や家族連れの方、子ども達など多くの市民で賑わっていました。きっと年々環境に対しての関心が高まっているのでしょう。
・私の関わっているブースは、半分がエコカレンダー(環境カレンダー・印西市の環境行動指針を兼ねる)の啓発活動としてのコーナー、残りの半分が自然に関わるコーナーでした。
・自然コーナーは、今年もどんぐりワークショップをやりました。テント1張の左半分にブルーシートを敷き、その上でドングリ笛つくり。そして右半分には、テーブルを設置しどんぐりクッキーつくりです。どちらもどんぐり(マテバシイ)を材料に「作って遊び、作って食べよう」という縄文人体験のコーナーでした。主に子ども達と親子連れの参加が多かったですが、中には興味を持った年配の方が、パネルの展示資料を見ながら、体験支援スタッフにクッキーの作り方の具体的なマニュアルを熱心に聞き、メモをとる姿もありました。
・縄文の遺跡から、実際にドングリの粉で作ったクッキー状ものが土器と一緒に出土もしており、ドングリは、今から数千年前の縄文人の主食(保存食)であったことが分かっているそうです。ドングリは、現代の飽食の時代、そして食料自給率が最低の時代の救荒食になるかもしれません。そこまでいかなくても食を見直すキーワードには、なると思うのですが如何でしょう。
・また、会場内では、ごみリサイクルレンジャーによるごみ分別リサイクルのための回収ステーションが置かれ、公募したリサイクルレンジャーによる分別の実際についての啓発活動もありました。
 私も時間を見つけて少しの時間ステーションに立ってみましたが、ごみを持ってきた方達は、非常に熱心に分別していたようでした。ただ、回収場所の数が少なく気がつかないせいか来場数の割には、ステーションにごみを持ってきた人数は少なかったようです。


  昨日の”どんぐりワークショップの様子”
   どんぐりの笛
   

   
   どんぐりのクッキー

どんぐり…カシやクヌギ・ナラなどの果実の俗称。椀状の殻斗(かくと)があり、果実の下半を包む。栗もどんぐりに含まれる。
 アクの多い種と少ない種があり、今回のクッキーつくりにはアクの殆どないマテバシイを使った。

・ワークショップ及びミニ観察会のお手伝いをしていただいた方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

 2007
 10.29

◎プラスチックごみのリサイクルを子ども達に教えている。
 ところが、今日10月29日付けの朝日新聞で県庁所在地と政令都市合わせて50都市の廃プラ焼却は、7割と発表された。これでは、物事の判断基準がおかしくなってしまう。国としての基準作りが必要ですね。いつもの便りです。

 『あっ!ハチがいる
これは、千葉県立中央博物館監修のハチ(蜂)についての書物のタイトルです。アウトドアでそばにいる人が、タイトルのように叫んだら、怖いですよね。
 でも、日本に生息しているおよそ4200種のハチの内、危険なのは数パーセントに過ぎないそうです。確かにスズメバチなど攻撃性のあるハチは危険ですが、殆どのハチは、なにもしなければ刺すことはありません。
 今日は、ハチの話をほんの少しします。
・「ヘボ」とは、クロスズメバチの地方名です。昔から、海のない山国の人々は、淡水魚や昆虫にタンパク源を求めていました。その一つにヘボ取り(採り)がありました。エサ採りにやってきたヘボを探し真綿を付けたエサを食べさせ、飛んでいく先を追いかけ、地中の巣を掘り出すのです。
 幼虫は勿論、成虫まで食卓に載るといいます。

 私も、幼虫の瓶詰めをもらった事があります。ラベルには「蜂の子」と表示してありましたが、残念ながら好きにはなれませんでした。
・ヘボは、攻撃的なハチではありませんが、刺されるとやはり危険ですので、やたらにヘボ採りなどまねはしないことです。

 ※クマンバチ関連記事は こちら へ
 ※ヘボ取り関連記事は こちら も参照

・さて、TVなどマスコミに登場する悪役は、スズメバチの種類です。そのうち特に事故の多いのが、コガタスズメバチです。
これは、神社やお寺、農家の軒先などに縞模様のある大きな丸い巣や長楕円の巣を作るハチです。この他にも毒の量の多いオオスズメバチ(一番危険)やコガタスズメバチがいます。
 しかし、これら危険なハチたちも決して理由なく人に攻撃を加えてくることはありません。もし、アウトドアでこれらの大形のハチが近くにいたら、まずその場を離れることです。安易にもので叩き落したりするのは絶対にやめましょう。
・今の時期は、まだハチたちが活動しています。巣に石を投げるなどはしないと思いますが、怖いのは、洗濯物などに入っていて知らずに取り込み刺されてしまうという事故です。洗濯物や布団などの取り込みの際には十分に気をつけたいものです。


   
   
オオスズメバチ(死体)

   
   
コガタスズメバチの巣(左端、巣の痕が見える。)
  
◆真ん中が出来上がった巣(昨年のもの)。
  
◆右端は、作り始めの巣です。途中で何らかの事情で見放したか、
    女王蜂が死んだのでしょう。)


オオスズメバチ…体長3から4センチもある。日本産のハチ類で最大。土の中や樹木の空洞に巣を作る。攻撃性が強く毒も強い。コガタスズメバチは、軒下や崖、橋の下などに長円形の巣を作る。この種に似たコガタスズメバチは、木の上に巣を作る。
もし、これらのスズメバチに刺されたら、毒の吸出し(ポイズンリムーバーという吸出し器あり)をして、医者へ行くことを薦めます。特に何度も刺されている人は要注意。ハチアレルギーの分かっている人には、応急処理薬(エピペンという自分で打つ注射)を医者の処方箋で購入できます。刺された経験のある人は、お守りとして持つことを薦めます。

 2007
 11. 1

◎印西の広報11月1日号に、本年度版の「印西市環境白書」発行の記事が載っていました。主な内容は、行政・事業者・市民サイドに立った温暖化抑制への取り組みの状況や、自然環境状況を公表したものです。私も、市民サイドから白書作成に関わっておりますが、環境については行政任せではなく、一人でも多くの方が関心をもって環境について監視していくことが必要と思います。なお、この白書は、印西市内各図書館及び印西市のHPで閲覧できます。一度ご覧下さい。いつもの便りです。

 『ほととぎす・ホトトギス・子規?』
◎鳴かぬなら殺してしまえ、鳴かぬなら鳴かしてみしょう、鳴かぬなら鳴くまでまとう。時の権力者信長・秀吉・家康の性格を現す喩えとされています。ご存知のとおり鳴かないこの鳥は、「時鳥」つまり、野鳥のホトトギスです。
・漢字では「時鳥(ほととぎす)」と書きます。なおホトトギスを表す漢字は、この時鳥の他に杜鵑、子規、不如帰、杜宇、蜀魂、田鵑などがあります。
・ホトトギスの名のついたものには、この野鳥のほかに、植物のホトトギスや動物のホトトギスもありますので下記に紹介します。
・植物:ホトトギス  白色地に紫の斑点模様の独特の花を見たことがあると思います。山地の湿った場所、或いは庭先にまだ咲いていると思いますが、ユリ科の多年草「ホトトギス(杜鵑草)」です。和名は斑点を鳥のホトトギスの胸の羽の斑に見立てたものといいます。10月11日の便り(33ページ)に紹介した船橋アンデルセン公園内の野草園で現在満開です。

   


・動物:ホトトギス  殻の大きさが2〜3センチの小さな二枚貝、ホトトギスガイです。そういえば野鳥の会の調査を担当している方が以前に話していたことを思い出しました。それは、真冬の夜の三番瀬での干潟調査についてでした。大潮で潮の引いた干潟を満月の月明かりの中、干潟に点々と落ちているカモの糞を調査するという。冬に数十万羽という膨大な群れでやってくるスズガモの糞の内容物調査という。このカモは、殻が柔らかく砂袋で簡単に砕けるホトトギスガイを好んで食べるそうです。糞の中にホトトギスガイの殻がどの位の率で含まれているかにより、この干潟での採餌状況が分かるということでした。やはりこの貝も、殻の表面の模様がホトトギスの鳥の羽の模様に似ているので、名が付いたそうです。

   

・結核に冒され喀血しながらも作品を作っていた正岡子規は、血を吐きながら鳴くといわれるホトトギスに自らを重ね、和号を子規(ほととぎす)としたのでした。子規の俳諧誌「ホトトギス」は、歌誌「アララギ」と共に明治の新しい感覚を取り入れた同人誌として注目を集めたのは、勿論でした。
今回はホトトギスについて、述べてみました。花のホトトギス、もし、お近くで咲いていましたら、じっくりと見てください。

ホトトギス…ユリ科ホトトギス属、山地のやや湿ったところに生える多年草。花全体にそばかすのような斑点が散らばっている。ホトトギスの胸の模様にたとえてこの名がある。


 2007
 11. 5

◎外国人講師から保険料は天引きしても社会保険や国民健康保険には加入させていなかった。だんだん悪辣商法が暴かれてきたNOVAの話です。コムスン、赤福、そしてNOVA、話題は尽きないこの頃です。いつもの便りです。

  『福神漬けの具になくてはならないもの、なーに。』
◎メーカーによって、福神漬けの原料の具は、微妙に違います。ただ、どこでも必ず使っているのが大根、茄子、蓮根、生姜、紫蘇そして○○です。さて、皆さんは何だと思いますか。 その答えは、「鉈豆(なたまめ)」でした。
・さやの長さが、25センチもあるナイフ形の豆が一つ手に入りました。それがナタマメでした。以前散策途中で見つけたものは、さやの長さ30センチもあり、枝豆のお化けのような豆でした。さっそく、散策会の時に持っていきましたところ、人気者(豆)となりました。

・さやの形が鉈(なた)や刀に似ていることから鉈豆(なたまめ)とか刀豆(とうず)と名付けられたようです。一つのさやの中に6〜16個位のピンクの豆が入っています。福神漬けには、若いさやをスライスし醤油で漬け込んだものを使っているそうです。熟したナタマメは、サポニンを含み毒性が強いので、食べる場合には何度もアク抜きをしてから味噌などに漬け込んだようです。だが、豆は殆どは食用ではなく薬(漢方薬)として使われるといいます。※江戸初期の赤穂浪士達が滋養をつけるため討ち入り前に食べたという話が残っているという。(実際には、滋養というより縁起物として食べたのでしょう)

・最近では、健康茶として人気が出ているといいます(ナタマメ茶)。効能は、蓄膿症や歯槽膿漏、冷え性、喘息、アトピー、便秘など広範囲に用いられるといいます。新陳代謝、免疫系に効き目があるようですね。
・ナタマメの蔓は何メートルも伸び、そのさやは幅5センチ、長さ40センチにもなります。イギリス童話の「ジャックと豆の木」のモデルになったのがこの豆といいます。さやの硬さも半端じゃありません。現に私は、このさや(豆)で首筋をたたき、首のマッサージしながらこの文を書いております。


   
       
散策途中で見つけたナタマメの木
   
       
ナタマメのさやと種

ナタマメ(鉈豆・刀豆)…マメ科の蔓性一年草。熱帯アジア原産で果采として古くから栽培。若いさやは漬物として、種子は食用。飼料・緑肥としても適する。熟した豆は毒素が多く食用より薬として利用する。


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