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 2007
 11.12

◎「超 カワイイ」。額にハートマークの牝馬が人気だそうだ。岩手県水沢競馬場で10日にデビューした牝馬です。ハートマークを持っているのは、昆虫にもいます。カメムシ科のエサキモンキツノカメムシの背中にもきれいなハートマークがあります。もっとも、こっちは「超カワイイ」とはなりませんが。いつもの便りは昆虫編です。

 『アリとキリギリスの話ってホントかな』
◎「太陽がぎらぎら輝く夏です。キリギリスは楽しそうに歌っています。アリは汗びっしょりで働いています・・・」
 これは、イソップ物語「ありときりぎりす」の出だしの文です。アリは、夏の間ずっと働いていてがんばり屋。それに比べてキリギリスは・・・・。見方によれば、勤勉と努力の徳目の道徳の教材ですね。
・でも、このイソップ物語「ありときりぎりす」のモデルになってい
るアリ「クロナガアリ」という種類は、なんと暑い夏の間は地中で休んでいて、秋になってからやっと働き出すという。つまり、「夏の間、ずっと働いていて・・・」というのは生態学的に見ると、正しくはないのですね。
・アリの種別の見分けはとても難しい。夏にも元気に活動するクロオオアリとこのクロナガアリ、見分けている人は普通いませんよね。先日、千葉県立中央博物館の昆虫講座に行き、アリの生態についてちょっぴり勉強をしてきました。普段ほとんど知らないアリの世界の話を聞くことが出来ました。そのうちの話を一つだけ、紹介します。
・アリの世界に「奴隷制度」があるという。南北戦争は、1861年から起こったアメリカの内戦で1865年に北軍が勝利し奴隷制度が廃止されたのです。この人間が人間を所有するまさに非人間的行為が奴隷制度です。この制度が、アリの世界に現存するのです。
 皆さんは、「アリの引越し」を見たことがありませんか。巣穴から大きな卵を咥え、列をなして「よいしょ。よいしょ」と引っ越している姿を見かけることがありませんか。実は、このアリたちは佐川急便や黒猫ヤマトの回し者ではありません。運んでいる卵は、卵ではなく、アリのまゆ(さなぎ)なのです。それも奪い取った相手方のまゆ(さなぎ)を咥えている姿なのです。


 実は、「引越しに見える場面」が、奴隷狩りの現場なのです。サムライアリは、クロヤマアリの巣を襲い、巣からまゆを奪い、自分達の巣に運び育った個体を奴隷にするそうです。この奴隷狩りは、梅雨明けから夏までといいます。

※イソップの童話の中では、働き者で幸せな社会を作るアリ達の世界にも怖い話があるのですね。下の写真は、講座の講師の学芸員さんが、生態研究のため飼育しているクロオオアリの女王アリの写真です。

   
 
クロオオアリ(学芸員が飼育しているもの)
 これで一つの
コロニーです。大きいのが女王アリ。

クロナガアリ・・・アリ科の昆虫。夏の間は地中に休んでいて、秋になると巣の穴を開き、地上に出てくる。この時一年分の食料集めをするため、収穫アリとも呼ばれる。主にイネ科の種子を集める。
イソップ物語のアリは、この種がモデル。活動時期10〜12月、3〜4月。ちなみにクロオオアリなど殆どのアリの活動時期は、4〜10月。
夏場に活動しているアリと今活動しているアリは種類が違う。

 2007
 11.16

◎大相撲九州場所が始まっている。かの里山は、1勝4敗です。初入幕してから連続3場所ずっと負け越し、今はまた十両。里山歩きの私としては、応援するのみ。里山がんばれ!いつもの便りです。

 『木の実が面白い』
◎昨日、利根川土手を歩きました。広い川面を双眼鏡でなめるように探ってみると、目当ての水鳥が見つかりました。大陸から渡ってきたばかりの水鳥「カンムリカイツブリ」です。日本で見られるカイツブリの中で、最も大きく首が長くスマートでかっこいい水鳥です。2〜300メートルも先ですので、小さくしか見えませんがそれでも首をすっくと立てた姿には気品すら感じました。
・土手に沿って歩くとオギやアシの群生が見事です。他にも丈の低い草や木が色々見られました。しばらく歩いていたら、低木の緑の葉の中に真っ赤な実がなっているのが見えました。
果実酒で知られるクコの実でした。果実は長さ2センチほどの楕円形、いかにも美味しそうな色づきでした。一粒ほおばるとちょっと渋みがありますが、ほのかに甘く美味しかったです。
・赤い実といえば、イチイの実も甘くて美味しいですね。ただ、
この実(仮種子)は、種に毒があるので、種は必ず吐き出さなければいけません。このイチイは、06年10月5日の「谷津田だより」でも紹介しましたが、別名を「アララギ」といい、正岡子規の門人により刊行した短歌雑誌のタイトルにもなっております。
・利根川土手の散策の後、木下駅の近くにある水辺の文学インフォメーション館に立ち寄り、佐藤館長と話をしてきました。この文学館には、アララギを初めとした雑誌や手賀沼、利根川周辺に関わりのあるの文人達の資料が収集展示してあります。開館日は、毎月第1と第3日曜日の10時から4時となっています。一度立ち寄ってみませんか。自称お喋り好きの館長さんがにこにこ顔で迎えてくれますよ。
・この館には、25日の「川に沿っての散策会」の午後、訪問する予定です。関心のある方、まだ人数に余裕がありますのでご一緒しませんか。



   

    クコ・・・若葉は、クコ飯や和え物にもいい。
   
   
    
イチイ・・・昔は、この材で一位の持つ
           笏(しゃく)を作ったという。


クコ…ナス科クコ属の落葉低木。日当たりのよい藪や川の土手などに生える。果実はクコ酒、葉はクコ茶など色々と利用できる。花期は7〜11月、直径1センチほどの淡い紫色の花をつける。果実は、前述のとおり赤く熟す。

 2007
 11.19

◎昨日11月18日に木枯らし1号が吹きました。今日もずっと北東の冷たい風が吹き急に冬になったみたいでした。風邪が流行っていますので皆さんお気をつけ下さい。いつもの便りです。

 『戸神の調整池に白鳥!』
◎一昨年、戸神の調整池に白鳥が2羽初飛来しました。そして昨年も11月25日に2羽飛来しました。今年はどうでしょう。ということで、この1週間ほど調整池をちょくちょく覗くようにしています。昨日、白井在住のS氏からオシドリが飛来したという情報をいただき、午前中さっそく行ってきました。9時10分頃に観察を始めましたが、どこにもオシドリは見られませんでした。ところが、池左岸の樹木の枝の影で暗くなっている場所で白鳥らしき姿を見つけました。望遠鏡で覗くと確かに白鳥でした。そこで右岸にある野鳥観察デッキに移り、再度観察を始めました。動き出した姿をとらえることができ、すぐにコハクチョウと確認できました。
・昨年やってきた2羽は、オオハクチョウですので昨年飛来の個体とは、別個体でした。さて、この白鳥がこの池に留まるのか、他に移動するのかは今のところ分かりません。この数日ここに残れば留まる可能性があります。お近くの方、またこの調整池の上に架かる橋を通る人、しばらくの間観察をお願いします。「居た」、「居なかった」だけでもいいですので連絡を下さい。 ここ戸神では、一切白鳥にエサをやっていません。全くの自然給餌です。白鳥は、少数ならマコモ(水草)などの栄養価の高い茎や根を食べて暮らせるのです。自然給餌の白鳥の飛来地として貴重な場所です。


コハクチョウ…全長120センチ、オオハクチョウより少し小さい。嘴の先は黒く基部が黄色で、黄色部の先端の形は丸い。冬鳥として湖沼、河口、内湾、広い川等に飛来する。繁殖は北極圏でする。この戸神調整池には、一昨年1羽だけやってきた。


・30分ほど観察していたのですが、その間に4回、鷹の狩の場面に遭遇しました。といっても、全部狩は失敗でした。水面のコガモの群れにつっこんでいくオオタカの姿を何度も見ることができました。そのたびごとにコガモは飛び立っていました。しかし、そんな折でも白鳥は、動じません。首をすっくと伸ばし悠然としていました。毅然としたその姿は、鳥の王のような気高さを感じました。
・ところでオシドリですが、まだ居るという連絡が入りました。おそらくオス、メスあわせて10羽近く居ると思われます。
・この白鳥とオシドリがいつまでいるか分かりませんが、お時間の取れる方、戸神の調整池に出かけてみませんか。そして行かれた方、ぜひ白鳥やオシドリなどの水鳥情報を連絡下さい。

   
   オオタカに追われ、コガモ達は必死で
   飛び立った。
    ‥が、白鳥は、微動だにしない。
 2007
 11.22

 寒い日が続きます。明日11月23日勤労感謝の日は、24節気の小雪です。寒いのも当たり前ですね。ところで大相撲の里山は、1勝4敗から5勝7敗まで戻したが、これからどうなるでしょう。なにせ小兵なのに正攻法ですから。 いつもの便りです。

 『まだ、オシドリが留まっています』
◎千葉ニュータウン中央駅から徒歩5分の所にある戸神調整池に、白鳥(コハクチョウ)が1羽やってきたのが、11月19日でした。その後、何人かで池を観察しているのですが、20日以降、白鳥の姿は見られません。この池に留まる個体ではなかったようです。
・あとは、昨年11月25日にやってきたあの白鳥(オオハクチョウ)2羽の再来を期待したいと思います。
・白鳥の去った池に、まだオシドリの一群が留まっています。WG(ウエットランドガイド)のスタッフ数人の観察から推測しますと、オシドリの雄が10羽、雌が4から5羽いる模様です。ただ、この1群がいつまでいるかは全く分かりません。
・4年前の2003年冬までは、この調整池にはいつ来ても10羽程度のオシドリが見られ、県内有数のオシドリの探鳥ポイントとして市外からも見学者がくるところでした。だが、その後。池のふちの斜面林にカワウのコロニーができたり池周辺の環境が変わったりし、オシドリがほとんど飛来しなくなってしまいました。
・この数年は、冬場に数回少数の個体を見る程度となりました。ただ、今年はカワウの姿がまだ少ないので、もしかしたらオシドリが留まるかも知れません。(因みに昨年06年の11月24日の私の記録によると調整池のカワウはすでに約200羽となっています。)・いずれにせよオシドリは、この数日は見られると思われます。


 都合のつく方、池を覗いてみたら如何でしょうか。西側の観察デッキから見て正面及び右手に見られる可能性が強い。双眼鏡は必須です。
・しかし、水面を移動していたり、樹木の下に隠れていることもあり、他のカモのようになかなか見られない場合もあります。その場合は、ご容赦下さい。
※写真下は、今回の個体ではなく前によく飛来していたころのオシドリの写真です。


   
 
オシドリ 2004年2月17日
       戸神調整池西側観察デッキより


◆オシドリ…カモ目カモ科の水鳥。全長45センチ。オスの色彩は美しく特徴的、風切羽が大きく銀杏羽と呼ばれる。ドングリなどの木の実を好んで食べる。
 繁殖は樹洞を利用する。「鴛鴦(えんおう)の契り」とは仲のよい夫婦の例えに用いるが、実際には繁殖後、卵やひなの世話はメスだけがおこなう。

 2007
 12. 4

◎明日12月5日は、「バミューダー・トライアングルの日」です。1945年の12月5日、大西洋上でアメリカ軍機が突然消息不明。その救援機も同じく行方不明。その後、フロリダ、バミューダー、プエルトリコを結ぶこの海域は、バミューダートライアングルと呼ばれるようになりました。
インフルエンザが急に流行りだしました。皆さん、お体ご自愛下さい。いつもの便りです。

『赤い鳥小鳥、なぜなぜ赤い。赤い実を食べた』
◎1918年大正7年に発行された雑誌「赤い鳥」に発表されたのが、北原白秋作詞の童謡歌「赤い鳥」でした。歌詞には、赤い実を食べると赤くなるとありますが、それは眉唾(まゆつば)ですね。ただ、赤い実は、よく目立ち鳥にとって好まれているようです。
・今の時期、里山には木の実や草の実がいっぱい見られます。木の実で圧倒的に多い色が赤です。先日印西戸神集落を歩いていましたら、ひときわ目立つ赤い実を見つけました。
・山地の林縁部に見られ、観賞用としても庭や植木鉢で栽培されているモクレン科(マツブサ科)のサネカズラでした。ヒヨドリやムクドリは食べるというが、他の小鳥達は手を出さないようです。きっとあまり美味しくないのかも知れません。でも見た目にはとても綺麗で美味しそうなのですが。小さな実が球形に集まり直径3センチ近くにもなります。


●写真下は、美男葛の別名がある
 サネカズラの実

   

・散策途中気をつけて探してみましたら、赤い実はサネカズラの他にもガマズミやアオキの実、ヤブコウジ、ナンテンなどたくさん見られました。皆さんも、木の実探しをしてみませんか。

サネカズラ・・・モクレン科(マツブサ科)の常緑つる性樹木。漢字は「実葛」とか「真葛」と書き、実が美しいカズラというのが名前の由来。
若いつるは、赤みがあり粘液がとれる。昔この液で髪を整えたことから美男葛(びなんかずら)の別名がある。

 2007
 12. 11

◎「化石賞」とは、COP13(国連気候変動枠組み条約13回会議)で、最も後ろ向きな発言をした国をNGOが毎日選んでいる賞です。
受賞の理由は、温暖化対策により原油消費が減った場合の損失補てんを求める発言といいます。ノーベル賞の受賞のニュースが報道されていましたが、同じ賞は賞でもいろんな賞があるものですね。

 『ぼろ着て奉公・・・』
◎ゴロスケ、ホッホと聞こえる声で鳴き、「ぼろ着て奉公」と聞きなされるのは、猛禽類フクロウ科のフクロウです。
・なんと全長(くちばしから尾までの長さ)が50センチもある大型の猛禽類です。顔盤(がんばん)が発達していて、顔は平面的に見えます。昼間は、林の樹上にじっとしていて、まるで樹のコブになったようです。夜の戸張が開くと大きな顔の中にある真ん丸い目を動かして活動を始めます。
・エサは主にネズミなどの小動物や小鳥などを襲って食べるといいます。社寺林などにすみ、昔から人々に親しまれている鳥ですが、最近は開発や、営巣できる大きな樹木の減少で全国的に激
減しています。
・印西にも一年中いますが、やはり数が減少していると思われます。もう、やたらに会える鳥ではありません。・フクロウは、千葉県の保護上重要な野生生物(レッドデーターブック)にあげられており、猛禽のオオタカやサシバ、ノスリ等と同様に繁殖にからむ情報は、公開しない方がいいでしょう。
・フクロウの置物をよく見かけますが、フクロウは「不苦労」につながり縁起物といいます


 私は、何度か野生のフクロウに会っていますが、グルッと回る首が不思議で、つい頭を掴んでグルグルグルと回してみたくなります。でも首は、実際にはやはり360度は回らないようです。鬱蒼とした斜面林を歩いている時、「ぼろ着て奉公」の声が聞こえないかつい耳を澄ましてしまいます。

フクロウ・・・フクロウ目フクロウ科の猛禽。九州以北に留鳥として分布し、平地にもいる。神社や寺など大きな樹のある所に棲む。千葉県レッドデーターブックカテゴリーB(重要保護生物)に指定。なおフクロウ科のアオバズクは、夏鳥としてやってくる渡り鳥。

   
  フクロウ 撮影 2007.07.01
        八ヶ岳高原にて

 2007
 12. 13

◎「今年の世相を表す漢字」にちなんで、福田首相は、「信」をあげたという。清水寺で12日に発表された漢字一文字は、「偽」でした。このギャップはすごいですね。
今回は、戸神調整池の白鳥情報です。

 『やっと、やってきました2羽の白鳥?』
◎本日12/13の午後、印西戸神調整池の脇にお住まいのUさんから、白鳥飛来情報が入りました。 さっそく出向いてみますと真っ白で綺麗なオオハクチョウ2羽の姿が池水面に見られました。その後しきりに池に生えている水草、マコモの根をついばんでいました。
・写真を何枚か撮り、家に帰りさっそく拡大し、昨年飛来した個体と一昨年飛来の個体の写真と比べてみました。
 一羽は、真っ白な個体で完全な成鳥と思われます。もう一羽は、首から頭にかけほんのすこし灰色かかった個体で2年目位の若鳥と思われます。嘴の黄色い部分の模様を元に比べたところ、成鳥の方は、昨年の個体に酷似していました。
 若鳥のほうも似ていました。年齢的に考えても、2羽という数からしても昨年飛来した個体の可能性が高いように思われます。
この池で越冬すればほぼ間違いないと思われます。
・とりあえず、この数日池にとどまっているか見守りたいと思います。皆さんも、もし、戸神調整池のお近くを通った際には、気をつけて見てください。池に居るとしたら橋の上から見えると思います。
この週末、移動していなければ、「戸神調整池白鳥見守り隊」活動開始します。
隊員は誰でもできます。活動内容は、調整池で白鳥を見たら、メールかFaxで見た日時と数と気の付いたことを連絡していただくだけです。


戸神調整池の2羽の白鳥…2005年11月23日に一羽のオオハクチョウ(A個体)が調整池にやってきた(初飛来)。その後、コハクチョウ(B個体)が一羽飛来して2羽で越冬した。
2006年11月25日に2羽のオオハクチョウ【1羽はA個体と思われる。もう1羽は若い個体(C個体)でした】がやってきた。
そして、今日2007年12月13日にまた2羽のオオハクチョウがやってきた(1羽はA個体と思われる。もう1羽もC個体に似ている)。この調整池は、たった2羽ですが、オオハクチョウの自然給餌の越冬地として貴重な場所です。ここ戸神調整池は、自然給餌でのオオハクチョウの越冬地としては、日本でも有数の場所となります。南限かその次位だと思います。


   
 ◇写真 やってきました2羽の白鳥
      (戸神調整池にて)
  手前2年目の若鳥? 奥3年目の成鳥

 2007
 12. 17

◎新聞の折り込み広告に混じって、「ねんきん特別便」のチラシが入っていた。ちょっと引きつったような笑みを浮かべた舛添大臣の顔写真が出ていた。言った、言わないと自己弁護におおわらわのようですが、兎に角不明年金をしっかりと調べて欲しいですね。皆さんの年金は大丈夫ですか。いつもの便りです。

 『やはり、あの《ひとりぼっちの白鳥》のようです』
◎印西戸神調整池にやってきた白鳥も今日で4日目になります。2羽の白鳥はとても仲がよく、食事(水草のマコモの茎や根をついばむ)の時も、休息の時もいつも一緒です。
・その様子は、昨年の2羽の白鳥と全くといって同じです。この数日の様子から見て、昨年飛来の2羽のオオハクチョウと同一と考えていいのかと思います。
・白鳥の個体識別は、くちばしの黄色い部分の形で見分けます。ただ、コハクチョウでは黄色部分の個体差が大きいので見分けが比較的簡単ですが、今回飛来していますオオハクチョウの場合は、この黄色部分の形の個体変化が少ないので非常に見分けが難しいです。
 でも、くちばしの写真を拡大して比較すると個体により微妙に異なります。
・今回やってきています2羽の白鳥のくちばしの写真を昨年飛来の個体の写真と比較してみました。(右写真)

 その結果私の【素人】判断では、1羽はまず間違いなく昨年の飛来の個体と同じと思います。もう1羽は、昨年幼鳥であり、くちばしの黄色(昨年は白色)部分の形がはっきりしていませんでしたので、半分位の推測しかできませんが、大変似ていました。白鳥は、家族や、夫婦の結びつきが大変強いといいますので、一緒にやってきたことから、おそらく昨年の個体と思われます。
・となると、2羽の白鳥は、3〜4000キロもの距離をこの小さな調整池を忘れずに無事に戻ってきてくれたことになります。なお、1羽は、一昨年飛来したあの「一人ぼっちの白鳥」と思われますので、今期で3年目の飛来です。
・2羽の個体識別ですが、橋の近くにいても黄色部分の見分けは大変難しいです。最低20倍程度の望遠鏡が必要です。
・なお、ここは、自然給餌(餌付けをしない)のオオハクチョウ飛来地として大変貴重な場所となります


。・駅から5分、橋の上から見えるので白鳥にプレッシャーを与えずに観察できる場所です。
 エサは、池にたくさん生えているイネ科の大形多年草のマコモの茎や根です。

   
 2006・11・26の写真 2年目飛来時の写真
   
※黄色部分の形を比べてみてください。
   
 2007・12・13の写真 3年目飛来時の写真

◆オオハクチョウ…カモ科の冬鳥。全長140センチ、羽を広げると250センチにもなる。全身純白で首が長い。雌雄同色。繁殖地は、ユーラシア大陸タイガ地帯。冬には、大陸南部や日本にやってきて越冬する。繁殖は、一夫一妻。死ぬまで添い遂げるという。行動は家族単位。

 2007
 12. 23

◎湯たんぽや火鉢が見直されていると聞きます。温暖化防止というより、原油高騰による家計防衛策です。でも、これもエコになりますね。寒くなりましたが、皆様如何お過ごしですか。いつもの便りです。

 『掩体壕見学に行きませんか』
◎「掩」とは覆い隠すこと。「掩体壕」は、えんたいごうと読みます。
・印西市草深地区には、かつて平坦な野原と山林が広がっていました。ここには、昭和16年4月、逓信省航空局が開所した印旛航空機乗員養成所がありました。しかし、戦局が激しくなるにつ
れ、養成所は縮小され、昭和19年には、ほとんどが軍用飛行場に変わってしまいました。この際に築かれたのが、空襲から飛行機を守るための掩体壕なのでした。


・昭和57年印西市石造物調査会の調べによると36基確認されたそうです。無蓋方(覆いのない)の土手を盛っただけの壕は現在殆どが消滅してしまいました。ただ、崩れた状態ですが、ほんのいくつかがかろうじて残っています。
・これも数年の内には、住宅建設のための開発でほぼ消滅すると思います。今のうちに全国でも珍しい無蓋方土盛り式の掩体壕を見に行きませんか。
・現在印西市では、この戦争遺産である掩体壕を1基のみ保存する動きが出ています。まだはっきりしませんが。
※下の写真は、この掩体壕のうち保存状態のよい1基です。この壕も間違いなく数年のうちに消えてなくなる運命です。

◆草深掩体壕見学…08年2月23日(土) 里山散策会の午後、掩体壕を見学する予定です。この散策会の詳細は、トップページを参照。



現存する覆いのない土盛りだけの掩体壕は、全国でも非常に珍しい。

 2007
 12. 27

☆今年の世情を表す漢字一文字は「偽」でした。この「偽」は投票の2割近くも占めたそうです。
 TVで、清水寺の森貫主が、この一字を書き終えた後、この字が1位とは、残念のきわみと言っていたことが印象に残りました。
☆10位までには、このほか「嘘」「疑」「乱」など偽に負けぬ(?)猛者が並んでいます。でも、20位まで見ますと「心」「信」「愛」「幸」「温」などほっとする漢字もあります。
 来年は、子(ね)年です。「子」は十二支の1番目ですので、物事のスタートの年でもあります。悪しきことは、亥(い)に預けて新たなスタートをしたいものですね。
 一年間、ウエットランドガイドの活動を直接、或いは間接的に支えていただきありがとうございました。活動のうち里山(海)散策会の参加者もこの12月で1500名を超えました。これも皆様方のお陰と感謝しております。
 連日寒い日が続きます。時節柄お体十分ご自愛し、良いお年をお迎え下さい。来年もよろしくお願い致します。




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