印西・谷津田だよりの18ページ

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2006 2. 4	今日は立春。でも寒かったですね。いつもの便りです。 ◎『へぼ捕りってなあに？』市内木刈にお住まいのＭさんから、興味深い話題のメールが届きましたので、貼り付けさせていただきます。　（※の中）木刈のＭさんからのメール ※昨年秋の話ですが浦部川ぞいを散歩していましたら、土地の老人が1メートル位の竹竿の先にエビガニ（ザリガニ）の皮をむき、畦道に突き刺していました。　聞いてみると、地蜂の巣を探しているとのこと。すでに蜂が喰らいつき、エビガニを肉団子状にし飛び立ちました。その方向を確認し餌を序じょに近づけ発見するとのこと。　昔ながらの自然と戯れる知恵に関心しました。地元の人は、色いろなノウハウを持っているのでしょうね。機会がありましたらもっと触れたいものです。※ ◎海から遠く離れた山国の人々の知恵だと思います。海の幸を求めることが難しいため、昔から淡水魚や昆虫を食べる習慣がありました。	・「へぼ」とは、クロスズメバチのことです。体長10から15ミリほどの小型のスズメバチで、比較的おとなしく美味しいということで好まれたようです。・信州では、へぼを捕るのに、真っ白な綿をくくりつけた鶏肉をエサとして巣を探すという。へぼの巣探しの様子は、よくＴＶなどで放映させています。幼虫の佃煮や幼虫・成虫をご飯に炊き込んだりと色いろですね。お土産に蜂の子の瓶詰めなんてのもありますね。（私は、苦手です）・Ｍさんのメールの地蜂が信州で言う「へぼ（クロスズメバチ）」です。・印西地方のへぼ捕りの方法は初耳でした。きっとお年寄りの方たちの楽しみなんでしょうね。 ◆クロスズメバチ…地蜂のこと。体長10から15ミリ。全体黒色、地に穴を掘り材木をかじってその粉を練り、地中に巣を作る。幼虫を「蜂の子」と呼び食用にする。すがる、すがり、へぼなどの呼び名がある。
2006 2. 6	今日からまた天気が崩れるようです。雪模様になるかも知れませんね。いつもの便りです。 ◎『青混ぜって何？』・今日2月6日は、「海苔の日」です。全国海苔貝類協同組合連合会が1960（昭和41）年に制定したという。制定の由来は、７０２（大宝元）年1月1日（新暦2月6日）、大宝律令が施行され、その中で海苔が産地諸国の物産として年貢に指定されたからとなっている。・昨日、冷え込みの中、ＪＲ巖根駅から、民宿Ｙのマイクロバスで金田漁港の船だまりに行き、漁船に乗り込んだ。海苔漁師のＫさんの案内で金田漁協の海苔組合の養殖している海苔漁場で海苔ヒビなどの見学をしました。風が強く少し白波が立っている中、ハンドマイクで説明をしてもらいました。風と寒さで説明の半分も聞き取れませんでしたが、小型船で海苔収穫作業をしている人の様子を間近にみて漁業の素晴らしさと苦労を肌で感じた気がしました。　漁港に戻る途中、「海上からの撮影はめったに出来ませんよ」の船長の言葉に東京湾アクアラインをカメラにおさめ、民宿Ｙにもどって、海苔漁師であるとともにＮＰＯ里海の会の会長でもあるＫさんから里海の保全と後継者や輸入自由化で存続が危ぶまれている千葉県漁業の話を聞き寒い一日の研修を終了した。	帰りがけにみやげ物売り場にあった民宿Ｙ産の「青まぜ」を購入し、民宿を後にしました。そうそう、民宿で食べた地元産のアサリをふんだんに使ったアサリ定食はおいしかったです。・電車の中で参加者と里海の保全・利用と印西など北総の里山の保全・利用に共通点について話しながら帰路につきました。 ◆青まぜ…焼き海苔の商品名。「青混ぜ海苔」のこと。普通の海苔に青海苔が自然に加わったもの。これは海苔生産量のわずか0.5パーセントにも満たない自然が作り出す稀少品。大きな川が流れ込んでいる漁場でしか採れない。金田漁場の場合は、小櫃川が流れ込む。追記　戸神情報・2羽の白鳥は、相変わらず寒さに負けず元気です。・昨日、白井のＳさんから、オシドリを見たとの連絡がありました。皆さんも、もし気がつきましたらご連絡下さい。
2006 2.13	スーパーＪは、通路にまでバレンタインデー用のチョコとひな祭り用のヒナアラレが並んでいる。外は、随分寒さが揺らいできたようですが、皆様風邪などひかれていませんでしょうか。いつもの便りです。 ◎『ワンガリ・マータイさん来日』　前に、「もったいないぞう」君の紹介をしましたが、覚えておられますか？落ちている椿の実に目玉を描き、脇にエコマークの緑の●をつければ出来上がり。とっても簡単な環境監視小僧が、「もったいないぞう」君です。この「もったいないぞう」君は、マータイさんの地球環境保全を目的としたＭＯＴＴＡＩＮＡＩ（もったいない）キャンペーンの活動にあやかって考えて広めているものなのです。　毎日新聞社の招きで、このマータイさんが12日に来日しました。今回は22日までの間、東京を初め本県などを含め全国各地を訪れシンポジウムなどを行なうそうです。千葉県では15日に松戸市の小学校で特別授業をやるそうです。行ってみたいのですが、丁度散策会の当日なので無理ですね。　おかげさまで阿部作「もったいないぞう」の配布も600個を超えました。でも、まだ材料はありますのでいくつでも作れます。お知り合いやお友達、サークルなどで「もったいないぞう」君が必要な方がありましたら連絡下さい。	できるだけ対応したいと思います。また、グループで「もったいないぞう」を自分で作りたいという場合も連絡下さい。 ◆ワンガリ・マータイさん…グリーンベルト運動の創設者、ケニア副環境相。27年間にわたりアフリカで植樹活動を続けた。そして、女性の地位向上、貧困の解消、平和の確立のために活動を続けている。昨年2月に来日した際、日本語の「もったいない」という言葉に共感。「ＭＯＴＴＡＩＮＡＩ］キャンペーンを世界に発信している。ノーベル平和賞受賞者。 ※ちょっぴりニュース　トリノオリンピックの開会式を見ましたか。五輪旗は、女性のみ8人によって運ばれていましたね。先頭左は、イタリアの大物女優ソフィア・ローレンさんでした。実は先頭右側がこのワンガリ・マータイさんでした。大柄の黒人女性です。開会式終了後、ロンドン経由で成田空港に到着したという。 ★戸神の白鳥さん情報相変わらず、2羽は仲良しです。オオハクチョウの羽根が随分白くなってきました。北に帰るのはいつごろでしょう？
2006 2.14	イタリア語では「バレンチノ」、英語で「バレンタイン」と呼ばれる3世紀にローマの司祭が殉教したのが、2月14日。今では、愛の告白や贈り物をする日、女性から男性にチョコレートを渡す日として定着しています。今年は、義理チョコより自分用が売れているという。新宿伊勢丹から始まったチョコレート商戦.。　皆さんの回りは、いかがですか。私も、義理チョコ一つゲットしました。	◎自然情報　今日の暖かさのせいか、ウグイスのさえずり（とても下手でしたが）を聞きました。一回だけで、やっとウグイスだと分かるぐらいの声でした。場所は、船橋市みやぎ台。
2006 2.16	ラムサールセンター事務局に行った帰りの電車の中、ウトウトしていた私に吊り広告の文言が目に付きました。 ◎『東京はイキなマナーが似合います』・この文言が、私の寝不足で眠い目を覚ましました。最近の吊り広告には工夫を凝らしたものがあるようですがどれも退屈です。以前「たより」に相撲の所作で右手の指を広げて土俵に上ることを書きましたが、覚えている方ありますか。この右手を広げて手刀を切るような仕草をして土俵に上るのは、相撲所作の一つです。　広告には「江戸しぐさ」のタイトルで「傘かしげ」と「こぶし腰うかせ」のしぐさがイラスト入りで出ておりました。これは、江戸庶民の生活の所作の一つです。イラストには、次の説明が出ていました。 ★路地裏のイラスト　「傘かしげ」…①雨の中、すれ違う時　②お互いにスッと傘をかしげ　　③濡らさない気遣いを ★電車（路面電車）のイラスト　「こぶし腰浮かせ」…①人が乗ってきたら　②腰をこぶし分浮かせて　③サッと席をつめましょう　　（公共広告機構）	又、江戸は完璧なるリサイクル社会であったそうです。当時から地産地消でゴミを出さないシステムが出来上がっていたという。当時100万を越し世界一の人口があったこの都市は、道にゴミも落ちておらず、犯罪もほとんど無く僅か24人の与力と同心が治安を守っていたという。　※現在の都庁職員にあたる奉行所勤めの与力と同心の数は、全部で280人に過ぎません。そのうち現代の警察の役割を果たす役人は、僅かに24人という。　政局が安定していたことがその理由ですが、江戸しぐさといわれた庶民の人への気遣いの精神の徹底があったのでしょうね。・真珠真理子さんの「もったいないばあさん」もそうですが、長谷川町子さんの「意地悪ばあさん」の小気味いい意地悪の中に流れる人への気遣い、まさにこの江戸しぐさの心を子供たちに伝えていきたいですね。ひさびさにほっとしたものを見た気がしました。　でもその吊り広告の下の座席で足を大きく投げ出して寝ている人がいました。とほほほ・・・。 ◎戸神白鳥情報・・・小雨の中ですが、相変わらずいつもの餌場で2羽仲良く水草の根を食べていました。その脇でオオバンが一緒になって餌を食べていました。さあ、北帰行はいつでしょう？
2006 .2.21	朝日新聞首都圏千葉のページに印西市馬込遺跡の奈良・平安時代の小さな村から発掘された２基の瓦塔について載っていました。ともに七重塔で国内で初めて発見されたものだという。　印西には、紀元前１８０００年の木苅峠（きかりびょう）遺跡をはじめ、目録に記載されているものだけで２１０を越す遺跡がある（1983・3調査）。きっと大昔から、海の幸・山の幸が豊富で温暖な暮らしやすいところだったのでしょうね。馬込遺跡の場所は現在の印西市平岡です。　この瓦塔は３月２日まで千葉県立中央博物館（千葉市）で展示されています。	◎『飛翔情報を下さい!』　今日も戸神調整池の2羽の白鳥は、のんびりと橋げたの下で寝ていました。でも、白鳥の北帰行はそろそろ始まります。この2羽は、いつ旅立つのでしょう。 ※情報を下さい。戻る前には、きっと池の上空を練習飛行をすると思います。そんな場面を見たら連絡下さい。もし、デジタルカメラを持っていましたら撮影して写真を撮って送っていただけるととても助かります。 ◆戸神調整池ちょっぴりニュース・20日の昼ごろ、橋の上から葦原を見ていたら、バンより一回り小さく褐色の鳥が葦の中を歩いていました。最近大変珍しくなったクイナでした。私は、印西で初認でした。
2006 2.26	昨日、印西自然探検隊で最後に立ち寄った県立花の丘公園の池でメダカを見つけた。メダカはほとんどの個体が自然状態では冬越しできずに死んでしまうようです。一部の個体が寒さにじっと耐えて春を迎えます。そして、水がぬるんでくるとわっと増えるのです。寒い冬もそろそろ終わり、春を実感した瞬間でした。いつもの便りです。 ◎『もしかしたら、北帰行か？　白鳥がいません ! ! ! 』・雨のため、木下ウォークが中止となったので、昼前に戸神調整池に傘を差して出かけました。さっそく、双眼鏡で探します。　池の水面は勿論、食事の場所のアシハラにも、ねぐらの大橋の橋げたの脇にもいつもの白鳥たちの姿はありません。　人気者になった2羽の白鳥は、とうとう見つかりませんでした。昨日の探検隊で皆で見たのが最後になったのでしょうか。	もし、北へ旅立ったのでしたら、後は無事に目的地（繁殖地）に行ける事を願うだけですね。　そして、初冬に再度この池にやって来ることを。・ひとりぼっちの白鳥さん（オオハクチョウ）が約3ヶ月と少し、お友達の白鳥さん（コハクチョウ）が約2ヶ月あまりの飛来でした。・白鳥のいない池では、オオタカの狩が行なわれていました。一瞬の出来事でした。犠牲はコガモ一羽でした。 ◆繁殖地・・・オオハクチョウはシベリア、コハクチョウはもっと北の北極圏まで行くようです。ただ、2羽の白鳥は、まだ若鳥のためつがいは作りません。 ※お願い・・・飛び立ったところは見ておりません。まだ、池のどこかにいるかも知れません。もし見た方は、連絡下さい。
2006 2.27	◎『やはり、旅立ちでした！ー　2羽の白鳥さん　ー』・人間的勝手論で、もしかしたら「まだいるかも？」等と勝手なことを考えながら調整池に出かけました。調整池には、たくさんのカモ達が何事も無かったようにのんびりと水面に浮かんでいました。　（白鳥の）いつもいる場所は勿論、橋の北側もくまなく双眼鏡で調べました。でもやはり、2羽の白鳥さんは、いませんでした。・25日の午後に調整池の西側にお住まいのUさんが羽根をばたつかせている2羽を撮影したのが、見納めかも知れませんね。おそらく、昨日2月26日早朝が、北帰行だと思います。	オオハクチョウ・・渡来日11月23日　旅立ち日2月26日コハクチョウ・・・・渡来日12月23日　旅立ち日2月26日 ◆白鳥の渡りの豆知識… 　　越冬地　オ　シベリア（タイガ地帯）、　　　　　　　コ　北極圏（ツンドラ地帯）。　飛行距離（およそ）　オ　3000キロ　コ　4000キロ。　飛行速度　約50キロ　追い風だと70キロ　気流にのると100キロも出る。　3000メートルもの山脈も越える。
2006 3. 3	今日3月3日は、桃の節句（五節句の一つ）。もともとは上巳の節句といわれ、3月上旬の巳の日であった。　後（のち）に3月3日に行なわれるようになったそうです。　それから、この3月3日は、「耳の日」でもあります。「み（３）み（３）」の語呂合わせから制定されたのですが、この日は三重苦のヘレン・ケラーにサリバン女史が指導を始めた日でもあります。これは、あまり知られていません。いつもの「たより」です。 ◎『ハンノキの茂る谷津に、カエルのたまごがいっぱいだ！』　蛇と蛙は、「駄目！」という人も多いと思いますが、話だけですのでお付き合い下さい。　・市内のＡ谷津に行ってきました。湧水（湧き水）が多い場所なので、長靴持参です。かなり急な坂を下りると谷津の底部に着きました。畦畔木（けいはんぼく）と呼ばれ、昔から谷津田に欠かせなかったハンノキの茂った湿地は、以前は水田（谷津田）だった場所でした。　・もう？十年以上も放棄された水田跡には、ヨシが茂り、荒れ放題です。でも、斜面からはかなりの量の湧水が確認されました。生き物も豊富そうです。　・谷津の真ん中に設置されたかも場（※注）には、まだ水が張られていました。その水中にたくさんのカエルの卵を発見しました。およそ10センチほどの卵塊がそこかしこにいっぱいありました。ざっと見ても、卵塊が300から400もありそうでした。この一つの卵塊には500個から1000個もの卵がくっつきあっています。時期と卵塊の携帯から見て、ニホンアカガエルの卵です。　・このカエルは、千葉県レッドデーターブックによると最重要保護生物Ａに指定されています。この種は、１から3月に水田などの日当たりのよい浅い水溜りに産卵します。かつては、どこの田んぼでも見られましたが、田んぼが乾田化され、産卵時期に田んぼに水がなく、産卵場所を失い、絶滅に瀕しているのです。　・その点、トウキョウダルマガエル（この辺りでは、トノサマガエルという種）やアマガエルは田んぼに水が入る春に産卵のため乾田化の影響は少ない。 ※注　カモ場…狩猟期に谷津の休耕田等に水を張り、餌をまき夜間に飛来するカモを網で捕らえる場所をいう。印西地区には多い。	◆ニホンアカガエル…体色は鮮やかな赤褐色。冬から早春に産卵。1990年代に入って湿田の乾田化により激減。千葉県レッドデーターブックカテゴリー　Ａ（最重要保護瀬物）指定。きっと、子供の頃にカエル食べたという人は、この種を食べたのでしょう。足を焼いて食べるのが普通だった。 ☆このカエルのほかにも素晴らしい自然の残る谷津をずっと残して行きたいものですね。
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