印西・谷津田だよりの32ページ

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2007 　8.10	◎「ナガサキアゲハ」もドイツ人の医師シーボルトが名づけたという。日本の動物学、植物学の元になったというシーボルトの名を知らない人はないでしょう。ただ、シーボルトが帰国する際に、幕府禁制品の日本地図などを持ち出そうとして発覚、1年間の取調べの後に国外追放になったシーボルト事件はあまり知られていません。　1828年の今日8月10日は、この事件発覚の日でした。いつもの便りです。　　『生命の神秘が、こんな近くで』 ◎千葉NT中央駅北側の公園に集まったのは、午後8時近かったです。・前半は、公園の周りの歩道を懐中電灯片手に足元を見つめながら歩くだけです。10メートルも歩くと、子ども達の歓声が上がりました。歩道を歩いているもの、あるいは、歩道と車道の段差のところ、中には車道に出てしまったものもありました。・実は、これは、穴からやっと這い上がってきたばかりのセミの幼虫です。この幼虫をそっとつまんで反対側の低い木の上に乗せてあげるのです。公園を一回りすると、全部でおよそ30匹程度救出できました。　名づけて「セミの羽化救出作戦」です。　すでに歩道で踏み潰されたものや、車道でノシイカのようになったものなど、いくつも目につきました。中には、力尽きた幼虫にアリが沢山たかっているものも見られました。　まさに食物連鎖そのものでした。・後半は、セミが樹上で羽化するのをじっと見つめていました。木の幹や葉にしっかりと前足を固定してから、徐々に背中が割れ、上半身から出てくるのです。　色は、コバルトブルーが混ざった白で、とってもきれいです。・数時間すると羽がしっかり伸びてきて色もうっすらと茶色がかってきます。これを、子供も大人もみんな同じ目線で眺めています。とにかく飽きません。	生命の神秘を垣間見た気になりました。　ただ、せっかく羽化しても羽が伸びなかったり、とちゅうで地上に転落したりするものもあります。そこには、すでに数匹のアリ（斥候か）が待機してました。　これもまた、ドラマですね。　皆さんの周りでも、毎晩このような生命のドラマがあると思います。時にはご家族で、夜の公園に出かけませんか。　ただ、夜間ですので単独の観察は絶対に避けましょう。懐中電灯は、必携。　写真は、昨晩のアブラゼミの羽化の様子を撮ったものです。　　　 ◆アブラゼミ…もっとも普通に見られるセミで、街中に多い。　午前中と午後3時ころから夕方までの間、ジ、ジ、ジとやかましくj鳴く。大発生して梨などの果実の害虫となることもある。　卵から成虫になるまでに7年もかかる。
2007 　8.18	◎猛暑、酷暑、炎暑・・・、どの言葉が当てはまるのでしょう。40.8度という数字が連日TVのニュースで流れましたこの頃です。今日はそれでもいくらか過ごしやすかったですね。いつもの便りです。　『馬と牛』 ◎馬といっても、鳥ではなく馬インフルエンザで中央競馬が中止になった話ではありません。・子どもの頃、田舎（千葉県山武郡）に行った時、祖父が上手に稲（或いは、マコモ）で馬を作っていたことを思い出します。確か時期は、7月の七夕の時だったと記憶していました。・8月13日に家内の田舎（千葉県香取郡）に行ったら、義兄が裏山から篠竹を切って来たところに出会いました。　お墓の精霊棚を作るということでした。13日はお盆の迎え火を焚き、精霊棚を飾り、ご先祖をお迎えする日なのです。16日（地方によっては、15日）の夕方には、送り火を焚いてご先祖様を送るのだそうです。・精霊棚のことを少し調べますと地方によって異なりますが、ホウズキや、がまの穂、みそはぎ、粟などをぶら下げ、里芋の葉にナスを賽の目に切ったものを供えたり、そうめんや団子、野菜をお供えするところが多いようです。 ◆おぼん（盂蘭盆）…中元（7月15日）に先祖の霊を向かえ、供物をお供えして供養する行事。千葉では、旧で行うところがほとんどである。有名な京都大文字山の送り火もこれ。	・そして、タイトルにある「馬と牛」の登場です。市原（姉ヶ崎）では、なすの牛（ナスに足をつけたもの）ときゅうりの馬（キュウリに足をつけたもの）がつきます。千葉市や四街道市も同じです。ご先祖様を13日にキュウリの馬に乗せて、足早にお迎えし、16日には、ナスの牛に乗せてゆっくりと送るのだそうです。・お盆は日本人にとって馴染みの深い仏事ですね。何気なく行っている行事の内容にもそれぞれの意味が含まれているのですね。このような行事も大切に守っていきたいものですね。・皆様のお宅では、どんなお盆を過ごしたのですか。　　　　実家に飾ってあった牛と馬。すでに干乾びています
2007 　8.20	◎クマゼミが、マスコミを賑わせている。といっても「温暖化」の指標としてではありません。IT関係のニュースです。それは、クマゼミが木の枝と間違えて光ファイバーに産卵管を突き刺し断線するという被害です。一昔には、考えも付かない誰かの言葉で言うと「想定外」の事件ですね。昨週は、「たより」が週末になってしまったので連続してしまいますが、いつもの「たより」です。　『猫にマタタビ』 ◎ドクダミ科のハンゲショウは、別名片白草といわれる。その所以は、上部の葉が半分白くなるからです。このハンゲショウを知っているいる人は多いが、同じように葉の半分が白くなる「マタタビ」の木を知る人は少ないようです。・印西の谷津に面した斜面林にもたまに見られますが、今回は、毎年歩く信州の高原で見つけ、写真を撮ってきました。・猫にマタタビを嗅がせると、なめる、かむ、頭をこすり付ける、体をくねらせたり転がりながら身もだえする、よだれを垂らして恍惚状態（フレーメン状態）になるといいます。　これは、マタタビに含まれるマタタビラクトンとアクチニジンという物質が猫の神経を刺激し、性的快感を覚えさせるといわれています。また、このマタタビは、猫の万病の薬として、用いられるそうです。・このマタタビは、古くから人間にとっても山菜や果実酒、時には入浴剤として利用されてきたそうです。・半分白い葉を見つけ、写真を撮っていましたら、いくつか実がぶら下がっていました。どれも直径１～２センチほどの小さなカボチャ型の実でした。このマタタビに近い種のサルナシは、キュウイそっくりな実が付くのに変だなと思い後で調べてみました。図鑑を見るとやはり、マタタビの実の形はキュウイを小さくしたような形でした。では、このカボチャ型の実は何でしょう。実は、虫こぶでした。マタタビの花の子房部分にマタタビアブラムシが卵を生み、果実はこぶ状になります。この虫こぶの実は「木天蓼（もくてんりょう）」と呼んで商品化されます。また、これを果実酒にしたものが「マタタビ酒」です。	・唐松林の裾部の低木に絡み付いているマタタビの白い葉は、遠くからも目立ち自分を主張しているように感じられました。そういえば、このマタタビの木の下に何本ものオオウバユリの花が、これも自分の存在を主張するように見事に咲いていました。もっとも、こっちのユリの方は特別に主張せずとも誰でも関心を持つ種です。　　　　　マタタビの葉と実（カボチャ型）　八ヶ岳山麓にて　　　　　　マタタビの実（キュウイ型）　Webより ◆マタタビ…マタタビ科の落葉つる性の樹木。　花期は６～７月。実は長さ３センチの楕円形。ほかに虫こぶとなったいびつな実もある。　秋にオレンジ色に熟した実は、甘くておいしい。虫こぶのできた実は果実酒に使われる。因みに、マタタビの名の由来のひとつに「旅人がこの実を食べ、疲労回復をして、又旅を続けたという」説もある。
2007 　8.27	◎ 「どうせおいらはやくざな兄貴…」で始まるのは、映画フーテンの寅さん「男はつらいよ」のテーマソングです。毎年楽しみに見ていた映画でした。もっとも、渥美清が亡くなってからビデオやテレビで見た回数の方が映画館で見た回数よりはるかに多いです。今日、8月27日は「寅さんの日」です。1969年の今日8月27日、「男はつらいよ」の第１作が公開されました。いつもの便りです。　『森の生き物たちにも異変か！』 ◎印西にある草深の森は、入り口から数メートル入ると、じめっとしてひんやりとした空気を感じる。と思って歩き出したが、ひんやりとした感じはありましたが、じめっとした感じはありませんでした。どちらかというとからっとした空気さえ感じました。・今夏、雨が少なかったせいでしょうか、森に見られる昆虫の種類も数も大変少ないように思いました。・子どもとお母さん達合わせて２０人程、森で生き物探しをしました。お目当ての甲虫は、少なかったです。特にコナラやクヌギなどの幹に傷をつけるカミキリムシの数は少なくて、今日は１匹も見つかりませんでした。カミキリムシが傷つけ、流れ出た樹液を目当てにやってくるカナブンやクワガタ、カブトなどがほとんど見られませんでした。・でも、子どもたちは虫探しの天才でした。　キマワリ、アオカナブン、オオヒラタシデムシ、マメコガネと探し出します。アカガエルやアマガエル、カナヘビ、トカゲなども子どもにかかったらすぐに見つけられてしまいました。念願のカブトムシも２匹見つかりました。その後、トンボ取りをしたり、チョウを追ったり、最後には皆でアリジゴク（ウスバカゲロウの幼虫）を観察したりもしました。うわさのナガサキアゲハも皆に会いに飛んできました。	皆の回りをスズメバチが周回して怖かった場面もありましたが、子ども達それぞれに満足して生き物探しを終了しました。・それにしても、いつもの森と感じが違います。これも今夏の猛暑によるものなのでしょうか。ある程度の生き物達の姿は見つかり、子ども達は満足でしたか、やはり全体に少ないです。異変でなければいいですが。 ※森の中の遊歩道の脇にカブトの死骸が落ちていました。ぱっと見ただけで日本の（在来の）カブトでないことが分りました。子どもに人気のコーカサスカブトの死骸でした。このケースは、誰かが死んでしまったものを捨てたのでしょう。生きている外国産の個体を野外に放したりするのは、生態系を乱すのでよくありません。　　　写真は、森に落ちていたコーカサスカブトムシ（外来生物）の死骸向こう側に死んでいるのはコクワガタ（在来種）のオスです ◆アリジゴク…ウスバカゲロウの幼虫。体長１センチ位、縁の下や木の根元の乾いた砂にすり鉢状の穴を掘って隠れ、すべり落ちてくる小動物をやっとこ状の大あごで捕食。３年もの間、砂の中にいるが、この間一度もふんをしない。というより肛門がなくふんをできないという。これも大変ですね。
2007 　9. 2	◎今日9月2日は「宝くじの日」です。９（く）と２（じ）の語呂合わせから、昭和42年第一勧銀（現みずほ）が制定。　「宝くじの日ですからきっといいことがありますよ」と話した後、散策会の下見に出かけた。1万円札は落ちていなかったが、ナガサキアゲハにも会えたし、何よりも散策の中でいろんな人からいい話を沢山聞くことができた。やっぱり、いい日でした。いつもの便りです。　　『天花粉って？』 ◎先日、小雨模様の中、葛西臨海公園駅に集合。公園内を野鳥を求めて散策しました。　運がよければ南に帰る途中のヒタキ類が見れるかもと期待し、林の脇を歩きましたが、見ることはできませんでした。その後は、橋を渡り西なぎさ（人口浜）で水鳥の観察をしました。・対岸の浜まで距離が遠く見づらかったですが、ダイシャクシギやダイゼン、コアジサシやウミネコなどが確認できました。途中、ハマボウ（アオイ科）やハマゴウ（クマツヅラ科）などの植物を見ながら、少し早いですが昼食場所に考えたウオッチングセンターへ向かいました。・途中、後方を歩いていた人たちから、「カラスウリの花が咲いてるよ」との声が聞こえてきました。50メートルほど戻って観察しているところに行くと、確かにレース状のあの独特の花が咲いていました。でも、確か一夜花のはず。早朝にしぼんでしまうのに、どうしたのか。曇っているからかなあーの声も。・でもよくみると葉に艶があり、花のレースの広がり方もちょっと違う感じでした。実は、種類はカラスウリでも実がより大形で黄色くなる「キカラスウリ」の花でした。　この花は午前中の遅くまで開いていることがあり、撮影するには好都合な種類です。早速、2，3枚シャッターを押して、昼食場所に行きました。・終了後、湿地に設置してある観察デッキから、オオハシシギやソリハシシギ、アオアシシギなど数種のシギを見て皆満足顔でした。	「キカラスウリ」のレース花（葛西臨海公園：07.8.30撮影）　　　　「カラスウリ」の花（市川動植物園：03.7.26撮影）　　　 ◆キカラスウリ…ウリ科の多年草。カラスウリに似ているが、見られるのはややまれ。実はカラスウリより大形で、褐色を帯びた黄色に熟す。根からとった澱粉を天花粉（天瓜粉）といい、汗疹などの薬にする。花びらの形もよく見るとカラスウリとは違う。
2007 　9. 10	◎昨日9月9日は、「クジラの日」でした。そういえば、昨日９日の新聞に千葉県富津岬にクジラ（マッコウクジラ）の子が打ち上げられたという記事が載っていました。台風９号の余波によるものという。今日は、この大形台風にからむ話題です。　『海にオタマジャクシ？』 ◎9月9日は、天候もよく干潟散策会には絶好のお天気でした。参加者も少なく子ども達を中心に家庭的な雰囲気でスタートしました。　最初は砂浜に無数に広がる砂団子の観察、小さな砂ガニのなす仕事です。このあたりまでは、いつもの観察会と同じでした。・でもその後、砂の上にころがっていた茶飴みたいなイソギンチャクを見つけてから首をかしげることが多々ありました。・そのいくつかをあげてみます。１、上記のイソギンチャク（ニンジンイソギンチャク）が、砂の中でなく砂の上にころがっている。弱っているのだろう。２、二枚貝の多量の死んだ貝、あるいは、力不足なのか砂に潜る途中の貝が多々見られた。３、砂浜には、二抱えもありそうな丸太、砂浜を埋め尽くしてしまった枯れた葦、テレビやバケツ、小さな桟橋と思われる木組みの枠、その他おいしそうなカボチャやナス、ごちゃごちゃでした。皆流れ着いたのですね。４その後、捕まえたり見つけたりした生き物に皆首を傾げっぱなしでした。　◎その生き物：ヌマチチブ、カダヤシ、アユ（死体）などの川魚５極め付きは、なんとオタマジャクシが海の中に泳いでいました。すくってみるとウシガエルのオタマジャクシでした。どうなっているのでしょう。・上げ潮の水も茶色（泥水のよう）でしたので、三番瀬に川の水が大量に流入したのに間違いは無いようです。その際、調整池や河川に住んでいた生き物達、そしてゴミも一緒に湾に流れ込んでしまったと思われます。・ウエットランドガイドのスタッフ船橋在住のN氏から9月7日（台風接近の日）の午前10時に行徳可動堰（江戸川放水路）を開放したという情報がありました。やっぱりそうでした。	・この生き物達そして、ゴミはこれからどうなるのでしょう。今回の干潟散策会は、いつもと違った思いを感じるものとなりました。でも、子ども達の生き生きとして観察する姿にほっとする散策会でもありました。　　　　　三番瀬の潮溜まりに泳いでいた　　　　ウシガエルのオタマジャクシ　　　　　砂浜を埋め尽くす流れ着いたゴミの山 ◆行徳可動堰…千葉県市川市に位置し、江戸川（放水路）を仕切る堰である。堰の目的は、①海水の溯上防止し上流での塩害を防ぐ②江戸川水閘門と連動して渇水時に水位を保つ③洪水時にゲートを開放して周辺の河川氾濫を防止する。
2007 　9. 12	◎突然の総理の辞任、国政の場でこんな三文小説のようなことが行われているとなるとがっかりしてしまいます。今回の便りは、9月10日の三番瀬干潟の【その２】です。　『茶色い潮が満ちてきた』 ◎9/10版に書きましたが、満ちてくる潮は、黄土色の泥水でした。オタマがいたり、カダヤシ（メダカに似ている川魚）が泳いでいたりと変なことばかりでした。・これらは台風9号の最中に江戸川可動堰（行徳可動堰）の水門が開放されたことによる鉄砲水のように流れ出た大量の川の水の所為と推測されます。・砂にもぐろうとしてもぐりきれない二枚貝、砂もぐれずに砂の上に落ちているイソギンチャク（ニンジンイソギンチャク）、なにもかも、流入してきた川の泥水によって酸欠となったり、細かな土（シルト）に覆われて死んでしまったか瀕死になっているのです。・私達の目には、大きな流木や枯れた葦のゴミが気になりますが、干潟に棲む生き物にとっては、この流入してきた多量の泥水により命を奪われているのです。船橋漁業によるとアサリに近年にない大きな被害が出たということです。　・これらの被害は、台風そのものによるものではありません。三番瀬と谷津干潟に流れ着いたゴミのほとんどは、江戸川可動堰（行徳可動堰）を9月7日午前10時に開放したことにより、放水路から流れ込んだものと見られています（※読売新聞9/10版、産経新聞9/11版）。99年の8月にも同じような現象が起こっており、その時も大きな被害が起こっております。堰の開放は、洪水防止のためで止むを得ぬものでしょうが、その後の対策を何も行わず、未だ被害予想が考えられる施設や団体に連絡もなく堰を開放してしまう国の施策に疑問を持っています。99年にも大きな問題になったのに又、同じことが繰り返されたのです。・昨日も、谷津干潟センターの所長と話をしていたのですが、ここにも堰の開放について一言も連絡が無かったと言っていました。行政の行うことに疑問を感じます。私は、この数年国土交通省のモニターとして協力していますが、そんな協力もいやになってしまいそうです。何よりも三番瀬や谷津干潟の生き物達が可愛そうでたまりません。なんとかならないものでしょうか。人にも生き物達にも優しい施策を考えるべきでしょう。	三番瀬干潟の砂浜に茶飴のような　　　　イソギンチャクがころがっていた。　　　　谷津干潟の砂浜に、何百キロもありそうな　流木（丸太）が出現。これも流入水による。 ◆三番瀬…三番瀬（さんばんぜ）の殆どは、干潟と浅海域です。ここには、カニやゴカイそして、色々な貝達、スズキやカレイなど多種の魚がいっぱいいます。それに今でも漁業が盛んに行われています。海苔の養殖、アサリ漁業、まき網や底引き漁業等があります。三番瀬は江戸期からお菜が浦と呼ばれ重要な漁場でした。一度出かけてみませんか。
2007 　9. 17	◎数回、里海（三番瀬干潟）の話を書きましたので、今回は里山に戻ります。いつもの便りです。　『白熊と鴎？？』 ◎里山の話題その１・大相撲の力士の里山の話題です。前に二度ほど書きました「力士・里山」ですが、2場所負け越しで今場所十両転落（西５枚目）です。前半4勝1敗と出だしは良かったのですが、その後が悪く今日で4勝5敗です。里山散策の私としては、やはり応援するしかないです。「里山、がんばれ」 ◎里山の話題その２・こちらは、本業の方の里山の話題、今日、印西の谷津田斜面林に見られた2種の植物の話題です。　・一つ目は、和名で表すと「柏葉白熊（カシワバハグマ）」です。山地の木陰などに生える多年草で、あまりなじみはない植物と思います。和名のハグマ（白熊）は、仏具の払子（ほっす）に使うヤクの毛を意味し、筒の先に線香花火の火花が散ったように見える花の形を見立てた名前です。正式には、キク科コウヤボウキ属カシワバハグマとなります。　　　　　　カシワバハグマ	・二つ目は、和名で表しますと「大鴎蔓（オオカモメヅル）」です。オオカモメヅルのカモメは、漢字で書くと鴎となります。カモメヅル（鴎蔓）の由来は、なかなか分りませんでしたが、調べてみましたら「副花冠がカモメの目の周りの模様に似ている」という表記が見つかりました。副花冠とは花の真ん中にもう一つ小さな花が付いているように見える部分を指します。水仙やガガイモ科の花に見られるこの部分が、目の周りが赤く見えるセグロカモメの目に見えるとの事らしいです。他にもいくつか名の由来の説はありましたが、私は、これが一番納得できました。なお、この種も有毒でありイケマと同様にアサギマダラの食草です。　　　　オオカモメヅル　　　 ◆大相撲里山…鹿児島奄美市出身の里山は、本名が里山耕作という。まさに田や畑、裏山のある里山そのものの名です。本名といえば、船橋市出身の力士「八木ケ谷（やきがや）・幕下東１５枚目」も本名です。船橋に八木ケ谷という地名があるので、その地名を四股名にしたのかと思いましたが、実は本名でした。出身は、船橋市宮本です。小学生の時に船橋大神宮の相撲大会で負け無しの大物でした。今場所は今日まで５勝（全勝）です。里山同様に八木ケ谷もがんばれ！
2007 　9. 24	◎「逃げられて仮親探すチルドレン」。　この川柳は野鳥仲間で知り合いのWさんの句。朝日新聞「千葉笑い」の入選作（9/22）です。慌しく始まり、何気なく終わった総裁選ですが、結局誰がなっても仮親かも知れません。いつもの便りです。　『涼しくなりました』 ◎散策会の際に不明であった樹木の同定に谷津田へ出かけました。刈田を通って吹いてくる風もさわやかで半袖の二の腕にいくらか肌寒い感もしました。涼しくなり、随分過ごしやすくなりました。・不明の樹木は、ガマズミの仲間か或いはそれに近い種とは思いますが、やはりはっきりしませんでした。現在調べ中です。※不明のガマズミの仲間は、ミヤマガマズミでした。実が丸く大きいのが特徴です。・川岸の低木に絡みつくつる性植物の周りでは、今日もモズたちが縄張り争いの最中でした。・帰り道斜面林脇で大きな白いキノコを見つけました。傘の直径は１２から13センチもありそうでした。真っ白な傘に一面のトゲが目立ちます。どこかで見た気がしました。トゲトゲの感じから確か鬼がついた名は確かです。・帰ってから図鑑で探しますとすぐに分りました。雑木林に生える大形で真っ白の美しいキノコ「シロオニタケ」でした。図鑑では毒の有無は不明となっていました。　もっとも、このキノコを食べようとする人はいないと思います。白く綺麗ですが、なにかぞっとするような不気味さも感じるキノコです。　このキノコのほかにもヤマドリタケやテングタケの種類のものなど色々目に付きました。・涼しくなった谷津田は、散策に最適な時季です。ぶらっと出かけませんか。	シロオニタケ　つばは大きくもろく落ちやすい ◆シロオニタケ…テングタケ科テングタケ属のキノコ。広葉樹林に生える白色、傘径１０～20センチ、柄の高さ１０～22センチの大形。傘の表面は粉状の物質で覆われ、一面に円錐状のいぼをつける。食用不適、白色で巨大なキノコという意味で名がつけられたという。
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