印西・谷津田だよりの21ページ

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2006 5.16	整形外科の看護婦（士）さんから、隣の歯科医院の壁に出入りしている鳥の種類の質問がありました。　秋から冬場に駅前などで群れになり鳥害と騒がれる「ムクドリ」でした。今は、繁殖期で”つがい”で行動しています。ヒナの為に一生懸命に餌を運ぶ姿はかいがいしく愛らしいですね。いつものたよりです。 ◎『ヒナを拾わないで下さい』　　愛鳥週間　5/10から5/16です。　ムクドリもそうですが、ツバメもスズメもカラスも皆今が子育ての時期です。普段植物の種などを主食にする種類の鳥も、子育ての時期は昆虫が主食になります。やはりカロリー・栄養価が抜群なのでしょう。そうなると昆虫の多い今頃からが、子育て時期なのですね。・野鳥の中には、完全に飛べないまま巣立ちをする種類が結構多いのです。庭や道路にヒナが落ちているのを見かけることがあるかも知れません。	でも、もしかしたらどこか近くに親がいるのかもしれません。数日は、まだ飛べないヒナに親が餌をやりながら飛び立つ訓練をすることが多いようです。　かわいそうだからといって手を出しては、親の邪魔（巣立ちの妨げ）をすることになってしまいます。「ヒナを拾わないで下さい」・もし、道路や犬猫などがいそうな場所にヒナがいたら、少し高い生垣や木の上にそっと乗せてあげましょう。・後は、親や当ヒナに任せるしかありません。保護してもエサやり、飛び立ちの訓練、エサの捕りかたなど教えることは普通ではできません。それに、保護したら県に届け出なければなりません。 ◆印西駅前センターに今年もツバメが営巣し子育てをしていたのですが、巣が落下して親鳥も死んでしまったということです。ヒナは不明。原因も不明です。残念ですね。
2006 5.19	信長が桶狭間の戦いで時雨に紛れ、今川義元を破ったのは今から４４６年前の今日でした。攻め入るのを雨天の多いこの時期まで延ばしたのが勝因というが、この時期は、昔から天候不順だったのですね。何だか梅雨に入ってしまったような日が続きますが、いかがお過ごしですか。いつもの便りです。 ? 卯の花のにおう垣根に・・・・　忍音もらす・・・? ・まだ谷津田斜面林には、白い花が見られないがそろそろ咲き出すと思う。幹や枝が中空なので空木（うつぎ）の名があるウツギは、昔から卯の花と呼ばれ親しまれています。・佐々木信綱作詞の、卯の花のにおう垣根に‥ではじまる「夏は来ぬ」の歌は懐かしい。この歌詞の中に「忍音（しのびね）もらす・・・」の歌詞がありますが、この忍音とは、ホトトギスの初鳴きを指します。今日、印西駅前センターの正門の前で遠くから一声ホトトギスの声が聞こえました。忍音は、鳴きはじめのまだ、こもったような声というが、今日のは結構上手でした。私も今年初めてでした。いよいよ「夏は来ぬ」ですね。・皆さんのまわりでもホトトギスの声を聞きましたら、情報を下さい。	◆ホトトギス…カッコウ目カッコウ科。和名では、不如帰、杜鵑、時鳥などの字がある。南方から夏にやって来る渡り鳥。テッペンカケタカとか東京特許許可局と聞きなされる。鶯に托卵することで知られる。ちなみに明治期に高浜虚子が創刊した歌集の名は「ほととぎす」です。虚子は花鳥諷詠の客観写生を唱えた歌人です。 11ページの◆クイズの答え◆ ※11ページの問題に戻るには　ここをクリック　子規・杜鵑・蜀魂・時鳥・不如帰・・・、みな同じ鳥です。そうです。皆「ホトトギス」と読みます。子規は、明治の歌人・正岡子規（まさおか　しき）の号です。正岡は、血を吐くまで鳴き続けるといわれる子規（ホトトギス）に、労咳を患いながら句を読み続ける自分を重ね、号を「子規（しき）」とつけたという。なお、正岡子規を支えた俳句雑誌の名も「ほととぎす」でした。 ◎印西駅前センターのツバメ情報・現在二羽のツバメが巣の補修をしてほぼ完成しました。　どうも、一回目のガラス激突の個体と、今回の羽が散乱していた個体は、状況からして、雛か若い個体のようです。いずれにせよ無事に子育てができると良いですね。　巣の場所は、野鳥保護のためメール上ではお知らせできませんが、もしそっと見たい方は、センターの館長さんに教えてもらってください。　（観察のマナー…大きな声を出したり、ストロボを使用しての撮影はやめましょう。それと犬を連れている時は絶対にやめてください）
2006 5.27	イワシが一匹1150円で取引された！と新聞に出ていました。 5月23日の東京・築地の中央卸売り市場で千葉県産の特大イワシの値段です。不漁により入荷量減少が響いたそうです。水産庁によると太平洋のマイワシはここ10年で10分の1に減少。環境要因が影響しているという。これが、イワシだけならいいのですが、なにやら心配ですね。いつもの便りです。 ◎『ユリノキが満開です！』　・街路樹や公園、学校そして団地内など案外多く見られるのですが、花を知っている人が案外少ないのが、このモクレン科のユリノキです。　初夏、枝先にチューリップによく似た形の花をつける樹木です。沢山あるのにどうして知らない人が多いのか考えてみました。すると次のような理由かと考えました。 <その１>花の色が黄緑色で若葉の色に似ており気がつきにくいから。 <その２>　木の高さが20メートルもあり、花は枝先に多く見上げないと見えないから。 <その３>　団地等では、毎年大胆に剪定するため木に力がなく花の数がすくなかったりつかなかったりするため。・葉の形が、半纏（はんてん）に似ていてすぐ分かります。ちょっと上を見上げてみると、黄緑色のチューリップそっくりの形の花が見えるかもしれません。	◆ユリノキ…モクレン科ユリノキ属の木。原産は、北アメリカの落葉高木。花期５、6月。新第三期2600～200万年前の地層から葉の化石が出るという「生きた化石」といわれている。　初めて植樹されたという新宿御苑のユリノキと大正天皇が「百合の木（ゆりのき）」と命名したという小石川植物園の大木は有名です。　ユリノキの詳細は、ここをクリック　して下さい。
2006 5.28	昨日5/27は「百人一首の日」でした。そういえば百人一首に17番目で登場する平安時代の六歌仙と言われた在原業平の代表作の歌に「名にし負はば　いざ事問はむ宮こどり　わが思う人はありやなしやと」があります。この歌に出ている「宮こどり」とは、ユリカモメをさすといいます。冬鳥のこの種は、今は見られません。干潟では、かわりにコアジサシのダイビングが見られます。今日5/28は、業平忌です。
2006 6. 4	今日6月4日は、「虫歯予防デー」ですね。語呂合わせ6（む）4（し）から制定されたのは一目両全ですね。この日は、やはり6（む）4（し）から制定された「虫の日」でもあります。手塚治虫の呼びかけで設立された日本昆虫クラブが制定したものです。治虫は、小学校時代から昆虫にのめりこみ、手描きの昆虫図鑑も作っています。その精密さには天才としても秀でたものを感じます。また、兵庫県宝塚市にある宝塚劇場のすぐそばで育った治虫は宝塚フアンであったという。 ◎『40×１３＝520??』・これは、治虫の好きな昆虫の話です。ただ、この数字は、ツバメが一日に雛に運ぶ昆虫の数（おおよそ）です。1時間に40回、13時間とすると520回も餌運びをします。一回に1匹とは限りませんので昆虫の数としては、これ以上となります。餌は、ハエ・カ・アブ・ユスリカ・ガ・チョウ・トンボなど多種に渡ります。昔から益鳥といわれる所以です。・ところが、このツバメの営巣数が激減しているといいます。一昨年の野鳥の会東京支部の調査の結果が前に新聞に載っていましたが、随分減ってしまったようです。・理由には、　①巣の材料の泥や藁などの適当な巣材の採取場所の減少、　②巣をかける適当な場所の減少、　③餌の減少などが考えられると載っていました。・特に①の巣材については、田んぼの減少が大きいのでしょう。また②の場所については、今まで商店街などでツバメの営巣を板などを設置し助けていたが、最近では客のクレームなどから、営巣できなくしている例が多くなったという。　やむを得ず、巣をかけづらい場所に営巣し途中で巣が落下したり、カラスなどに狙われたりするという。	③は、畑・田んぼは勿論、公園街路樹等の薬散布の影響でしょうか。・どれも、人とのかかわりでずっと生きてきたツバメにとって人災になるのでしょうね。　　　　　　駅前センターで事故死したツバメの剥製　実物の剥製は、駅前センターにしばらく置いてありますので見て下さい。 ◆ツバメ…ツバメ科の渡り鳥。全長17センチ。東南アジア等から夏鳥としてやってくる。　帰巣本能が強く、生まれた巣の場所の近くに戻ってくる事が多い。　ただ、渡りをするこの種の平均寿命は、たったの1年１か月という。野生の生活がいかに厳しいものか推測されます。そういえば、印西駅前センターにやってきたツバメもすでに2羽が事故で死んでいます。かわいそう！
2006 6.12	「うの花くたし」という言葉がある。漢字で書くと「卯の花腐し」となる。陰暦５月に降る長雨のこと、つまり梅雨をさすという。昨日6月１１日は、暦の上で入梅でした。気象庁も先週梅雨入り宣言をしています。雨でうっとうしいということもありますが、雨の中に咲くアジサイの花の美しさも味なものですね。いつもの便りです。 ◎『極楽、仏、神様・・・』　これは、皆同じトンボの別称です。午後、印西市戸神の谷津を歩きました。戸神集落を抜け、切り通しをすぎると開けた谷津が目に入ってきました。　頭が綺麗な亜麻色のサギは、アマサギ。　ギョギョシ、ギョギョシはお馴染みのオオヨシキリです。　上空に舞うサシバの雄姿を堪能し、いつもの観察地の谷津に向かいました。途中の斜面林脇に流れる水路は湧水が集まったものでとても綺麗です。草が覆いかぶさった辺りに数匹のトンボが舞っていました。羽の色が黒く胴が緑色の綺麗な姿でした。　暗闇の中を黒い羽をはためかせて飛ぶ幽玄な姿から、神様トンボなどの別名があるハグロトンボでした。暫く見とれてから谷津の奥に進んでいきました。	◆ハグロトンボ・・・カワトンボ科のトンボ。平地や丘陵地のゆるやかな流れに生息している。全身が金緑色で羽は黒い。メスは体色がオスのように金緑色にならない。ゴクラクトンボ、ホトケトンボ、神様トンボの別称がある。漢字では羽黒蜻蛉と書く。
2006 6.16	今日は、普段とちょっと変わって千葉に関わる文人の話題です。 ◎『人間失格を読んだ人は多いのでは』　桜桃とは、セイヨウミザクラをいう。花はサクラに似るが白い。果実を「さくらんぼ」と称す。・自身の小説「桜桃」から「桜桃忌」と呼ばれる太宰治の忌日は、6月19日です。・玉川上水に入水心中し、6月19日に見つかったそうです。奇しくもこの6月19日は、太宰の誕生日だったのです。・千葉県船橋市に保養のため移り住んだのは太宰が27歳、昭和10年でした。船橋時代は、虫垂炎から併発した腹膜炎の患部の痛みを抑えるために私用したパビナールの多用により中毒症状を呈していたそうです。わずか1年3ヶ月の滞在でしたが、滞在中に書いた作品には「ダス・ゲマイネ」「地球図」「めくら草紙」などがあります。そのほかにも船橋の思い出を書いたものが多くあります。・昭和21年の「十五年間」には、船橋の自宅玄関（現船橋市宮本1丁目）に夾竹桃を植えたと記述されています。この太宰が植えた夾竹桃は現在、船橋市中央公民館前広場に移植してあります。　来週、6月19日には、この夾竹桃の前で船橋・桜桃忌が行なわれると思います。　三鷹の禅林寺にはこの日、大勢集まるという。三鷹桜桃忌・小説「人間失格」は、入水直前に書かれた作品だそうです。	追記：16日付けの朝日新聞「天声人語」に出ていましたが、「フジヤマのトビウオ」の伝説で知られた水泳の神様と呼ばれた古橋広之進が東京で水泳世界新記録が生まれたのが敗戦から3年の48年6月13日。太宰は、その日の夜、山崎富栄と入水したという。　　　 ◆夾竹桃・・・キョウチクトウ科の常緑低木。インド原産。葉は、細く乳液を含み有毒。排気ガス等にも強く街路樹に多い。葉は、強心・利尿に有効という。 ※上の写真は、太宰手植えのものとは関係ありません
2006 6.18	今日6月18日（日）夜は、ブラックイルミネーション2006と題して20～22時までの2時間、東京タワーを初めとする施設等で電気を一斉に消す呼びかけが行なわれています。又、6月17日から21日（夏至）の5日間、ライトダウンキャンペーンが行なわれています。今日は、W杯クロアチア戦ですので無理かと思いますが、21日までの間に2時間ほど電気を消してローソクをともしてみませんか。そして、CO₂削減について家族で話してみませんか。いつものたよりです。・渓流の宝石といったら誰でも知っているカワセミ（翡翠）ですね。ここでは、鳥ではなく昆虫の話です。体長1.5センチほどで、羽が青緑色か黄緑色に黒の斑紋のある美しい色彩をもつ「動く宝石」と呼ぶにふさわしい種の昆虫です。・印西戸神の谷津を歩いていた時斜面林脇に群生していたカラムシ（イラクサ科の植物、シソに似ている）の葉に居ました。ハッとするほど美しい色をしており、虫の嫌いな人まで覗き込んでいました。その昆虫は、カミキリムシの仲間で「ラミーカミキリ」でした。　この美しい羽を持つ昆虫は、カラムシやヤブマオの葉を食べ、その葉や茎に産卵します。ゆえにカラムシの分布と同じように分布を広げています。	・散策時にカラムシ（ナンバンカラムシ）を見たらちょっと立ち止まって葉を見て下さい。もしかしたら見つかるかも！　　　 ◆カラムシ…イラクサ科仲間。古い時代から繊維を利用するために栽培されたものが野生化している。今でも、繊維が利用されているのが、ナンバンカラムシです。このナンバンカラムシを改良した種が、「ラミー」と呼ばれており、ラミーカミキリの名の由来になっています。
2006 6.27	今日6月27日は「奇跡の人の日」です。あのヘレン・ケラーの誕生日です。　生後19ヶ月の時、しょう紅熱により三重苦を背負ってしまったが、努力の結果大学を卒業し、世界各地で障害者を励ます福祉活動を行なったことを知らない人はいない。まさに「なせばなる」ですね。　今日、来客があり環境のことを話しましたが、一人一人がやろうとしなければ何も始まらないことは確かですね。まさに「なせばなる」です。 ※「なせばなる」・・・東京オリンピック女子バレー監督鬼の大松の言葉。または、上杉鷹山の言葉。 ◎『馬刀葉椎って？』　緑道の両サイドの樹木の緑がみずみずしく気持ちがいい。団地の中の小道であるが周りより気温も1，2度低いのかもしれない。オゾンがいっぱいのようで元気が出そうです。なにも遠くまで出かけないでもこんな近くでできるのですね。森林浴が！　・丸葉の桂、丸っぽいが先が鋭くとがるナンキンハゼ、そして薄緑で縮れた感じの楠木など結構種類は多い。その中に長楕円の卵型で緑が濃く艶がある存在感のある樹木が目に入りました。　・日本のドングリでは一番大きな実をつけ、大砲ドングリと呼ばれるブナ科マテバシイ科のマテバシイです。マテバシイは、殻が硬く虫も殆どつかないしアクが殆どなく大昔から食用として重要視されていた。　・このドングリは、小さな実が冬を越し、次の年に熟すのです。つまり2年かかるドングリです。	・この種は、枝がシイタケのホダ木になったり、アサクサノリの海苔ヒビに利用されたり用途は多い。マテバシイの名前の由来ははっきりしないのですが、二枚貝のマテガイに似ているからとか、待てばおいしくなるから等あるようです。公園にも道路わきの街路樹にも色いろな場所に植栽されています。通りかかった時、ちょっと枝の先を覗いてみてください。小さなドングリの赤ちゃんが枝にびっしりと並んでついているかも知れません。　　　　　　ドングリ（マテバシイ）の赤ちゃん ◆マテバシイ…ブナ科マテバシイ科の木。木の高さは15メートル位になり、樹形はどっしりと構え、風格がある。常緑で葉は大型で硬く艶がある。実は翌年の秋に成熟する。生でも食べられるが、炒ると美味しくなる。
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