印西・谷津田だよりの20ページ

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2006 4 .5	今日４月５日は、二十四節気の一つ清明（せいめい）です。万物がすがすがしく明るく美しいころを指すという。また、今週末の８日は、お釈迦様の誕生日とされる仏生会（ぶしょうえ）です。普通「花祭り」と言われ各地の寺院では、水盤上に安置した仏に甘茶（アマチャ※）を注ぎます。また、甘茶をいただくこともできます。 ◆甘茶（アマチャ※）…ユキノシタ科の落葉低木。ヤマアジサイの変種で、花はヤマアジサイと殆ど同じ。若い葉を蒸して揉み、乾燥させたもの。生薬としても利用。 ◎『春の使者・ツバメ参上』　・先月末から、NT各地でもツバメを見たとの情報が届いております。私も、何度か見ました。また、北総線の上を跨ぐ陸橋では「イワツバメ」の飛来も確認しました。　・そして、今日ですが平岡にお住まいのSさんから「今年も我が家にツバメがやってきました」との話を聞きました。　毎年自宅の軒に子育てにやってくるという。久しぶりに温かい話を聞いた気がしました。　野鳥の会（東京支部）の調査によると、年々ツバメの子育ての失敗率が上昇しているという。その理由は、巣の材料の藁や泥等の集めるのが困難になっていること。それに、商店や民家が糞の害を嫌い営巣できないように工夫したりして、巣作りにあまり向かない場所にやむなく作り、途中で失敗するなどだそうです。・今年もSさん宅のツバメが無事巣立っていくことを願う次第です。それと駅前センターは、どうでしょう。皆さんのまわりでの自然情報をお知らせ下さい。	・そういえば、昨年、印西駅前センターのツバメ巣も落ちてしまったことがありましたね。関連内容は、「谷津田だより・05年7月11日」に載っております。　　　ツバメ雛　【05年7月巣崩壊のため落ちたツバメの雛　（世話の甲斐なく撮影の次の日死亡）　於・印西駅前センター】 ◆イワツバメ…ツバメより小さくて尾の切れ込みが浅い。　夏鳥として渡来。山地や海岸の崖で営巣するが、最近は都市部にやって来て駅や橋の下などで集団で越冬する。　NT駅近くでツバメが群れていたら、この種の可能性が大きい。
2006 4. 7	戸神や浦幡公園の池のカモたちも殆ど北へ戻り、後には昼寝（日向ぼっこ）をしている亀たち（※注）の姿がよく目立ちます。 ◆亀たち…NT地区で見られるのは、殆どが耳の下に赤い斑が目立つミシシッピーアカミミガメである。この種は、小さいものをミドリガメの名で縁日やペットショップで売っており、大きくなったものを飼い主が放したり、逃げたものが野生化したもの。外来種である。ただ、時々少数だが耳の下に赤い斑のない在来のクサガメも見られる。なお銭亀と呼ばれる種は、このクサガメやイシガメの幼期のものを指すので、めったに見られません。
2006 4.12	鹿児島県沖で高速船の事故が報道されている。怪我をされた方々の回復を祈念いたします。原因は、クジラとの衝突の可能性が大という。私も７，８年前になるが、佐渡を訪れた際に高速船（ジェットホイル）に乗ったことがある。ロッキード社の開発したジェットエンジンで走る船のスピードに驚いたことを思い出しました。時速８０キロの船と最大４０キロのクジラでは全く競争にならない。クジラ側にすれば８０キロの航行物は、いわば「想定外」なのでしょう。となると、クジラ側で避けることは難しいのでしょう。今朝の朝日・朝刊「天声人語」にも出ていましたが、クジラを船の障害物として見ていいのだろうか。考えさせられました。 ◎『縄文犬は、柴犬そっくり』　・昨日、用があって船橋にある飛ノ台史跡公園博物館に出かけた。東武線新船橋駅から徒歩8分のところにあります。	約7000年前、この台地に住んでいた人々の暮らしが遺跡から出土した土器や石器、住居跡や炉穴から推測できます。　・完成してまだ新しい3階建ての博物館は、小さいながらも充実した内容だと思いました。　・この3階に１頭の犬の複製が展示してありました。縄文人にとって、鹿や猪の狩は男達の重要な仕事でした。この狩で活躍したのが犬達だったのです。同じ船橋にある藤原観音堂貝塚から出土したほぼ完全な形の犬の骨を元に復元したものです。出土した本物の骨の化石も展示してあります。とても愛嬌のある可愛い柴犬そっくりでした。なお、このような縄文犬の完全な形の骨の出土は珍しいそうです。名前は「飛丸」となっていました。お時間があれば、博物館によってみたらいかがですか
2006 4.16	天候不順のため散策会は中止となりました。が、一応木下駅に行き、コース再確認のためさっと歩きました。雨は午前中はほんの少しでした。途中、江戸期から続いている老舗旅館「銚子屋」がありました。そういえば、船橋にあるこれも老舗旅館の「三田浜楽園」が、３月で閉館されました。この閉鎖された旅館には昭和の初めにノーベル文学賞受賞作家川端康成が頻繁に泊まりに来たという。今日４月１６日は、康成忌です。 ◎『悪しき実って？』　銚子屋を通り過ぎ、細道を右折し道なりに歩くと踏み切りに出ました。ＪＲ成田線です。・踏み切り手前の右手に淡黄色で花びらが放射状にはじけたような花をつけている樹木がありました。花の大きさは、3センチくらいですが、とても綺麗で存在感のある木でした。・葉や枝に独特の香りのあるモクレン科の「シキミ」です。実には毒があるため、「悪しき実」という意味で「シキミ」とついたといわれる。・抹香の材料とし利用されるこの木は、毒と聞くとちょっと怖いが、とっても綺麗で爽やかな花をつけるのでので見たい木の一つです。　そうそう、傘を差しながら土手で野草を摘む会の人たちにちょっと混じって食べられる野草を教わってきました。クコとかノビルとか・・・。	◆シキミ…モクレン科の常緑樹。暖かい地方の山地に自生するが、仏前に供えるため栽培もされている。実の形は香辛料に使うスターアニス（八角）に似ているので気をつける必要あり。・植物では、唯一毒物及び劇物取締法に指定されており、無届で販売すれば罰せられるという。
2006 4.19	◎自然農の野菜を自宅の畑で実験栽培している知り合いから、採れたて筍（たけのこ）をもらいました。筍も今が旬ですね。・そういえば、最近「旬（しゅん）」が忘れられているように思いますがいかがですか。　旬とは、魚介や野菜、果物が熟して最も美味しくいえる時。収穫も最盛期だから、値段も手ごろな時期です。しかし、品種改良・ハウス栽培・促成栽培などによって季節に関係なく食材も年中わりと簡単に手に入るようになり「旬」が忘れられたのです。	筍もそうですが、今の時期の有機栽培のほうれん草の根元（ピンクになっている部分）の甘みはまさに「旬」の味だなあと思います。 ◆旬…「目には青葉　山ほととぎす　初鰹」。　山口素堂の句で季語が３つありますが、一番言いたいことは「初鰹」という。これも、まさに旬ですね。　里山もコナラ等の芽吹きが綺麗な「目に青葉」の時節となります。里山歩きを楽しみませんか。
2006 4.21	朝、玄関扉を開けてちらっとアルコープの床を眺めたら、サシガメがいた。オオトビサシガメ（昆虫・カメムシの仲間で刺されると痛い）でした。多くの人は、びっくりしたり、追いやったり、中には踏み潰してしまうのかな。私は、いつも腰に下げているデジカメで撮影し、ちょっと嬉しい気持ちで出かけました。ちょっと変かなあ！ ◎『明日4月22日はアースデー（地球の日）。イベントもあるよ』　・今日、環境に関する会議を一緒にやっているNさんから「人工衛星から見た夜の地球」という衛星写真の掲示物をいただいた。さっそく世界地図を脇に眺めてみました。真っ暗な中に黄色く明るく見えるのが世界の大国、つまりエネルギー過大消費の場所（都市）です。世界のなかで特に目立つところは、ニューヨークを中心にした米国東海岸、パリ・ロンドンを中心としたヨーロッパ、それとモスクワと東京も明るく輝いていました。	東京を中心とした都市も世界で五指に入るエネルギー消費であることが夜間の照明から分かります。東京の脇（西側）にも明るいところがありました。韓国です。ここも東京に劣らない明るさでした。目立つのは、38度線を境に北側は真っ黒でした。一度、この資料を皆さんに見て欲しいです。　・急速な地球温暖化が懸念されている今日ですが、家庭でもできることは沢山あります。少しずつの努力も重なれば大きな力となります。環境に優しいことやれることからやってみませんか。　・明日4月22日はアースデーです。各地でイベントがあります。「アースデー東京」では、4月22日と23日に代々木公園でイベントがあるようです。また武道館では22日にアースデー・コンサートもあるようです。 ◆アースデー（地球の日）…1970年、アメリカの市民運動家が提唱。地球の環境を守る為、一人一人が行動を起こす日。
2006 5. 1	♪卯の花のにおう垣根に　ほととぎす早もき鳴きて・・・夏はきぬ♪　　５月６日は立夏です。　「卯の花のにおう垣根」は卯の花（ウツギ）が香るのではなく、白い花が美しく映える状態を言うそうです。ウツギの名の由来は、卯月（４月）に咲くからという説もあるが、これは陰暦なので実際にはこの辺りでは５月の下旬となります。 ◎『みずむし？？？』　ミズムシには、3種あるという。その１　一般的な足の水虫。その２　昆虫のミズムシ。　そして、その３　やや汚れた水の中に棲む甲殻類のミズムシです。・印西の谷津田の水田脇にある小さな水路は、落ち葉がいっぱいで水は濁っていました。その葉っぱごと網ですくい生き物を調べていて見つかったのが、その３のミズムシでした。　水中に棲むワラジムシに長い脚をつけたような形です。全長10ミリ　。とにかく目立たない存在の生きものです。私は、その名前が面白く覚えてしまいました。	◆ミズムシ…その1：略。　その2：昆虫のミズムシ→カメムシ目ミズムシ科の昆虫で、風船虫と呼ばれている。　その3：今回見つけたのは、これです。頭足類に属する甲殻類の一種。昆虫ではなくエビやカニなどに近い。ワラジムシに似ているが完全に水中に適応しています。・今回は、ちょっとマニアックな内容になってしまいました。
2006 5. 6	中には9連休という人もあるゴールデンウィークも終盤となり、ＴＶでは、延々とつながる高速道路の渋滞を放映していました。初夏の風が肌に気持ち良い中、利根川の土手を歩きました。今日は立夏です。 ◎『ダイナミックなダイビング』　わずか300メートル先の対岸は茨城県（利根町）です。ちょっと霞がかかっていましたが、栄橋（我孫子市布佐と利根町布川を結ぶ）もよく見えました。・木下案内人協会主催の木下ウオークに参加して利根川土手を歩きました。印西八景にもなっている木下河岸跡から眺める坂東太郎（利根川の別称）は、雄大で最高でした。　江戸期には、この地を渡辺崋山（画家）、及び利根川図志（赤松宗旦著・安政２年発行）の挿絵を描いた葛飾北斎も写生していると思うとちょっと得した気になりました。・川面の中央部を小さな鳥影が舞っていました。双眼鏡を覗くと頭が黒く、体が白から青灰色のツバメより大きな鳥がひらひらと華麗に飛んでいました。時々水面に向かってダイビングしている姿も見られました。そのダイビングの姿が鯵（アジ）を刺すようにとらえるという習性からアジサシの名がついたカモメ科のコアジサシが見られました。　・カワセミよりもはるかにダイナミックな採餌の姿に満足し、ふと岸辺の手前に広がるアシ原に目を移すとそこにも初夏の鳥と言われるオオヨシキリの姿が見られました。	今の時期はこの鳥にとって恋の季節です。ギョギョシ、ギョギョシとアシの茎に直立した姿勢でとまり、橙色の口の中を見せてさえずるのですぐに分かります。　初夏の散策を満喫できました。皆さんも土手を歩きませんか。 ◆コアジサシ…カモメ科アジサシ類の鳥。夏鳥として渡来し、中州や埋立地の地面に巣を作る。水中にダイビングして小魚を採る。千葉市の市の鳥に指定されている。 ◆オオヨシキリ…ウグイス類の鳥。夏鳥として飛来。アシハラのアシに巣を作る。ギョギョシ、ギョギョシと川原でとにかくでかい声で鳴いている。
2006 5.10	卯の花も咲き始めています。全体に花達も早いようです。いつもの便りです。 ◎『いずれアヤメかカキツバタ』　美人二人を例えての言葉です。　アヤメもカキツバタも紫花のそそとした姿ですね。そのカキツバタが印西の谷津で咲き始めています。（どちらの種も白花もあり）　　ところで、アヤメ・ハナショウブ・カキツバタの違いは案外難しいですね。ちょっとだけ、そのちょっぴり見分けのうんちくを記します。アヤメ…葉が細い。花弁に網目紋あり。　　　　　草地に生えるカキツバタ…葉は幅広。花びらの基部に　　　　　白いすじあり。湿地に生える。ノハナショウブ…葉は幅広。花びらの　　　　　基部に黄色いすじあり。山野でも　　　　　湿地でも生える。ハナショウブ…あやめ祭りでいっぱい　　　　　咲いていて種類もバラエティなの　　　　　がこれ。ノハナショウブを改良した　　　　　もの。湿地生息ショウブ…これは、サトイモ科でぜんぜん　　　　　違う種。　　　　　　花は目立たない。端午の節句で　　　　　風呂に入れる種。湿地生息	佐原の水生植物園などに行った時に知っていると楽しいかもしれません。（あやめ祭り5/27～6/25） ☆カキツバタといえば、「伊勢物語」に在原業平が「カキツバタ」の5文字を読み込んだ歌があるそうです。（参考）「（か）唐衣　（き）着つつ慣れにし　（つ）妻しあれば　（ば）はるばる帰ぬる　（た）旅をしぞ思ふ」 ◆カキツバタ・・・アヤメ科アヤメ属。名の由来は、書き付け花の意味で、花の汁を布にこすり付けて染めたことに由来。水湿地に生え、高さ60センチほどになる。花弁の中央に白いすじがある。レッドデーターブック環境省カテゴリーVU（絶滅危惧Ⅱ類）。千葉県B（重要保護生物）指定。初夏の季語。
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