「老人の病気（内分泌の病気）」

年は取りたくないものですね。しかし、誰もが、通って行く道ですね。

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　壮年期をすぎて老年期になると、人は誰でも病気になりやすくなりますね。これは加齢にともなう老化現象で体の各器官の能力や抵抗力が衰えてくるためなのだそうです。
　老化は人間の宿命であり、その先にある死とともに、誰もが避けることのできない肉体の変化なのだそうです。老人はもとより老化を見守る周囲の人もこの変化をよく理解しましょう。現われやすい病気に対する正しい知識を持つべきでしょう。また、肉体ばかりでなく、心の状態が不安定になるのが老年期の特徴なのだそうです。家族は、特に老人の心を理解するようにしてあげましょう。

内分泌器官の老化
　内分泌器官の一つでのどぼとけのまわりにあって、成長、生殖、循環、神経、筋肉などの働きを助けている甲状腺ホルモンを分泌する甲状腺も、年をとるとともに、重量が軽くなります。しかし、機能的に若い人たちとそう変わりなく、障害を起こすことはありません。内分泌器官の代表格というべき下垂体（かすいたい）の機能は、老人でも特に衰えることはありません。むしろ閉経期以降の女子では、性腺刺激ホルモンが急増します。
　副腎における男性ホルモンの分泌は、２０歳前後をさかいに徐々に減少していきます。しかし、生命維持に必要な代謝に関するホルモン分泌は、老化の影響をほとんど受けません。
　膵臓から分泌されるインスリンは減少し、老人性糖代謝障害（ろうじんせいとうたいしゃしょうがい）という糖尿病に近い状態になります。このため、糖尿病の診断には年齢を考えあわせなければなりません。
内分泌腺の病気
●甲状腺機能亢進症
　一般的には女性に圧倒的に多い病気ですが、老人になるとこの差はほとんどなくなります。症状としては、甲状腺のはれ、眼球突出、頻脈（ひんみゃく）などの定型的な一般的症状は少なくなります。そして、動悸、下肢のむくみ（うっ血性心不全）、心電図の異常などが顕著（けんちょ）に現れます。
●甲状腺機能低下症
　表情が乏しく動作も緩慢（かんまんになるので、脳動脈硬化症やパーキンソン病、老人性痴呆などの症状とまちがわれることがあります。女性に多く起こります。
●糖尿病
　膵臓から分泌されるインスリンが減少するため、老人性糖代謝障害が現れますが、これを糖尿病と考えるかどうかは現在でも意見が分かれています。糖尿病では老人の場合、神経炎症状や白内障などの合併に注意します。低血糖症状としての頻脈、発汗、不安感などが起こることも少なく、突然意識障害におちいることもあり、注意が必要です。

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