お 灸


自然治癒力を高めるお灸

お灸は「よもぎの葉」を乾燥させて作っています。お灸の目的は治療のカギとなる体表部に現れた異常反応点(圧痛・硬結・陥下・膨隆・寒熱)を灸の刺激によって緩解させ、気血の流れを調整し身体の機能を正常に導くことです。

なお薬のさじ加減をするように、お灸もモグサの「大きさや硬さ、軟らかさ、壮数、モグサの精粗」を加減します。これを補法(ほほう)・瀉法(しゃほう)と言います。例えば痛みの激しい時や、急性の病気の時は灸で強い刺激を与えて、痛みなどを取るために瀉法を行います。

これによって余分な気血を抜くことができ、正常な気血の流れが得られます。慢性の病気の時は気血の力が衰え弱っているので、灸は緩やかに壮数も少なめにして力をつけてあげます。東洋医学的に言っている「補法・瀉法」とは、「自然治癒力を高める手段」と言い換えることができます。


西洋医学から見たお灸の効果とは?

お灸による白血球の変化についての研究は数多くなされています。施灸によって白血球数が増加することで免疫力が高まることが証明されてます。またお灸による刺激は局所の起炎物質の遊離を引き起こし、体液性調整の機構に直接影響し、更に抹消神経より中枢神経に伝達され、そこで体液に間接的に作用すると考えられています。


様々なお灸を使用目的に合わせ使い分けます

お灸の種類はと無痕灸(痕が残らず温かいお灸)と有痕灸(直径1〜2mmのホクロ程度の痕が残り、チクリと熱く感じるお灸)に大別しています。当院で使用している有痕灸は1種類のみ、その他はすべて無痕灸です。

当院で使用している主なお灸は下記の6種類です。

●知熱灸 
手作りです!
モグサを円錐形に固めたお灸です。
高さ1.5p、重さ0.2g

当院で使用するお灸の代表格です。最初はポカポカと温かく感じますが、燃えきる頃に少しずつ熱くなります。「熱い」と感じた時点で、手でお灸を取ります。
熱いのを我慢しなくて良いお灸ですのでご安心ください。熱いといっても、それほど大げさな熱さではなく痕も残りません。熱いと感じるのは一瞬、中には気持ちよく感じる方もいます。
使用するお灸の数により、熱を浅く入れたり、深く入れたりと調整ができるお灸です。小さな直接灸に比べると比較的広範囲に熱を入れることが出来ます。また熱を取る時にも使用します。


●灸頭鍼 
手作りです!
モグサを球形に固めたお灸です。
重さ1.8g、直径2p

広い範囲がじっくりとポカポカと温かく感じる気持ちの良いお灸です。
鍼の鍼柄部に灸頭鍼ボールを刺して使用し、体を温めたり滞りを取ります。写真は灸頭鍼を腰と臀部にしています。

●温暖灸
炭のもぐさを網(キャップ)に入れて火を付け、鍼柄に付けた灸頭鍼用の温暖灸です。
高さ1.2p、直径1.1cm
灸頭鍼
より温かさを感じる範囲は狭いのですが、ポカポカと温かさを感じる時間が長いです。
ゆっくり温めたい時に使います。
写真は温暖灸を腰にしている風景です。

●カマヤミニ 
紙製の筒(直径9ミリ)にモグサを詰めたお灸です。より深い部分を温めたり、熱を取る時に使います。
モグサを直接肌に乗せない、間接灸です。燃えきる頃に紙製の筒(直径9ミリ)に熱が溜まるので、1分〜2分間くらいだけ熱く感じますが「なんとか我慢できる熱さ」です。
この熱さを言葉で表現するとしたら、「うーっ、効くーっ」と言った感じです。当院ではあまり使いませんが症状によって使い分けます。


●漢法灸 

棒状に固めたお灸で、棒灸とも呼ばれています。
肌から離して漢方灸をかざし、軽い刺激で体の中まで暖めます。最初はじんわりと気持ちよく感じ、最後に熱くなった時点で離します。

このお灸は、体が冷えている時、体力が落ちている時、知熱灸では刺激が多い時に使用します。


●直接灸 
手作りです!

モグサを米粒の半分位からゴマ粒の大きさに、指先でひねった小さなお灸です。
最初の1、2壮はチクリと熱く感じますが、そん後は灰の上に灸を据えて行くので、熱さは感じにくくなります。
症状により、燃えつきる直前に手で抑えて熱さを軽減させたり、時には最後まで燃えきらせたりと使い分けます。
この直接灸は深いところに熱が浸透するので、慢性疾患などに効果があります。

なお痕が残る灸として当院で使用しているのはこの直接灸だけです。
直接灸が作る火傷は直径1〜2mmのホクロ程度の極小の火傷です。

当院で直接灸を使用して改善した慢性疾患は一例として次の通りです。

片麻痺 慢性胃炎 痔 風邪 解熱 せき 
五十肩 座骨神経痛 腱鞘炎 腰痛
ギックリ腰 逆子 陣痛促進 不妊症 
婦人科系疾患 不眠症 緑内障 白内障 
ものもらい 魚の目 排便排尿異常 
前立腺肥大 円形脱毛症
 トップページへ戻る

伝統医術とは | 全身治療の流れ | 
地図/料金/診療時間 | Q&A | 院長紹介