東洋医学、漢方医学では鍼灸や漢方薬による治療を「伝統医術、伝統医学」とよんでいます。
この医学に関する最も古い書物が書かれたのは2500年ほど前。その後も日本や中国で様々な書物が書かれました。
伝統医術は西洋医学が伝来するまで日本の医学を支えていました。 |
鍼灸治療は6世紀に中国から伝来し、日本独自の発展を遂げました。特に江戸時代には治療手段として広く定着し、重病と呼ばれる病気も鍼や灸・漢方薬などで治療をしていました。
また江戸時代には鍼灸治療の様々な流派が生まれ、研鑚しあっていました。伝統鍼灸の基礎はこの時代に築かれたと言っても過言ではありません。
そして時代は移り変わり鍼灸治療は様々な考えの基で行われています。新しく生まれた「西洋医学的な考えに基づいた鍼灸治療」や「中医学的理論に基づいた鍼灸治療」が今日の主流となっています。
その中で日本独自の伝統的な鍼灸治療は貴重な存在となっています。
伝統医術では人体を構成する物質「気・血・津液」が、何らかの障害を受けバランスをくずした時に身体の不調が起こると考えています。
気とは「元気・気分・気持ち・気力」の、気のことです。「体が持っているエネルギー」や「病気に対する抵抗力」とも言えます。また「自律神経の働き」とも考えられます。
血は「血液・ホルモンの働き」と言えます。伝統医術には血に対し独特の考え方があります。1つは血が少ない状態を「血虚(けっきょ)」と言います。貧血や低血圧が血虚に当たり冷え性や不妊の原因になっています。もう1つは循環の悪くなった血が停滞している状態を「お血(おけつ)」と言います。婦人科系の病気、皮膚系に関する病気、難病はお血が原因になっていることが多いです。
伝統医術は「血虚」や「お血」に働きかけ、血液循環を盛んにし本来のバランスの取れた血の状態に整えます。
津液とは現代で言う「リンパ液」などの体液の名称です。人間の身体にある水分の代謝が悪くなると色々な病気にかかります。津液の代謝が悪いと関節の腫れ、下肢のむくみが起きます。また消化器系や泌尿器系などの不快な症状も津液の異常に関係しています。逆にアトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎は津液が不足しているために起こります。
伝統医術独特の診察方法を行い、体質や現在の病状病理を見分けます。 |
伝統医術では中国から伝来した古典に書かれている診察を行います
顔や皮膚の光沢、舌などを診て体質や病症を判断する方法です
声の力や咳の出方などを聞き、病症を判断する方法です。
病理に関係する症状を聴いて病症を判断する方法です。
左右の手首六ヶ所の脈を診て病症を判断する方法です。古典では腕関節横紋から一寸九分の間を寸口または気口と言います。それを更に分けて寸口、関上、尺中と言います。この六ヶ所の脈を診ることを「六部定位脈診」と言い、臓腑経絡の気血津液の虚実寒熱を判断します。
胸から腹部全体にかけて触診をし、その湿燥・寒熱・抵抗・陥下・膨隆・圧痛・硬結・動悸の有無などを診て症決定の参考にする方法です。
背部の兪穴を中心に現れる陥下・膨隆・硬結・圧痛・寒熱などを診て症決定の参考にする方法です。
経絡(エネルギーの流れる道筋)を触診して、その寒熱・湿燥・陥下・膨隆・硬結・圧痛の状態を診て証決定の参考にする方法です。
伝統医術では診察を行い、その人の体質や病理病状を見極めることを「証を立てる」と言います。
「証」とは解かりやすく言うとその方の「タイプ・体質」のようなものです。
立てた「証」により、鍼・灸を施す経絡(エネルギーの流れる道)・経穴(ツボ)が決定します。
西洋医学では病名によって治療をしますが、伝統医術ではその人の体質にあった治療をします。よって同じ病名の人であっても、体質が違う場合には鍼と灸を施す経絡・経穴は異なります。
当院では下記の13の証により治療をしています。
1. 肝虚陰虚熱証
2. 肝虚陽虚寒証
3. 脾虚陽実熱証
4. 脾虚陰虚熱証
5. 脾虚腎虚寒証
6. 脾虚陽虚寒証
7. 脾虚肝実熱証
8. 脾虚肝実証
9. 肺虚陽実熱証
10.肺虚陽虚寒証
11.肺虚肝実証
12.腎虚陰虚熱証
13.腎虚陽虚寒証
★お客様のお体の様子を拝見し、現代医学の治療を優先した方が良いと判断した場合はその旨、お伝えしています。 |
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