映画大好き!


ヴァイブレータ........
  ☆2004

イブラヒムおじさんとコーランの花たち
雲の向こう、約束の場所
いま、会いに行きます
911ボーイングを探せ
ハウルの動く城
2046
東京原発
永遠の片想い
アメリカンスプレンダー
純愛中毒
スゥイングガールズ
ヴァイブレータ
父と暮らせば
華氏911
下妻物語
シュレック2
スキャンダル
チルソクの夏
スィミングプール
誰も知らない
白いカラス
カルメン
レディーキラーズ
世界の中心で愛を叫ぶ
ロストイントランスレーション
ぼくは怖くない
ジョゼと虎と魚たち


寺島しのぶが、うまい!大森南朋もとてもいい。
心の底に、温かい関係に対する飢えを抱えている女が、行きずりのトラック運転 手と数日過ごすロードムービー。
自分が抱えている闇とどっぷり向き合っている女を、寺島しのぶが存在感たっぷ りに演じている。ちゃらんぽらんだけれど、本能的に優しい男と肌を合わせるう ちに、心の闇が少しずつ顕わになってくる。
「前はあんなに吐くのが上手だったのに・・・」
吐こうとしながら、自分の中の闇と闘う場面の、せつないこと・・。
その後、放心状態で、ラブホテルの浴槽の中で、男にしがみついて幼児のように 泣く女。
よかったね(泣)初めて心から泣けたんだね・・(涙)

その後、憑き物が落ちたようにすっきりした顔になって、トラックを必死で運転 する女。さっきまでと確かに違っている。
最初のシーンと同じ場所で、男を見送る女の表情が、美しい。
トラックの振動(ヴァイブレータ)が子守唄のように女の心を慰めて、再生にま で導く、というこの映画を観終わったあと、わたしの中でも、確かに何かが動い て、何かが変わったのが感じられた。

2003年 日本
監督: 廣木隆一
原作: 赤坂真理
脚本: 荒井晴彦
出演: 寺島しのぶ 、大森南朋 、田口トモロヲ
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アタックナンバーハーフ
ディヴォースショー
幸せになるためのイタリア語講座
oasis
恋愛適齢期
25時
ほえる犬は噛まない
たそがれ清兵衛
嗤う伊衛門
半落ち
ブルース・オールマイティ
アイデン&ティティ
月曜日に乾杯
ファインディング・ニモ
ラストサムライ

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     (映画館で観た作品)+ + + +

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父と暮らせば........


井上ひさし氏のことば、「いつまでも被害者意識にとらわれていてはいけない、 あの頃の日本人はアジアに対して加害者でもあったのだから、という意見があ る。たしかに後半の意見はあたっている。しかし、前半の意見に対しては、あく までも「否!」と 言い続ける。あの二個の原子爆弾は、日本人の上に落とされたばかりではなく人 間の存在全体に落とされたものだと考えるからである。」
そのとおりだ、と思う。

映画を観る前に、お茶を飲みながら最後の部分を読んだ。ものすごく重くて、熱 い涙が出た。右とか左とか、日本がどうで、どこの国がどうでどういう因果関係 があった、とか、そういったことを全て超えてしまう、人間の存在の根源的なと ころに触れた時に出る涙。
映画を見て、まったく同じ種類の涙がもっとたくさん出た。ナチスと、強制収容 所を描いて、アカデミー賞をとったイタリア映画「Life is beautiful」を見た 時に出た涙と同じ。あの時も、嗚咽してしまいそうなほど泣いた。

この映画の台詞は、おそらく99パーセント、井上ひさしが書いた 戯曲としての原作通り。その中に、実際の原爆瓦や溶けた薬ビンが出てくる。 当時の広島の映像や、絵が挿入されている。見ながら、自分が、もしかしたら、 生まれて初めてこういう映像を真正面から受け止めて見ているかもしれない、 と感じていた。
小さい時から原爆については他の人より聞かされていたし「戦争への道を許さな い女たちの会」などに加わって色々な場面で、色々な方の話を聞き、デモにも、 何回も参加した。自分でデモの企画、準備をしたこともあった。子供には「はだ しのげん」のアニメを見せた。原爆を描いた絵本も見せた。当然、核兵器には反 対するもの、と思っての行動だった。

でも、今思うと、原爆の事実を真正面から受け止めるだけの生命エネルギーが、 当時のわたしにはまだ足りなかったように思う。「当然反対」というところから スタートしたのは自分一人で、この重い事実を受け止める力がなかったから、か もしれない。
直面することから、逃げていた、かもしれない、と今日初めて思った。

今日、この映画を見ながら、人間はなんと愚かなんだろう、と思い続けた。自分 の側に正当性があれば、こんなことまで平気でしてしまうんだ。絶望した。同時 に、その絶望の只中で、人間はなんと気高いんだろう、とも思った。自分の死の 際にも、他の人のことを思いやることが出来る。
そして、その絶望と気高さを、直視するだけの強さを自分がいつの間にか身に着 けていることに驚いた。
摂氏12.000度、太陽が二つ、あの日、広島の上空580メートルのところに一秒 から二秒の間、光っていた。その映像を、目を逸らさずに見ていることが出来 た。

宮沢りえ、いい女優さんだ。原田芳雄もうまい。
観客は、中年以上の、しかも夫婦が多かったのが、なんだか胸にじーんと来た。 原爆に反対するのはあたりまえ。当たり前だから別に自分が行動しなくても、世 の中そうなっていくだろう、と思っていたら、どんどんとんでもない方向に世の 中が動いていく。今、もう一度きちんと向き合わねば、と、その人たちが思って いるように感じられた。
「芝居」という形の芸術だから表現できていることが、ある。芸術の力はすご い、と思った。

2004年 日本
監督・脚本: 黒木和雄
原作: 井上ひさし
出演: 宮沢りえ 、原田芳雄 、浅野忠信
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華氏911........


うーーーむ、偏ってるって言えばすごく偏ってるし、前作のボーリング・ フォー・コロンバインほど歯切れが良くないけれど、やっぱりよくこんな映画作 るなぁ、と思いながら観た。でも、ブッシュを悪者にしたてあげて(まぁ、もち ろん悪いんだけど)攻めまくって笑わせて、という、あまりにも単純な視点が、 やっぱりアメリカだなー、と思ってしまった。ブッシュをつぶしたぐらいじゃ、 どうにもならないところを、どうせならもっと描いて欲しかったかな。
息子を亡くしたお母さんの変わり方は、なかなかインパクトがあるけれど、相手 の国にも同じように泣いている母親がいる、っていうところまで気づかないと、 世の中を変えることはできないよ・・・。
最終的には自分しかいない。自分が、意志に反して人を殺しに行かなくていいよ うに、 意志に反して殺されなくていいように、意志に反して他の人の自由を奪わないよ うに、意志に反して自由を束縛されないように、今、自分に出来る限りのこと を、今、する。
誰かに代わりに言ってもらうんじゃなくて否なら自分で言う。黙っていて流され た結果は自分が引き受けるしかない。 ・・・ということを再確認した。

2004年 アメリカ
監督・脚本: マイケル・ムーア
出演: マイケル・ムーア 、ジョージ・W・ブッシュ
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下妻物語........


楽しい!かわいい!かっこいい!深田恭子も土屋アンナも、はまりすぎ。樹木希 林はじめ、ベテランを思う存分使ったドタバタ漫画のようなこの乗りは、つぼに はまれば最高。わたしははまったけど、隣に座っていた、中学生の女の子のお母 さんらしき人は全然は入れなかったらしく、最後まで不審な様子だった。中学生 の女の子とわたしは、同じところで一緒に爆笑した。

2004年 日本
監督・脚本:中島哲也
原作: 嶽本野ばら
出演: 深田恭子 、土屋アンナ 、宮迫博之
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シュレック2........


吹き替えで観たのだけど、楽しかった。こういうアメリカ映画は大好き。

2004年 アメリカ
監督: アンドリュー・アダムソン 、ケリー・アズベリー 、コンラッド・ヴァーノン
製作総指揮: ジェフリー・カッツェンバーグ
原作: ウィリアム・スタイグ
脚本: J・デヴィッド・ステム 、ジョー・スティルマン 、デヴィッド・N・ワイス
    アンドリュー・アダムソン
出演(声の出演):マイク・マイヤーズ 、エディ・マーフィ 、キャメロン・ディアス、
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スキャンダル........


わたしは、ヨン様の笑顔に別に何も感じないので、それが目当てで観たわけじゃ なく、たまたま時間があったから観た。きっと時代考証をきちんとしてるんだろ うなぁ、と思わせるような、衣装や小道具は楽しめた。もう少しどろどろする か、もう少し精神性高く描くか、どっちかがいいなぁ。ちょっと中途半端で物足 りなかった。

2003年 韓国
監督: イ・ジェヨン
原作: ピエール・コデルロス・ド・ラクロ
脚本: キム・デウ 、イ・ジェヨン 、キム・ヒョンジョン
出演: ペ・ヨンジュン 、イ・ミスク 、チョン・ドヨン
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チルソクの夏........


今の韓国ブームを想うと、隔世の感があるけれど、30年近く前の、海の向こ う、釜山の男の子と、下関の女の子の恋物語。4人の女の子たちが、とても健気 でかわいい。主演の新人水谷妃里もかわいいけれど、上野樹里の存在感がやっぱ りなかなかすごい。山本譲二のお父さんは適役。素直に若い恋を応援したくなる いい映画。

2003年 日本
監督・脚本: 佐々部清
出演: 水谷妃里 、上野樹里
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スィミングプール........


全編に流れる空気が、繊細でしなやかでしたたか。主演のシャーロット・ランプ リングとリュディヴィエーヌ・サニエが、どちらもとても魅力的。その時間の間 別の世界に連れて行ってくれるのが、いい映画の最低条件だ、と思うけれど、観 終わった時に不思議な夢から醒めかけたような甘美な空気に包まれた。

2003年 フランス/イギリス
監督: フランソワ・オゾン
脚本: フランソワ・オゾン、エマニュエル・ベルンエイム
出演: シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ
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誰も知らない........


いい!カンヌ映画祭で最優秀男優賞を取った柳楽優弥くんはもちろんすごくよ かったけれど、他の3人の子役の子供たちも、それぞれにすごくいい。
まるでドキュメンタリー映画のように見えるような、自然な演技。母親役のYO Uも、適役。ひどい母親なのに、憎めないから、映画が暗くならないですんでい る。オーディションでこの子たちを選んだ監督の、並々ならぬ眼力、ここまで自 然な演技をさせる演出力。
日本映画、なかなかいい!
監督自身がプレミア上映のゲストで言っていたけれど、この監督のこれまでの作 品(ワンダフルライフ、ディスタンスなど)と比べて、登場人物たちに対するが 監督の愛情が、全編にたっぷり感じられる。
とても視点があたたかいので、いろいろな場面での子供たちの様子を見ているう ちに、自分の小さかった頃の、あんなこと、こんなこと、色々思い出してせつな くなってきたりする。
明たち4人に、また会いたいなぁ・・。

2004年 日本
監督・脚本:是枝裕和
出演:柳楽優弥、北浦愛、YOU
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白いカラス........


若い頃につけられた心の疵を抱えて、もと大学教授の老人と、郵便局員の女性と その夫の3人がいろいろからむ物語。
うーーむ、テーマはよくわかるし、なかなか深くていい話、のはずなんだけど、 こういうトラウマを持った人はこういう性格になるはず、こうやってこう、悩む はず、と、あまりにもステレオタイプな人間観が気になって、全然話しに入れな かった。
ハリウッド映画って、こういうテーマは苦手だと思う。
日本映画や韓国映画が、心の機微を深い陰影を駆使して表しているのに慣れてし まっているので、この浅さが耐えられない。その奥が知りたくて映画を観てるの に、それじゃぁ、本で読んだほうがずっとましだよー。
これが、アメリカという国の浅さではありませんように、と思いながら観た。 でも、ニコールキッドマンは、美しかった!!

2003年 アメリカ
監督: ロバート・ベントン
原作: フィリップ・ロス
脚本: ニコラス・メイヤー
出演: ニコール・キッドマン、アンソニー・ホプキンス
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世界の中心で、愛を叫ぶ........


 泣きました。若い二人がとってもいい。
でも、わたしの年代では難病もののはしりだった「愛と死をみつめて」の泣かせ 方と、変わらないよ、って思ってしまって、なんでこれほどまでに流行るのか、 ちょっとわからなかった。純愛物語はいくらでもあるし、それらと別に変わらな い。
運命のいたづら、っていう設定もあるけれど、リアルで不思議なめぐりあわせっ て、いくらでもあるから、物語ならどうにでも作れるだろうし・・・と思ってし まった。
要するに、深くは入れなかった、ってことかな。
でも、若い人が、こういう純愛に涙する、っていうのは悪くないな。

2004年 日本
監督: 行定 勲
原作: 片山恭一
脚本: 坂元裕二 、伊藤ちひろ 、行定勲
出演: 大沢たかお、柴咲コウ
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ロストイントランスレーション........


監督のソフィアコッポラが、東京という街に魅せられてこの映画を作った、と 謳われていたので、「わたしも最近、東京が好きになってきたし」と思って、 そのあたりをちょっと期待して、観た。
その意味では、外国人が「日本ってこういう国、東京ってこういう街」というふ うに ステレオタイプに捕らえる捕らえ方を、超えていないので、不満だった。
まぁ、仕方ないのかな。笑わせようとして、わざと、かもしれないけど、明らか に「それは変!」っていう場面もけっこうあるし。
でも、渋谷のゲームセンターの場面とか、ひどくなつかしい感じがしたことも確 か。
ストーリーも、こういうせつない出会いと別れは、まぁ、映画ではよくあるよ ね、っていう感じだったけれど、主演のスカーレットヨハンソンの、最初と最後 の涙が胸にぐっときた。
それにしても、ホテルの結婚式の参列者らしきご婦人の、留袖の襟が逆、ってい うのは、「あり得ない!」

2003年 アメリカ/日本
監督・脚本: ソフィア・コッポラ
制作総指揮: フランシス・フォード・コッポラ 、フレッド・ルース
主演: ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン
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