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連載企画「もうすぐ生まれる!」 ~ 模型の残骸で綴る思考の軌跡

『AJW 西三河の住宅』

ファーストコンタクト
2009-12-01

『要望5箇条』
 ①建築に携わる者として五感を刺激するような建物の中に身を置きたいという率直な希求。
 ②日頃あまり家内に十分なお返しが出来ない中での精一杯のかみさん孝行の実現。
 ③事務所をつかさどるなかでのスタッフへの素晴らしい教育及び啓蒙の場の提供
 ④経営者として、設計士としての考えをこのプロジェクトを通して手嶋さんと交流したいという気持ち。
 ⑤子供の教育環境(4代目?)としての創造性を刺激し芸術的な意識を涵養する役割。

 ⑥友人知人を招いてのささやかな見栄と自己満足(爆笑)。
 ⑦自身建築というものの可能性の実験的な視点に立つ可能性の追求。
 ⑧父親との複雑な関係を言及するまでもなく難しい家庭環境における紐帯としての求心力。
 ⑨適材適所という我が社の業務スタイルを確立する上でのコラボ手法の模索。
 ⑩とやかく言わずともの我が人生のランドマーク。

敷地




敷地模型
スタディ
2010-01-06
study-model-01
study-model-02
study-model-03
study-model-04
study-model-05
2010-01-08
study-model-06
study-model-07
2010-02-03
study-model-08
study-model-09
 北東側に「壁の固い空間」(プライバシーの度合いの高い空間や、クローゼット風呂場などの壁で囲わなくてはならない空間)をまとめ、南側、西側に「オープンな空間」(LDKやスタディコーナー)をまとめたいと思っての作業。
 出来れば、「壁の固い空間」はRCか何かでつくり、「オープンな空間」は、鉄骨か何かでふわっと軽く屋根を掛けてやろうと思ってた。基本的な構成は良いかなぁ、とは思うものの、(御指摘の通り)カタチが踊りすぎていてまとまりが無い感じ。
2010-02-05
 これは上手くいきそうだなぁ、と手ごたえを感じて帰宅したものの、翌日になってみると、「全体構成に一貫したまとまりが無い」ことがすごく気になりはじめ、敷地の細長さを活かすための工夫した方が良いのではないか、と思いはじめる。
 性格の違う幾つかの空間が、中庭を介して連続してゆくことを考えて図面と模型を作った。
study-model-10
 作ってはみたもののこれは良くないなぁ、とすぐに思い改める。先ず第一に「ボリューム構成がおかしい」ぼってりしていて、商業施設では良いかもしれないが、住宅がこういう姿勢で街に在っては不自然だろう。もっと誰の邪魔にもならない形で存在するべきではないかと思った。
 そう考えると、最初の方で、横長の「帯のような」ボリュームを積層して検討した模型のことを思い出す。あれは、この「不自然さ」を解消しようとして、ああいう作戦を取ろうとしたのだ。もう一度最初に戻ってどんな姿勢で存在することが、「この街にとって」「この住宅にとって」良いのか。考え直そうと思う。
study-model-11
 そう考えて、一番好ましいプロポーションを作ってみようと思い、トライしたもの。ゆったりとした流れるような低い線が綺麗なのではないかと思う。この式に野中が差から導き出せる一番綺麗なラインはこれではないかと思う。
study-model-12
 もう少し現実的な「高さ」を入れてみる。ボテッとした。プロポーション。2階建てにしては低い「5m」という高さだが……
study-model-13
 「基壇と上屋」という構成と入れてみる。
 下からこの空間に入って、「上に、上に」と空間が開けて行くような空間構成を構想し始める。
study-model-14
 それをそのまま深く考えずに、形にしてみる。
 (下の写真は、二階部分を取り払って、基壇の部分だけを写したもの)
 中庭などが地形として隆起しており、それを巡って、様々な空間が展開しているような構成を空想していた。
 作業を進めてゆくと、次第に、「あまりファサードが無く、内部の空間体験だけがあるもの」が良いように思えてきました。
 これは最近、うちの事務所で多く手をつけている課題なので、今回は出来れば避けたいと思っていたのですが、どうしてもそういったテーマに惹かれて行ってしまいます。最近では、「囲い庭に埋もれる平屋」」「連続し寄り添うハコニワ」「大和町の住宅」らの一連のものがそのシリーズです。また、僕の自宅もそのテーマを大きく扱ったつもりです。
 そのテーマに上手く「ファサード」といえる何かを被せることが出来れば、いうことは無いと思います。
 
 文章にしてみて初めて分かってくるのですが、要は、一般的なビルにあるような『ファサードを介して外部空間と、内部空間が対峙している』ような基本構成がここではふさわしくない、と思えているようです。
追記
 何故、そう考えたかと考えてみると、この建物では、「この建物に近づいたりはなれたりする大多数の人々は、決してこの建物に向き合っていない」と思うからです。神社のように、広い境内があり、誰もがそれに向き合う目的でそれに近づいてゆく建築とは違い、この建築が明快なファサードを漏ってしまうと「こちらに関心の無いヒトにさえも、明快に向き合おうとしている」ことになってしまいます。どうもその一方通行の関係はピンと来ない気がします。では「ファサードを持たなくて良いか」といえば、決してそうは思いません。一般的なやり方とは違う方法で、ファサードを持つべきだと思います。具体的にどういう方法化、といわれるとまだ分かりませんが……。
 どうも、文章が下手で、……分かり辛くて申し訳ありません……。
2010-02-08
 スケッチにて再度構想を練り直し、細長いプロポーションを再度検討しなおそうと試行錯誤しました。
 そう考えると、南北方向に細長く「囲い庭」や「居住空間」を確保する方法が、もっとも長さを強調できると考えました。ふとしたことで、エントランスと2台分の駐車スペースの取り方の工夫を思い立ち、それをスケッチ等で検討してみました。それをラフな図面と模型にしてみたのが次の案です。
study-model-15
 この案の最大の利点は「内部空間で、もっとも見通しの利く長さを確保できる」ということに尽きます。
 ただ、この案の場合、駐車場部分の上に子供部屋を確保しており、それがどうにも(ゾーニング上も、内部デザイン上も)良い感じではないとすぐに思いました。
 そうしてすぐに次の案を作ってみました。
study-model-16のプラン
 左が1階平面図、右が2階平面図です。
 2階部分は、南北方向(縦方向)に3分割し、真ん中が居室、その東西は外部空間です。共用スペースだけ2階部分を構成し、他のスペースはすべて階下に納めています。
study-model-16
 先程も触れたように、この案の最大の利点は「内部空間に、最大限長い線を確保できる」ことですが、逆に、最大の欠点は「ファサードとして、多くの部分に塀しか見えてこないこと」かもしれません。もしこの方向性で進むとしても、この点については何か方策が必要になると思います。
 また、1階部分の構成の仕方なども何の工夫も無く、このままでは面白くもなんとも無い感じですね……。もしかすると、「霜柱」のように、「共用空間を高く持ち上げる1階部分」という雰囲気で「上方向に向いての何らかの空間的仕掛け」をつくってやっても面白いかもしれません。「すごく高い天井の一部から上階のリビングの様子が漏れ聞こえてくる」とか……
 もしこの空間を実現するとなれば、2階部分は南端から北端まで大スパンで飛ばした方が面白いでしょうね。

 そうなると「1階は高さ方向の方向性を持った空間で構成してやり、2階は水平方向に伸びやかな空間構成で……、」と整理してやることも出来そうです。(実際に面白くなるかどうかは、もうひとつ自信がありませんが)

 ともかく、リビングの長い水平線は「八木山の住宅」を良いと思ってくださる方には、説得力のある空間になると思います。

 また、1階の植栽部分は2.5mほどの高さのRC壁の中に植栽用の土を入れてやるつもりですが、これらを構造用に大きくクローズアップしてやる方法もあると思います。要するに「メディアテーク」のような構造と環境制御をうまくひとつにまとめてやるような方向性になってしまうのかもしれないですが……。
 御意見をお聞かせください。
2010-02-10
1)主寝室は大きい方が望ましく隣接する位置にウォークインが欲しく書斎的なスペースも付近に併設できるかどうか?ともかく本なども多く収納はかなりかさばるスペースが必要ではないか?
2)子供部屋については将来的につないだりリ分割したり隣り合わせにした方が将来的な柔軟性とか追従性があってアジャストしやいような気がしています。スペースについてはそうそう大きいものではなくてもいいのかも。
3)隣が幼稚園というのも公園みたいなもので週末も人が居たりするのでプライバシー的には微妙であることを考え、主寝室とかは二階以上の方がいいかも。子供室は別にかまわないですが(笑)。自分たちが年取って上から下がってくるかもしれないし。
4)障害者の親父が70歳の中盤に差し掛かろうというところで一階にはそのスペースが必要なことと気軽に知人を招いたりする工夫も必要かもしれません。ただそのために亡くなってからどうしようもないスペースが残ってもなんですが。
5)庭の使い方はひとつのポイントになるのでしょうね。風呂から、とか玄関へのアプローチから、とかDKとか落ち着いた景色が眺められるような工夫が手嶋さんの案からも見受けられ自分たちもそれを強く望んでいます。
6)なんといっても東隣にそそりたつ壁のような建物がそびえたちあまり綺麗なものでもないのでそれが見えるのもちょっと気になるしどうしたものかというとことですが間に緑地というのもありのような気がしてました。ただ暗くないかな?管理はできるかなとかとか考えてました。
7)アプローチに工夫があり面白そうでした。道路からすぐ入り口ではなくて入って行く道中の半外半内空間のような感じが出せればという気持ちを汲んでくださっている気がしました。父親が車椅子みたいなものなので制約も出てくるかもしれませんが。
8)外観が凸凹しているよりシルエットとしてスッキリしているという考えにとても共鳴します。そんななかでやはり以前からの三階案構想のように高いところから幼稚園側を見降ろしたい!?という気持ちも捨てきれません(笑)。形として成立しうるものかしら。
9)案を眺めているとうやはり提示のように我が家では来客を想定しているのでDKとは明確に分離した方がいいのかしらという気持ちにもなっています。リビングはなにか高さにせよ工夫を持った楽しい空間を夢見ています。
10)閉じる部分と開く部分のメリハリを!というひとつのテーマに対して暗い場所から明るい場所へとかのイメージがどんどん具現化できないかなという気持ちで案を眺めさせていただきました。
 
 全体としてなるほどこうした考え方もあるんだ・・・というたのしい発見のようなものもあり今後の展開が楽しみになってきています。現時点では可能ならば幾つかの案を並行して頭を柔らかくしながら案の一長一短を見て徐々に考えを収斂させていきたい考えです。

2010-02-10
 ……ということで、威厳時点の案の方向性はいったん保留し、3階建ての案も再度検討してみることにした。
 3階建ての住宅、特に3階部分にリビングのある住宅、ということで、1階や2階の諸室からすると、上へ、上へと求心力が働いている空間が良いような気がしていました。
 そこで、オーロラのようにたれ壁が上から落ちてきており、その隙間が上からの光で満たされているような住宅はどうだろうと考えました。「そんな光に導かれ、家族はみな、リビングに安らぎを感じる」といった感じです。

 また、そんな空中に浮かぶ垂れ壁が、構造的に合理的であれば、結構良いかなぁと思った次第です。
study-model-17
 先ずは、1階部分は細かい規則的なグリッドが展開されていて、「それをくぐると、ズゴンと大きな光井戸に出る、その圧倒的な的な高さに惹かれて上ってみると、開けたリビングに出くわす」といった空間をイメージし、その内部空間の骨格だけを作ってみようと試みた模型です。
study-model-18
 次にもう少し全体を意識して作ってみようと思い、作業をしました。各階ごとに規則的なグリットを設定してやろうと思いました。それが階毎に違っており、階層間のその隙間から光が漏れたり、階段があったり、上下方向を意識させる仕掛けを作れたら……、と思っていました。
 しかし作業の途中で、やりすぎかなぁ、と思えてきました。システムが先行しすぎて、人が住めそうな気がしなくなってしまいました。
study-model-19
 さて、途方に暮れて、どうしようかと考えあぐねていたのですが、もう少し簡単に3階建てを考えてみるべきではないかと思ってきました。ペントハウスのリビングと言えば、と急に思い出したのが、「GAZEBO」です。
 ああいう感じのボリューム構成が出来ないかと思い、作ってみたのがこの模型です。
 1階部分が少し小さくなっているのは、駐車場を確保するためです。

 要するには、全体が下から順に「基壇」「胴体?」「ペントハウス」と3層構成になっていることを意識していました。
(模型では、ペントハウス部が外れてしまっています。すいません……)
 しかし、やはりまた、作ってみるとどうにも違和感が湧いてきました。その理由は、と考えてみると、どうにもこの敷地に似つかわしくない「ギスギス感」が滲み出してしまっている、と思えているからのようでした。
 敷地の東側南側の街区は確かに込み合っているものの、敷地西側は公園の空地同然に開けており、このボリュームでは混雑した街区の方に靡き過ぎている感じなのではないか、と思えてしまいました。
 そうして、ふと今までの模型を眺め回してみると、
『study-model-13』のボリューム構成がすごく綺麗だと思えました。
study-model-13
study-model-20
 「基壇」の部分はRCもしくは岩っぽいもので、2階はメッシュかルーバーかガラスで、半透明の皮膜で少しボリューム感が弱まっており、そしてペントハウスが軽やかに乗っかっている感じ、です。全体のプロポーションとしては『study-model-13』のようにスクエアな感じなのですが、半透明の皮膜の内実は上に上がるにしたがって徐々にセットバックさせててやり、ゆったり感を出してやろうと考えました。
 ただ、まだ、ペントハウスのボリュームが上手くいってない気がします。全部をスクエアな中に入れたほうが良いかもしれませんね。
 こうなると勝手に妄想が暴走してしまうのですが……、
 ヘルツォーク&ド・ムーロンのゲーツギャラリーのような端正なプロポーションを持つ建築も良いかなぁとおもいました。(下写真)
 「石(やRC)」と「ガラス」「半透明の皮膜」がツライチで等価に納まっており、しかしそのむこうでは、内部空間と外部空間が入り乱れて豊かな空間が展開されている、というイメージです。

 御意見をお聞かせください。
2010-02-11
 さて今回のメール内容は下記の家内のコメントを転記する及ばず自分もかなり気に入っている次第です。シルエット的にとか、なんとなく二階とか三階で繰り広げられる光景とかが想像できそうでサプライズ的な要素もイメージ出来そうです。
 問題は一階の処理で機能的なモノをどこまで持っていくべきかとか、上階の影響により面積が大きい割に楽しそうな空間となるうるか?などに詰めが必要かしらというようなことをぼんやりと考えていましたが、たとえそうであれ一階から上に上がるにつれ光が差し込んでくる言う感じであればメリハリもあるなーとかも思ったりもします。
 かように設計作業というものは言うに及ばずお客の要望から方程式を組みあげて、xとかyとかzとか未知数に仮定の処理をかけて解いていくという膨大な作業であることが想起されますよね。
内容の件、了解しました。御指摘の通り「これで本当に上手くいくのか?」と言った部分も多々ありますので、もう少しこの路線を掘り下げてみます。
 
しかし何というか、プロがクライアントというのも、「滅多なものは見せられない」と思う部分では大変なのですが、「プロデューサーやパートナーの指示やアドバイスを受けながら仕事をしている」と受け取るとかなり楽な部分もあります。
一人で作業をしていると、自分の作った模型を客観的に見るために数日間放って置いたりするのですが、渡辺さんの鋭い意見をお聞きすると簡単にプロの客観的な視点を(それも自分でやるよりもはるかに鋭く)得ることが出来ているような気がします。
2010-02-12
 メールにあったとおり、プランを当てはめてみたものを作ってみました。
 当初は2Fプランにデッキとあるあたりに、文字通りに「中庭」を配置する案を試みてましたたが、(動線が長くなりすぎて)うまくまとまらず、西側に中庭を配置してみました。(階段の位置など細かい部分にはあまり整合性は無いです)
study-model-21
 プランのイメージとしては……、
 1階部分を経由しての、「室内通路」は担保されているのですが、基本的に家族のメインフロアである2階では、外部デッキや中庭を経由して各部屋間を移動する、というイメージです。
 中庭には2階床レベルまで土を入れています。
 ……しかし、一日掛けて苦心した割にはあまり面白くない……ですね。プランが、「ぎゅっと結晶化」していない、というか、ただ当てはめているだけと言うか、……
 ……それに、エントランス部分が全然良くなりそうにない気がします。「前に出ている部分は、駐車場も含めて大きなフレームだけ」という形にして、玄関は中庭の部分まで奥に引っ込めた方が良いかもしれません。
2010-02-15
 狭い横幅の中に、2つのボリュームと、その間の庭を確保する構成のために、横幅が窮屈すぎてよい空間にはならないのではないかと思い始める。
 しかし、下階からアプローチし、自然に3階のリビングまで登らせることをイメージすると、どうしても、「地形的に展開している内部空間」をイメージしてしまう。
 次に、「南側正面から、次第に階段状にボリュームが積み上がっている構成」を検討した。下から順番に帯状に中庭を挟みながら次第にせり上がって行く案。
 しかし、どうしてもリビングは3階まで持ってゆくことが出来ず、「宇宙戦艦ヤマト」のように最も高い場所は「艦長室」のような空間になってしまう。
2010-02-16
 もう一度考え直すと、もう少しぎゅっと詰まった感じの全体構成が良いのではないかと思えた。
 目指すところは、「内部空間と外部空間が混ざり合って豊かな建築空間が出来上がっている」状態だが、今までは、「建築を地形化」しようとしていた気がする。今度は「地形を建築化する」のだと方向性を切り替える。
 また、今までは、どうにもエントランスがしっくりこないので、思い切って駐車場の取り方、エントランスの取り方を切り替えてみる。
 全体のイメージとしては、『空中に持ち上げられた「囲い庭に埋もれる平屋」』、『立体的に展開する内部空間を持った「囲い庭…」』というイメージ。
 ただ、「3層分まで、中庭を持ち上げる」という「大フィクション」を持ち込んだことによって実現する案で、それが本当にリアリティがあるかどうか、クライアントと一緒に考えたい。
study-model-22
※模型の西側外壁は外しています。
2010-02-17
 この空中庭園にリアリティがあるかどうかには再考の余地はあるが、基本的には面白い空間構成になりそうなので、別の仕事を終えた夜に、もう一度考えてみた。
 「上に、上に、と展開してゆく空間」をたどったのちに、「最上階で、水平方向に空間が展開する」という組み立てはすごく面白いと思う。
 西側の大きな壁面は、大きな半透明のスリガラスや、メッシュ、ルーバーなど、コラージュする様に、様々な素材を「同ツラ」に構成しても面白いと思う。
study-model-23
2010-02-18
 ありがとうございます。先だってのメールも目を通していたのですが本格的なレスポンスを返すにはエネルギーが必要かしらということで(相手が手嶋さんなので・・・とお互い牽制しているみたいですね(笑))仕事に忙殺される中で時間が取りきれていませんでした、すんません。家内も見ていて、それなりに感想があるようでしたがそのあたりも意見を集約して又返事を致します。
 パッと見でいえば前回の案は、幼稚園側の方がまるっとオープンになっているのがその一階レベルでの光景が特別良い訳ではないので微妙かなーと感じていたのですが内部の光景は面白そうであったのでちょっと時間を割いて考えてみようか・・・という自分のスタンスでした。
 またシルエット的には前面から見たバランスというかボリューム感では間口をいっぱいに使っていた案の方が馴染みがあるかなーとかいったインプレッションがある程度でしっかり見ていないのに気分で散文的なメールをするのは失礼だから待とうかな・・・として時間ばかりがたってしまったわけです。
 家内はイチバン最初の案の突き抜けた感(気に入っていたのでしょうか)が無くなってしまったことが残念そうでしたがなにかをとれば何かが無くなってという取捨選択の中で優先順位を決めて行かなくちゃいけないのかしらねと話していましたが彼女なりにいろいろと頭の整理を考えるいいステップに入れたような気がしています。
 内容の件、了解しました。
 仰るとおり、確かに1階の環境構成はまだ良くないですね。
ただ、3階のリビング、ダイニング、キッチンはすごく良くなりそうです。多分、前回のプランだとLDKにここまでの魅力は出ないだろうと思います。(逆に全体の点数からいえば、前回の案の方が良くなるかもしれません)
 御指摘いただいている点は、的確に急所をついていると思われるので、先ずはその点が上手くクリア出来そうかどうか、もう少し考えさせていただけないでしょうか?
 具体的には、建物の横幅をもう少し広げて、1階の採光通風を確保することを考えています。
 
 何か奥さんにも気を遣わせてしまっているようで、申し訳ありません。
 ただ、(例えこの案が失敗するとしても、)何か手応えを掴むチャンスのような気がしています。
2010-02-19
 結局、「前回の案」と「今回の案」で、大きく何が違うのかを、もう一度考え直してみると、「前回の案」は、外部空間にレベル差を付けたりスキップさせたりして空間に変化をもたせようとしたのに比べて、「今回の案」は外部空間と内部空間の区切りは単純化させて、その代わりに内部空間のみで空間に変化を持たせようとしている、のだと思います。
 その最大のメリットは、防水等の納まりがシンプルであることでしょうね。また、ガラスなどで仕切られないため、より一体的に空間を感じることが出来ます。

 内部空間は、1階の子供室から3階のリビングまで、(それぞれの視線を切ったりつなげたりしながらも)一体空間として連結しています。
 プランとしては、横幅を広げた分だけ、1階の面積が広くなってしまい、その分、「何の部屋をいれようか」ということになりそうです。(この点では「前回の案」と同じ悩みに陥るかもしれません…)
 
以下は屋根と西外壁を取ったもの
study-model-24
2010-02-22
 ということで手嶋さんからの案に対するコメントですが、「なかなかいいなー」という感じです。ひとつ根本的なスキームの中でただ迷っているのが、うちの特殊性として友人が多そうであるからにして1階レベルにリビングはありなんだろうか?ということは問いかけていたのですがスペース的にはきつそうですね、吹き抜けとか仮に工夫したとしても・・・です。
 子供の部屋が一階であるということは教育とか親との関係とか考える分にこれはこれでアリだよなーという考えですが、将来自分達が1階に下りてきて生活する分にコンバージョンすることも可能そうなプランでこれはこれでいいよなという考えの根拠です。よく子供の部屋を黙って各自の部屋に行かないようにリビングを通ってから・・・という仕掛けを希望する家庭がありますがそれに近い考え方で上階に子供部屋を持っていくという発想は余り持っていないのでこういう形がベストのような気もしています。
 ただ重ねての要望になってしまいますがこれで頭を固めてしまう前に一度リビングを1階に持ってくることが果して可能なのかをもう一度検証してこれについては結論を下したいと思っていたのでご一考くださると幸いです。
 あと、全体のシルエットという点ですが完全シンプルな形態を志向しながらもフラットな四角ということに対してはどうなのかというこれまた迷いのようなものがあります。
 これは例えば自分が好きな取り組みとしてマテリアルの違うキュービックを重ねるような(交わらせるような)ものがあるわけで、直観的に幼稚園側のスペースに対して空きがあるのでここに2階レベルくらいまでの機能が持ってこれるならそれはそれでどうかしらとか考えていました。
 アプローチに対しては一台はビルトインでと考えていたので前回の縦列案よりぐっと良くなった気はしていて、入るまでの雰囲気もなにかしらワクワク感もそうぞう出来るような感じが出てきていい感じでもあります。
ひとつだけ、ご質問です。
「ひとつ根本的なスキームの中でただ迷っているのが、うちの特殊性として友人が多そうであるからにして1階レベルにリビングはありなんだろうか?ということは問いかけていたのですがスペース的にはきつそうですね、吹き抜けとか仮に工夫したとしても・・・です。」
の部分の1階のリビングですが、「セカンドリビング」というか、そういった性格のものでしょうか?
 本日ひとつ目の打ち合わせを終えて机に戻ってきました。自分的にはひとつのリビングでよいのですが、かみさん的にはセカンドが欲しいと言う要望です。これについては65坪をマックスとした延べ床面積で収まるかで判断してもよいものか?というところですが各部屋との連携も考えた上でのジャッジかもしれません。
 正直、このうちのイチバンのスペースは3階部分だと勝手に考えているのでそれがプラーベートな夫婦寝室か開放できるパブリックなリビングなのかは自分の中でも結論が出せていません。
 職場から催促したら家内から早々にメールが返ってきました。ここで自分なりに思うのは家内の言う15年後はうちの親父は極めて高い確率でこの世に居ない訳で、その時は場所を変わってもいいし親父の部屋をどう活用していくかもポイントになりそうです。
 ことダイニングやキッチンは家内の聖域ですから口は出さないようにしようと思っています(笑)。しかし現在のマンション暮らしでこうした生活の具合をシミュレーションすることは楽しくもありますが家内との想像力を一致させるという点で難しさもいっぱいですね。まずなんとかなると思っていますが、というかこういうプロセスを経て家族の繋がりを高めていける契機にもなると思いだしてもいます。机に戻ってきては・・・の作業で断片的な情報ばかりですみません。
さて、ひとつひとつお答えしたいと思います。
・キッチン、ダイニング、リビングのつながりは、これはこれでありと思いました。ただ、使い勝手を考えると、キッチンでの作業中は、リビングにいる家族・知人とはまったくコミュニケーションがとれない。
こどもがまだ小さいこともあり、もともと対面・アイランド型が希望だった
こともあり、その点が非常に難を感じます。
 了解しました。
 これに関しては、3つのパターンで想定しており、それぞれでお会いした時に御相談したいと思っていました。
 
①今の形「キッチンとダイニングが分離した形」
 今までの経験上では、働いている奥さんのご家庭では最も適していると思います。「片付け切らなくて出勤し疲れて帰ってきても、キッチンの惨状に心痛めずにすむ」という利点があります。今回の場合は視線は切れているのですが、空間としては一体感のあるように工夫してあります。
 
②仰るとおりの「対面アイランド型キッチン」
 
③「2つの中間タイプ」
これは次回に案を作ってお送りしたいと思っています。
・こども部屋がやや小さいかな。今は寝るだけのお部屋でも、15年後は勉強部屋として使用することを考えると、ベッド・机・書棚を置いてゆとりがあるスペースは確保したい。
了解しました。
・こども部屋の一つが、植栽に面していないことも気になります。勉強部屋として使用することを考えると、部屋からはよい景色が見えるようにしておきたい。プライバシーを考えても、主寝室・こども部屋は2階もしくは3階がよいような気がしますが。
 どうやら、どこかの時点で、「主寝室は2階、子供室は1階が望ましい」と勝手に思い込んでいたようです。
 申し訳ありません。
 ただ、2階に「客宿泊室1、子供室2」を確保することは難しいかもしれません。(1階に持ってくる部屋が少なくなってしまいそうです)しかし、何とか全室に良好なプライバシーがあるように試みてみます。
・面積が広くなってしまうかもしれませんが、リビングはもう一つほしいです。簡単なソファー・テーブルと書棚、TVくらいがおける、家族がちょっとくつろげるようなスペースでもいいです。来客中、他の家族が居場所なく個室にこもるようなことにならないように。
了解しました。
2010-02-23

 今日一日掛けて、もう一度考え直してみました。
 キッチンの作り方として、「これくらいのオープンさの方が片付いて見えるのではないか」と思いますが、ご意見をお聞かせください。
 子供部屋については、「6畳の広さで、それぞれの部屋が植栽庭に面して、しかも、家族室と半分繋がっている」ことを条件として考え直してみました。
 1階のセカンドリビングも設けてみました。2階のキッチンからの連続性を重視しています。10畳前後くらいを想定しています。
 こうしてみると「決定的に」、1階の作り方を自分が理解していないことが分かりますね。
 それに比べて、2階3階は結構良くなりそうな予感はするのですが…。
 これで模型を作ろうと思ったのですが、このまま作ったところで、あまり意味が無いようなので、少し考え直そうと思っています。

 もし気になる箇所があれば何なりとお申し付けください。
 また、子供部屋が1階であることなどがやはり気になるでしょうか?
2010-02-24
 1階のプランはもう少し整理し、ただ、上の階は上図そのままに(手の空いた「見習いスタッフくん」に)模型を作ってもらった。
study-model-25
 先日からすすめてきた、「1階のセカンドリビング、子室らを2階のDKと吹き抜けによってつなげ、一体感を確保する」方向性について、あまり良くないのではないかと思い始める。
 視覚的なゆるい連続性は良いかもしれないが、音環境としても筒抜けであれば、奥さんからの要望である「来客時の逃げ場所」としての役割を果たせなくなってしまう。
 そう考え始めると「1階」と「上階」をある程度はっきり分離して遣った方が建築として明快になるのではないか、と思えて来た。
 その路線でもう一案、プランを作ってみる。

 1階は、「客間、子室、セカンドリビング」としてフレキシブルに間仕切って使えるようにと考えています。1階のプライバシーは「塀」で囲うことによって確保しています。
 
やはり子室は2階のほうが良いでしょうか?
 あとは「エントランスホールから上階へのアプローチ階段」を工夫して面白い空間展開が出来るようにしたいと思っています。また、書斎は狭いながらも面白い空間にしたいと思いっています。先日来のイメージでは「狭いながらも上向きの空間」というイメージです。
 ダイニングからリビングへの階段は、大きめの踏み面にし、腰掛けて本を読んだり北庭を眺めたりするようなイメージです。
 
「DK」についてはどうでしょうか?もう少しオープンな方が良いですか?

 下の模型も「見習いスタッフくん」作です。
study-model-26
 作ってもらったは良いが、今回のスタディで一番重要視していた「高さ」を前回と同じにしてしまい、プロポーションの検討にならず、すぐに、作り直してもらう…。
study-model-27

 「次回はこの路線の案でプレゼンする」ということで基本的には良いでしょうか?
 また、もし良ければ、もう少しキチンと作った模型を宅急便で送りますが・・・。
 基本的にOKです。
 やはり直に模型を見ながら意見を集約したいと考えていたので送ってもらえますと助かります。図面で想像できる分と難しいところがありますが特に手嶋作品は三次元空間の有効活用術を縦横無尽に駆使しているので(自分の想像力にも限界があるので)お手数ですがそういう段取りをしてもらえると実際の打ち合わせの際により密度の濃い時間を創れるのではと思っています。

 送っていただいた案についてはうーん!とかほー!とかぬぬっ!とか感じで断続的にチェックしているのですが何分腰を据えていない分感想が散文的になるというか気の利いたことが言えないようなところがあって手詰まりを起こしていました。それ以上でもなければそれ以下でもないんですがね。
 一階については子供部屋周りについて将来どういう風にもフレキシブルに展開できそうなのでこんな感じでいいと感じました。ただ玄関からひとがリビングに招かれていく中でのストーリー性をもう少しできれば文句ないかなとか、主寝室で収納部分を階段側にもっていって庭園風のバルコニーに面させた方がよいかも・・・とか迷ったりしていますが基本的なこちら側の要望は取り入れられているような気もしているのでこれで打ち合わせにイイ感じで臨めそうです。
2010-02-25
 一点思い出して連絡したのですが、それは介護の問題であって半身がままならない父親の今後のことを考えると浴室とかは一階がベストなんだろうか?という点です。また全員そろっての食事は日曜日だけなのであまりそれに拘泥することはないのですがダイニングもそれにリンクする話ですよね。(もっとも父も手すりがあれば階段に上がれる状況ではあります、無論現時点においてですが)
 ただ親父の関係の人間、特にヘルパーさんなどがどこまでプライベートな空間にまで足を踏み入れてくるかという点については家内の希望からできるだけ一階に限定したいということでしょうからそこで最小限の生活ができるようなユニットは用意するべきなのでしょうか?これは迷うところですよね。
 正直自分達の現在のライフスタイルを中心に考えれば主寝室の脇である現計画が望ましいと思うのですが、自分達も年を取ったら後を継ぐ?子供と交代して下にさがるのかもしれません。また以前空想していたようにもしかしたら家庭用エレベーターを設置するというのもひとつの考え方かもしれません。
 そうですね。了解しました。
 1階にもうひとつ水周りをつけるという方法もありますし、2階の水周りと1階の書斎を入れ替える方法もあると思います。ELVも可能ですよね。
それは、次回の打合せの際にゆっくりと話し合う形にしましょうか?
2010-02-26
 送付用の模型を「見習いスタッフくん」に作ってもらっているので、構造的なことなどに考えを巡らせていました。
 「工事費がどれくらいになるのか」不安になり、坪単価から概算工事費を割り出してみようと思いました。
面積表
3階面積    33.06[㎡]
2階面積    75.41[㎡]
1階面積    90.53[㎡]
述床面積   119.00[㎡]60.3[坪]
吹抜面積    50.75[㎡]

駐車場ポーチ  41.48[㎡]
西庭北庭    40.00[㎡]
南庭      30.00[㎡]
概算工事費算出面積表

述床面積   119.00[㎡]60.3[坪]

吹抜面積    50.75[㎡]15.3[坪] ×1/2=7.5[坪]
駐車場ポーチ  41.48[㎡]12.5[坪] ×2/3=8.3[坪]
内部施工床面積         76.1[坪]
76.1[坪] ×80[万円/坪] =6688万円
西庭北庭    40.00[㎡]
南庭      30.00[㎡]
庭施工床面積    70.00[㎡]21.2[坪]
21.2[坪] ×30[万円/坪] =636万円
※ 杭工事などの割り増し分はみてません…。
※ RCとSの混構造で想定しています。
  2階までは基本的にRC,屋根と西側の外壁はS造で想定しています。
合計金額
7324万円
(仰っていた)設計事務所に対する特別割引が15%あると考えると…
7324万円×0.85 =6225万円
 こうしてみると、仰っていた金額そのままになってしまいましたね。さすがです……。
(「そんなに掛からないかもしれない」なんて言ってしまい、申し訳ありませんでした。)
 しかし、まったく余裕がありませんねぇ……。
2010-03-01
 さて、たまってしまったコメントを、一問一答式に変換してお返しします。
 さて、先だって送ったメールのなかでのアプローチでのストーリー性ということですが、昔建築学科の学生であった頃先生が「日本の劇場というものは形ばかり欧米のモノを真似てもその演出などなっていない!」というくだりがありました。その先生の言いたいことはこれからオペラなり始まろうとする舞台への心の高ぶりを自然に高鳴らせる導入部が全然違うという様なことを確か言っていたような気がします。
 自分もさして真面目な生徒でもなくその頃の言葉も忘れかけていたのですが大武写真館での格闘において、この建物のアプローチ計画の素晴らしさにほれぼれした訳です。これから自分はどこに行くのか向かうのか?という気持ちを上手く高めていく装置として見事でもありそれは最後の階段を上る瞬間の世界でもあり、帰りにその階段をおりようとする瞬間にひらける光景でもあります。
 この表現は難しいのですがですから自分も設計人生においてどこか導入部の考え方はこだわって来た部分でもあって、半分屋内であり半分屋外のような空間を作ったりとか試行錯誤していましたがこれもまたなかなか楽ではありません(笑)。
 自分で当初考えていたというか空想して案は以前に送付させていただいたような気がしていますが、コの字型の建物の中の部分に中庭を創り狭いアプローチを経てその世界がパッと眼前に大きく広がるように玄関スペースも通常より大きくしてなにか飾ったりおもしろい場所にできないかとか考えていました。
 今回の案で言えば上階に上がって行くにつれ想像できない世界が開けていくような感もあるのであまり詰め込み過ぎずにシンプルな導入部にとどめる方がいいのかなとか思いながらついつい自分の考え方は披歴しておきたかったのでコメントさせていただきました。
了解しました。
仰るとおり、(現在のように写真や雑誌が主体の建築ではなく)、「空間体験としての建築」が、本来の建築にとってすべての出来事なので、最も重要なことのひとつでしょうね。
このあたりの空間の組み立てについては、自分でもまだ万全だとは思えていませんねえ……。「先ずメインの居住空間のイメージを素晴らしいものに固めた後で、そこに至る経路を組み立てる」という方法で良いと思っていますが、そろそろそのイメージつくりに取り掛からなければならないでしょうね。
 さてプランのことでひとつ言及しようと思っていたんですが、家内と自分では基本的に考え方の相違は少ないのですがひとつかみ合わなかった点があります。
 それは3階の・・・というか2階でもそうかもしれませんが、自分は幼稚園側ならオープンになっていてもいいじゃないか?という考えでしたが家内はできるだけそちらに対してもクローズにして欲しいという考えでした。
 自分にしては3階から幼稚園側など見降ろすように開けているところを土曜日の夕方とか日曜日の午前中にゆっくりしながら眺めたりすると癒されるかなーとマイワールドに浸かっていますが南側の道路にさりとて開放してもマンションもあるしどれだけ効果があるのかしらという疑問があります。その点は案を見ながら議論をしていければいいかなとは感じていますがまずはいつものように散文的なコメントで失礼しました。
了解しました。
その点も今後の課題にしましょう。

また、お送りする模型を1/50で作ってみました。
study-model-28
2010-03-02
お返事ありがとうございます。
一問一答式に変換してお返事いたします。
 こうしてみると一階の入り口の感じはいいなと感じていたのは、まず入って行く際に右側に壁を感じながら正面にあたる壁により自然に建物の中に誘導されていくという雰囲気と、そこで入ってから部屋が全て見渡せるのではなくまた一度動線を折り曲げているという工夫が気に入っています。
 東側の建物がこちら側に2階建てで迫っているような感じがあり、また見てくれもあまり良いものではないために出来るなら隠ぺい?できたらという希望にものっとっており正面の感じはとてもよい感じが表現できたように感じています。
 光というものの扱い方は難しい訳ですが、ひとつ自分が好きで都合10回近く見学に行った谷口吉生さんの土門拳美術館のくらい館内から明るい場所に出ていくスロープの中で脇のスリット窓が段々幅広になってその明るいところ、つまりは正面の池のことですがに出ていく演出が素晴らしかったりします。
 今回は一階から漏れる光を上に上がるにつれて光がこぼれてくるという流れで上下でうまく光と影の織り成し感を出せそうでそこは相変わらず自分では出来ないなーこれは!という点です。さすが。
 さて1階の内部については当初表明したとおり将来的にフレキシブルに利用できるような空間を設置してもらってこれは色々な考え方が出来るために重宝しそうで、父親が健在であれば来訪客があるし子供が大きくなればそれなりに・・・ということです。ちなみに子供部屋というのは常識的に言えば6畳程度を!というのが普通ですがなかにはセカンドリビングで勉強し部屋は寝るためだけで、というようなものの見たりしましたがうちのように男二人ならばアリのような気もしていました。
 さて2階ですがこれは3階についても言えることですが可能なら(これもまら大武さんの時に実現されていたことですが)サーキュレーションというか突き当たりにならない回遊動線というものが個人的に気に入っているためにどうにかして取り入れられないかという考えがあります。
了解しました。
その点についてもう少し考えて見ます。
 2階でいえば、1階の幼稚園側に張り出している部分に床を乗せてバルコニー形式で外部にするかもしくは完全な内部にするかはともかくそのエリアを動線処理にどうかとも思いましたが外観が雑多な印象にならないかという危惧と子供部屋などの採光を上部からなのかな?ということでこれもまたお会いできたときに話しができればと思っていました。
 3階についても階段室側からウォークインに入れるような秘密口があればダブルアクセスになっていいかなとか感じていました。無論床のレベルが違うのでニジリ口のようになってしまうかもしれませんが(笑)。
 また階段についてですが周り階段というものは実はあまり経験がないもののうちのスタッフがこだわりで名古屋のおうちでやろうとしてモノをみてりして考えようかなとも思っていましたが食わず嫌いのレベルで言えばあまり発想のなかったところなので見極めたいと思っています。
螺旋階段は、今回の場合「本当にいいのかなぁ」という危惧は、わたしにもあります。一番のメリットは「動線がコンパクト」ということですが、上手く考えを詰めないと、「ダイナミックではない」感じになってしまいそうです。
この点については、しばらく決めつけずにすすめた方が良さそうですね。
 興味の中心となる建物の全体的なシルエットも好ましい感じに仕上がってくる予感がありますが、ひとつ確認しておきたいと思いましたのが手嶋さんは異種の素材感がぶつかり合うところは面を変える方でしょうかそれともツライチのような方策を取るのでしょうか?自分は変える方が好きですがとはいえゴチャゴチャしがちでその辺りはやはり明確なデザインポリシーを持っているわけではありません。
場合によりますが、全体のプロポーションがシンプルな場合には「ツライチ」の方が良いと思えるときもあります。
 あとうまく説明できないのですが、自分が好きなテイストとして塊のキュービックに板というかボード状のものが組み合わさっていて素材感を切り替える手段は使いたがる訳ですが、上手く処理しているなーと思うのは例えば大成建設のHPに載っている設計施工案件の「第二データセンター」というものなどがあります。
すいません。
大成のHPを見てみたのですが、「第二データセンター」というものが上手く見つけられませんでした。
 どうやらそうこうしていると外観などはあまり生活感のない一見すると事務所かしらという?無機質感もでてくるかもしれませんが言葉で言えばクールな感じであればということも付け加えさせていただきます。
 そうそうあと最後に大事なところですが予算についてはある程度は補正していくつもりもあったので概ねこちら側の要求とかけ離れているということはないのでそちらの心配はされなくても今の段階では結構かな・・・くらいに思っていますので心配なく。(とはいえ青天井の予算ではありませんが)
了解しました。少しほっとしました。ありがとうございます。
 こんな風に考えるとキリがないのですが空想の世界を共有できることはなにか新鮮であり楽しくもあります。
今日、模型をお送りするつもりでいます。
もう一案練ろうと思っていますが、今度は自分で1/50模型をいじってみたいので、先日の実施設計の見積調整などの雑用をさっさと片付けてから取り掛かろうと思っています。
2010-03-05
他の仕事もひと段落し、昨日あたりからまた渡辺邸についてアレコレ考えをめぐらせておりました。
ふと、奥さんの意見で「リビングは下階云々」などの話を考え直してみると、もしかすると、もう一案(平屋に近い案)、つくったほうが良いのでしょうか?
もしそうであれば、今からだと次回打合せまでに間に合うと思うので、着手しますが…
よろしくお願いいたします。
模型ありがとうございました。
やっぱり自分でも図面だけでは汲み取れないというか想像できないところとかあって現物をみて納得できました。まだ本格的にはこの週末にしっかりと眺めようと思っているんですがね。
 ということで確かに言われるとおりに今ここでフィックスさせる方向に流れつつあるものを最終確認の意味で、また違う角度からの案を土俵に乗せるのもひとつのような気がしています。ひとつはリビングを吹き抜けなど使うなりしても一階に据える案もひとつと思いました。
 また自分的には手嶋作品の「ODH」的なバルコニーが幼稚園側にあったら素晴らしいと思うもののかみさん的には夜なり丸見えになるのはどうかな?ということを言う訳ですが庇先端からガラス面をセットバックさせたりなんだりかんだりでできないことはないんではと感じますがね。高さが同じレベルならともかくかなり高い位置にあるのでそれも併せて気にならないように思うのです。
 自分的にはもったいながりなので幼稚園側のスペースがもう少し有効活用されればなーといういずれ感じでしょうか。いずれお互いというか関係者の意識ベクトルがいい方向に収束しつつあるような気がしていますが・・・。
2010-03-10
study-model-29
 「3階西側にバルコニーを」との話を考えようと取り組んで見ました。「1階から3階に至る動線もイマイチ」との指摘もあったので、それも考慮しつつ考えてみました。
 具体的には、2,3階を左右に反転し、リビングと同レベル、ダイニングの西側にテラスを持ってきています。また、建物東端に1階から上階までの大きな直線階段を持ってきています。

 しばらくこの路線で考えてみていたのですが、前の案の方が良いような気がしてしまい……、しかし、階段のつけ方はこちらのほうが良い気もするので、これを前の案に入れ込めないかと、次の平面案と模型を作ってみました。
study-model-30
2010-03-11
study-model-31
study-model-32
2010-03-20