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BGMは、一高第16回記念祭東大寄贈歌「春は櫻花咲く」。花咲き花散り幾春立つも いかで忘れん武香ヶ陵わが故郷。
花      
百花繚乱
ひゃっかりょうらん

 

   私たちの住む日本では、桜、紫陽花、ふじ、梅の他にもいろんな花が四季の移ろいとともに、各地で咲き乱れます。私の古寺巡礼や歴史探訪等の旅で心を癒してくれたその他の花々を「百花繚乱」として以下に簡単に紹介しましょう。



           写真は、自宅庭に咲く紅白のボケ。

摩訶耶寺 睡蓮 小国神社 花菖蒲



       

 遠州随一の名園と知られる静岡県三ケ日の真言宗摩訶耶寺の庭園に咲く睡蓮。石組みを背にして咲く光景は、平安末期のこの寺の往時の姿を偲ばせる。
 浜名湖を眺めながら天竜浜名湖鉄道に乗車、三ヶ日駅で下車、駅からテクテク徒歩でこの寺まで歩いた。疲れを癒すに十分な池庭であった。






         

 静岡県森町にある遠江一宮・小国神社の花菖蒲園には、約130種類約40万本の花菖蒲があります。
 神社の森の緑を背景に5月下旬から6月下旬まで、白紫の菖蒲の色が映えます。
 この日は、アジサイ寺極楽寺を訪ねたついでに、町のイラストマップを見て、テクテク歩いてきました。徒歩は私ぐらいで、マイカーの方が多かったですね。
千頭峯城址 ゆり 館林つつじが岡公園 つつじ



       

 摩訶耶寺を訪ねたついでに、三ケ日原人跡、初生衣神社、千頭峯城址、大福寺、浜名惣社神明宮を歩いてきた。。
 千頭峯城は、南北朝の昔、宗良親王を奉じて奮戦した井伊氏の南朝方拠点。北朝方高師兼率いる大軍の3ヶ月にわたる攻撃を受け、1339年落城した。
 このゆりの花は、千頭峯城址の登り口の道端に一輪だけひっそりと咲いていた。





         

 群馬県館林のつつじが岡公園には、約50品種、1万株のつつじが植栽されている。
 館林のこの公園のつつじは、とにかくデカイ。
 樹齢800年の老木や4、5メートルもの高さの古木つつじが赤・紫・桃など色とりどりに咲き競う様は圧巻である。近くには分福茶釜で有名な茂林寺があり、ついでに立ち寄りたい。


根津神社 つつじ 岩根神社 つつじ




       

 東京文京区・根津神社のつつじは、なだらかな丘の斜面一面に50種、3000株が植栽されており、春ともなれば、花の波のように咲き競う。
 この神社は、徳川六代将軍家宣の父綱重の下屋敷であった頃からつつじヶ岡と呼ばれ、つつじの名所であったという。
 なお、對三高戦の応援のために、一高が太鼓を借りていたのはこの神社である。





         

 
埼玉県秩父・岩根山には、ミツバツツジ、ヤマツツジ、レンゲツツジが群生しており、季節ともなればこれらの花が次々と咲く。
 つつじの他にも、この時期この山にはハナモモ、椿、桜の花が咲く。つつじの花のトンネルを通りながら、これらの花も同時に楽しむことが出来る。


車山高原 ニッコウキスゲ 行田古代蓮の里



     

 八ヶ岳中信高原国定公園の車山高原、夏になると天然のお花畑が出現し、辺り一面にニッコウキスゲが咲き乱れます。
 黄色い絨毯の所々に、綿のような白いオオカサモチも趣を添えます。
 写真の建物は、車山気象レーダー、黄色のニッコウキスゲに真っ白のドームがお似合いです





          

 この蓮は、ごみ焼却場の造成工事で古代の蓮の種が偶然に掘出され、水溜りで自然に発芽したのだという(3000年前の種と推定)。
 今は埼玉県行田市の水城公園に移植され、紅色、紅紫色、白色の花を開花させ、古代のロマンを今に伝えている。


伊奈町記念公園 バラ 冠稲荷神社 ボケ



        

 埼玉県伊奈町のこのバラ園には、86種の木バラと24種のツルバラ合わせて3000株のバラがあり、春と秋の年2回、訪れる人の目を楽しませてくれる。
 バラの香りの漂いの中、ゆっくりと花を楽しみたいものだが、有名になるにつれ、このバラ園も入場者が多くなり、騒々しくなってきたのが、少し残念である。




        

 群馬県太田市の冠稲荷神社のボケは、樹齢400年、樹高3.5メートル、根元の周囲3メートルで、500本の樹が分岐し半円形状に族生する全国一といわれる巨大なボケである。開花は3月下旬から4月上旬で、全樹が緋紅色の花で埋まる様は、紅蓮の焔の如く壮観である。
 冠稲荷神社は源義経、新田義貞、高山彦九郎ゆかりの神社で、近くには高山彦九郎宅址もあり、是非立ち寄りたい。


上野東照宮 牡丹 鶴岡八幡宮 牡丹



        

 上野東照宮・ぼたん宛は、東照宮参道の左手にあり、春と冬両方の牡丹を見ることが出来る。このうち春牡丹は、日本産200種、中国産50種の350株が咲き競う。
 五重塔を背景に日傘を差した風景は日本情緒たっぷりである。上野公園の雑踏を逃れ、静寂の中に、赤、黄、白の華麗な牡丹をじっくりと鑑賞したいものである。

別ページで「上野東照宮冬牡丹」追加。



         

 
鎌倉・鶴岡八幡宮の神苑ぼたん庭園は、上野東照宮・博多筥崎宮と並ぶ冬牡丹の名所である。
 薦被りの下で、冬の寒さに耐え凛として咲く冬牡丹は、華やかな春牡丹に比し、一株一株が孤高の美を醸し出していて、哀れである。
 この牡丹庭園には、約2000本の牡丹が植栽されているが、このうち冬牡丹は約500本である


美瑛 ラベンダー 平湯大滝 卯の花



      

 北海道のほぼ中央、旭川と富良野の中間に位置する美瑛は、ポピーやラベンダー、またひまわりの咲く丘の町である。
 混濁の世にあくせく過ごしている人も、この丘に佇めば、しばしメルヘンの世界に浸ることが出来そうです。





        

 岐阜県平湯温泉の平湯大滝は、幅6メートル、落差64メートルの名瀑である。その滝の手前で、水しぶきよりも尚白く、緑の中に可憐にひっそりと咲く卯の花(うつぎの花)。万葉人が卯の花の「におう」と和歌に詠んだのも、このような純白の白であったのだろうか。
 飛騨路から信濃路に旅した時の小さな思い出の花である。


権現堂堤 菜の花 菖蒲城址




      

 埼玉県幸手市の権現堂堤は、桜の名所として有名だが、堤下5万平方メートルの畑一面に咲く菜の花も広大でいい。
 通常の年は、桜と菜の花は同時に咲くのだが、今年(平成18年)は、寒い冬だったせいか菜の花の開花が遅れた。
 かって日本の田舎で、春の光景としてごく普通に見られた菜の花畑も、今は観光畑ぐらいでしか見れなくなったのは淋しい。権現堂堤の菜の花畑に寝転び、青い空に浮かぶ白い雲を見あぐれば、誰しも幼い日の思い出に誘われることでしょう。



         

 毎年6月下旬、埼玉県菖蒲町の菖蒲城址あやめ園には、35000株の花菖蒲が花開く。
 この地は徳川の昔、旗本内藤氏の領地であったところ、あやめ園の入口には、陣屋の門が移築されている。
 このあやめ園から菖蒲町役場までは、「あじさい遊歩道」が続いており、さらにはラベンダー通りへと続く。花の町菖蒲町では、この時期、花菖蒲の他に紫陽花もラベンダーも同時に楽しむことが出来るのだ。
般若寺(1) 牡丹 般若寺(2) コスモス


        
 
 関西には花の寺の札所があり、奈良の般若寺は花の寺第十七番札所だそうである。 私は何回かこの寺を訪ねているが、春は牡丹が、秋はコスモスが綺麗だった。特に、この寺のパンフレットにコスモス寺とあるように境内一面に咲き乱れる様は見事というほかない。



      

 コスモスは、すっかりわが国に根づいているが、もともとは外来の花である。何時の頃からこの寺の名物となったのだろうか?
 それほど昔のことではないであろう。 私が持っている最も古い黄色い紙のパンフレットには、花ごよみの記載はない。寺縁の俳句が何句か紹介されているが、山吹・百日紅・野菊・月見草・卯月草の他は、コスモス・紫陽花・牡丹等今この寺を彩っている花々を詠んだ句はない。
 この寺の石塔には、野菊や山吹がお似合いだったのだろう。

唐沢山神社 つつじ 秩父宝登山 蝋梅




       

 栃木県佐野市の唐沢山城址は、その昔「むかで退治」や「天慶の乱」鎮定で有名な俵藤太秀郷の居城跡で、関東七名城の一つである。江戸初期の山城禁止令で廃城となったが、明治になって城跡に唐沢山神社が創建された。
 春はさくら・つつじ、秋は紅葉の名所である。私が訪ねたのは春、ます形(城門跡)から本丸跡までの神社参道脇に背の丈を越える山つつじがゆかしく咲き連なっていた。まるで、昼尚薄暗き参道を仄かな花の灯篭となって、参拝者を本殿まで案内するかのように。



         

 埼玉県秩父長瀞の宝登山には、蝋梅園があり、250株、1000本の蝋梅が植栽されていて、2月中旬から下旬にかけて開花の時期を迎える。
 蝋梅は、梅の仲間ではなくロウバイ科ロウバイ属の別種だそうです。


足利フラワーパーク 栃の木の花 赤城寺 石楠花



      

 大藤棚で人気を集める栃木県足利市の足利フラワーパーク。藤の他にも、いろんな種類の花が四季を彩ります。栃木県の県木である栃の木の花もその一つ、園内の休憩所脇で、ひっそりと薄紅色の花を咲かせていました。夏の暑い日には、よく茂った広い葉っぱでもって、見学者に涼しい木陰を提供します。栃の木は、フランス語ではマロニエ、パリの街路樹として有名ですね。
 栃の木の実は、胡桃とならぶ縄文人の主食、今も栃餅として食べられています。



         

 群馬県旧新里村(現桐生市)の成田山赤城寺には、約5000株の石楠花があり、花の季節ともなると桜やミツバツツジ、牡丹とともに赤城山南麓の境内坂道沿いに咲き誇る。
 石楠花寺として最近有名になったこの寺は、真言宗智山派の寺だそうです。


巾着田 彼岸花 古河総合公園 桃の花



      

 埼玉県日高市を流れる高麗川が大きく蛇行し、巾着の形をとる高麗本郷・巾着田は、日本有数の彼岸花の群生地である。
 この地は、今から約1300年前、関東各地に居住させられていた高句麗の遺臣達1799人が遷され、高麗郡が置かれたところである。真っ赤な彼岸花は、戦い破れ二度と故国の土を踏むことの出来なかった彼ら渡来人の魂を弔うかのように林間の光に映えていました。

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 1455年に足利成氏が享徳の乱を契機に鎌倉から下総古河に移り、以後、義氏に至る五代にわたり、この地に居を構えた。その館跡が古河総合公園として整備され、桃の花の名所となっている。
 古河初代城主土井利勝が、この地に不足の薪の木とするため、桃の種を持ち込んだのが、古河桃林の嚆矢とされ、江戸は天保の頃から、花見客で賑わったそうです。

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