旧制第一高等学校寮歌解説

祝勝歌

 

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 あゝ我勝ちぬ   白勝ちぬ
   隅田河原の     晴軍
 赤旗亂れ     影もなく
   破れし様ぞ      あはれなる
 流るゝ水に     涙して
   幾度血をぞ      すゝりけん

 彌生半ばの    雲晴れて
   日もうらゝかに風薫る
 花滿堤に      咲き亂れ
   いざや祝はん我が勝利
 いざや歌はん   諸共に!
平成16年寮歌集で、次のとおり変更された。
1、「ながるる」(4段2小節)・「いくたび」(6小節) ともにドードレーレ
2、「ちをぞ」(5段1小節) ラーラソー 「みずに」(4段2小節)と同じ譜であったのを改めた。


語句の説明・解釈

対三高ボート戦の祝勝歌で、白旗が一高、赤旗が三高。ただし、大正13年から始まった対三高四部戦(端艇・野球・陸運、庭球)は8月に行なわれた。「彌生半ば」、「花滿堤」は時季が異なる。大正9年4月6日、東大主催の一・二・三・四・六各高等学校端艇競漕(第1回ボート・インターハイ)が隅田川で行なわれ、その試合前に應援歌が募集された。当選したのは有名な端艇部應援歌「嗚呼向陵に正氣あり」である。一高端艇部は予選で三高と対戦、これを破り、さらに決勝で二高も破って優勝した。一高同窓会「一高寮歌解説書」は、この時の三高戦を前に勝利を予想して、この祝勝歌を作った可能性があるとするが、平成16年寮歌集には作成年月は明記されていない。

語句 箇所 説明・解釈
あゝ我勝ちぬ 白勝ちぬ 1番歌詞 「白」は、一高のシンボルカラー。
赤旗亂れ 影もなく 1番歌詞 「赤旗」は、三高の桜章旗。
花滿堤に 咲き亂れ 2番歌詞 「滿堤」は、隅田川堤の至る処。隅田川は桜の名所である。
            

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