ヴァーティカルガンナー、
第2次MUCOC戦役終結。
この報せは、ヴァーティカルガンナーと言う名の兵器にとって、まさに死の宣告そのものであった。
だが、高い金をかけて開発した兵器を、みすみす闇に葬る訳にはいかない。
……その行き着いた先が、アイアンデュエルと言う名の戦場であった。
鋼鉄の巨人は新たな戦いの場を見つけ、その存在意義を誇示する。
そして…本格的にアイアンデュエルが開催される時がやってきた。
”鋼の決闘”と呼ばれる戦いが……
IRON DUEL 発売日 2006年4月14日 定価 1500円 ステージ数 7面 コンティニュー 6回 備考 ネットワーク対戦可能
参戦機体詳細
ブルーウイングス、ブルーナイツ、ブルーセイバーズ、オペレーションンオービタルハンマー。これらブルーウイングスシリーズが一区切りした所で登場した、全方位シューティングゲーム・ドラゴンフライ。このゲームは、マウスを使用すると言う斬新な操作が一部で話題を呼んだ。…それから数ヶ月。開発元のトップページに現れた、一枚のスクリーンショット。それは二足歩行のロボットであった。これまでシューティングゲームを多数送り出してきた訳だが、ここで新たな方向性に挑戦しようと言う事なのだろう。そして…2006年4月、アイアンデュエルが動き出した。
戦後の世界で…本作の世界観だが、第2次MUCOC戦役(BlueSabers-OOH-)後の世界と言う設定となっている。DRAGONFLYの陸軍採用が決まった際に得た技術から、軍へ売り込む為に開発した二足歩行のロボット、ヴァーティカルガンナー(VG)。これが今回の主役になる。パイロットはどうなのかと言った謎もあるのだが、それはこの際抜きにして考えるとして。今回も世界観が続いていると言う事になる訳だ。操作性・ガングリフォン+見た目・バーチャロン
さて、今回は3Dロボット対戦ゲームと言うジャンル。一見すると、かの有名なバーチャロンを思い出す人もいる事だろう。しかし、本作はバーチャロンほど操作が複雑と言う訳でもない。ゲームスピードも高速ではなく、アーマードコア並と言った感じか。また、操作はガングリフォン系かアーマードコア系の2つが操作系統として選択出来る。どちらかをプレイしていた人には、すぐ操作に慣れるのではないだろうか。
なお、ゲーム内容はバーチャロンとほぼ同じ。唯一違う辺りは、センターウェポンが無いくらいだ。しかし、安易なパクリゲーと考えるのは早計と言うもの。このゲームも、これまでの作品同様作りこまれている部分があるのだ。安易なパクリではないシステムこのゲームには様々な特徴が用意されている。まずは装甲。前作のDRAGONFLYは、敵機を後ろから撃つ事によって大きなダメージを与える事が出来た。そのシステムが本作でも生きている。攻撃する武器の貫通力が、装甲の防御力を上回ればダメージを与えられる。普通に攻撃するだけでは、ダメージを与えられないと言う訳だ。では、どうやってダメージを与えるか。答えは単純、装甲の薄い所を狙えばいいのだ。前面よりも装甲強度の低い側面や背後、上面から狙っていくのがこのゲームの基本となる。ただダメージは与えられなくとも、攻撃を弾かれようが衝撃自体は受けるので、全く損傷を受けなくても被弾を続ければ転倒するのだ。その隙を狙って、いいポジションを取ったりする戦術も成立すると言う訳。ただし、機体の武装には装甲を無視してダメージを与える物もあるので、油断は出来ないのだが……次に、貫通力と距離。装備されている武器の内、直接射撃兵器(直線的に飛ぶ弾丸)の類は、基本的に距離が遠くなるほど貫通力が弱まる。この為、同じ武器・角度で被弾しても射撃距離によって貫通する場合とそうでない場合があるのだ。即ち、遠距離からチマチマやっていてもダメージを与えるのは難しい事になる。特に重量級の機体を相手にした場合は尚更。時には接近して攻撃を仕掛けなければならない状況になる事もある訳だ。他にも静止状態で攻撃をした場合、武器が強力な攻撃になるバーストショット。FCSを切って、レーダーから姿を消すステルスモードと言った物もある。前者は文字通り、強力な攻撃が可能となる訳だが、その分武器ゲージの消費も大きく、静止状態でなければ撃てない点がある。静止状態は、このゲームにおいて危険な状況の一つとなる為、使うタイミングを見極めなければならない。後者のステルスモードとは、レーダーから敵味方の反応を消してしまう物。敵をロックオンする事が出来なくなるが、敵からもこちらの姿はレーダーに反応しなくなる為、物陰から奇襲する事も可能となっている。ただし、味方も反応しなくなる為、友軍を誤射してしまわないように気をつける必要があるのだが…(因みに、このゲームにはフレンドリーファイアが存在する為、誤射が成立する)そして極めつけはネットワーク対戦。昨今の同人ゲームでもチラホラ見る機能ではあるが、このアイアンデュエルにも実装されている。本家ページのチャットには対戦相手が常時いるようなので、環境のあるプレイヤーは是非やってみてはどうだろうか。CPU戦闘とは違った面白さが体感出来る事間違い無しだ。さて、ここまでシステムなどを説明してきた訳だが、実際にゲームとしてはどんな物なのか?まず操作などは慣れるまでが厳しいのは否めない。そこは仕方の無い事だが…機体バランスについては、現状(Ver1.55)で見れば比較的安定しているのではないかと思う。ただ、それでも一部の機体で重量級を相手にするのは多少分が悪く思える。その辺りは機動性と言った物でカバーせよ、と言う製作者のメッセージなのかもしれないが。CPU戦闘に関しては、慣れればどうにかなるレベルだろう。何度かプレイする内に、ある程度動きのパターンが分かってくる筈だ。後半のステージから本気でどうしようもない状態に陥る事があるかもしれないが、突破口は必ず開ける。現に、全機クリアした筆者が言っているのだから間違いない(それでも厳しすぎる機体はあるが…)。少しばかりヒントを出すとしたら、障害物に引っかかりそうになると必ず飛ぶと言う事。最近のバージョンから、着地時に隙が出来るようになった為、うまく狙うならそこがチャンスと言う訳だ。
ただ、これはプレイヤー側にも言える事である為、迂闊に着地などを繰り返すのは致命的だ。
ともかく筆者が言いたい事は、手足のようにVG操作が出来れば十二分に楽しめるだろうという事である。二度目の新たな挑戦、その名はアイアンデュエル前作のDRAGONFLYはマウスを用いた全方位シューティング。そして本作はネットワーク対戦の可能な3D対戦ゲーム。もしかしたら、Blue&Whiteは作品のマンネリ化を防ごうと言う意味合いで、新たな挑戦をしているのかもしれない。実際、ネットワーク対戦の実装には様々な試行錯誤が繰り返されたと思われる。そう言った何事にも挑戦する姿勢は、そうそう真似出来る物ではない。ともあれ、この手のジャンルに抵抗のある人は難しいだろうが、そうでもない人は是非プレイするといいだろう。操作に慣れるまでが厳しいが、うまく操作出来るようになれれば楽しめる事請け合いだ。
また、マシン環境が揃っているならばネット対戦をやってみるのもいい。多少スペックの高さが必要となるが、CPU相手とはまた違った面白さが味わえる筈だろう。