反逆の翼が、今起ち上がる(REVELLION WING IS RISING)

第2次MUCOC戦役終結から5年…。
ロイゼンシュタール、アストラルテックの壊滅により企業群は次々と武装解除に応じ、世界には平和が戻りつつあった。

しかし、統合軍の急激な膨張に危機感を覚える勢力も、少なからず存在していた。
『…このままでは旧時代と変わらない、官僚による腐敗した世界が待ち受けるだけだ。
ならば、それを変えるのは我々、旧MUCOC残党である、と』
そして彼らは、ついに動き出した。

この日の為に隠し持っていた切り札、WLX-00ディノステイルが宇宙へと飛び立つ。
狙いは地球圏に存在する統合軍艦隊、ならびに一個師団。
この戦いの果てに見る物は何か?そして、戦いの行く末は……


TAILS GEAR
発売日 2007年7月6日
定価 1500円
ステージ数 5面
コンティニュー 3回
備考 シールドポッド制システム
 

前作のアイアンデュエルから1年。
暫く動きの無かったBLUE&WHITEであったが、着々と新作を作っていた。
これまで制作した作品の技術を、再び縦シューティングにフィードバックした物……
それがこのテイルズギアである。

あれから5年…次なる戦いの場は宇宙へ

本作の世界観だが、第2次MUCOC戦役(BlueSabers-OOH-)から5年後である。
しかも今回は旧MOCOC残党が主役と言う、今までのストーリーからは考えられない内容となっている。

たった1機の戦闘機で、統合軍の大部隊と激戦を繰り広げるのが今回の戦いとなる。
孤独なテロ活動は、その戦いで何を見出すのだろうか……

防御は最大の攻撃なり

操作形態はセミオートショット、フルオートショット、ポッド分離の3ボタンを使用。
セミオートはボタンを押しっ放しでレーザーに切り替わり、レーザー発射時には自機に当たり判定が表示される。
この辺は東方シリーズの低速モードに準じており、そのシステムを取り入れたと言える。

そして、このゲームを語る上で欠かせないのが、テイルポッドと呼ばれる武装システムだろう。
自機に3機搭載されているテイルポッドは、攻防一体型の武装である。
通常時は自機に追従する形でショットを放つが、ポッド分離をする際に2つのモードが存在する。
ノーマルショットを撃ちながらポッド分離をすると、その場にシールドを展開する防御モードに。
レーザーを撃ちながらポッド分離をすると、その場にポッドを固定し、自機と同じ威力のレーザーを放つ攻撃モードに。
攻略の鍵は、このポッドをいかにしてうまく扱うかにかかっているのだ。

面白いのが本作のパワーアップ。
敵からパワーアップアイテムが出る訳でもなく、どうやって強化するのかと言うと……
ポッドの防御モードで、敵弾を吸収し、ゲージを貯める事によってパワーアップ』するシステムになっている。
当然、ポッドには耐久力が存在しており適当な所でポッドを回収し、耐久力を回復させなくてはならない。
耐久力がゼロになったポッドは破損し、回復するまで使えなくなってしまうのだ。
破損する瞬間、画面上の敵弾は全て消滅するのだが…どちらにせよ、攻撃の手段が一つ減るのはあまりにも痛い。
先程も言ったが、いかにしてポッドをうまく扱うか……それがこのゲームの肝となる。 

シューティングは、製作者の愛によって完成する!

この作品は所謂弾幕シューティングに分類されると言ってもいい。
さて、本作品の難易度だが…
イージー、ノーマル、ハードの3段階が存在する。
今回は難易度調整を入念に行ったらしく、イージーならある程度やり込めばクリアは可能であろう(この辺りは個人差や慣れもあるだろうが、筆者はそう感じた)。
そこからノーマルになると、敵弾の数が増え、ポッドの使い方をパターン化する必要が出てくる。
更にハードともなると、攻撃は激化し非常にやり応えのある難易度に変化する。
敵の攻撃をいかにしてポッドで防ぐか、と言うポイントを意識すれば結構先に進めるのもプラスだろう。
攻略に詰まったら、製作元のページにアップロードされているリプレイを見るのもいい。
ノーミスクリアのリプレイが全難易度揃っており、ポッドの使い方など参考になる箇所がいくつか見つかるはずだ。

本物のシューティングは壊れない!

同時期、期待だけさせておいて中途半端に作ったところで夜逃げした、とある同人ゲームがあった。
結局、その作品を作った連中に愛などなかったのだろう。
その無責任ぶりにはただただ、呆れるしかなかった。
…だが、本作は違う。
長い間ゲームを作り続けた確かな実績。
そして製作者の愛。
この2つがあってこそ、テイルズギアは完成したと言ってもいい。
BLUE&WHITEの作品としては珍しい弾幕シューティングだが、独特なシステムは健在だ。
最初はポッドの使い方に戸惑うかもしれないが、うまく使いこなせるようになれば、よりプレイが楽しくなるだろう。
「また弾幕シューティングか」などと思わず、まずは体験版をプレイしていただきたい。

製作者の作りこみが感じられる事は間違いないのだから。

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