|
組み立て方を考える時には、大黒柱の所から、下から上まで、立体で考えていく。
山口は模型を作りながら決めていく。
|
|
あくまでも組み方によるが、竿接ぎは基本として、放射状にオスを外側に向けていく。 |
|
ある部分を組んでおいて、それを組み上げる所は、初めから決めておく。
|
|
脚固め
梁方向、桁方向共に通したいので、格子状にワタリアゴに組んでいる(全体でもたせる為)。
脚固めの材も、根太も、垂れ木に使わないと、束が浮いてきてしまう。
材を欠き取るために使う方向に更に注意をしないと、下の材は、上に向かって反り上がろうとするので、気を付ける。
|
|
脚固め
壁がない所は、脚固めに大きい材(予算がない時にはダブルで)入れる。\div>
|
|
脚固め
大きな材を通せない所は補強として柱の横にダブルで入れてみたが、効いているかどうか(有効に働くかどうか)は解らない。 |
|
脚固め
ダブルに重ねる場合は、ズレ止めで、ダボを入れる。束のホゾで一体化させる。
|
|
通し柱で胴差しの材が切れるので、隣の材では同じ列で切れていないように通す。貫が通せるようなら、切れた胴差しの上の貫はなるべく通す。
|
|
2階の柱を差シ鴨居の上から立ててみた。(MT邸では旧家もそうしてあった。)
途中の胴差しが差せる事で脚固めと同じ様な効果が期待できる。 |
|
長いホゾの鴨居はかなりな揺れ止めになる。込み栓で引き付けると更に効く。
ホゾはなるべく抜いて、少しでも伸ばす。 |
|
どこの部材でも同じ列では続けて接がない。
なるべく、地震時に力を分散できるように、全体でもたせるように考えて組み方を決める。
|
|
玄関の吹き抜け部分
変形を押さえる為、梁組みを多く入れた。
これは気を付けないと、悪さをする場合も考えられる。 |
|
反省として、差し口は胴付きが付くかどうか、刻みの段階で確認しておけば良かった。その方が、建て方時、緩ませたまま、不安なく組んでいける。 |
|
玄関の手前の差し鴨居はむくりで、奥のは垂れ木にしている。
上からの重さがかかる所は下がらぬように木を使い、足元が浮いてしまうと困る所は下に押し付けるように使う。
明治初期に建てられた旧家も、そのように木を使ってあった。
尚、その鴨居の下の○の付いている半柱は、鴨居の乾燥による縮みや浮き上がりをさらに警戒し、少々寸法を長めにしてある。 |
|
特に大きい材の乾燥による縮みを考慮し、それと関わる柱や束の長さをほんの少し長めにしている。材の乾燥の具合や材の性質をみながら予想をたてる。
良く考えないと、大変な事になるので注意。 |
|
貫はなるべく長く通し、止める時でも柱5分残しで、なるべく深く入っているようにする。 |
|
縦に貫を入れる(差し鴨居上小壁部分など)
|
|
|
|
差シ鴨居は、鼻栓にすると後でも締められるので胴付きがよく付く。
ホゾの小口に割れが入らないようとりあえずボンドを塗ってある。後日削って、透明な塗料を塗る。 |
|
込み栓位置を柱の真ん中にしているが、胴付きを付かせるのには、柱の乾燥による縮みがあるので、これよりもっと胴付きに寄った方が良く付く。
込み栓の大きさとその材の質、柱の大きさと差シ鴨居のホゾの大きさや長さとの関係で、良い位置が決まる。
(が、よく聞く水平加力実験等の柱の引き抜きをみる込み栓実験の結果は、検証の仕方が違うと思っている。) |
|
梁組み部分
ダボの上下に楔を打ち込んで、上下のお材を密着させる。 |
|
垂木はビスではなく釘止め
(今回は6寸釘)
|
|
合板は使わない |
|
ワタリアゴの上下の材を密着させる為、コーチボルトも使用している。
なるべくなら違う方法を取りたい。 |
|
沓石の高さ調整の為、薄い鉛の板を入れた。
基礎屋さんが、お寺の改修工事でこのように使用したと言って、余った鉛の板を持ってきてくださったので、それを使用した。 |
|
社寺では桁の材の反りを、外側へ孕んだ状態に使うようだが、山口は古い建物の解体の経験から、住宅の場合は逆に内側に反った状態で使う。梁がアリ掛けの場合は殆ど外れていたからで、小屋組みがどうしても緩んで屋根が開くような力が働く為だろうと判断しているからだ。社寺の場合は軒が沢山出ているので、その軒の重さで桁を逆に内側へ押し込む力が働くので、逆に使うのかも知れない。いずれにしても、小屋組みはしっかり造らなければならないと思っている。飯能の高山不動の小屋組み等は、何重にも組んであり、見事なものだ。 |
|
今回、柱、束の下を全て石場(ピンコロ)立てにしたが、雨水の浸入を恐れ、ピンコロの高さを少し高めに、上部面積も小さめにとった。本当は、天然石で、周りが緩やかに下がって水が落ちるようになっているのが望ましい。が、予算の関係でそこまではできなかった。次の現場では、外側一周だけピンコロにして、内部は一面持ち上げる事にしている。
↓
下のがその改良型だが、更に改良が必要な為、次回はまた変える。
↓
更にその下はさらなる改良型
外周は御影石使用 |
|
床下地は斜め張りにする |
|
|
|
こきホゾ |
金輪接ぎ込み栓楔締め
|
後、込み栓・楔は少し出した所で切り落とす
(面で切ってしまうと抜けやすい) |
|
上記の為の事前実験(カケヤで叩くという荒っぽいやり方)アリをとても大きくしても、楔を打った方に巻け、抜けてしまう |
渡りあごの絞まりを良くする
|
|
|
見えずらいですし、無駄かも知れませんが、
ホゾ取りの機械を調整してホゾの付け根を少しだけ残してみました。
これは今後発展させたいものです。 |
|
大径材は早く乾燥をさせ、狂わせてから使いたいので、長手方向にも、ホゾの太さ方向、継ぎ手の厚さ方向等にも余分を取って、墨を打ち、挽いて置きます。
ホゾ穴も余裕をみて、穴を空けて、置いておきます。
これにより、材が早く乾きます。
材が狂わせておいてから、もう一度正確な墨を打ち、加工を行っていきます。
|
|
下のような角のみ機で、ホゾ穴を空けますが、材料を強く挟むので、材料に割れが入っている場合、別な場所の割れが広がる事があります。それを防ぐ為に、割れを埋めます。
(これは、乾燥が進むとまた開いてきますので、作業用のものであり、割れ隠しにはなりません。) |