活動的なライフスタイルは、ガンの発症リスクを低下させる
最新疫学研究情報No.55
日本の国立がんセンター(東京都築地)の研究チームによって、「日常的に身体をよく動かすことは、ガンの発症リスクを低減させることになる」との報告がなされました。
研究チームは、45~74歳の男女79771人を対象に、ライフスタイルに関するアンケートを行い、その回答をもとに被験者の1日あたりの身体活動量(*余暇の運動だけでなく、仕事や家事、日常の動作を含めたトータル的な活動量)を調査しました。その身体活動量によって被験者を4グループに分け、ガンの発症リスクとの関連について、約8年間の比較分析を行いました。(*調査の期間中に4334人の被験者がガンと診断されています)
調査の結果、最も身体活動量の多いグループは、最も少ないグループに比べ、ガンの発症リスクが男性で13%、女性で16%低減することが明らかになりました。さらに男性では、身体活動量が多いほど結腸ガン・肝臓ガン・膵臓ガンのリスクが低く、女性では胃ガンのリスクが低下することが確認されました。
研究者は、「運動だけでなく、毎日の生活の中で可能なかぎり身体を動かす時間を増やすことがガン予防につながる」と結論づけています。
出典
- 『American Journal of Epidemiology 2008年8月15日号』