早い時期から魚を食べる子供は、湿疹のリスクが減少する
最新疫学研究情報No.56
スウェーデンのイェーテボリ大学のBernt Alm博士らの研究チームによって、「生まれてから早い時期に魚を食べた子供は、湿疹のリスクが減少する」との報告がなされました。
この研究は、2003年に生まれた子供(約17000人)を対象にした長期の大規模な出生コホート研究(*現在もこの研究は継続されています)をベースにしたものです。今回の研究は、1歳までの子供の湿疹の発症要因を調べる目的で実施されました。研究チームは、17000人のデータの中から抽出した、生後6ヵ月と12ヵ月の子供4921人を調査の対象とし“子供の食事内容や家族歴・家庭環境と湿疹の発症リスクとの関係”について調査しました。
その結果、食事内容については、生後9ヵ月までに魚を摂取した子供は湿疹の罹患率が24%減少することが明らかになりました(*魚の種類や摂取量の違いによる影響はありませんでした)。また家族歴については、母親や兄弟に湿疹の発症歴がある子供は湿疹のリスクが増大し、家庭環境では、鳥を飼っている家庭の子供は湿疹のリスクが65%も減少することが確認されました(*犬や猫などでは影響は見られませんでした)。
研究者は「今回の研究で、早期の魚の摂取が湿疹のリスクを減少させることが明らかになった。しかし、その理由を証明するためには、さらなる研究が必要である」と述べています。
出典
- 『Archives of Disease in Childhood 電子版 2008年9月25日号』