階段で健康レベルが向上する
最新疫学研究情報No.54
スイスのジュネーブ大学の研究チームによって、「勤務先での階段を利用した運動によって健康レベルが向上する」との報告がなされました。
研究チームは、大学病院でデスクワークをしている69人を対象に、“エレベーターの代わりに階段を利用する効果”について12週間の調査を行いました。被験者が階段を利用した回数(往復)は、調査の開始時には1日平均5回でしたが、終了時には23回にまで増加しています。この実験の結果、肺機能は8.6%向上し、血圧は2.3%低下、コレステロールの値は3.9%低下することが明らかになりました。また体重・体脂肪・ウエストサイズが減少することも確認されました。
研究を指揮したPhilippe Meyer 博士は、「今回の研究結果は、死亡リスクが15%減少することに相当する。勤務中の階段の使用が、明らかに健康レベルを引き上げることを示している」と述べています。
出典
- 『第30回欧州心臓学会(ESC)年次総会 2008年』