ドイツ旅日記 2008

     2/1(金) ヴェレフキンの自画像  エリザベート縁のシュタルンベルク湖近辺

      曇り。ゲーテが南の国イタリアに憧れた気持ちがほんと、よくわかる。
      6:30起床。この広いスペースでも23℃ある。天井の高さが日本並みとはいえ、やはりヒーターの威力はたいしたものだ。
      今日は一日ミュンヘン近辺の観光。といっても前回(2001年8月)来た時に主だったところは見ている。
      予定としては、ギーゼラ通り→レンバッハハウス→州立博物館→シュタルンベルク湖というところ。
      右足首には例のジェルを塗りたくり、ティッシュで覆った上にソックス、サポーターで手当てをしている。

      レセプションを通り、ちょっと迷路かと思いながら朝食室へ。
      欧系の個人客が数組。東洋人の学生6人組。
      バジェットクラスのホテルとしては朝食の内容も悪くない。質はともかくゆで卵、チーズ、ハムがあり生野菜も採れる。
      ヨーグルトや缶詰フルーツもあった。満腹の朝食だ。

      9:00出かける。カードキーなのでラクだ。
      トラム17番に乗って昨夜買った一日券に打刻。これであちこち行くことができる。
      Hbfノルド(ミュンヘン中央駅)下車し、Sバーンに乗り換えてマリエンプラッツ、U6番で3つ目のGiesla str.下車。


ミュンヘン ギーゼラ通り

      地上に出てギーゼラ通りはすぐにわかった。
      マリアンネ・フォン・ヴェレフキンが住んでいたのは、33番地だが、今は31番地までしかなかった。
      たぶん番地変更とかあったのだろう。
      ギーゼラ通りには100年前も存在したと思われる邸宅がいくつかあった。
      一軒から上品な婦人が出てきたので、33番地について聞いた。
      ヴェレフキンについてのプリントを見せると、あの黄色い家がそうだ、と教えてくれた。今は25番地だ。
      4階建てのあまり趣のない建物、集合住宅になっているようだ。
      ここにいろんな芸術家が集まって活動の中心となっていたのだ。もちろんカンディンスキーとか、マルクとか。
      なんだか感慨深かった。出入りする人たちは、ギーゼラ通りにちなんで、ギゼリストと呼ばれたそうだ。


2008・2・1のギーゼラ通り              ヴェレフキンの家

      どうも雲行きがあやしいので、先にシュタルンベルク湖へ行くことに予定変更。
      地下鉄でもどり、マリエンプラッツでS6番に乗り、まっすぐポッセンホーフェンへ。
      10:50ころ着いた。
      ポッセンホーフェンの駅舎は寂れている。だが、夏場はシシィ・ミュージアムがオープンしているらしい。


ポッセンホーフェンの駅舎               シシィ・ミュージアムのプレート

      湖方面へ歩き出すと小雨がパラついてきたが、たいしたことはない。
      しばらく行くと、T字路がありカール・テオドール通りのプレートがあったので、こっちだわ!


坂道にあるベンチ                      左へ行くと城が!


エリザベートの故郷ともいえる ポッセンホーフェン城

      ポッセンホーフェンの城の裏に出る。この建物はなにかに使われているようで立入り禁止となっている。
      ぐるりとまわって、湖岸からは緑の芝生の向こうに白いお屋敷が!


南から        ポッセンホーフェン城       東から

      エリザベートは少女時代の主に夏はここで過ごし、皇妃となってからもたびたび訪れている。
      なんか溜息が出る。
      シュタルンベルク湖のちょうど対面に見えるのはベルク城だろう。すごく近い。
      あのルートヴィヒUが最期に閉じ込められた城だ。
      双眼鏡でじっくり眺めてみるが、湖面にあるという十字架はわからなかった。


城からのシュタルンベルク湖 中央にベルク城


ベルク城をアップしてみたが・・・

      右の方向には薔薇島も見える。木々もあり、ずっと向こうには雪化粧した山並みが美しい。
      想像していたとおりに風光明媚なところだ。ウィーン宮廷でのストレスも解消できたことだろう。
     
      フェルダフィンクまで散策することにした。
      湖に沿ってボートハウスがいくつもあった。夏場はにぎわうのだろう。
      観光船が寄航する桟橋も見かけられた。冬は人影もほとんどなくて静かだ。
      ぶらぶらと歩き、たまに双眼鏡で向こう側を観察。


シュタルンベルク湖  右桟橋の向こうに薔薇島


去年のポスター              フェルダフィンクの湖岸付近

      しばらく行くと、ホテルへの看板があり、その方角へまた歩いて、カイザリン・エリザベートを発見した。
      ここからベルク城が見えるのだろうか? けっこう岸から離れているが。
      壁に絵が描かれていて、たぶんあの角の部屋がエリザベートが宿泊したところだ。
      中には入らずに写真だけ撮った。


ホテル・カイザリン・エリザベート


薔薇島への遊歩道もあるようだ


ラーツハウス      フェルダフィンク      Sバーンの駅

      20分弱歩くとフェルダフィンクの駅に着いた。
      S6番で市内へもどり、ミュンヘン中央駅の地下のスタンドでソーセージサンドとオレンジジュース。2.95ユーロのランチだ。

      U6番で一駅乗り、少し迷ってレンバッハ・ハウスへ。6ユーロ。


レンバッハ・ハウス入口

      レンバッハ・ハウスは以前にも来たのだが、あまり印象はなかった。
      カンディンスキーやミュンターやマルクが中心だ。ヤウレンスキーもある。
      ヴェレフキンは2点。
         見たかった1910の自画像。これは凄い。写真で見ても鋭かったが、実物はかなり強烈だった。
            目玉が赤! 眉の辺りの意志。全体的に赤と青と緑なのだ。
            当時のヴェレフキンの心象風景なのかな。
         Wascherinnen 1909 は中庭で洗濯に励んでいる3人の女性。右には子供?
            色使いはカラフルだが、もひとつかな。
      ガブリエル・ミュンターが描いたヴェレフキンの肖像画1909は、とてもやさしげだ。とても同一人物とは思えない。
      同じくミュンター作のヤウレンスキーとヴェレフキンが自然の中でくつろいでいる絵もある。のどかな時代。
      だが戦争は近づいていたのだ。
      レンバッハ・ハウスの売店で絵葉書を探したが、ヴェレフキンのものはなかった。
      隅に例の自画像が表紙になったカレンダーを発見! 15ユーロで購入。
          これはドイツ語とロシア語でかなり説明文が載っていた。ちんぷんかんぷん。
          だが、ヴェレフキンの自画像やミュンターやレーピンの描いたヴェレフキン像が含まれていた。
          それにヤウレンスキーかヴェレフキンかは不明だが、絵入りの手紙も数があった。


マリアンネ・フォン・ヴェレフキン自画像1910が表紙のカレンダー

      バイエルン州立博物館へたどりつけたのは16:15すぎだった。5ユーロ。
      17:00までだと念を押されて入場する。クロークは0.7ユーロと有料だった。
      リーメンシュナイダーが目的なので、ありかを聞いて直進した。よかった。
      特にマグダラのマリア1490−92は、全身が毛髪模様でおもしろい。とりまきの天使たちの動きもきれい。
      あとバルバラもターバンのセンスや服のライン、ちょっとのぞいた足先が可愛いかった。


州立博物館入口                     英国庭園の一角

      16:55には出て、隣の英国庭園を少し散策。もう暗くなり始めている。
      イザール川からの水の勢いもすごくて、明るければゆっくり歩きたいところだ。
      トラム17番でイザール・トゥーア下車、Sに乗り換えてカールス・プラッツで下りた。
      ところが、行きたかったビアホールが見つけられない。暗いとだめだ。地図もないし。
      地下のパン屋とスーパーで食料を調達し、またSバーンで一駅乗車して中央駅で下車。
      明日の電車のチケットを購入。検討の末、ウルムへ寄ることにした。指定はせず。
      トラム16番でホテルに帰りついた。19:00くらいか。


ホテルの部屋で

      今日はもりだくさんの一日で疲れた。
      だがヴェレフキンの家を見たり、絵2点を鑑賞できた。シュタルンベルク湖でエリザベートたちの空気にも触れることができてよかった。


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