中心性漿液性脈絡網膜症   更新日 2014.2.24   1.001 本文へジャンプ
中心性網脈絡膜炎、中心性網膜炎、網膜黄斑部浮腫、漿液性網膜剥離など

○現代医学での概要と当院の針灸治療
○当院での治療効果の実際
○患者さんからよくある質問
○院長からひとこと
○関連リンク・参考文献


現代医学での概要と当院の針灸治療

・中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)
・30歳以降の男性に多くみられる、通常は片眼の網膜黄斑部に発症する漿液性網膜剥離です。視界の中心付近が歪んで見えたり、小さく見えることが特徴で、一般に大きな視力低下は少ないとされています。蛍光眼底造影検査(FAなど)での網膜色素上皮からの漿液の漏れや、光干渉断層計(OCT)による黄斑浮腫の存在により診断がつきます。7割以上で自然に治癒して後遺症も残らないことが多いのですが、半年以上治癒せず慢性化したり、再発する場合もあります。

・一般に眼科での経過観察中に自然治癒する割合の高い疾患ですが、半年を超えて慢性化したケースや、矯正視力で0.5以下など視力低下が著しい場合、繰り返し発症する場合など、千秋針灸院では比較的多くの患者さんが来院されています。また男性だけでなく女性の患者さんも少なくありませんし、40歳以降ではポリープ状黄斑変性(PCV)との鑑別が、一般の眼科では難しいケースもありました。網膜黄斑変性の患者さんは少なからず、以前に中心性漿液性脈絡網膜症を発症していたことも分かっています。症状が軽く半年程度で完治した場合には、あまり心配する必要はありませんが、視力低下が大きく長期化した場合には、眼科での経過観察だけでは解決しませんので、適切な鍼治療も検討していただけたらと思います。

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当院での治療効果の実際

・視力については当院での視力測定で矯正視力が0.5前後であれば、数回の治療で比較的容易に改善することも多いです。また変視(歪み)については、視力の回復よりは時間が掛かりますが、少しずつ改善していきます。他に病気があったり、針治療が適切な治療間隔で行えない場合には、回復は遅れます。また中心性漿液性脈絡網膜症の発症した原因を探し、日常生活などの注意点などについて詳細に説明させていただきますので、ご自身でもできる範囲でご協力いただければ、早期の回復や大幅な改善に繋がります。

・視力低下へ針治療が適応かどうかの目安を表にしてみました。長期化した重症例は難しくなる傾向です。

矯正視力の低下 軽度(0.5以上) 中程度(0.2〜0.4) 重度(0.2未満)
発症から半年以内  針治療は不要  適応・効果◎  適応・効果○
発症から半年以上  適応・効果◎  適応・効果○  適応・効果△ 
・当院の液晶視力表での測定・実績から、◎は1.0以上(正常)、○は0.5以上、△は0.5未満までの回復は比較的容易です。針治療を開始されてから3ヶ月程度までの回復の目安となります。

・発症から半年程度までは視力低下が軽度であれば、眼科での経過観察で問題はなく、針治療を行う必要はありません。しかし半年以内でも視力低下が大きい場合には、針治療で回復を促進させて網膜へのダメージを減らす必要が出てきます。また半年以上に及ぶ場合には硝子体内注射などではなく、安全性の観点からも適切な針治療をお薦めします。

・変視(歪み)についての目安になります。当院でのM-CHARTS、アイチェックチャートの測定結果です。

変視(歪み)の程度  弱い(0.5以下) 中程度(0.6〜1.0) 強い(1.1〜1.9) 最も強い(2.0以上)
小型(直径3度未満)  治癒見込み◎ 治癒見込み◎ 軽度後遺症○  軽度後遺症○ 
中型(3〜6度未満)  治癒見込み◎ 軽度後遺症○ 軽度後遺症○  後遺症残存△ 
大型(直径6度以上)  軽度後遺症○  軽度後遺症○ 後遺症残存△  後遺症残存△ 
・適切な針治療により、変視(歪み)部位は小さく、歪む程度は軽くなる方向で改善します。軽度後遺症○、後遺症残存△の場合でも同じ傾向になります。針治療を開始されてから1年程度までの回復の目安となります。

・変視(歪み)については、網膜浮腫による障害部位(面積)が小さく、歪みの程度が軽い程、視力も含めて改善し易い傾向がはっきりしています。大型で強い歪みを伴う場合には、他の疾患が隠れていないかなどを眼科で慎重に診断していただく必要があります。千秋針灸院では眼科学に基づく各種の測定や実績から、初診時で概ね予後を予測することができます。(治療結果の約束ではありません) 病気や針治療について不安や疑問がある方は、当院で初診を受けられることをお勧めします。

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患者さんからよくある質問

Q.歪んだ見え方や視力低下は治りますか? 改善する確率はどのくらいですか?

A.視力低下や早期に、歪んだ見え方は少しずつ改善し、程度にもよりますが治癒することも多いです。
・半年を超える慢性化した中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)でも、ポリープ状黄斑変性(PCV)などでは無く、視力低下や変視(歪み)が比較的軽度であれば、鍼治療を行うことで回復が促され、早期に治癒する傾向です。糖尿病網膜症などの網膜浮腫を生じ易い疾患がある場合や、視力低下が著しく矯正視力で0.2未満の場合、大型で強い変視(歪み)を生じている場合には、視力や変視の改善は容易ですが、軽度の視力低下や若干の歪みは後遺症として残る場合もあります。

・歪みを定量化(数値化)して測定できるM-CHARTSや、鈴木式アイチェックチャートによる変視領域の判定結果、当院での視力測定からは、適切に鍼治療が行われた場合には、ほぼ全ての症例で改善が確認できます。全て眼科学に基づいた測定・評価ですので、眼科での診断でも同様な結果が得られることになります。視力低下や歪みなどの症状が著しい場合や、半年以上治癒しない場合には、鍼治療も選択枝になるでしょう。


Q.レーザー(光凝固)治療や、硝子体内注射は必要ですか?

A.眼科では他に適切な方法が無いためレーザーや注射を勧められますが、解決しないことが多いです。
・抗VEGF硝子体内注射(アバスチンなど)については、2ヶ月程度で薬効が切れると再発し易く、繰り返し注射を打つ必要が出てきます。最近は注射を繰り返すことで、緑内障や脳梗塞など重篤な疾患に繋がる報告も出ていますので、網膜浮腫の軽減を目的に漫然と眼内注射を繰り返す治療は避けるべきです。ステロイドのテノン嚢注射についても、数ヶ月で薬の効果が切れると再発し易く、副作用としての眼圧の上昇は27%、白内障の進行は31%と報告されています(OkadaAA 2003)。また注射に伴うブドウ球菌による感染症のリスクもあります(GharaeeH 2011)。

・当院の患者さんでも硝子体注射やテノン嚢注射を一度でも行った患者さんは、数年後に白内障を発症するケースが多くみられます。中心性漿液性脈絡網膜症については、注射を行う治療自体を避けた方賢明と考えます。もし既に注射を行っている場合には、十分なビタミン等の抗酸化作用が期待できる食品やサプリメントを摂取して白内障の進行予防を考慮すべきと思われます。

・レーザーによる光凝固などは網膜に瘢痕の残し、部分的な絶対暗点や術後のトラブルが生じる可能性がありますので、できる限り行うべきではありません。慢性化した中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)では、レーザーにより一旦改善したように見えても、網膜の健康状態が変わらなければ再発します。CSCは網膜での血流量の低下や血管透過性に機能異常が起きている状態ですので、適切な鍼治療などで網膜の健康状態を改善させることが根本からの治療になります。

Q.中心性漿液性脈絡網膜症についての日常生活での注意点は?

A.ストレスや睡眠・食事などの生活習慣を見直してみましょう。
・30代以上の働き盛りの方に多い病気ですが、散歩や外出による気分転換、運動や趣味などストレスの解消に努めたり、睡眠時間の確保や規則的な食生活を心がけましょう。飲酒などでの水分の過剰な摂取は控えて下さい。適切な鍼治療と併用してビタミン類やルテイン、ブルーベリーなどのサプリメントも摂取すると、相乗効果が期待できます。果物などを積極的に食べるのも良いでしょう。千秋針灸院に来院された際には詳しくご説明します。

・市販や病院での処方薬を問わず、防腐剤の入った全ての点眼薬は網膜浮腫を悪化させるリスクがあります。市販薬を使われる場合には、一度で使い切るディスポーザブルタイプか「防腐剤フリー」が明記された目薬を選んで下さい。例え医療機関で処方された薬でも、次の質問にもあるように状況を悪化させる場合があります。

Q.中心性漿液性脈絡網膜症への副作用のある医薬品はありますか?

A.ステロイドの内服薬は網膜障害の副作用があります。花粉症などの飲み薬には注意して下さい。
・花粉症の治療で用いられるセレスタミンなどのステロイド薬は網膜を障害し易く、中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)を悪化させます。また緑内障で多用されるプロスタグランジン関連薬(キサラタンなど)も、CSCを悪化させることがあります。千秋針灸院に来院された際には、現在服用されている全ての薬のリストをお持ち下さい。


Q.必要な期間や治療間隔はどのくらいでしょうか?

A.視力や変視(歪み)の状況を測定した上で治療間隔をお話しますが、当初は週2回もしくは1回程度です。
・大幅な視力低下や、変視(歪み)が比較的強い場合には週に2回の治療から始めます。視力低下や変視が軽いの場合には、週に1回から始めることになります。測定結果により適切に治療方針を見直しながら、徐々に治療間隔を空けていき、4週間に1回程度の治療で再発や悪化が見られなければ、針治療も終了することができます。眼科の治療では解決しなかった慢性化した中心性漿液性脈絡網膜症でも、針治療により改善することが多いため、概ね治癒した後も目の健康管理を目的に、4週間に1回程度の治療を希望される患者さんも多いです。


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院長からひとこと


・中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)とは、網膜の中心部(黄斑部)の裏側に漿液が溜まり、黄斑部の網膜が浮き上がり剥離を起こす為、歪んだり小さく見える変視症が起こります。変視(歪み)から見え方の異常に気がつくことが多いのですが、視力低下の程度は0.7以上と軽く、3〜6ヶ月程度で自然に治癒することも多いことから、循環改善薬やビタミン剤等の服用で経過観察となるケースが多いようです。眼科での経過観察中に数ヶ月で自然に治癒することも多い疾患ですが、視力低下が大きく慢性化する場合があることや、加齢黄斑変性の前段階の網膜異常として生じている場合もあり、その後の経過に注意が必要な疾患といえます。

・当院に来院される患者さんは、視力低下の程度が軽いとされる通常の中心性網膜炎よりも、0.5以下まで視力低下の進んだ重度の方が来院されています。眼科での治療で改善が見られない場合でも、鍼治療を始めることにより大きく改善していく症例があります。CSCにやや近い網膜疾患で、難易度の高い黄斑変性症では100名以上の実績がありますので、ご相談下さい。

・視力低下などが比較的軽く、半年程度で自然に治癒する場合を除けば、現在のところ眼科での治療(投薬や注射など)での解決は期待できません。発症した原因が日常生活習慣には無いか、服用している薬に問題は無いかなど、目に関わる全てから対策を立てて回復を目指す必要があります。これまでの眼科での各種治療で回復が難しかった症例ほど、発症や悪化の原因となり得る内容を詳細にご説明しますので、当院で初診を受けられた上で適切な針治療を検討されることをお勧めします。

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関連リンク・参考文献


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