頼忠終章A



―――過去には戻れない―――
その言葉の事実が重い。
貴女が全てを失ってしまわれた事を悔いても、
その記憶は戻らない。
ならば。
もうこれ以上苦しまないように、悲しまないように。
今度こそお守り致そう。
身体も心も、貴女の想いも全てを。


貴女が頼忠を必要としなくなるまで。
貴女が一人で歩き出せるようになるまで。
貴女に想いが通じ合う男が出来るまで。


貴女のお傍にいられるこの日々を。
貴女の笑顔を拝見出来るこの瞬間を。
貴女の声を聞く事の出来る今を。
当たり前と思わずに、
特別なひと時だと理解して大切にしよう。


ですから、お願いです。
そんな可愛らしい表情をお見せにならないで下さい。
あんな優しい言葉を掛けないで下さい。
こんなにも無防備に私を近付けないで下さい。
貴女への想いは限度を知りません。
私の中に押し込めた想いは溢れ、
貴女へと流れていきます。


どうか龍神よ。
神子の願いを叶えた龍神よ。
この想いが神子を苦しませないように。
あなたの神子を傷付けないように。
この頼忠から神子を守って下さい。
あの女(ひと)が笑顔でいられるように――――――。






頼忠A編終了。
B編とは違って理性的に優しく見守る筈が・・・・・・どことなくアヤシイぞ?
今度こそ守ろうと誓いは立てているけれど、花梨が素直に甘えたり我が儘を言ったりするから困っています。しばらくは、『おままごと』のような関係が続くとお考え下さいませ。

長らくお付き合い下さいまして、ありがとう御座いました。

共通の後書き

2005/02/16 14:24:25 BY銀竜草


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