花梨終章A |
謝罪を受け取って貰ったけれど。 許します、との言葉をくれたけれど。 だからと言って、私がした事は消えない。 犯した罪が無かった事にはならない。 優しい瞳で見つめてくれるけれど。 ずっと傍に居てくれるけれど。 私が貴方の心を傷付けた事実は、棘となって心に突き刺さったまま。 だから。 もう二度と貴方の嫌がる事は。 言葉でも行動でも言わない、しない。 心配性の貴方が心配する事も。 どんな願いも叶えようとする貴方を困らせるような事も。 でも。 そんな誓いはあっさり破ってしまった。 貴方に逢いたい、 その想いを止める事が出来なくて。 だけれど。 どんな自分勝手な事を言っても。 子供でもしないような悪戯を仕掛けても。 貴方は暖かくて広い心で受け止めてしまう。 駄目だよ。 そんなに優しくしないで。 こんな澄み切ったきれいな瞳で見つめないで。 これ以上困らせたくは無いのに。 我が儘を言いたくは無いのに。 それなのに。 どんなに抑えようとしても、 貴方に惹かれていく心を止められない。 私の胸の中は、 貴方への想いで一杯になってしまった。 悩んで悩んで悩んで。 一生懸命、諦めようとしたけれど。 それでも駄目だった。 もう、貴方を諦める事を諦めよう。 止める事が出来ないのなら、 このまま溢れるがままにしよう。 その代わり。 貴方が困らないように、 素敵な女の子になれるように頑張るから。 同じ想いを返して貰えるように努力するから。 だから。 自分に自信が持てるようになったら。 ほんの少しでも自分の事を好きになれたら。 その時は言わせてね。 貴方が好きです、と。 |
花梨A編終了。 記憶を無くす前と無くした後の花梨の言動を、極端と思えるほどの変化をつけたかったのだけれど・・・玉砕。 B編とは違って苦しんだ記憶が無いから、素直に甘えたり我が儘を言ったり出来る、本来の花梨に戻ったとお考え下さい。 長らくお付き合い下さいまして、ありがとう御座いました。 |
共通の後書き |
2005/02/16 14:20:13 BY銀竜草 |
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