●人間の口の中は動物の口の中より汚れている

 人間の口の中を考える前に動物について見てみましょう。

<ウマの歯>
典型的な草食型。大きな前歯でひきちぎり、がっちりした奥歯ですりつぶす。犬歯(キバ)はごく小さく、メスでは上が欠けることもある。
<シロクマの歯>
キバの奥に、大きな大臼歯が上2本、下3本。これで魚などを噛み砕く。その前に小臼歯が上下とも3本で、普通のクマより各1本少ない、とがった前歯がキバの間に上下とも6本並ぶ。
<カニクイザルの歯>
歯も歯並びも人間に良く似ている。犬歯(キバ)の発達をはじめ、歯1つずつが人間より、少し野性的という感じだ。オヤシラズもがっちりはえている。
写真:朝日新聞<歯無しにならない話>より



 

硬い木の皮や、木の実、繊維の多い木の葉、草の根などを食べる野生の動物には、むし歯や歯周病はほとんどみられません。

これに対し、やわらかいペットフードや甘いものを食べる家庭で飼われている愛玩動物や動物園の動物の口の中は比較的若い動物でも口の中はむし歯や歯周病でガタガタです。

人間においても未開の地の原住民は素晴らしい健康的な口腔状態ですが、文明の進んだ地域の人々の口の中は現代の食生活によってむし歯や歯周病そして歯並びの悪い人など、歯の健康の崩壊が進んだ人が多いのです。

細菌学的にみても、口腔清浄状態が悪く、食生活もよくない現代人の口の中は、牛や豚などをはじめどんな動物よりも汚れています。
そして、その汚れ(歯垢-プラーク)によって歯は失われていくのです。
これから考えてみても文明社会の食生活が歯にとってどんなに悪いということがおわかりだと思います。
そこで、
正しい歯の清掃がとても重要になってくるのです。