あしがらさんは20年以上も新宿の路上で生きてきた。
残飯で飢えをしのぎ、心を閉ざして誰とも付き合わない。
あるときあしがらさんの笑顔に触れた作者は「このひとをもっと知りたい」そんな気持ちでカメラを回し始める。
ポツポツと語られる言葉に耳を傾け、二転三転する状況に寄り添う。
撮る者と撮られる者、3年におよぶ撮影でいつしか生まれた信頼が、思いもかけない変化をもたらす。
新たな人生を歩み出したあしがらさんの姿は、私たちに微笑みと希望を与えてくれる。
それは「人生とは?希望とは?人とのつながりとは?」と静かに問いかけているのかもしれない。 |