あしがらさんロゴ


作品紹介
北村 年子 (ルポライター)
圧巻だった。撮る側と撮られる側、両者間に一貫して流れる愛と信頼を感じた。ここであからさまに描かれているのは、 常に「あしがらさんと僕」だ。「あんただけは信じるよ」という相手に、「でも、いい人はいっぱいいるよ」。 撮りながら引き出されるその瞬間の自分の情動を、てらいもなくさらしてしまう。 それが飯田基晴のナイーブさであり図太さであり、底知れない未知の魅力なのだ。
森 達也 (映画監督)
申し訳ないが最近の僕は忙しい。優しさや善意に溢れた作品なら、途中で即座に観るのをやめようと思いながらビデオのスイッチをいれた。 ところが気がついたら、画面はいつのまにかエンドクレジットになっていた。 優しさを放射しながら、「あしがらさん」はドキュメンタリーの毒もたっぷりと堪能させてくれた。 見終えた後の僕は、でもあり薬でもあるアセトアルデヒドで、今もまだ心地よい二日酔いだ。


本田 哲郎 (神父 釜ヶ崎 フランシスコ会)
ドキュメンタリー映画「あしがらさん」推薦いたします。とてもいい映画ができたなと、よろこんでいます。ひとりの野宿者あしがらさんを淡々と追いながら、野宿をしいられるまでに小さくされた一人の人間の無力さと孤独、尊厳と希望を見せてくれる映画です。わたしたちが路傍に見過ごしてしまう野宿をしいられた人々の、秘められた思いとかけがえのない生に気付かせてくれます。押し付けがましいところがまったくないのがうれしいです。
人を人として大切にしたいと願うすべての人に、ぜひ、見てほしいと思います。
岡田 武夫 (カトリック東京大司教)
この映画は飯田さんとあしがらさんとの友情の記録です。
画面全体から監督のあしがらさんに向けた暖かいまなざしが感じられます。多分あしがらさんは過酷な人生の現実に触れ、人を信用できないという思いを強くして頑なまでに人との交流を拒否してきました。しかし飯田さんとの出会いをきっかけに、次第に人に心を開くようになります。あしがらさんが飯田さんに向かって「あんただけは信用するよ」という場面が出てきますが、それは大変印象的です。
あしがらさんの過酷な現実、それを取り巻く多くの人々の善意がじわじわと伝わってくる作品です。
あしがらさんが次第に人間らしい表情と言葉を取り戻す過程が感動的に描かれています。
いまホームレスの人の存在が大きな問題になっていますが、この作品はホームレスの人々を理解するためにも助けになるでしょう。人生について、人間について考えさせられる作品です。
「あしがらさん」を見てくださるようお薦めします。
新谷 のり子 (歌手)
心を閉ざし過去を封印して、只々過酷な現実を路上生活者として生きる「あしがらさん」と飯田基晴さんとの出逢い、人間同志の思いやり溢れる交流。
『みかんとお菓子、忘れないよ』 『力つきたよ』 『わがまま言ってごめんね。俺あんただけは信じるよ』
『泊まっていきな』 すべてカメラを廻す飯田さんに向けられた「あしがらさん」の言葉。短い言葉の中に込められた、
受け入れられる経験を確かめる想いが痛いほど伝わりました。
『良い時期はまだ来ない、これからだよ』 『人生なんて、俺なんて平々凡々だよ』私たちも「あしがらさん」に逢いましょう。私たちの思いと勇気を待っていてくれる幾人もの「あしがらさん」に。
是非是非、見て感じて出逢って下さい。


あしがらさんの一言一言に味を感じ、笑ったり…。こんな風に笑ったの久しぶりだなぁ、なんてことに気づきました。(30代 女性)
自分のおじいちゃんのことを考えたり、野宿者の人の見方がかわりそう。(10代女性)
共に生きるってすごい事だと思いました。 涙が出ました。(50代 女性)
映像、これが映像だと思った。 後々まで残ります。(20代 女性)
極限の状況にありながらなお生きようとする…明日を信じ続ける。 そんな生き方が伝わってきたみたいです。(20代 男性)