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撮影日記 東山動物園・鳥インフルエンザ

2016/12

12/2(金)
コクチョウが展示中止?


東山動物園へ出かけました。


正門入り口付近の「胡蝶池」に生息しているコクチョウの展示が中止されていました。


展示中止の看板が目に入り、気づいたのですが、この日は、「コクチョウがバックヤードへ引っ越した」と思っていました。



新聞によると、11月29日(火)に、コクチョウ1羽が死に、30日には、残りの4羽が既に隔離されていたそうです。



12/7(水)
コクチョウ・鳥インフルエンザ、陽性


現在、隔離中のオスのコクチョウが死に、簡易検査で陽性であることが判明しました。


11月29日、12月4日に死んだメスのコクチョウは、簡易検査でいずれも陰性だったそうです。


東山動物園のコクチョウは、元々、正門近くの胡蝶池で5羽飼育されていました。


私も何度か撮影したことのある鳥です。


現在、動物園は鳥類の隔離、園内の消毒などを行っています。



同園には晩秋より渡り鳥が飛来し、胡蝶池や古代池などで春まで過ごします。


季節の風物詩となっている鳥の姿を、私も何度か撮影しました。



12/8(木)
ペンギン・フラミンゴなどは、どうなる?


東山動物園では、鳥類を飼育する施設の閉鎖、防鳥ネットの設置、消毒などを行っています。


秋田市の大森山動物園は、地元の養鶏業者への配慮等により、天然記念物の比内鶏、コクチョウ、シロフクロウを含め、130羽ほどの命を奪ったそうです。


苦渋の決断、断腸の思いであったことは想像に難くありませんが、選択肢が他になかったのだろうかと思います。



新型インフルエンザの発生は防がねばなりません。


しかし、生き物の命を大切にすることも考えねばなりません。



東山動物園には哀しい歴史があります。


第二次世界大戦中に、空襲により動物たちが園外へ出て人に危害を加える惧れがあるとして、多くの動物たちが殺されました。


国からの指示だったそうです。



このような過去がある動物園だからこそ、「命」を大切にしようと考える向きがあると思われます。



国内には、野鳥が飛来する飼育施設・動物園等が多数、存在します。


養鶏場を含め、各方面の関係者の方々の苦労はいかばかりかと想像します。



12/9(金)
来園者は少なめ


東山動物園へでかけました。


報道されている光景が目の前に広がっています。


ペンギン舎に防鳥ネット、園内には石灰などがまかれ、胡蝶池・古代池にも飼育されている動物園の鳥類は見当たりません。


本園の来園者は少ない印象です。


北園(ゴリラ舎前)の人出も、少ないような気がします。



12/11(日)
東山動物園、休園


東山動物園は防疫措置のため、本日より休園します。


開園は最短で1月上旬の見込みだそうですが、期限を定めない休園は戦後初だそうです。



昨日夕方、隔離中のシジュウカラガン(メス・古代池で飼育・絶滅危惧種)が急死しました。


簡易検査では、生存している9羽は「陰性」だそうです。


コクチョウ2羽(胡蝶池)・シジュウカラガン3羽、マガモ3羽、ヒドリガモ1羽(いずれも古代池)は、検疫室や動物病院で隔離されていますが、確定検査で「クロ」が出たら処分に関する判断をせざるをえないと園は語っているようです。



12/12(月)
「H5N6型」高病原性鳥インフルエンザウイルス


亡くなったコクチョウ3羽から「H5N6型」が検出されたそうです。(確定検査機関:鳥取大学)


簡易検査で陰性でも、確定検査で陽性。


簡易検査の精度が高いとは言えないようです。



東山動物園は、検査の結果が全て判明した上で、生存する9羽への対応を検討するそうです。


殺処分を含め慎重に検討するとのことですが、動向が心配です。


また、河村たかし名古屋市長は、「防疫体制を徹底して養鶏業者などに拡大しないよう十分注意し、できる限り殺処分はしないよう考えたい」と述べたそうです。



12/13(火)
マガモ・ヒドリガモ


新たに陽性反応が確定した、シジュウカラガン(メス)1羽・マガモ(メス)2羽・ヒドリガモ(オス)1羽のうちの、シジュウカラガンとマガモが死にました。


これを受け、生存しているマガモ、ヒドリガモが13日夕方、安楽死処分となりました。


同園において、このような事態(生き物の命を奪う行為)は、戦後初です。



東山動物園の鳥達を次々と死に追いやっていく様子から、毒性の強さを痛感します。


これ以上、園内で「陽性」が出ないことと、園外の鳥達(養鶏、鳥類飼育施設などの鳥)に感染しないことを願います。



――――――――――――――――――



地元では、園の会見がテレビで報道されました。


幹部は、涙を流しながら状況を説明していました。



12/14(水)
野鳥緊急調査チームの派遣


今回、陽性の確定が出た4羽は、古代池で飼育されていた個体です。


コクチョウ(胡蝶池で飼育)から伝染したのか、古代池で感染したのか、判断できないようです。



園内に現在生息する野鳥を園外へ飛び立たせることも、問題があるようです。


池の水を抜く作業は、そのような観点から行われていません。



園内の鳥に陽性が確定した場合、それらの鳥の命は、守られない可能性が出てきました。



今回の事態を受け、環境省は野鳥緊急調査チームを14日から18日に、愛知県に派遣することを決めました。



12/15(木)
シジュウカラガン残り一羽に


14日(水)に簡易検査で陽性だった、シジュウカラガンが新たに死にました。


四羽いたジジュウカラガンは、これで残り一羽となってしまいました。


絶滅危惧種の命を守る努力をしても、助けることができないほど、高病原性インフルエンザウイルスH5N6亜型の毒性はつよいということなのでししょう。


なお、今月3日に死んだコシジロヤマドリは、確定検査で陰性と判明したため、感染源は二つの池に留まる可能性が出てきました。



12/17(土)
シジュウカラガン全滅


17日(土)に残りのシジュウカラガンが死にました。


四羽飼育されていたシジュウカラガン全てが、姿を消したことになります。


屋外で野鳥から感染性した後に、室内で広がった可能性もあるようです。



12/18(日)
フラミンゴへの影響


古代池で飼われていたフラミンゴは、仮獣舎で過ごしています。


仮獣舎は古代池の10分の1の広さしかなく、池も存在しないため、ストレスになるようです。


また、フラミンゴは水に浮いたエサをすくい取るように食べる習性があるため、餌の与え方にも問題が起きているようです。


営業再開の判断は、完全に感染がないと判断されてから、21日後とする方針だそうですが、現在は見通しがたっていません。



12/18(日)
野鳥大量死などの異常は確認されず


東山動物園の10キロ圏内にある13の野鳥飛来地を調査した結果、異常は確認されなかったようです。


環境省は胡蝶池など、動物園の12ヵ所で水を採取し、感染源が含まれていないかを調べる予定だそうです。


引き続き、野鳥の監視は行われます。



12/22(木)
池の水抜き作業


21日(水)朝から園内で池の水抜き作業が行われました。


古代池では、消毒用の塩素剤が散布され、夕方までに水が抜かれました。


胡蝶池は、22日(木)以降に水を抜き、25日(日)までに作業を完了する予定だそうです。


池に水を張るのは、鳥インフルエンザの流行期が終わる来春以降です。



2017 1/5(木)
1月13日に再開


東山動物園は1月13日(金)に再開されるそうです。


ただし「バードホール」「小鳥とリスの森」は、引き続き閉鎖されます。


フラミンゴは古代池にネットを張ったうえ、今年、夏ごろを目途に池に戻されるそうです。


胡蝶池で今後、鳥類を飼育する予定はないようです。



5/13(土)
防鳥ネット新設は秋以降


新聞によると、5月13日からバードホールは仕切りネットを取り外し通常の状態で展示をし、「小鳥とりすの森」も再開するそうです。


ベニイロフラミンゴなど39羽は、引き続きバックヤードで隔離を続けます。


ペンギン舎、エミュー舎に設置されている仮設ネットは継続し、防鳥ネットの新設は秋以降になるようです。



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