CASALE-FALCHINI |
カザーレ・ファルキーニ |
Loc,Casale 53037 San Gimignano SIENA |
Tel:39(0)577-941305 |
Fax:39(0)577-940819 |
オーナー:リッカルド・ファルキーニ |
総ヘクタール:35 |
エノロゴ:ジャコモ・タキス |
リッカルド・ファルキーニ。フィレンツエ近郊を中心に、1926年より代々と続く、由緒あるワイン製造一家に生まれ、建設関係の実業家として活躍していた彼だが、かのアンティノーリ家が経営する、サン・カッシャーノのカンティーナのリニューアル・プロジェクトに加わる際に、再び”ワイン一家”の血が遡り、1972年、ここサン・ジミニャーノに22ヘクタールのワイン・ヤードを購入。アンティノーリ家との接触にて知り合ったカリスマ的、エノロゴ”ジャコモ・タキス”氏との交友関係により、”伝統”という悪習に捕らわれていた当時のトスカーナ白ワイン業界において、早くから低温発酵とステンレス樽によるコンピューター管理化に手をつけた一人として、その名を語り継がれる人物。当時のいきさつをこう話してくれた。
「私もトスカーナの人間だから判るが、我々は伝統に固執しすぎていてね。大型の使い古された木樽による投げやりな熟成や、”キャンティ”に使われていた”白ワイン品種の排除”などの、今となってはあまりにも明白な欠点に気が付こうとする人がいなかった。我々の幸運は”タキス”と知り合ったこと。そして彼の薦める醸造技術革新をすぐさま受け入れる”柔軟さ”を持ち備えていたこと。当時カンティーナの改築に費やした莫大な資本に誰もが笑い声を立てていたが、その結果は一目瞭然のはず・・・。
近年、世界各地で話題となっている”ガンベロ・ロッソ誌”のワイン・ガイド・ブックにおいて、有名どころではあの”カステッロ・ディ・アーマ”などの例に代表されるような政治的な冷戦状態により、”本質に程遠い”評価を受けているワイナリーのひとつであり、中でも、あの”サッシカイア”や”トゥリーガ”などの生みの親として知られる”ジャコモ・タキス氏”の流れの強い、カヴェルネット・ソーヴィニョン種主体の赤ワイン”カンポラ”は、知られざる偉大なワインとして、通に愛されて止まない逸作であると言える。その他ヴァルナッチャ種ベースの白ワインにおいても、ヴィニイタリ―や世界各地の様々なコンテストを総なめにしていて、そんな”実力”に裏図けられた成果からも、明らかにここサン・ジミニャーノのワイン史を語るに”欠くこと”の出来ぬワイナリーであることが判る。
現在では、そのヘクタール数を35にまで広げ、ヴァルナッチャ種ベースのスプマンテやヴィン・サント、ハイ・レベルな赤ワインに偉大なヴェルナッチャ・リセルヴァなどなど、時代の需要に受け答えながらも”トスカーナの大地が美味く表現された”ワインたちを造り上げるに至っている。
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