人間の生き方が有害微生物を発生させた
コラムNo.24
微生物は地球上の生命エコロジーの底辺に位置し、人類はそのエコロジー・ピラミッドの頂点にいます。私たち人間は、24時間常に微生物に取り囲まれ、微生物の大海の中で生きるように創造されています。人間や動物などの地球上の生命体は、ウイルスや細菌、菌類などの微生物と密接なかかわりを持って生命活動を行うように宿命づけられています。また無数の微生物が私たち人間(ヒト)の体内外に棲みついて、生命のネットワークを形づくっています。
微生物は想像もつかないような形で私たち人間に影響を及ぼしており、人間が生存するうえで不可欠なものです。もし微生物が全滅するならば、人間は地球上で生存していくことができなくなります。一方、ある種の微生物は人間に病気をもたらし、死に至らしめます。
これまで人類は狭い視野から、微生物(ウィルスや細菌)を病気を引き起こす厄介な存在と見なし、取り除く方向にのみ走ってきました。しかし最近になって微生物と人間の関係を大きな視野に立って見直すようになり、微生物との共存・共生関係を確立していくことの重要性が認識されるようになりました。微生物を厄介者として一方的に排除しようとする見方や在り方は、人間中心の狭い偏った視野から発したものだったのです。いまや人間と微生物の関係が、根本的に見直されようとしています。大半の微生物は、人間(ヒト)にとっては敵ではありません。それどころか大きな利益をもたらしてくれる不可欠な存在なのです。問題は人間サイドにあって、人間が自然界に一致した正しい考え方と生き方をするかどうかということなのです。人間の考え方・在り方が自然界に反し自己中心的で間違っていたために、本来は無害な微生物が人間の健康に反する方向に動くようになってしまったのです。そして、それを人間が敵視し、何としても排除しようとしてきたのです。