針灸院日記 2024  本文へジャンプ


●今年の最初へ

12.3 スマホの使用時間は一考を

千秋針灸院には目の病気を中心に、様々な病気の患者さんが来院されますが、特にスマホを毎日長時間使用されている方で、最近目の調子が良くないと言われることが多くなっています。テレビは大型化し、照明からスマホまでLED化が進み、パソコンからタブレット、スマホへと仕事から学校、プライベートまで、現代は目に大きな負担のかかる生活習慣が不可欠となっています。2023年の調査では、日本人のスマホの平均使用時間は一週間で約20時間ということですが、皆様はいかがでしょうか。

一方で目の環境から現代の暮らしを見ると、多くのデバイスがLED等の発光体であり、かつ特にスマホでは至近距離で凝視するスタイルになります。目への負担は明るさにも左右されますが、基本的に光源からの距離が短く使用時間が長いほどダメージは大きくなります。更に移動中の使用は目の調節機能に大きな負担がかかります。ちなみに読書(本)は至近距離なので近視の進行に繋がる可能性はありますが、発光しないため目への負担は大きくありません。また網膜色素変性等の網膜疾患の患者さんは、視力や視野等への影響も大きくなるようです。

千秋針灸院ではスマホ等については、出来るだけ外出時に限って使用していただき、帰宅後はタブレット等、目との距離を取れるデバイスに切り替えることをお勧めしています。スマホが普及し始めて約15年程ですが、この間で児童や成人の近視の増加や進行など、目に関わる問題は増え続けています。この先何十年と目の健康を守るためにも、スマホの使用場面は外出時等に限ることをお勧めします。私自身のスマホ使用時間は、平均すると一週間で1時間未満です。

11.23 来春の「眼科と東洋医学」研究会のお知らせ

最近は来年3月に開催される第40回「眼科と東洋医学」研究会の演題を少しずつ作成しています。次回の私の一般口演演題は、網膜静脈閉塞症を予定しています。網膜静脈閉塞症は高血圧等が原因となり、片眼の視力低下や歪視等を生じる疾患です。眼科ではレーザーや眼内注射を行いますが、眼内注射を繰り返して一時的に改善しても、長期的には網膜萎縮から視力低下等が進んでしまうことも多いです。

今回は適切に鍼治療を行うことが出来た場合には、眼内注射を行わなくても視力は改善・維持できることを、0.7未満への視力低下を生じた16名16眼から統計的に報告します。また近年眼科で使用されている光干渉断層計(OCT)での実際の画像から、それまで続けていた眼内注射が不要となった症例も報告できる予定です。

今年から新たにホームページが作成されていますので掲載します。鍼灸師も演題に応募が出来ますので、眼科領域に力を入れている先生は、この機会に応募されてはいかがでしょうか。私も他の先生からの報告を楽しみにしています。また今年からZoomも併用されるとのことですので、興味のある医師・薬剤師・鍼灸師の先生方も参加し易くなると思います。

●リンク・・・・眼科と東洋医学 研究会 

11.6 外眼筋麻痺等による複視への鍼治療のページを公開

来院される患者さんは比較的多いにも関わらず、鍼治療のページを作成していなかった外眼筋麻痺等による複視のページを公開しました。脳検査で特に異常が無い状況で突然発症した動眼神経・外転神経等の麻痺による複視は、半年程度までに自然に治癒することも多いのですが、中には1年以上経っても治らずに手術やプリズム眼鏡を使い続ける結果となる場合もあります。顔面神経麻痺等と同じく、発症から比較的早期に鍼治療を開始すれば、回復も早まり数ヶ月以内に治癒することが多いで、初期の検査を済ませてから早めの鍼治療をお勧めします。

●リンク・・・外眼筋麻痺等による複視のページ

10.19 眼科領域の針治療のページを更新

10年近く更新していなかった、眼科領域の針灸治療のページを更新しました。緑内障などよく知られている病気以外の、眼疾患や問い合わせの多い症状等をまとめています。中には病気自体へは効果が無い・薄いものもありますが、関連する症状を軽減したり、見易さに繋がったりする場合もあることから、適切な鍼治療が役立つ場面もあります。主要な眼疾患は個別のページを用意していますので、そちらをご覧ください。

●リンク・・・眼科領域の針治療

10.4 レプリコンワクチン(新型コロナウイルス予防接種)について

10月より新型コロナウイルス感染症への予防接種が始まっています。様々な所から報道されていますので詳細は省略しますが、ワクチンを接種された方の利用をお断りする施設が、一般の店舗から医療機関までに拡がっています。昨年まではワクチン未接種の方への利用制限が少なくなかったのですが、1年経って真逆になりました。日本看護倫理学会からも緊急声明が出され、当院でも心配されている患者さんが少なくない状況です。

私は素人なりに様々な立場の専門家からの意見や研究を検討してみましたが、最も心配されているシェディング(ワクチン成分の伝播・感染)については、理論的にはあり得るものの、換気が不十分な空間内で長時間の濃厚接触がある等、同居や集団生活の様な状況でない限り、シェディングの現実的なリスクは心配無いと考えています。

一方でワクチンの副作用については、少量で済むため軽く済む等と説明されていますが、長期間自己増殖を続ける特性から、副作用が出た場合には長く苦しむ可能性や、免疫系に大きな影響があることから、最悪は長期経過後の自己免疫疾患等に繋がる恐れも想定しています。今後インフルエンザワクチン等、レプリコンワクチンの適応は拡大される見込みですが、少なくとも10年程度は海外の動きも睨みながら慎重に運用されるべきです。

レプリコンワクチンには肯定、否定と専門家も真っ二つに分かれていますが、少なくとも言えることは、この冬だけでも接種は待った方が良いことは間違いありません。現時点で開発したアメリカや治験が行われたベトナムも認可していない状況で、認可は世界で唯一日本だけであることが理由です。しかし少なくとも半年ほどあれば、初期の成績や副作用については明らかになり、海外の反応も把握し易くなります。ワクチン接種に積極的な方も少し様子を見ることをお勧めします。

新型コロナ感染症で世界が震撼し、ワクチン接種での混乱、そして現在も同じことですが、どうしたら良いか迷ったときには、誰かの意見を鵜呑みにする事無く、自分で学び考えて自分の意見を持つことが大切と思います。もちろん他人に強要はしないこと。千秋針灸院は上記の理由から、現時点ではワクチン接種の有無で診療を制限することはありません。今後ともよろしくお願いいたします。

9.23 11月1日(金)より治療費等改定(値上げ)のお知らせ

11月1日(金)より治療費を改定(150円〜250円の値上げ)とさせていただきます。

○一般治療代 3,850円→4,000円
○高校生以下・逆子治療代 2,750円→3,000円
○小児はり(接触鍼・打鍼) 1,650円→1,800円
金額は全て税込み。また治療費以外の初診料等については、据え置きとなります。

最近5年程で人件費は3割、治療に使う資材は2割程度上昇し、また今後も人件費を中心に上昇が続くと予想されることから、申し訳ありませんが必要最小限の負担をお願いさせていただくことになりました。今後とも質の高い診療が行えるよう努めていきますので、ご理解の程よろしくお願いいたします。

9.6 鍼灸院探しの手引きを更新

たぶん10年以上前から更新されていない、鍼灸院探しの手引きのページを更新しました。先日の東洋医学会のオフレコですが、「眼科領域を専門と称する鍼灸院は大幅に増えているのに、鍼灸師からの臨床報告は公的な学会や研究会等を含めて見かけることが極めて少なく、○○専門という感じで流行に乗った誇大表現の鍼灸院が多いのではないか。」という話をいただきました。なるほど厳しい意見ですが確かに私の知る限り、公的な学会や研究会等で眼科領域の臨床報告は希少と言ってよい程です。一方で緑内障等のワードを入れると溢れる位の鍼灸院が検索できます。

10年以上前なら眼科領域を積極的に治療する鍼灸院は本当に限られていたのですが、今は当院のホームページが見つけ難い位、眼科領域を専門と称する治療院が増えています。遠方の患者さんをお近くの優れた技術を持つ提携治療院へ、ご紹介してきた連携治療の仕組みも必要性が薄くなる程に !。本当に眼科領域の患者さんへ役立つ鍼灸院が増えているのなら歓迎すべきことですが、実際は先日の東洋医学会で眼科医の先生方からの要望の多くは「近くで確かな治療が行える鍼灸院を紹介していただけませんか」でした。

もし10年も眼科領域に力を入れて日々の診療を続けていれば、相当数の臨床を経験して鍼灸師の実力に見合う結果も出ているはずです。その結果が確かなものならば、公の学会や研究会などで報告する機会も一度や二度はあるでしょう。いくらホームページ上で綺麗に繕っても誤魔化しが効かない部分です。確かな治療院を探されている皆様が、良い出会いになることを願って、鍼灸院探しの手引きのページを作り直してみました。

●リンク・・・鍼灸院探しの手引き

8.19 25日間の連続猛暑日記録がストップ

25日間も連続で最高気温が35℃を超えた(名古屋)記録が、ようやく止まりました。暑さのピークは過ぎたことになりますが、まだ最低気温は25℃を超えており、寝苦しい夜が続きそうです。ここから秋にかけて夏の疲れがピークになりますので、睡眠時間の確保や休養に心掛けましょう。個人的な話ですが今年は初めて、真剣に夏の間の避暑を妄想しました。実現の可能性は無いですが、例えば近場なら郡上八幡あたりなら、昼は暑くても夜は涼しく感じられると思いますが、どうでしょうか。

8.7 外傷・手術後後遺症等のページを更新

約11年ぶりに、外傷・手術後後遺症等のページを更新しました。この間に様々な症例が増えていて、針治療による治療実績も大きく増えたのですが、基本的に障害の程度と針治療の早期開始が重要となることや、多くの場合に同じ症例がほとんど無いことも特徴です。患者さんの立場としては、「ダメ元で迷わず早く針治療を開始すること」と、改善を目指すポイントを明確にして期間を区切ることが大切です。網膜萎縮等の一部を除いて、受傷から1年を超えている場合や、視力が完全に消失している(光覚も無い)状態からは、回復は困難と思います。一方で受傷から早期であり、視力や視野が僅かでも残存する場合は、想定以上の回復が得られたこともあります。症例毎にお話できることが変わりますので、詳しくはご相談下さい。

●リンク・・・外傷・手術後の後遺障害のページ

7.22 梅雨明けで連日35℃超えです

頭では分かっていたのですが、梅雨が明けたら連日のように35℃を超える日が続きます。概ねお盆までの約3週間、晴れた日が続けば40℃に近づいていきますので、この間はひたすら頑張らずにやり過ごすことが大切です。夜の暑さによる睡眠不足もあって、無理をすれば熱中症の恐れも高まるのですが、最近では熱中症自体が白内障の発症や進行のリスクを高めることも分かってきました。とにかくお盆までの3週間は、余計な仕事や予定を入れないように心掛けて、暑い夏を頑張って乗り越えるのではなく、適度に休養を取って受け流していきましょう。

最近、就寝時にグンゼの「アセドロン」という肌着を着ると、寝汗で夜中に目を覚ますことが無くなりました。さすがに外出時は汗が出ますが、就寝時ならバッチリです。誰にでも良いかは分かりませんが、興味のある方は使ってみて下さい。

●リンク・・・グンゼ「アセドロン」

7.9 眼瞼けいれん(片側顔面けいれんを含む)のページを更新しました

約5年ぶりに眼瞼けいれん(片側顔面けいれんを含む)を更新しました。眼瞼けいれんは眼科での診断がやや付き難く、症状も瞼が下がる、ピクピクと勝手に動く、引きつるような違和感など多様な上、片側顔面けいれんとの鑑別が付き難いこと、治療薬の精神安定剤が裏目に出たり、ボトックス注射が確実性に欠けることなど、病院での治療が難しい病気です。

鍼治療は軽い眼瞼ミオキミア(疲れやストレスが原因でピクピクする一時的な痙攣)は容易に治癒しますが、数ヶ月を超えるような慢性の症状は、数回程度の鍼治療では中々治癒には届きません。数回治療すると少し調子の良い時が増え始め、数ヶ月すると完治ではありませんが、調子が良い時が多くなり落ち着く感じになるのが一般的です。適切な漢方薬を併用するのも効果的です。千秋針灸院では症例も多くなり、症状が落ち着き安定する患者さんが増えてきました。ボトックス注射等に不安があったり、落ち着かない場合はご相談下さい。

●リンク・・・眼瞼けいれんのページを更新しました

6.17 眼科領域の連携治療は専門医による漢方治療を加えて進化します

現在の眼科医療は、点眼薬治療から一足飛びに手術というパターンが多く、患者さんの立場から見ると選択肢が限られています。副作用の心配の少ない漢方治療は医療分野全体で普及してきましたが、眼科領域での漢方治療は医療全科の中で最も少ないことは、先日の東洋医学会学術総会でも報告されていました。

千秋針灸院はこれまで眼科領域の連携治療として、全国各地の鍼灸治療院に協力いただいた鍼灸治療を続けてきました。また同時に眼科領域の様々な疾患に対して統計症例報告という形で、一定以上の症例数を伴い鍼治療の再現性を重視した内容で、各種学会や研究会等で報告を続けてきました。この過程で様々な東洋医学に精通した専門医の先生方と出会い、新たに鍼治療にも関心を持っていただくことができました。今後は当院を含む提携治療院での鍼治療に漢方治療を加えて、これまで以上に効果を高めたり、鍼治療の頻度を少なくして患者さんの負担を減らすことも可能と考えられます。

現状では先方にご迷惑をかけないよう、WEBでの掲載や電話での案内は控えますが、漢方治療を希望される患者さんは当院来院時にご案内させていただきます。いつの日か点眼薬と手術の選択肢しかなかった眼科医療に、体に優しい新たな選択肢として漢方+鍼灸治療が生かされるようになること。鍼治療の統計的な症例報告が千秋針灸院からだけでなく、各地の眼科医療機関から漢方+鍼治療として症例報告や論文発表が行われていくことを願ってやみません。今後の眼科領域の連携治療Ver.2にご期待下さい。

●リンク・・眼科領域の難病治療を提携治療院で を更新しました。

6.5 症例報告「緑内障性視野障害への鍼施術」を掲載しました

先日の日本東洋医学会総会・ミニシンポジウムで当院の報告した症例を掲載しましたが、各症例の静的視野検査の画像だけはモザイクをかけさせていただきました。今回の症例報告でも患者さんの許可を得てスライドを作成していますが、検査画像等の個人情報をネット上に安易に出してしまうと、今後患者さんが病院から資料を入手し難くなる等、患者さんの不利益に繋がる可能性があります。千秋針灸院では患者さんの許可を得た上で、研究発表の場や院内での説明等に限り病医院での資料・画像を使用させていただきます。

それから、眼科領域の連携治療がVer.2へと進化します。詳細は次回。

●リンク・・・症例報告 「緑内障性視野障害への鍼施術」

6.1
 第74回日本東洋医学会学術総会 ミニシンポジウム【緑内障の漢方治療】

今回、私の当日の出番は16:50〜18:00と遅めだったので、少し早めの昼食の後に午後から大阪へ向けて移動しました。1時間程前に到着したのですが、大阪国際会議場は建物も大きく多数の会場に分かれ、様々な漢方関連メーカーのブースもあり、鍼灸関係とは規模が桁違いでした。今回、私は東洋医学会の会員でもなく、参加者の大部分は医師ですのでアウェイ感が半端なかったのですが、福井県の提携治療院である片岡先生と運良く出会えたので、緊張も緩みました。

演者の先生方と挨拶を済ませて本番です。私の前に東北大学・有田先生による漢方・鍼灸の研究報告があり、その勢いに乗りかかる感じで私の鍼治療の報告でした。登壇は何度か経験していますが、今回は持参した台本がスライドを動かすパソコンに触れてしまい、数回スライドが勝手に変わって少し焦りました。ライブで全国に配信されていますし、映像が残ってしまうので恥ずかしいですね。スライド操作のトラブルはありましたが、何とか発表を終えることができました。その後の合同質疑についても無難にこなして、おそらくは私にとって最大規模の場になる症例報告は無事終了しました。

ミニシンポジウム終了後は何人かの先生方から質問を受けたり、いくつかの医療機関では漢方薬治療に加えて、当院を含めた提携治療院での鍼治療を併用した、新しい形の緑内障治療への道筋を付けていただく話ができました。点眼薬から一足飛びに手術になる現在の緑内障治療に、別の選択肢として確立できることを願っています。何年か先に今度は医療機関側から漢方+鍼治療の成果を報告していただけるといいですね。会場まで駆けつけていただいたH先生や応援していただいた皆様、様々なフォローをいただいた山本昇伯先生をはじめ演者の先生方、大会関係者の皆様に感謝いたします。

鍼治療の大きな可能性を東洋医学会の場で少しだけ足跡として残せたなら嬉しいですね。帰り際に片岡先生達と大阪駅近くで食べた博多ラーメンの味は格別でした。

●リンク・・・第74回日本東洋医学会学術総会 (jtbcom.co.jp)

5.28 6.1の報告に向けて準備中

6月1日に緑内障の症例報告を行う予定の、第74回日本東洋医学会学術総会に向けて準備を進めています。GW明けには眼科医の先生方とZoomでリハーサルを行い、進行の進め方や詰めの甘い部分を洗い出したりと、他の先生方の内容も含めて調整や修正がありました。私の報告する内容は概ね変わらず、分かり易く言葉を付け加えた程度で本番に望めそうです。

最近はコロナ過でZoomによる参加が続いていたため、会場での報告は久しぶりになりますが、知り合いの眼科医や鍼灸師の先生方も参加されているので、それ程緊張せずに済むかなと思っています。今回、症例報告としては8分程度と短時間ですが、私の発表としては今後も含めて最大規模の場になると感じています。これまで来院された患者の皆様に感謝しつつ、今後の緑内障の治療に一石を投じる内容を伝えられたらと願っています。また日本東洋医学会に確認中ですが、学術総会後は私の発表分については当院ホームページで報告できそうな感じですので、可能な範囲で掲載できたらと思っています。

5.3 ホームページのhttps化について、試行錯誤中

最近のホームページは、SSL証明というセキュリティが強化された、httpsから始まるアドレスに変わってきています。特に旧来のhttpから始まるアドレスのままだと、Google等の検索サイトで探し難くなったり、セキュリティに問題がある等と表示されてしまう場合があります。私も知ってはいたのですが、気が付けば千秋針灸院のホームページは検索が難しくなっていました。

GW休暇中で時間もあることから、ホームページビルダーを使ってアレコレと試行錯誤をして、もしかしたら上手くできたかも。というのは検索結果に反映されるのは1ヶ月位かかると考えられるからです。幸いサーバー側は数年前からSSL証明が付き、httpsに対応していたそうで助かりました。また調べていただき、分かり易く教えていただいたMさんに感謝です。

各ページのhttpsによって、作成中だった糖尿病網膜症のページも強制的に更新されてしまいました。約4年半ぶりの更新になりますが、病気毎に様々な発見と課題が出てきます。適切な鍼治療が皆様の目の健康に役立てられることを願っています。

●リンク・・・糖尿病・網膜症のページ

4.22 網膜静脈閉塞症のページを更新

様々な眼科領域の疾患の中で、網膜静脈閉塞は毎年少なからず来院される患者さんがあります。眼科医療が進歩する中で治療法も変わってきていますが、最近は網膜浮腫による視力低下に対して、抗VEGF硝子体内注射(アイリーア等)を行うケースが多くなっています。硝子体内注射は網膜浮腫を消退させて視力の回復に効果が高いため、初期の治療としては優れています。

しかし薬効は数ヶ月後に切れるため、多くの場合に網膜浮腫が再発して視力は低下し、その都度硝子体内注射を行うことになります。当院に来院される患者さんで多い方は数十回の硝子体内注射を繰り返し行い、中には視力が0.5以下などと出なくなっていても注射を続けていました。この状態では網膜黄斑部の萎縮が進んでいますので、硝子体内注射はほぼ無効です。

硝子体内注射を繰り返しても網膜の血流低下は解決しないため、最初は抗VEGF硝子体内注射により視力を確保出来ていたとしても、網膜は徐々に弱り萎縮が進みます。適切な鍼治療を行った場合には、網膜の血流は確保され網膜浮腫も減少することから視力も確保されて、硝子体内注射は現在まで全ての症例で不要(他疾患の合併例を除く)となっています。OCT(光干渉断層計)画像でも証明されましたので、今後の眼科研究会等でも報告させていただく予定でいます。

網膜静脈閉塞で網膜浮腫を繰り返すため、硝子体内注射を続けられている患者さんは、網膜萎縮による視力低下が生じる前に適切な鍼治療をお勧めします。

●リンク・・・網膜静脈閉塞のページを約6年半ぶりに更新しました。他の疾患のページも順次更新する予定です。

4.1 針治療による緑内障の長期経過症例を日本東洋医学会で報告します

5月31日〜6月2日にかけて大阪で開催される、第74回日本東洋医学会学術総会のミニシンポジウム内で、「緑内障性視野障害への鍼施術」を報告させていただくことになりました。緑内障患者さんの静的視野検査結果を基に、鍼治療を始めてから5〜10年を超える長期経過の実際を、眼科専門医の先生方など様々な方に見ていただく機会となります。眼科関連のミニシンポジウムは6月1日(土)16:50〜18:00の予定です。今回も私の報告は7分程と短いですが本番まで2ヶ月、しっかりと準備したいと思います。

千秋針灸院では、これまで多くの緑内障の患者さんを治療させていただき、眼科での静的視野検査結果をはじめ様々なデータが集まっており、5〜10年を超えて針治療を継続した場合に視野障害はどうなっていくかを客観的に把握しつつあります。眼科での視野検査は半年に1回程ですが少なくとも3回、できれば5回以上行わないと本当の結果は分かりません。つまり少なくとも鍼治療を2年以上続けた上で検査結果を入手できて、初めて証明されることになります。その積み重ねから適切な鍼治療は多くの場合に緑内障性視野障害の進行を抑制し、半数程の症例では一定度まで改善することは確実と言えるまでになりました。緑内障の治療では点眼薬から一足飛びに手術になることも多いのですが、適切な鍼治療は新たな選択肢として緑内障患者さんの未来を変えるものになると思います。

●リンク・・・緑内障のページを約5年ぶりに更新しました。

3.25 定年前後の仕事と健康

日本は高齢化社会と言われ始めてから久しいのですが、最近では60代はもちろん、70代に入ってもフルタイムで働かれる方が増えていることを感じます。年金問題や労働力不足、医療や衛生環境の発達、健康への意識が高まりから中高年者の体力増進等も含め、定年や老後の概念は大きく変化していますが、日々の臨床を通して患者さんを診せていただくと、少し無理をされている方も多いのではと思うようになりました。

多くの方は50代になると何かの病気や症状を抱え始めます。また回復力も40代までに比較すれば弱くなり、一旦悪くなると回復に時間がかかるようになります。若い頃は目立たなかった健康の個人差は、先天的なものに加えて生活環境や体の使い方(主に仕事)から50代以降に差が付き、60代以降ではとても大きくなってきます。若い時から頑張り続けた場合には、早い時期から病気や様々な症状が出て無理は効かなくなりますが、更に体の限界を超えると亡くなる方さえあります。様々な分野で活躍された著名人が若くして亡くなるニュースを見る度、長年頑張り過ぎたことも無関係ではないのではと感じています。

健康や体力は個人差もありますが、多くの方で全盛期は30〜40代頃と思います。私見ですが40代までを100%とすると50代は80%、60代で60%、70代以降は40%以下に仕事は減らす必要を考えます。収入の都合や職種により困難もあると思いますが、具体的には50代の内に残業・夜勤無しの定時勤務、60代には週4日(週休3日)、70代以降は午前だけというイメージでしょうか。眼科領域の同じ病気で他の方に比較して良くならなかったり、何故か落ち着かないケースは、頑張り過ぎている患者さんに多いように感じます。定年後も長く働く時代ではありますが、誰もが一度きりの人生ですから健康で楽しく暮らしたいものですね。

3.11 今春のいろいろ

千秋針灸院の玄関にある靴箱が新しくなりました。これまでは時間帯にもよりますが、患者さんの靴が玄関中に溢れている状態で、稀に靴の取り間違いが起こったり、車椅子を利用される方に使い辛い状況が続いていて、新築から13年目でようやく決心。今回は靴とスリッパを両方個別に収容できるキットを購入して、組み立てが苦手な私では2時間程掛かりましたが何とか完成しました。古い靴箱は重量があり簡単には持ち出せないので、多目的なラックとして針灸院の奥で使われることになりました。

私事ですが以前からグラグラしていた歯が1本抜けてしまいました。歯科でも経過は診ていただいていましたが出血や痛み、歯根が折れるなどもなく乳歯が抜けるような感じです。歯茎の下部は上部(見えている部分)の2倍以上の長さで、実物は大きいですね。長年の虫歯や治療でかなり傷んでいますが、50年近く頑張ってくれた歯に感謝するとともに、残りの歯はこれまで以上に守っていけたらと思いました。パナソニックのドルツ(超音波水流で洗い流す)と、コンクール・リぺリオ(歯肉活性化歯磨き剤)で頑張ります。

1年間予備校へ通っていた子ども(道大)は、昨年から学部を変更しての挑戦でしたが、無事進学が決まりました。この1年で成績だけでなく人としても成長したことを感じます。紆余曲折はありましたが、当面は自宅通学も可能ですので健康面なども安心です。自分から選んだ分野なので頑張っていけるでしょうし、今後は私も教わることが増えていきそうで、今から楽しみです。心からおめでとう!

2.24 3代目オートクレーブ

どこの針灸院にも、まず必ず設置されている高圧滅菌機(オートクレーブ)という設備があります。現在はディスポ鍼(使い捨て針)が主流ですが、金属製のシャーレや鍼管といった備品は使用の都度滅菌して使用するのが一般的です。(プラスチック製で全て使い捨てとする鍼灸院もあります)

今年2月頃から現行のオートクレーブで滅菌は完了するものの、パッキンからの水漏れが多くなり、使用不能になるのは時間の問題(パッキン交換はメーカー持ち込みで時間がかかる)と思い、新しいオートクレーブを注文して到着、今日から使い始めました。開院以来3代目となりますが、やはり器械は10年が目安ですね。これまでの2代目はパッキンを交換して予備役に回す予定です。10年以上稼働してくれたオートクレーブ、ありがとう。

2.9 冬場の手荒れがほとんど無くなりました

この10年位の話ですが、針灸院の仕事は頻繁な手洗いやエタノールに触れる上、冬場は乾燥も加わり、手指の関節周囲がひび割れて、出血したり痛んだりが悩みでした。ハンドクリームを塗る等の対策も仕事中はできないので、毎冬は仕方なく我慢していましたが、今年は手荒れがほとんど出ていません。今年は入浴時に「ヤングビーナス」という入浴剤を使っているのですが、どうやらこのおかげのようです。

「ヤングビーナス」の使用感としては、少しヌルヌルすること位ですが、湯冷めしにくいことや、翌朝には肌の状態が良いことに気が付きます。加えて冬場の悩みだった手指や唇の割れや出血がほぼ起きなくなっていることに感動しました。個人差はあると思いますが、入浴時に入れておくだけですので簡単ですし、かなり改善すると思いますのでお勧めです。おかげでハンドクリームは要らなくなりました。種類を選べば無色で臭いもありません。普通に各種通販で購入できますよ。

1.24 針灸院前の景色が変わりました

昨日、千秋針灸院前の県道の街路樹が一斉に伐採されたことと、近くにある歩道橋の補修・塗り替えが完了したので、随分と景色が変わっています。遠方から初めて来院される方には当院が分かり易くなるし、車の運転も見通しが良く安全になると思います。一方で夏は適度な目隠しになっていたので暑く、冬は風通しが良いので寒く感じるかもしれませんね。街路樹は毎年剪定が必要になり、費用面も大変だったと思いますが、景観上は少し殺風景になってしまいました。

1.8 あけまして、おめでとうございます

新年早々からの能登半島地震で被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

早いもので千秋針灸院はおかげ様で24年になります。今年の夏前は順調なら、針治療による緑内障の長期経過症例を、日本東洋医学会・学術総会のミニシンポジウム内で報告できるかと思います。緑内障の常識に一石を投じる内容ですので、一筋縄ではいかないかもしれませんが取り組んでみます。今年も皆様にとって健やかな一年となりますよう願っています。

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  本ページの内容は現代の眼科医学及び中医学、抗加齢医学、千秋針灸院の治療実績に基づいています。
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