立花が出来上がったモンタージュを鳩村の元へと届けた。
それを見た、鳩村の顔色が変わった。

「ハトさん?」
「こいつ・・・、さっき資料で・・・」

鳩村は、資料をがさがさと漁る。

「これだ・・・」

鳩村が手にした資料をぱらぱらとめくる。
覗き込んだ立花の表情が驚きに変わる。

「これって、団長が殺された事件じゃないか」
「ああ。それで・・・、これが殺した女」
「女?」

立花が、その写真を見る。

「完全に、盲点だったんだよ・・・。あんな場所に、女が潜んでいるなんて、考えてもみなかった。俺たちが・・・、うかつだったんだよ」

遠くへと焦点を合わす様な鳩村の呟きに、立花は鳩村へと視線を向けるのを止めた。

「似てないか、その女に」
「・・・ええ・・・。でも、この人はその場で射殺されてますよね」
「ああ。だから、気にも止めてなかったんだが」
「彼女の周辺、当たります」

立花は、その資料のコピーを手に、部屋を出ようとした。そこを鳩村が呼び止めた。

「俺も、出来る限り、やってみる。課長にも伝えておく」
「お願いします」
「それとコウ」
「はい」
「お前は、俺たちの仲間だ。それだけは忘れるな」

「・・・はい」

立花は、資料室のドアを閉めた。



そのモンタージュは、すぐさまに大下の携帯へとメールで送られて来た。

「西條、これ・・・」
「顔は見れなかったからな・・・。何とも言えない」
「そうか・・・」

大下は、肩を落とした。

「俺も、参加するからな。乗りかかった船だ」
「・・・ソッコー下船して」
「嫌だね」
「・・・そっこーのお返事ありがと。てか、そう言うと思ったわ・・・」
「なら聞くなよ」

クスッと笑った大下に対して、西條は、真面目な視線を外さなかった。
その視線に、大下は表情を消す。

「お前まで、変に突っ走るなよ」
「・・・どういう意味だよ」
「もう、突っ走り始めてるのが、一人いるんでな・・・」

大下は、立花へと電話を掛ける為、外へと歩き出し、西條もその後を付いて行った。


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