ユニレンジャー・RYO(14)
拷問室を飛び出したシオンは、ミサイルのコントロールルームに向かって駆けていく。
「待たんかい、こら!。
廊下は走ったらあかんて、学校で習わんかったんかい」
その後を虎仮面が追う。
そして、ユニレンジャーも続いた。
だが、二人の行く手をメデューサの命を受けた戦闘員が妨害する。
「どかんかい。ドタマ(あたま)かち割るぞ」
言うより早く、虎仮面のバットが戦闘員を薙ぎ倒していく。
しかし、その間にシオンとの差は開く一方だ。
長い廊下に出た。
正面には、地下秘密工場につながる唯一のエレベータがある。
エレベータに向かって、一直線に走るシオン。
「シオン様、後はお任せ下さい。
我々が命に代えて、虎仮面を防いでみせます」
シオンと入れ違いに、何人もの戦闘員が虎仮面に向かって駆けてきた。
「ほぅ、命に代えてもか。
根性だけは褒めたるがなぁ、その根性だけで防げるもんなら、防いでみぃや!。
カーネルサンダー!」
虎仮面の電撃波が、直線の廊下をシオンめがけて襲いかかる。
「ぎゃー」
身体を楯にシオンを守る戦闘員。
一人が倒れれば、さらに次の戦闘員が立ちふさがった。
文字通り、屍を乗り越えるように襲いかかる戦闘員に、
虎仮面のカーネルサンダーが容赦なく浴びせられる。
だが、その間に、シオンはエレベータに乗り込んだ。
「みなさん、本当にありがとうございます。
みなさんの気持ちをムダにはしません」
そう言って、エレベータの扉を閉めるシオン。
「待てっちゅうとるやろ、このクソガキ」
虎仮面が最後の戦闘員を倒し、エレベータの前に立った時、
すでにシオンを乗せたエレベータは下降を始めていた。
だが、それで諦める虎仮面ではない。
エレベータの扉に手をかけると、持ち前のバカ力で扉をこじ開けた。
シオンの乗ったエレベータを支えるワイヤーが
下降していくのが見える。
「RYO。お前の出番や。
お前のユニカッターで、このワイヤーを切ってしまえ。
オシンを地獄に叩き落としてやるんや」
「し、しかし、それでは・・」
シオンが死んでしまう。
「えぇか、RYO。嫌やとは言わさんぞ。
今オシンにミサイルを撃たれたら、この世界はどうなる?。
所詮、あいつとは住む世界も価値観も違ごたんや。
あいつが30世紀を守る為に戦うんやったら、
わしらは20世紀の為に戦おやないか。
お前は今までに、『ヒーローSMクラブ』の怪人を何人も倒してきた。
そいつらとオシンと、いったい何が違うんや。
今のあいつは、30世紀から来た怪人なんや」
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選 択 肢
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