レッドタイガー・惨劇の虎(4)

 

 ミカエルの不気味な笑い声に一瞬怯みはしたが、俺は「堕天使さんよ。妖獣でも

 あんたよりは往生際が良かったぜ!。

 よし!、これで最後だ!!・お前さんの好きな冥界への引導だ!!!」と叫び

全ての両手を切り落とされ不気味な微笑を浮かべて立っている奴の脳天から

股間にかけて縦一文字に切り落とした!!

俺は奴に背を向けると、「ドサッ・ドサッ」と奴の身体が左右に崩れ落ちる

音がした。

俺は何時もの様に妖獣達を倒したときの決めポーズを取ろうと聖剣を高々と

天に向かって掲げ様とした時だ。

  

 俺は、聖剣を鞘に戻しミカエルと称した妖獣を背にしたまま奴から離れ

歩き出そうとした時だ!。

何やら不気味・・・を通り越した濁声がし俺の全身は一瞬で氷付けされたか

のように全身の自由を奪われた・・・。

さっき倒したミカエルが唱えていたあの祭文だ。

  

 俺は「クソーーー!。今日はダブルヘッダへかよー。たった今、自分は天使だ

とほざいたバケモノを倒して疲れてんのにー」と金縛りになりながらも気力で

後ろを振り返ると、全身血まみれだが、怪我によるダメージが無いような

新手が現れた。

その姿は、堕天使ミカエルとは正反対で、全身毛だらけで蜘蛛のような

面構えと不気味な6本の手をユラユラと操り雑音に近いような濁声で祭文を

唱えて俺に近づいてくる。

  

 俺は「クソーバケモノ野朗。お前も邪教の堕天使か?。さっき倒した

ミカエルがその祭文は司教である堕天使しか扱えない祭文だとぬかして

奢っていやがったが、たった今俺が冥界へと送り返してやったぜ。ハハハ。

今度は不気味なお前の番だぜー」と威嚇し睨みつけてやった。

  

 すると奴は祭文を唱えるのを辞め不気味な濁声で高笑いを始めた

と同時に俺の金縛りは解けた。

奴は「誰がお前に倒されて冥界へと送り返されたって?。レッドタイガー?

 本当に、お前たちヒューマニストのヒーローは単純だぜ。ガハハハハハ・・

 お前が今切り裂いたのは、俺の宿木にすぎない・・・。

 お前たち人間が服を着るのと同じだぜー。それを切り裂かれたぐらいで冥界へ

 戻ったら俺は良い笑い者だ。

 そんなことしたら、ゼウスの様にミイラにされ大司教聖下に抹殺されてしまう

 そんなことを俺がするかよー。ハハハ・・・ハハハ・・・・・

 それに俺のお気に入りの宿木をあんな不様に切り裂いた上にこの俺をバケモノ

 呼ばわりするノウテンキなヒーローをお仕置きしてやらねーとな。

 え?、ヒーローのレッドタイガーさんよー?」

  

 「お、お前がミカエルの正体だって?どうみたってさっきまでの方がましだ

今度こそその醜い姿のまま冥界へ返してやるぜ安心しなー」と言うが速いか

俺はミカエルに飛びかかろうとした・・・・