くっそー、何でこんな事になったんだ。
エースである俺が、マウンドで雨ざらしにされるなんて・・。
まして、野球戦士でもあるはずが、戦闘員ごときに満足な抵抗もできずに、
いたぶりを受ける羽目になるとは・・。
真樹の脳裏に、今日の光景がよみがえる。
違う!!
あれは俺じゃない。俺はどうかしていたんだ。
そう。油断なんだ。
相手が櫻井で、フェアなスポーツマンだと信じ込んでしまった為の油断なんだ。
今度はそうはいかないぞ!
たたきのめしてやる!!
ともかく、ここから脱出しなければ・・。
そうは思うものの、堅く固められた土は、身体を動かそうとしてもびくともしない。
降りしきる雨は、さらに真樹に打ち付けた。