南極周遊クルーズ
Le Boréal 食べる食べる
ブエノスアイレス 旅程表
今回のクルーズは、古希の記念にと2017年3月17日に予約しました。早期予約割引で相当値引きしていただきました。友人のYさんや旅行会社のHさんから南極の話を聞いていたので、2年間、わくわくしながら過ごすことができました。
地球の裏側までの長旅になるので体力が持つかが心配で、延泊などはせずに、ブエノスアイレスで前後1泊づつすることにしました。今から思えば、せっかく遠くまで行ったのだから、イグアスの滝ぐらい寄っても良かったのかもしれません。でも、南極だけで十二分に素晴らしい感動を得ることができました。
かわいいペンギンやアザラシ、クジラ、シャチ、またたくさんの海鳥と、とにかく自然が豊富でした。更に雄大な景色と流氷は感動的でした。大満足です。
ちなみに費用は、クルーズ代金が1,046,904円、船内チップが14,915円(120ユーロ)、航空券代金が233,090円、ホテルと送迎代金が49,500円、あわせて約1,350,000円でした。このほかには、食事代やみやげ代がかかっています。

 シップデータ
総トン数:10,700t 就航年:2010年 巡航速力:16ノット 
全長:142.1m 全幅:18m 乗船デッキ:6層 乗客数:264人 乗組員数:140人
 実際の航路  南極探検証明書
1日目(1.15) 成田からアムステルダムへ
        アムステルダムから
2日目(1.16) ブエノスアイレスへ
        ブエノスアイレス市内散策

 成田11時25分発のKLMでアムステルダムへ向かいました。約12時間の飛行です。  アムステルダムでは、約5時間30分の待ち合わせで20時55分発のKLMでブエノスアイレスに向かいました。
 約14時間の飛行でブエノスアイレスに着きました。(飛行中に7本も映画を見てしまいました。)現地時間の早朝に着いたので、ホテルに着いてから昼食と散歩に出ました。ブエノスアイレスは次のページです。
3日目(1.17) ブエノスアイレスからウシュアイアへ
        
 専用バスで国内線用のホルヘ・ニューベリー空港に向かいました。空港沿いのラプラタ川は河口付近の川幅が約270㎞もあるそうで、対岸はまったく見えませんでした。30分ほどで空港に着きましたが、建物の中はすごい混雑でどこに並べばよいのかも分かりません。パイロットのストの関係で、飛行機が全然飛んでいなかったようです。
 何度か変更はありましたが、9時30分発の予定だったアルゼンチン航空の飛行機が13時にようやく出発しました。飛行機は市街地の近くからラプラタ川の上を上昇しました。対岸は霞んで見えないくらい川幅の広い川です。ビックリです。
 ちなみに、10時発の便は中止になったそうで、クルーズのお客も大勢が乗り遅れることになりました。
 約3時間30分の飛行です。ウシュアイアに近づくと景色は一変し、パタゴニアの端になります。
 3時間30分遅れてウシュアイアに着きました。もちろん、オプショナルツアーのティエラデルフエゴ国立公園の観光はキャンセルになりました。ウシュアイアはものすごい風が吹いていました。とにかく専用バスで船に向かいました。
LE BOLEAL 331号室
 ベランダ付の部屋です。22.5㎡、バスタブはなし、シャワーのみです。収納はそこそこあって広く使えるので満足です。ネスプレッソのコーヒーマシンが部屋についているので、いつでもコーヒーが飲めるのがうれしかったです。
 シャワールームが広くて使いやすかった。また、アメニティはフランスのロクシタン製です。
 荷物の整理をして、18時45分から乗船説明会、引き続き19時から避難訓練が行われました。全員参加で救命具を装着して集合です。最後に救命ボートを見ながら解散しました。この後、夕食に行きました。
 18時出港予定でしたが、フライトが遅れたため出港できず、遅れた人は24時に乗船したそうです。
4日目(1.18) 出港~終日航海
        

 夜中の3時40分、ウシュアイアの町の灯が見えました。出港したのですがあまり動いていません。
 7時30分、食事の時もウシュアイアの港が見えます。
 実は、アメリカ人のグループがフライトに乗れず、朝の便で着いたらしいのです。8時に再び港に接岸して乗客を乗せていました。
 9時30分からは、シアターでエクスペディションスタッフが紹介されました。スタッフの多くが動物や植物などの研究者で、彼らが南極上陸のサポートをしてくれる様です。
 いよいよウシュアイアの港を後にして出港です。
 チリとアルゼンチンの国境のビーグル水道を進みます。14時30分ごろにビーグル水道を抜けました。
 船内を順番に見て歩きました。屋上後方には左右にぎっしりとゾディアックが積まれていました。クレーンで上げ下ろしをします。屋上前方はデッキになっていて展望がききます。脇の階段から6階のテラスに降りられます。
 6階前方はパノラミックラウンジです。バーもあります。また、こじんまりとしたライブラリーとインターネット用の端末があります。今回はWi-Fiが無料で使えたので便利でした。6階後方にはグリルレストランがあります。屋外にはプールがあります。今回プールを使っている人は見かけませんでした。
 階段のオブジェはたくさんの貝殻で作られています。5階後方に降りると、スパ、フィットネス、美容室、マッサージなどがある場所です。入口には受付の女性がいるので入りにくく、一回も中には入りませんでした。その手前にはレジャーエリアといって、写真の検索ができるコーナーや子供用の遊び場などがあります。5階前方にはブリッジがありますが、その入り口には寄港地のプレートがたくさん飾られていました。
 5階前方のブリッジです。色々な機器があります。この船ではブリッジへの出入りが自由です。静かにして、機器には触らないこと。外に出ることも出来ます。窓際には双眼鏡がたくさん置かれていて自由に使うことができます。
 4階の廊下です。最後部にはシアターがあります。3階に下りて最後部はメインラウンジです。真中がダンスフロアになっていて、アフタヌーンティーなどもここで提供されます。上陸するときは、後ろのテラスに出てから2階のマリーナに下りてゾディアックに乗ります。
 3階にはほかにショップ、レセプション、エクスカーションデスクなどがあります。2階に下りると、ガストロノミックレストランです。毎日フレンチのコースメニューが用意されています。レストランの外がマリーナになっています。3階のテラスから階段を下りて、ここから乗り降りします。
 この日は、14時からブーツの貸し出しと衣類や手袋などのクリーンアップがメインラウンジで行われました。「南極には何も持ち込まない」ためのクリーンアップです。
 19時からキャップテンズ・ガラ・イブニングと称してシアターでカクテルパーティーがあり、引き続きメインダイニングでガラディナーでフルコースのフレンチを楽しみました。
5日目(1.19) 終日航海
        

 終日航海です。ドレーク海峡はどんよりと曇り、波はうねっています。クルーに聞くと特に荒れているわけではなく、普通とのことです。
 夕食も済んだ22時近くに船内放送がありました。初めての流氷です。一つは大きなテーブル型氷山です。感動です!
 夕陽に輝く流氷。群舞するマダラフルマカモメ。いつの間にか昇った満月。感動です‼
6日目(1.20) Harf Moon Island
        Livingston Island Elephant Point

 7時過ぎに船が泊まり、ベランダに出てみると初めての陸地が見えました。ハーフムーン島です。ハーフムーン島は、長さ2Kmの三日月形をした島でグリーンウィッチ島とリビングストン諸島の間のムーン湾にあり、ヤンキー・ハーバーから数キロ離れたところに位置しています。
 望遠で見ると、スタッフが上陸の準備をしているのが見えました。後の高い山はリビングストン島です。
【環境省によるハーフムーン島の概要】
地形:ハーフムーン島は、島の中央から南東端部にかけて隆起した小石海岸が続き、小高い丘と、連なった火成岩の岩場を特徴とする。丘の北側はガレ場の急斜面から成り、南側と東側は崖になっている。
繁殖が確認されている種:ヒゲペンギン、アシナガウミツバメ、ズ グ ロ ム ナ ジ ロ ヒ メ ウ、ミナミオオセグロカモメ、サヤハシチドリ、ナンキョクオオトウゾクカモメ、ナンキョクアジサシ
定期的上陸:ウェッデルアザラシ、ナ ン キ ョ ク オ ット セ イ
植物相(植生):Usnea Antarcticaや固着性地衣類がペンギンのコロニー近くの岩場で見られる。隆起海岸や岩場では、
ナンキョクヘアグラスやナンキョクミドリナデシコが所々に見られ、コケ類の生育もわずかに見られる。
その他:主要上陸海岸に小型捕鯨船がある。西の方向にはアルゼンチンの夏季だけの基地、カマラ基地がある。カマラ基地とその関連構造物は本ガイドラインの対象から除く。夏には、カマラ基地の科学者がこの島の随所で研究を行っている。
 初めての上陸です。我々は最後の組で9時20分に3階のメインラウンジに集合です。メインラウンジで長靴を履き、救命具を付けて、外のテラスに出て出発を待ちます。乗船カードのチェックをして、階段で2階のマリーナに下り、長靴を消毒してからゾディアックに乗り込みます。スタッフの手を借りて周りの固いゴムの部分にバランスよく座ります。ロープをしっかり握って出発です。わくわくします。
 
 ようやく上陸しました。90分の滞在です。
 いきなりこの風景です。1800年代にアザラシ猟をする人々が訪れたそうで、その名残でしょう。
 初めて間近に見たペンギンです。アゴヒゲペンギンです。アデリーペンギン属で体長75cm前後。日本では、名古屋港水族館と和歌山県のアドベンチャーワールドの2施設だけでしか見られないそうです。
 一番奥の営巣地です。狭くて12人ずつしか上れません。海に浮かぶル・ボレアルが素敵です。  中央に1羽だけマカロニペンギンが混ざっています。マカロニペンギン属で体長70cm前後。日本では、八景島シーパラダイスなど9つの水族館と上野動物園など3つの動物園で見られるそうです。
 まだ赤ちゃんです。  別の営巣地です。ものすごい数のペンギンです。
 ぺんぎんの足跡  アルゼンチンのカマラ基地  ミナミオオセグロカモメ  石を運ぶアゴヒゲペンギン
 昼食時間に移動しました。15時ごろに陸地が見えてきました。次はリビングストン島のエレファントポイントに上陸です。16時50分に集合してゾディアックに乗りました。思ったより距離があり、途中波をかぶってびしょびしょになりました。ここも90分の滞在です。  エレファント岬はリビングストン島から約1km伸びる半島の先端にあり、北はロッジドーム氷河に覆われており、ほか三方は海に面した場所です。
 初めての青空が見えました。
【環境省によるエレファントポイントの概要】
なし。
他のサイトの紹介は、「エレファント岬はリビングストン島から約1km伸びる半島の先端にあり、北はロッジドーム氷河に覆われており、ほか三方は海に面した場所です。ここではあまり探検者たちが訪れない場所ゆえに、オオフルマカモメ、オオトウゾクカモメ、ゼンツーペンギン、ヒゲペンギン、ミナミゾウアザラシ、ナンキョクオットセイ、ウェッデルアザラシ、ヒョウアザラシなどの多様な南極野生生物の遭遇に期待できます。」
 ミナミゾウアザラシです。ミナミゾウアザラシは、アシカ亜目の中では身体が最も大きく、雄の体長は6.5m、体重は4tに達することがあるそうです。日本では、二見シーパラダイスだけでメスのみ飼育されているそうです。
 三種類目のゼンツーペンギンです。ゼンツーペンギンは、アデリーペンギン属で体長50~90cmの中型。日本では、八景島シーパラダイスなど14の水族館・動物園で見られるそうです。
 沖のル・ボレアル  オオフルマカモメ?  何の卵の殻?  食事中に現れた巨大流氷
7日目(1.21) Lemaire Channel
        Pleneau Island
        Petermann Island

 7時ごろからルメール海峡を通過しました。ルメール海峡は、南極半島で最も雄大だといわれる全長11㎞、一番狭いところは幅800m以下で、両岸の切り立った岸壁が迫り、風光明媚な海峡として有名です。残念ながらガスが立ち込めていて見通しがきかず、行きも帰りも美しい風景を見ることはできませんでした。
 船は8時過ぎにプレノー湾に着きました。9時10分集合で、雪の舞う中、ゾディアッククルーズとプレノー島上陸に出発しました。氷山の多い地域で、氷山の間を廻りながら動物を探してゆきます。
 ヒョウアザラシです。ヒョウアザラシは、アザラシ科ヒョウアザラシ属で、体長は3~3.5m、体重は最大380㎏もあり、体の模様が豹のようで「海の豹」とも呼ばれています。獰猛な捕食動物で、小型のアザラシなども食べるそうです。日本では飼育されていません。  カニクイアザラシです。カニクイアザラシは、アザラシ科カニクイアザラシ属で、体長は2mほど、体重は最大200~300㎏ほどで、天敵はシャチやヒョウアザラシです。カニクイの名とは違ってカニは食べず、オキアミを主食としています。日本では飼育されていません。
 1時間近いゾディアッククルーズのあと、プレノー島に上陸しました。狭い岩場のすき間に泊めて上陸します。ペンギン道と交錯します。90分の滞在です。  ゼンツーペンギンの営巣地からル・ボレアルが間近に見えました。
【環境省によるブレノー島の概要】
地形:この島の長さは約 1.2km である。東岸の礫浜から、平坦な岩盤の台地が緩やかな上り坂となって、島の
西側3分の2を占める、潜在的に割れ目を有する大きな万年雪へと続いている。
繁殖が確認されている種:ゼンツーペンギン、ミナミオオセグロカモメ、ナンキョクオオトウゾクカモメ、ナンキョクアジサシ、グアナイムナジロヒメウ
上陸:ミナミゾウアザラシ、ウェッデルアザラシ、ヒョウアザラシが沿岸部で観察できる。
植物相(植生):コケ類の繁茂地、ダイダイゴケ種およびその他の地衣類、緑藻類のナンキョクカワノリ、氷雪草。
 ペンギンの行列です。特にリーダーがいるわけでもないのですが、ペンギン道を並んで歩いています。途中で転んだり、お腹で滑ったりと、見ていると飽きません。
 親子のペンギンです。餌をねだっています。
 ハンサムなペンギンです。  ズグロムネジロヒメウです。南極域を代表するウで、腹部のみ白く、全体は黒く、まるでペンギンのようです。
 オオトウゾクカモメです。良く見られる鳥ですが、ペンギンには嫌われているようで、ペンギンが威嚇して追い払っていました。
 午後は15時30分に集合、ピーターマン島のポート・サーカムシジョンに90分の上陸です。ピーターマン島は全長1.6 Kmの細長い島で、ドイツ探検隊によって発見されたそうです。今回の上陸地点では、最も南になります。
 手前の流氷にはカニクイアザラシが乗っています。
 上陸前にゾディアックで流氷に近づいてカニクイアザラシを近くで見ました。とてもかわいい顔をしています。
【環境省によるピーターマン島の概要】
地形:この長さ 1km の島は、海抜約 150 mに隆起している。万年雪が島の北西端の一部を覆い、潜在的な割れ
目 のある永久凍土の斜面が島の南端の大部分を覆う。多くの小さな小石海岸があるため海岸線は入り組ん
で おり、岸に沿って岩礁がほぼ切れ目なく続く。
繁殖が確認されている種:アデリーペンギン、ゼンツーペンギン、ズグロムナジロヒメウ、アシナガウミツバメ、サヤハシチドリ、ナンキョクオオトウゾクカモメ
植物相(植生):ナンキョクヘアグラス、コケ類の繁茂地、オオロウソクゴケ、ダイダイゴケ種およびその他の固着性地衣類、緑藻類のナンキョクカワノリなどが存在している。氷雪草は広範囲に見られる。
その他:Charcotによる、第二フランス南極探検隊が、Porquois-Pais号上でこの地で越冬し、その痕跡がたくさん残っている。石塚(第27南極史跡記念物)、鎖、潮汐点と石に刻まれた「PP」の文字など。本サイトにはアルゼンチンの避難小屋がある。1982年英国南極調査隊の3名の死が記念の十字架に記されている。
 左は初めて見た4種類目のアデリーペンギンです。アデリーペンギンは、アデリーペンギン属で体長70cm。日本では、八景島シーパラダイスなど3水族館で見られるそうです。
 ゼンツーペンギンの営巣地でズグロムネジロヒメウがペンギンに混ざって子育てをしていました。左の黒い鳥は鵜です。  ペンギンがカモメを追いかけていました。かなり攻撃的です。ミナミオオトウドクカモメも抱卵しています。
 大きな岩で1羽のゼンツーペンギンが雛を抱いていました。足元に毛玉のように丸まっています。
 ここは、ゼンツーペンギンの営巣地の南限だそうです。
 高台からのル・ボレアルです。手前の赤い建物はアルゼンチンの避難小屋ですが、立ち入り禁止です。避難小屋の周りにもペンギンがたくさんいます。
 船は北に向かいます。ザトウクジラがル・ボレアルと並走しています。途中で初めてほかの船に遭遇しました。シルバーシー・クルーズのシルバー・クラウド(総トン数16,800t全長156.7m全幅21.5m巡航速力18ノット9層乗客定員296名乗組員数222名就航1994年)でした。23時を過ぎてようやく夕焼けです。とてもきれいでした。
8日目(1.22) Jougla Point Wiencke Island
        Port Lockroy Goudier Island
        Neko Harbor Antarctic Peninsula

 7時ごろ、ポート・ロックロイに近づいて停泊しました。
 前方の小島がポート・ロックロイのあるグディア島です。大きな島はウィンケ島です。ポート・ロックロイは、南極で唯一お土産の買える場所です。またとても狭いので、20人ごとに20分づつしか滞在できないので、時間がかかります。上陸は8時から始まりますが、我々は最後で11時55分の集合です。
 ポート・ロックロイに行く前に、ウィンケ島のジュグラー岬に上陸して時間調整をします。ジュグラー岬の水際は、ほとんど岩盤です。
 岩の上には、ズグロムネジロヒメウがたくさん営巣していました。
【環境省によるジャグラーポイントの概要】
地形:Jougla Pointは、小さな入り江が入り組んだ、岩の多い半島である。冬の始めには、海氷に取り囲まれ
ることが多い。雪庇、氷河、そして大規模で険しい、深い割れ目のある雪原が湾を覆う。
繁殖が確認されている種:ゼンツーペンギン、ズグロムナジロヒメウ、ミナミオオセグロカモメ、ナンキョクアジサシ、ナンキョクオオトウゾクカモメ
定期的上陸:ウェッデルアザラシ
植物相(植生):オオロウソクゴケ、ダイダイゴケ科、スミイボゴケやその他の地衣類、緑藻類のナンキョクカワノリなどが確認されているが、広範に広がってはいない。
その他:クジラの骨など、捕鯨漁が行われていた時代とその後の探検隊の痕跡が見られる。
 岬に上がると、正面にグディア島が見えます。蒲鉾型の建物はポート・ロックロイの売店の店員の宿舎だそうです。青空の下で、南極は白く輝いていました。
 岩の上には、ゼンツーペンギンが営巣しています。時々、雄たけびを上げています。蹲ってボールのようになっている雛もいます。糞まみれの小さな雛もかわいいです。見飽きません。
 やっと順番が来て、ポート・ロックロイに上陸しました。イギリス国旗が掲げられています。
【環境省によるグディア島のポートロックロイの概要】
地形:Goudier島は、低く岩がちな小島である。シーズンの始めには、堅固な氷が島の周囲のほとんどを取り囲む。夏季中は、積雪は溶けて後退する。
繁殖が確認されている種:ゼンツーペンギン、サヤハシチドリ。ミナミオオセグロカモメとオオトウゾクカモメが近隣のBills島で営巣している。カニクイアザラシもPort Lochery の一部で繁殖している。
定期的上陸:ウェッデルアザラシ
植物相(植生):スミイボゴケおよびイボゴケ種が存在する。イボゴケ種のVerrucaria Serpuloides(世界で唯一の海洋地衣類)がこの地区に限定して見られる。この種が観察できるのは干潮時に約10m深まで露出するためである。ナンンキョクカワノリ緑藻はよく見られる。
その他:「基地A」は、環境保護に関する南極条約議定書によって第61南極史跡記念物に指定されている。英国によって生きた博物館として操業されている。Goudier島には、Bransfield House(基地の中心的建物)に加えて、ボート用倉庫、建物の基礎、それに複数の関連工作物もある。
 ここは1962年まで英国の観測所でしたが、現在は、博物館兼郵便局、ギフトショップとして夏の間だけ開設されます。皆さんはまずお土産を買いに走りました。ゆっくり博物館部分を見学してから売店に行くと、もう空いていました。お土産のバッチを大量に買い込みました。1個5ドルです。ペンギンのぬいぐるみやTシャツをたくさん買っている人もいました。
 岩の上にペンギンが1羽いる風景です。
 ポート・ロックロイからのル・ボレアルです。
 サヤハシチドリです。ちょうど白鳩のようです。
 船は、ネコハーバー向かいます。途中で探検船のヘブリディーン・スカイ(総トン数4,280t全長91m全幅15m5層乗客定員111名建造1991年)に出会いました。海はベタ凪で鏡のようです。
 息を飲むような景色が続きます。ペンギンは、船に驚いて次々に海に飛び込みます。
 16時ごろにネコハーバーの上陸地点に着きました。ネコ・ハーバーは、この湾で操業していた捕鯨母船「ネコ号」に因んで名付けられたそうです。正面の丘の中腹まで上ります。
 船の屋上では、ゾディアックをクレーンで下ろす作業が行われています。
【環境省によるネコハーバーの概要】
地形:ネコ湾海岸の小さな浜と露出した岩場は、そびえたつ山頂を背景とし、深いクレバスのある氷河に囲まれている。湾を囲む氷河は常に分離している。
繁殖が確認されている種:ゼンツーペンギン、ミナミオオセグロカモメ、オオトウゾクカモメ
定期的上陸:ウェッデルアザラシ
植物相(植生):コケ類の繁茂。緑藻類のナンキョクカワノリ、氷藻類。
その他:アルゼンチンの避難小屋の跡が見られる。2010年の天候による損害のため除去され、片付けられた。
 一番遅い18時20分集合です。ゾディアックで上陸地点に向かいます。  長靴で雪の斜面を登ります。
 20分ほどで最高地点の丘に上に着きました。後は、海に届く氷河です。時々崩れる音がしていました。  ネコハーバーの眺めです。海面の白い筋は崩壊した氷河から溶け出した汚れです。
 ここはゼンツーペンギンの営巣地です。哲学的なペンギンです。
 船は、次の予定を変更して南極海峡からウェッデル海を目指すことになりました。
 本日はホワイトパーティーです。何か白か白黒のものを身に着けてディナーを楽しみます。オフィサーがレストランの入り口で客を迎えます。フォアグラやトリュフなどを使ったコース料理でした。
 食事中に夕焼けは始まりましたが、南極の夕陽はなかなか落ちません。いつまでも赤く燃えています。
9日目(1.23) Antarctic Sound
        Brown Bluff Tabarin Peninsula

 4時過ぎに日の出を見ました。船は、右に南極半島を見ながらどんどんと北上を続けます。
 アゴヒゲペンギンが泳いでいました。飛んでいる鳥は、ギンフルマカモメです。ミズナギドリ科でオキアミやイワシなどを食べているそうです。
....
 南極海峡に入ると大きな流氷が流れてきます。
....
 流氷の上にアデレーペンギンがたくさんいました。飛び込む姿が分解写真のようです。飛び込み姿勢もきれいです。
 アルゼンチンのエスペランサ基地です。南極半島のトリニティ半島ホープ湾に面した基地で、アルゼンチン領南極を主張する重要な拠点で、学校もあり、ここで生まれた人もいるそうです。  13時30分ごろに上陸地点のブラウン・ブラフに着きました。ブラウン・ブラフは、南極半島のタバリン半島東岸に位置し、745mの断崖が氷河火山の顔を見せています。
【環境省によるブラウンブラフの概要】
地形:延長1.5kmに及ぶ礫と火山灰の浜が、次第に傾斜を増しつつ、火山弾の連なる高い赤茶色の凝灰岩の断崖へと続く。崖が激しい浸食を受けた結果、斜面の上部には小石が堆積し、落石がある。海岸には風の浸食を受けた大きな礫岩が見られる。高潮時には海岸地区は立ち入り禁止となることがある。東と西に向かい一帯が万年氷と海岸氷河に覆われ、時に海岸が砕氷で覆われることもある。
繁殖が確認されている種:ゼンツーペンギン、アデリーペンギン、マ ダ ラ フ ル マ カ モ メ、ユキドリ(シロフルマカモメ、ナ ン キ ョ ク オ オト ウ ゾ ク カ モ メ、ミナミオオセグロカモメ
繁殖の可能性のある種:オオフルマカモメ、ギンフルマカモメ、ア シ ナ ガ ウ ミ ツ バ メ。
定期的上陸:ウェッデルアザラシ。ヒョウアザラシが 沖合でよく獲物を捕っている。
植物相(植生):地衣類オ オ ロ ウ ソ ク ゴ ケ 種及びダイダイゴケ種が、海岸線から海抜185mまでの露出した礫岩上に生息している。さらに高い場所の氷河の分水嶺付近には、何種類かのコケが生息している。
その他:海岸線からすぐの海中に危険な岩と岩礁がある。
 今回は1番目の上陸でした。が、「世界ふしぎ発見」のクルーが先に上陸していました。滞在時間は、90分です。氷河を歩くのは、全員揃ってから行動するということで、後のゾディアックが着くまでしばらく待つことになりました。
 全員が揃ってから海岸沿いに歩いて氷河を目指します。棚氷河の末端が見えてきました。登るところは凍っていてざらざらしています。
 
 所々に穴が開いています。歩きにくい斜面を15分ほど登って、見晴らしの良い所までで終点でした。
 ゼンツーペンギンの営巣地です。  ミナミオオセグロカモメです。ここで営巣しています。
 アデレーペンギンの営巣地です。立ち入り禁止ですが、奥の方までずっとペンギンがいます。雛は殆んどが産毛に覆われていますが、中には一部が抜けているのもいます。
 一列になって、海に餌を採りに向かいます。時々後ろ向きのや、すねて?寝転んでいるのもいます。
 海岸に下りて左右を見ると流氷が打ち上げられているのが分かります。この辺りまで水位が上がるので高潮線と言うらしいのですが、ペンギン道でもあるし、危険なのでその上を歩くように指示されました。
 船に帰る前に、ゾディアックで海氷に上陸しました。サプライズでシャンペンが用意されていました。海氷の上は、もちろんペンギンさんも一緒にいます。楽しい思い出になりました。
 この後、船は更に南下して、皇帝ペンギンを探します。
 海氷の上は、アデレーペンギンで一杯です。  ザトウクジラです。
 ザトウクジラはナガスクジラ科ですが、他のものよりずんぐりした体形で、平均体長は15mで最大119m、体重は330~40トンぐらいだそうです。家族でしょうか。複数のクジラが船と並走していました。
10日目(1.24) Snow Hill Island
        Weddell Sea

 7時50分集合で、スノー・ヒル島に上陸です。スノー・ヒル島は、ほぼ全体が雪で覆われていて、また、氷のため訪れる船は少ないようです。この島で営巣する動物もいないのですが、この周辺の定着氷の上で11月に皇帝ペンギンが営巣しているのが発見されているそうです。1月には子育ては終わっているので海氷の上などで見つかることがあるそうです。島には、1902年にノルデンショルド探検隊により建てられた小屋が残っていて、南極史跡記念物になっています。
 上陸して、小屋の後の丘に登りましたが、台地はカチカチに凍っていて、静かで、とても寂しいところでした。滞在時間40分と言われましたが、早々に引き揚げました。
【環境省によるスノウヒルの概要】
地形:小屋はスノーヒル島の北東岸にある。この地の起伏には際だった3つの特徴がある。ひとつは、海岸線から等高線5~10mまで緩やかに高くなっていく地形で、堆積層の段丘がある。そのひとつにノルデンショルドの小屋が建っている。次に、そこから等高線170mまでの急な斜面(15~40度)。この斜面は深い渓谷によってはっきりと分断されている。また海からの化石がたくさんあり、北東から南西方向へと玄武岩岩脈が走っている。この玄武岩岩脈はきわめて侵食されにくく、地質学的に重要な特徴を持っている。最後に、最も重要な特徴は、ハスラム・クラッグと呼ばれる小さな火山岩頸である。等高線170mの地点から、ウェッデル海に向かってなだらかに下降している。
繁殖が確認されている種:小屋から北東へ500mのところ、斜面に向かって北西の位置にミナミオオセグロカモメとナンキョクアジサシの巣が3~5個。
植物相(植生):ほとんど見られない。
その他:スノーヒル島にある木造小屋は1902年2月、オットー・ノルデンショルド率いるスウェーデンの南極探検隊によって建てられた。南極条約のもとで第38南極史跡記念物に指定されている。小屋には探検当時のものが残っており、今も実際に活用されている。また博物館として、アルゼンチンとスウェーデンが管理している。
 船はウェッデル海を西に向かい、船内放送の呼びかけで皆で双眼鏡にかじりついて皇帝ペンギンを探しました。が、見つかりません。そうこうしていると、シャチがいると船内放送で知らされ、あわててベランダに出ました。海鳥がたくさん群れていて、海面に背びれが見えました。シャチです。シャチも家族でしょうか。数頭が船と並走していました。
 シャチは、マイルカ科最大のもので、オスの体長5.8~6.7m、メスの体長は4.9~5.8m、オスの体重は3.6~5.4トン、メスの体重は1.3~3.6トンぐらいだそうです。
 16時30分からは、旅行会社主催のカクテルパーティーがありました。
11日目(1.25) 終日航海
        

 本日は普通位に波の高いドレーク海峡を終日航海です。午前と夕方に講演などがありましたが、概ねただ食べるだけの一日でした。
 エクスプローラーも終わりました。お世話になったパルカ、自動膨張式のライフジャケットと長靴です。
 19時から、フェアウェルパーティーです。4階のシアターで、お世話になったコックやエンターテインメント部門、サービス部門の人々、航海士などの運行部門の人々、最後に南極クルーズの主役のエクスペディションチームを紹介して労をねぎらいました。
 引き続き、3階のレストランでフォーマルディナーでした。
12日目(1.26) 終日航海
        Cape Horn

         ウシュアイア
 本日も普通位に波の高いドレーク海峡を終日航海です。午前中に下船説明会がありました。
 船長の計らいで、ホーン岬を見ていくことになりました。14時頃、ずっと先の方にホーン岬が見えてきました。南アメリカ最南端、ティエラ・デル・フエゴ諸島最南に位置するオルノス島最南端の岬です。
 ホーン岬のとても小さな灯台です。建物では、観光客のために土産物などを売っているそうです。
 ホーン岬を真横から見る位置に来ました。ホーン岬の向こう側は太平洋、こちら側は大西洋です。感激です。
 この辺りはアホウドリがたくさんいるそうです。これは、マユグロアホウドリです。南極周辺で繁殖する鳥です。
 夕方にウシュアイアに着岸し、下船も可能ということであったが、思ったよりも時間がかかって、18時30分からのシアターでのショーが終わってもまだ着きません。
 22時過ぎにベランダで、ウシュアイアの町の灯が見えてきました。寒いので部屋のテレビで見ていましたが、23時30分ごろにようやく着岸しました。この時間ではお店もやっていないので、下船はあきらめて寝ました。
13日目(1.27) 下船
         ウシュアイアからブエノスアイレスへ
 5時30分起床、朝食を済ませ、7時には空港へ出発です。スタッフに見送られて、下船しました。港には、他にも探検船が停泊していました。  探検船のオーシャンエンデバー(総トン数12,900t全長137m全幅21m巡航速力15ノット6層乗客定員199名乗組員数124名就航1982年)です。  探検船のナショナル・ジオグラフィック・エクスプローラー(総トン数6,471t全長112m全幅17m6層乗客定員148名就航1982年)です。
 我がル・ボレアルです。10日間お世話になりました。ウシュアイアの青空には、虹がかかっていました。
 7時にバスは出発。ウシュアイアの町を通って空港へ向かいます。
 15分ほどで空港に着きました。今度の飛行機はチャーター便です。定刻の8時50分に出発しました。
 12時過ぎにブエノスアイレスに着き、送迎車でホテルに移動、食事をして、ゆっくりと休みました。
14日目(1.28) ブエノスアイレス市内散策
         ブエノスアイレスからアムステルダムへ
 午前中は、市内散策(次のページ)です。12時40分にホテルから専用車で空港に向かいました。16時40分発です。約13時間の飛行です。(飛行中に3本の映画を見ました。)
15日目(1.29) アムステルダムから

 アムステルダムでは、約4時間30分の待ち合わせで14時35分発のKLMで成田に向かいました。約11時間の飛行です。(飛行中に3本の映画を見ました。)
16日目(1.30) 成田へ

 9時30分、少し早目に成田に到着しました。南極のお土産は、少ないです。
 
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